CCさくら×テイルズ ~カードを求めて異世界へ~ 作:あんだるしあ(活動終了)
次に目を開けた時、ホーニャンはベッドの上に横たわっていた。
「気がつかれましたか?」
ぼやけた視界が像を結んでいく。ケルベロスとアニーがホーニャンを見下ろしていた。
「ここは……」
「艦の医務室ですよ。クレスさんがあなたを担いで帰ってきてから、あなた、丸二日も眠ったままだったんですよ」
「あのにーちゃんら元に戻してからぶっ倒れたん、覚えてへんか?」
「ジョアンさんとミゲルさんは?」
「彼らでしたら、アンジュさんの勧めで、アンジュさんがいた教会で働くことになりました。もうここを発たれましたよ」
「そう……よかった」
「よかった、やないわい!」
ペシィ!
ケルベロスの小さな前足がホーニャンの頬を打った。
「ケロ、ちゃん」
「
ケルベロスは腕組みし、空中であぐらを掻いてホーニャンに背を向けた。
「ケロちゃん……ケロちゃん」
ケルベロスはこちらを向かない。
「ごめんなさい。怒らないで。ごめんなさい。もうしないから。ごめんなさい。ごめん、なさ……っ」
嫌われた。ケルベロスに嫌われた。
琥珀色の目から涙が溢れ、頬を伝ってはシーツに落ちる。
アニーが無言でタオルを差し出したので、ホーニャンは受け取り、タオルで顔面を覆って嗚咽した。
ホーニャンの肩をアニーが優しく抱いた。
「ケルベロスさんは意地悪でホーニャンさんを責めてるんじゃありませんよ。ホーニャンさんを心配しているんです」
「しん、ぱい?」
「はい。私も、クレスさんもイリアさんも。ホーニャンさんだって、仲間が倒れたら心配するでしょう?」
「――する」
アニーに諭されてようやく理解した。
ホーニャンはケルベロスを両手で包んで胸に抱き寄せた。
「ごめんね。心配、かけて」
ケルベロスはというと、溜息をつき、ホーニャンの手から抜け出して顔の前まで飛んで来た。
「これからは自分の
「はい」
「それと、こっからは別の話や」
ホーニャンは首を傾げた。
「お前さんが助けたにーちゃんらや。今回はアンジュねーちゃんが働き先斡旋してくれたからええ。せやけどこれが
ホーニャンは首を横に振った。
「そういうことや」
救った者への責任の所在。
李
(誰かを救うことは、とてもとても重いこと)
ホーニャンは胸に手を当て、そのことをしかと胸に刻んだ。