CCさくら×テイルズ ~カードを求めて異世界へ~ 作:あんだるしあ(活動終了)
ずかずかと適当に歩いていたミクリオは、遺跡の階段に腰かけて日よけに傘を差したエドナと遭遇した。
「なに」
「た、たまたま歩いて来た方向がこっちだっただけだ」
「じゃあ座れば? ここ、ちょうど日差しになってて暑いわよ」
「僕は水の天族だぞ!?」
――と言い合いつつも、結局はエドナに口で一度も勝った験しのないミクリオは、日差しがじりじりと差すエドナの隣に座ることとなった。
「アリーシャとちゃんとお話しできた?」
「コドモじゃないんだ。そのくらい――」
「できた?」
「……ダメだった」
「素直でよろしい」
エドナは傘を畳むと、日蔭になった位置に移動して座り直した。
「あんなアリーシャと話せてもちっとも嬉しくないよ! エドナだってそう思うからすぐ場を離れたんだろう!?」
「そうね。不愉快だったわ。でもアリーシャをああなるまで追い詰めた責任の一端はワタシたちにもある。視えない、聴こえない、感じない、ワタシタチの存在そのものが。でもそれはもう取り返しがつかない。今考えるべきは別にあるでしょう?」
地水火風の試練神殿に行き、導師の秘力は全て手に入れた。メーヴィンから真実を聞き、瞳石を全て集めてヘルダルフの過去――と、自身の出生もわかった。
「アリーシャを置いてイズチを発つか、アリーシャも連れていくか」
「そう。そして、それを決められるのはスレイだけ」
「……コタローは? 彼もアリーシャと親しい関係だろう」
――コタローは、一見すれば睦み合いであるアリーシャとスレイのやりとりを、邪魔も助けもせず見守っている。イズチに来た初日から今日までずっと。ミクリオにはそれが摩訶不思議だった。
思い返せば、アリーシャはスレイよりコタローのほうと長い付き合いがある。アリーシャはともかく、このコタローはアリーシャに対して想うところがないのだろうか。
そうであれば、こんな場所まで付いて来たのにも納得がいく。そして、ミクリオの予想通りなら、コタローにもアリーシャの処遇を決める権利はある。
「だから、アナタは、ボーヤ、なのよ」
「痛っ、ちょ、先端で突くな!」
「あの子のは混じりっ気なき友情よ。あの子の目に恋の火は、ない」
「人の頭を勝手に読むな! ……って、友情?」
「そう。アナタとスレイと同じ。むしろデゼルとロゼの関係のほうが、あの子たちには近いかしら」
自由奔放なロゼと、頭を抱えながらも結局ロゼに付いて行っていたデゼル。
確かに、似てないことは、ないかもしれない。
「三角関係なんかにはならないわ、あれは。安心なさい」
「……悪かったな。よけいな心配して」
やはりこの地の天族の少女の考えはわからない。
ミクリオは階段に仰向けに倒れ、大きく息を吐いた。
ここに至るまでにかなり流れを端折りました。ご了承ください。
TOZにはCPが組まれていませんので、これかな~? と思うミクエドをチョイスしてみました。