インフィニット・ストラトス~ADVERSE FORTUNE THE DESTINY~   作:ZXZIGA

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戦闘終了。

変身する度に巧人の口調はガラリと変わります。
基本は僕っ子です。

シャドウファントム時の身長

一夏より頭二つ分大きい。


その手に何を掴むのか

巧人は「ナタル」を抱きかかえ、旅館へと飛行していた。

 

巧人(ぐうぅ!)

 

体のダメージが今になって響いてきたようだ。

薄れかける意識を痛みで無理やり引き戻す。

 

巧人(このまま意識を失えば、ナタルも俺も助かる保障はない・・・・。)

 

巧人(もう・・・・「ミーティア」も動けるだけのエネルギーは無い。)

 

巧人(スピードを上げれば、早く着くが最悪ナタルが死んじまう・・・。)

 

「シャドウファントム」のスピードは亜音速を超える。

だが生身の人間が亜音速に堪え切れるはずが無い。

絶望的だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――!

 

巧人「!?」

 

誰かの声がする。

気が付くと、巧人はいつの間にか旅館近くの浜辺上空にいた。

その時の声は、一夏達が発した声だったのだ。

 

一夏「巧人-------!」

 

巧人は一夏達の方にゆっくりと降りてくる。

驚いた巧人は

 

巧人「なんで・・・・ここにいる?」

 

千冬「鷺波。その前に彼女を救護班の担架に乗せろ。」

 

巧人「すまない・・・・織斑教諭。」

 

千冬のところへと歩いていく巧人。

そのまま救護班の女性にナタルを渡す。

 

巧人「彼女は・・・・・助かるか?」

 

救護班の人「大丈夫です!外傷もありませんし、気を失っているだけのようです。」

 

救護班の人「あなたが救ったんですよ!」

 

その言葉に、巧人は安堵する。

巧人は千冬の方へ歩いてきた。

 

巧人「申し訳ない。織斑教諭。」

 

千冬「何故謝る?」

 

千冬「お前が生きていなかったら、福音によってここら一帯はもう瓦礫の山か火の海だったろう。」

 

千冬「それに、お前にはまた借りができてしまった。」

 

巧人「借りを作った覚えがないが?」

 

千冬「二回も私の唯一の家族を守ってくれただろう?」

 

巧人「・・・・・・・・・そうだったな。」

 

巧人は自分の行動にやっと気づいたようだ。

 

巧人「・・・・悪い、織斑教諭。」

 

千冬「ん?」

 

巧人「もう・・・・・限界だ。」

 

千冬「どうした!?」

 

巧人「さっきのダメージが今頃になって効いてきた。」

 

そう言いながら、巧人は膝から崩れ落ちISは強制解除してしまう。

 

箒「巧人!」

 

そばにいた千冬が巧人をキャッチする。

 

全員「!!」

 

巧人の体を見て、そこにいた全員が驚く。

巧人は全身に切り傷と打撲。

右腕はやけど。

左腕は凍傷。

という酷いありさまだった。

 

千冬「救護班!重傷者だ!担架を持ってきてくれ!」

 

真耶「鷺波君!?しっかりしてください!鷺波君!鷺波君!」

 

巧人(あぁ・・・・真耶ちゃんが・・・・・呼んでる・・・・。)

 

そう心の中で呟きながら、巧人の意識は闇の中へと沈んでいった。

 

 

 

二日たった旅館。

 

真耶「・・・・・・。」

 

いまだ目覚めない巧人。

真耶は付きっきりで巧人のそばにいる。

 

「山田先生。」

 

名前を呼んだのは千冬。

 

千冬「もう休んでください。二日も寝ていないのでしょう?」

 

真耶「これくらい大丈夫です!」

 

そうはいっているが、彼女の眼には隈ができている。

強がりなことは千冬は重々承知している。

だが

 

千冬「このままでは、体を壊すだけです!」

 

ピシャリと言い放つ。

 

千冬「鷺波が目を覚まして、今の顔をみたらまた気を失うかもしれませんが・・・。」

 

真耶「・・・・・わかりました。私も教師の一人ですものね。」

 

諦めてくれたのか、そのままふすまを開けて出て行った。

 

千冬「・・・・・私の唯一の肉親を助けてくれて、ありがとう。」

 

聞こえるはずのないお礼を言って、立ち去ろうとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

巧人「・・・・・・・・・・どういたしまして。」

 

千冬「!?」

 

突然のことに驚いた千冬。

 

千冬「お前・・・・・気が付いたのか?」

 

千冬「・・・・というか、今のは聞いていたか?」

 

巧人「「どういたしまして」・・・・なんて言えませんよ。」

 

巧人「といっても、先生のお礼を仰っていた時に目が覚めました。」

 

千冬「・・・・まぁいい。後で山田先生の方にも行っておけよ?」

 

巧人「はい。」

 

 

あの後、ナタルから「助けてくれてありがとう。小さき勇者さん。」と言われたのだった。




次からは夏休み編でぇああああああああああああああああああああ!


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