Zestiria×Wizard 〜瞳にうつる希望〜   作:フジ

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TOZX13話を視て

フジ「そう! それだよufo!」(嶋さん並感)

これは真のゼスティリアですわ。2期も楽しみです

では、最新話をどうぞ


25話 諸刃の希望 中篇

「あぁ〜つ〜か〜れ〜た〜」

 

「険しい道とは……聞いてたが……これほどとはね……」

 

「けど、漸く到着だ」

 

バイログリフ崖道を越えた一同。険しい崖道を歩き続けた事もあり、一同の表情からは疲れが見て取れる。

 

だが、視線を向けた先には石造りの壁と木製の門が目に入る。

 

「ここが……ゴドジン……」

 

「いつまでも突っ立っててもしょうがないわ。早く入るわよ」

 

エドナの言葉を受け、一同は門を潜り村の中へと入っていく。

 

「これは……」

 

アリーシャの口から驚いた様な声が溢れる。

 

ゴドジンの中は確かに小さな集落ではあるが、その中の1つの建物が彼女の興味を引いたのだ。

 

村の中でも一際大きく、外観から造られて間も無いその建物の周囲では大勢の子供達が楽しそうに駆け回りボールを蹴ったり、地面に何かを書いて遊んでいる。

 

「もしや学校……?」

 

その光景を見てアリーシャが発した言葉にスレイとロゼが反応する。

 

「うわぁ、ホントだ! 学校だよ!」

 

「凄いもんだね。小さい村なのにしっかり子供達が勉強する場所を用意してるんだ」

 

そんな目を輝かせ学校を見つめる2人の反応を見て晴人は疑問を口にする。

 

「学校か……国の事情には詳しく無いが、こっちだと珍しいものなのか?」

 

「そういう訳ではないのだが、学校はレディレイクの様な王都や栄えている大きな村にしかないし、貧しい家庭の一部は教育を受ける事ができていないというのが現状なんだ……だから、言い方が悪いかもしれないが街道から外れたこの村にしっかりとした教育施設がある事には正直驚かされているよ」

 

「へぇ、そういうもんなのか」

 

異なる世界、それも子供の頃の9年間の教育が義務化されている日本からやってきた晴人からするとグリンウッドの教育情勢というのは考えさせられるものがあるのか、アリーシャの言葉を聞きながら晴人は子供達の様子を見つめている。

 

「学校か……こうして見ると大勢で学ぶ場所というのも良いものだね」

 

「あぁ、わかる! 『イズチ』にいた頃はジイジや村の皆に勉強を見てもらったのはオレとミクリオの2人だけだったもんな! 不満は無かったけど、こうやって大勢で遊んだりするのは憧れる!」

 

「あー、あたしも勉強見てくれたのはセキレイの羽の皆だったからねぇ……同年代の友達ってのには憧れてたなぁ……アリーシャはどうだった?」

 

「私か? 私も似た様なものだよ。教育係が代わる代わるやって来て一対一での勉強だった。贅沢な意見かもしれないがあの子供達みたいに楽しい時間という認識では無かったかな」

 

それぞれ特殊な境遇故か目の前の光景と自身の過去を比べ4人は思い出話に花を咲かせる。

 

「そう言えばハルトはどうだったんだ?」

 

「ん? 俺?」

 

「そうそう、魔法使いなんてやってる訳だし、そういうのを習う学校とか行ってたの?」

 

「いや、俺は____ 」

 

スレイとロゼから話題を振られ、晴人はその問いかけに答えようとするが____

 

「あ!? やべっ!?」

 

「おーい! どこに蹴ってるんだよ!」

 

その言葉を遮る様に、遊んでいるグループ中でボールで遊んでいた子供が力加減を間違え、ボールを高く蹴り飛ばし大きな声をあげる。

 

ボールは放物線を描きアリーシャ達の立っている場所へと飛んでくる。

 

「おっと! 」

 

そのボールの落ちる場所に立っていた人物。晴人はボールを胸でトラップすると流れる様に数回リフティングし、真上に蹴り上げて落ちてきたボールを片手でキャッチする。

 

「うわぁ!スゲぇぇ!」

 

「今、どうやってやったの!?」

 

それを見て興奮する子供達。そんな子供達を見て晴人は楽しそうに笑うとボールを差し出す。

 

「何事も練習あるのみってやつさ。次からは気を付けろよ? 俺は大丈夫だけど村の人にぶつけたら大変だからな」

 

「はーい! 気を付けまーす!」

 

「よし! いい返事だ」

 

そう言うと子供はボールを受け取りグループの元へと戻っていく。

 

「器用なものだな。しかし君にその様な特技があるとは……」

 

ボールを自由にコントロールする晴人の脚使いにアリーシャは関心した様に声を漏らす。

 

「ん? まぁ、昔取った杵柄ってやつさ」

 

「今のが? そう言えばハルトは戦う時も剣以外に足技を使っているな……という事は君は昔、格闘術を習っていたのか?」

 

「格闘術? いや、確かに真面目に打ち込んでたものはあったけど武術は習っちゃいなかったよ」

 

「そうなのか……? 少し意外だな」

 

「まぁ、俺も……ん?」

 

何者かの視線を感じ、晴人はアリーシャとの会話を止めそちらへと目を向ける。そこには_____

 

「おにいちゃんたち、もしかしてよそもの?」

 

先程とは別の子供が晴人達を興味深そうに見ていた。

 

「え? えーっと……」

 

幼い子供によるストレートな質問に晴人達は思わずなんと返したものかと口を噤むが、そこに子供達の中では年長と思われる年齢の子供が少し怒りながら声をかけた。

 

「こら! 人に対してそういう言葉使いをしちゃ駄目だって村長さんから習っただろ!」

 

「あ! そうだった! おにいさん、おねぇさん、ごめんなさい」

 

注意を受けた子供は素直に謝罪の言葉を口にしてペコリと頭をさげる。

 

「あ、あぁ! 気にしないでよ! 確かに村にお邪魔してるのは本当の事なんだし!」

 

ロゼがそう言うと子供達はもう一度ペコリと頭を下げるとその場を後にした。

 

「よく出来た子だな」

 

「確かに。きっと今言っていたこの村の村長さんが良い方なのだろう」

 

そう言って微笑む一同。そこに背後から声が掛けられる。

 

「この村に何かご用がお有りですか? 旅の方」

 

その声に振り向く一同。

振り向いた視線の先には、白髪頭で眼鏡をかけた初老の男性が村の大人を数人引き連れて立っていた。

 

「(ん? ……この方は……いや、だが……)」

 

「………」

 

初老の男性を見たアリーシャとロゼは何かを感じ考える様に一瞬表情を険しくする。

 

「ええっと……俺達は……」

 

一方、初老の男の問いかけにスレイは言葉を濁す。何せ色々と不明な点が多い現状で「行方不明の教皇を探しているのですが知りませんか?」とストレートに聞く訳にもいかない。加えて嘘をつくのが苦手な彼にはそう言った対応は不得手だったのだ。

 

それをフォローするべくロゼが口を開く。

 

「ええっと! あたし達はセキレイの羽っていう商隊ギルドなんだけど、新しいビジネスを始めようと色々な町の調査をしてるんだ。因みにこちらの身なりの良いお嬢様がウチのパトロン」

 

「えっ!? ……っと、その通りです。突然お邪魔してしまい申し訳ありません」

 

咄嗟のロゼの言葉に驚きの声を漏らしそうになるアリーシャだが、その意図を察しなんとか言葉を飲み込むと、慣れないアドリブでロゼに合わせる。

 

「そんでもって、残りの男2人は調査のお手伝い兼ボディーガード」

 

「まぁ、間違っちゃいないな」

 

「えっと……お邪魔してます」

 

続いて晴人とスレイが紹介され2人ともそれを受け会釈をする。

 

「成る程……そう言う訳ですか。あぁ……自己紹介が遅れました。私はゴドジンの村長、スランジと言います。此処はなにぶん小さな村ですのでご期待に添える様な物があるのかわかりませんがご自由にお過ごしください。小さいですが、宿もありますのでどうぞごゆるりと」

 

「ありがとうございます。此方もご迷惑をおかけしない様に注意します」

 

村長と名乗った初老の男、スランジは物腰の柔らかい態度でアリーシャ達に対応すると一礼し、その場を後にする。

 

「優しそうな村長さんだったね」

 

「あぁ、正直騙すような真似をするのは心苦しいが……」

 

「あー、もしかしてあたしのやり方不味かったかな?」

 

「あ! いや、そんな事は無いよ! ロゼがフォローしてくれて助かった!」

 

「ま、確証が無いんだ。下手に本当のこと言って混乱させてもしょうがないさ」

 

「だな。先ずはさっきの浄化した天族の事もあるし宿で部屋を取ろう」

 

そう言って一同は宿に向けて歩き出した。

 

___________________________________

 

その後、ゴドジンの宿屋『フェニア』で部屋を取り、気を失った天族の女性をライラ達に任せ、一同は手分けしてマシドラ教皇の情報を探るべく再び村へと繰り出したのだが……

 

「とは言ってもなぁ……」

 

アリーシャと2人で村を歩く晴人だが、ゴドジンはラストンベルやペンドラゴと異なり狭い村だ。やるべき事は村人達から情報を聞く事となるのだが、いかんせん狭い村であるが故に下手な事を言えば居るかもしれない教皇に情報が届き警戒されかねない。

 

「枢機卿は1年前にマシドラ教皇は自ら逃げ出したと言っていた。それが本当であるのなら実名を名乗らず正体を隠している可能性が高いが……」

 

「下手に探りを入れれば警戒されるのは間違いないよな」

 

はてさてどうしたものかと考える2人。そこに聞き覚えのある声がかけられる。

 

「あっ! さっきのスゲェ兄ちゃんだ!」

 

「ん? あぁ、さっきのボールの子か」

 

「学校は終わった様だね」

 

「うん! これから帰って家の手伝いをするんだ!」

 

「へぇ、偉いな、その歳で。友達とは遊ばないのか?」

 

「遊ぶ時間は学校で十分もらってるからね! 放課後は家の手伝いをしてあげなさいって村長さんとの約束なんだ!」

 

面倒くさいという感情など微塵も感じさせず少年は楽しそうにそう言った。

 

「村長の事を話す時、随分と嬉しそうだね」

 

「うん! だって村長さんのお陰で食事にも困らなくなって、その上、学校ができて皆と遊んだり勉強したりできるようになったんだもん!」

 

「そうか、君は村長さんの事が大好きなんだね」

 

「ボクだけじゃないよ! 友達もお父さん達も皆、村長さんの事が大好きなんだ! ボクも学校で勉強して将来は村長さんみたいな立派な大人になりたいんだ!」

 

「そっか、じゃあこれからも頑張らないとな」

 

「うん! じゃあね! お兄さんとお姉さん! 明日も村に居るんだったら、さっきのボールの蹴り方教えてね!」

 

「あぁ、いいぜ。気をつけて帰れよ」

 

そう言って少年は走り去って行った。

 

「あの村長さん。随分と好かれているんだな」

 

「…………」

 

「……アリーシャ?」

 

「あっ! いや何でもない。少し考え事をしていた」

 

「……何か気になる事でもあるのか?」

 

「まだ確証は無いんだ。スレイ達と合流して情報を集めてから話すよ」

 

「わかった。しかし、あとはどうする? 正直、この村で調べられそうな事ってあまり無いと思うぜ?」

 

「確かに……まだ村の奥は見ていないからそこを確認したら宿に戻ろう」

 

「りょーかい。そんじゃさっさと済ませよう」

 

そう言って村の奥へと足を進める2人だが……

 

「旅の方ですか……申し訳ないが、ここは村の『聖域』です。部外者の方の立ち入りは禁止されています」

 

村の奥で発見した洞窟。そこを見張るように立っていた村人に2人は静止の声をかけられた。

 

「聖域? この洞窟が?」

 

「はい。この洞窟の奥には古くからの遺跡が存在しており、村では代々聖域として扱われていて、村長以外の立ち入りを禁止しているんです」

 

「そう……ですか。知らなかったとはいえ申し訳ない」

 

「構いませんが以後気をつけてください」

 

村人の言葉を受け、2人は顔を見合わせると、これ以上はやめておいた方が良いと考え、深追いせずにその場を後にした。

 

___________________________________

 

その後、宿屋『フェニア』へ戻った一同は部屋にて食事を終え集めた村の情報を話し合った。

 

「まぁまぁおいしいわ。65点と言ったところね」

 

「……なんでそんなに偉そうなんだ」

 

「偉いからに決まってるでしょ『ミボ』。そんな事もわからないからいつまで経ってもアンタはミボなのよ。わかったら『すいませんでした。エドナさんは最高です!』と81073回繰り返しなさい」

 

「……なんだ、僕は間違っていない筈なのにこのやるせなさと敗北感は……」

 

宿屋の人気メニューであるケバブピザとラム肉のトマト煮込みを涼しい顔で平らげ、評論家の様な物言いにツッコむも藪蛇な反撃を受け項垂れるミクリオ。因みに『ミボ』とは『ミクリオぼーや』の略でありエドナの独特なセンスの光る渾名である。

 

「えーっと……取り敢えず食事も済んだし情報をまとめようか」

 

「そうだな。みんな、何か教皇の手掛かりは見つかった?」

 

スレイはそう問いかけるが晴人は首を横に振る。

 

「いや、あまり直接尋ねられなかったせいもあって、教皇の行方が掴めそうな情報はこれと言って無かった。わかったのはこの村の村長さんが人気者って事と、村の奥に『聖域』って呼ばれる遺跡があるくらいだ」

 

その晴人の言葉をザビーダが引き継ぐ。

 

「ハルトもか、こっちも似たようなもんさ。一通り村を見て回ったが行く先々で村長が村の連中から相談を受けて対応していた。どうやらあの村長はかなり有能みてえだな。あの学校を建てる事が出来たのも村長の手腕のお陰みてぇだしな。個人的にはガキ共の世話を焼くって所は俺としても好感持てるね」

 

「なんだ? お前って子供好きなのか? 意外だな」

 

「おいおい、ハルト。誰に向かって言ってんだよ。こう見えてもガキの世話は得意技なんだぜ? なぁ、そうだろデゼルよぉ?」

 

「知らん。何故、出会ったばかりの俺にそんな話を振る」

 

「冷たいねぇ……同じ風の天族なんだフレンドリーに行こうぜ」

 

「……チッ!」

 

面倒そうに舌打ちするデゼル。なんとも言えない雰囲気が漂う中、そんなもんは知ったこっちゃないと言わんばかりに今度はエドナが口を開く。

 

「洞窟の遺跡だけどね。村の中に残ってる遺跡の残骸を見る限り、あれはかなり……それこそ数千年単位の過去の代物よ。ワタシより年上なのは間違い無いわね。少なくとも村の連中の言葉はウソじゃ無いと思うわ」

 

そう言ったエドナの言葉に今度はスレイとミクリオが食いつく。

 

「数千年前!? という事はもしかして『アヴァロストの調律時代』の遺跡!?」

 

「五大神信仰の始まった時代の遺跡! 現存していたとは……」

 

目を輝かせる2人だが、イマイチ話についていけていないロゼや晴人は首を傾げる。

 

「……わかる?」

 

「いや……全然わかんね」

 

片や歴史への興味が薄く、片や異世界人の為文化に疎い。そんな2人に対してライラが苦笑しながら答える。

 

「『アヴァロストの調律時代』というのは今から2000年以上前の時代の物です。当時は天族と人が共存しており、五大神を筆頭とした天族信仰が盛んだったと言い伝えられています」

 

「どこまで本当なのかはわかんねぇけどな。その後、約2000年前の『消失の時代』で天族は人間から見えなくなり、アヴァロスト文化の殆どは失われたって訳さ」

 

「んー……よくわかんないけど。兎に角すごい昔の遺跡な訳ね」

 

「身も蓋も無いなオイ」

 

ライラとザビーダの解説を聞いてもピンとこなかったのか大雑把にまとめたロゼ。それに対してデゼルが呆れた様に呟く。

 

一方、晴人はティンダジェル遺跡の奥の壁画の事を思い出していた。

 

「(そういやあの時も『五大神』の『試練神殿』ってやつの事を言っていたな……待てよ? 確か壁画の『火の試練』の紋章があった地域は……)」

 

遺跡でのザビーダとの会話を思い出し、引っかかりを感じた晴人は何やら考え込むような表情を浮かべる。

 

それに気がついたザビーダはどうしたのかと晴人へ声をかけた。

 

「あん? どうしたよハルト。何か考え込んでよお」

 

「ん? いや、なんでもない」

 

「そんなあからさまに考え込んどいて何も無いって事はねぇだろ」

 

「あー……ほらアレだ。エドナちゃんが村の遺跡の事を自分より年上って言ってたけど、数千年単位で昔の遺跡と比較対象にできるエドナちゃんの実年齢ってさ……」

 

自身の中で引っかかった事に対して確証を持たない晴人はおちゃらけた態度で誤魔化す様に話を打ち切ろうとするが……

 

「あ、それ聞いちゃう? 実はエドナちゃんはああ見えて、せん……」

 

「そこのチャラ男1号と2号、どうやら笑顔になりたいようね」

 

「「いえ、何でもないです」」

 

悪ノリしようとしたザビーダに対してフェンシングの様に傘の素振りを始めたエドナ。それを見て野郎2名は被害が出る前に話題を打ち切った。

 

「しかし、結局マシドラ教皇の情報は掴めず終いか……」

 

一通り話を終えミクリオは溜息をつくが……

 

「いや……もしかしたらだが教皇かもしれない人に心当たりがある」

 

その言葉に一同が驚いた様にアリーシャへと視線を向ける。その中で唯一落ち着いた表情のロゼがアリーシャへと声をかけた。

 

「アリーシャも気付いてた?」

 

「ロゼもか。あぁ、おそらく教皇は……」

 

そして2人の口が開かれ……

 

 

 

 

 

「「スランジ村長」」

 

その声が完全に重なった。

 

「村長が教皇!? だが2人は何故そう思ったんだ?」

 

ミクリオが驚きの声を上げる。それに対してロゼが答える。

 

「眼鏡だよ」

 

「眼鏡……?」

 

ロゼの言葉の意味がわからず晴人は困惑するが、その言葉にスレイが2人が村長を教皇だと考えた理由に気づく。

 

「そうか! レンズ!」

 

「あぁ、あのサイズの質の良いレンズは希少品だ。そう簡単に手に入る代物では無い」

 

「そういう事。そんなもの持ってるなんてそれなりの地位にいた人間の可能性が高いって訳」

 

「……あぁ、そういう事か」

 

「なんだ? 妙に察しが悪かったなハルト」

 

「しょうがないだろ。俺のいた所じゃそこまで眼鏡は希少品じゃ無かったから疑問に思わなかったんだよ」

 

学校の件に続き文化レベルの違いに1人苦戦する晴人だが、会話は続く。

 

「という事はスランジさんが逃亡したマシドラ教皇の可能性が高いという事か……確かにスランジさんは指導者として優れている事は村の人達の証言からしても間違いないが……だがそれにしても妙だな」

 

何かが引っかかった様な物言いで考え込むミクリオの言葉に一同が反応する。

 

「妙というのは? 」

 

「この村には領域が存在しないが穢れの影響が少ない。つまり村の人々は負の感情を溜め込まないほどの水準で生活できているという事だ」

 

「あれ? でも俺が聞いてきた話だとこの村は数年前まで飢饉に苦しんでたらしいんだけど?」

 

「あぁ、それを今の村長が食に困らず学校を建てる程に立て直した。けどそれがおかしい」

 

その言葉にスレイが何かに気づいた様にハッと顔を上げる。

 

「そうか収入源か!」

 

「そうだ。この村は農業にも狩猟にも適さない痩せた土地だ。街道沿いでもなく特産品も見当たらなかった」

 

「ではこの村の収入源は……?」

 

考え込む一同。そこにロゼが口を開いた。

 

「そう。実はそこがこの村に教皇がいると睨んだ理由なんだ」

 

そう言ってロゼは小瓶を取り出しテーブルの上に置く。

 

「ロゼこれは?」

 

「今、巷で話題のエリクシール」

 

「マオテラスが作った万能薬!?」

 

「馬鹿な!? 製法は失われている!僅かに現存しているものも教会で管理されている筈だぞ!?」

 

ロゼの言葉にスレイとミクリオが強く反応する。一方、晴人もその言葉に覚えがあり口を開く。

 

「エリクシールって確か、ペンドラゴでアリーシャが売りつけられそうになったやつだよな?」

 

ペンドラゴの噴水でびしょ濡れになったアリーシャに話しかけてきた胡散臭い男を思い出しながら晴人はアリーシャに問う。

 

「あぁ、だがあれには教会の証明書が……ッ! 待ってくれ……ロゼ、まさか……?」

 

そこでアリーシャは何かに気がついたのかロゼへと視線を向ける。

 

「うん、単刀直入に言うとこのエリクシールは偽物。中身はただの滋養強壮剤。だけど教会の証明書は間違いなく本物だった。そしてエリクシールの入荷ルートと売り上げ金は何故か教会じゃなくてこの村につながっている」

 

「それはこの村に教会の証明書を作れる程の地位の人間がいるという事……つまり……」

 

「うん……逃亡したマシドラ教皇がこの偽エリクシール事件に一枚噛んでるのは間違いない。一部の商人ギルド達は最近市場を荒らしてるエリクシールの存在を怪しんでてね、それがあたし達セキレイの羽の耳にも入ってきてたんだ」

 

「だが、仮にそうだとしてもそれを教皇1人で全て行うのは……」

 

「難しいと思う。だからこの村の大人達全員が偽エリクシールの販売を知っている可能性が高いんだ」

 

「そんな……」

 

日中に見た村の印象をひっくり返され、スレイやアリーシャはショックを受けたのか表情を暗くする。

 

「だが、どうする?これでは教皇を連れ戻す所の話じゃないぞ」

 

「そうね。随分とまだるっこしい事になってるわ」

 

その言葉を受けスレイが口をゆっくりと口を開く。

 

「……俺は確かめてみるしか無いと思う」

 

その言葉に晴人が続く。

 

「同感だな。結局の所この目で事実を確かめない事には話が進まないんだ。ならまずは偽エリクシールの件をハッキリさせるべきだろ」

 

彼もまた表情を険しくはさせているが静かな声でそう告げる。

 

「だがどうする。偽エリクシールの件を証明するには現場を抑えるしかないぞ?」

 

それを聞き先程まで椅子にだるそうに座っていたザビーダが立ち上がりいつもの調子で告げる。

 

「なら俺が村長の動きを見張っておくとするさ。姿の見えねぇ天族なら怪しまれずに見張ってられるからな」

 

率先して動いたザビーダ。それに対して一同は驚いた表情を浮かべる。

 

「意外ね。あんたが真面目に働くなんて」

 

「酷いなオイ。まぁ、導師殿達からすれば俺様は新入りだからな。少しは真面目に働くところを見せておこうと思ってよ……それに、俺としても気になるからな。ガキどもの為に学校を作ってやる様な奴がどうしてそんな真似してるのかな」

 

そう言ってザビーダは扉を開け部屋を後にしようとする。

 

「待てザビーダ」

 

【ガルーダ! プリーズ!】

 

そこに、呼び止めた晴人がレッドガルーダを呼び出す。呼び出されたガルーダは飛行しザビーダの方に着地した。

 

「悪いが頼む。何か動きがあったらソイツで教えてくれ」

 

「りょーかい。そんじゃ俺は村長の家を張ってるからお前さん達は休んでな」

 

そう言ってザビーダは部屋から出て行く。

 

「ザビーダって意外と真面目なんだね。少し意外かも」

 

「いや普段はその……なんというか少し変わっているかもしれないが基本的には真面目な方だと思うのだが」

 

「ごく稀によ。褒めると調子になるから本人の前では言わないようにしておきなさい」

 

「……まぁ、旅の疲れを気遣ってくれたのは感謝するさ」

 

「そうですね。ここはザビーダさんの好意に甘えさせていただきましょう」

 

そう言って休息を取ろうとする一同だが……

 

「あ、わりぃ俺少しだけ散歩してくるわ」

 

そう言って晴人が1人立ち上がった。

 

「どうかしたのかハルト?」

 

「ちょいと気分転換するだけさ。怪しまれる様な事はしないよ」

 

そう言って晴人は部屋から出て行く。

 

そして一同が彼を見送り休息を取ろうとする中、1人だけが彼が出て行った扉を見つめていた。

 

 

___________________________________

 

「…………」

 

宿を出た晴人は1人、村の中を歩く。既に日が暮れ街灯の無い村は村人たちの家の中から漏れてる光以外に殆ど明かりは無く、あたりは深い闇に包まれていた。

 

その中を迷い無く歩き、晴人は村に建てられた学校へと辿り着く。

 

学校の中には既に人気が無く、日中の様な活気溢れた光景とは真逆にどこか寂しげな空気を纏っていた。

 

足を止めた晴人はその人気の無い学校を見上げ何かを考える様に見つめる。

 

何をする訳でも無く学校を見つめる晴人。そのまま時間は過ぎていくが晴人は動く素振りを見せない。

 

そして暫く経ったその時、彼に声がかけられた。

 

「何か考え事ですか?」

 

「ん?」

 

かけられた声に反応し振り向く晴人。その視線の先には美しい銀髪を風に揺らす赤を纏った女性が佇んでいた。

 

「えーっとライラだっけ。どうしてここに?」

 

一同の中であまり会話を交わしていない彼女が現れたのが正直意外だったのか、晴人は少しばかり驚いた表情を浮かべる。

 

「すぐに戻ると仰ってましたが、中々お戻りになられないので様子を見に来ました。スレイさん達が探しに行くと人目につくので天族の私の方が良いかと思ったので」

 

「げ……マジか。そんなに時間経ってたか?」

 

「はい、アリーシャさんが心配でソワソワし始めるくらいには」

 

「門限の守れない子供か何かか俺は……」

 

「ふふっ、そう仰らないで下さい。アリーシャさんは純粋に心配なさってるだけですわ」

 

アリーシャの様子を思い浮かべ軽く肩を落とす晴人を見て、ライラはクスリと笑う。

 

「そりゃあ、まあわかっちゃいるけどさ……ま、了解したよ。態々呼びに来させて悪かったな」

 

「お気になさらないで下さい」

 

「あー……そう言えば助けた天族の人はどうなんだ? 目を覚ましたのか?」

 

「いえ、今は宿のベッドで安静にしています。体に異常はみられませんが、意識はまだ戻っていません」

 

「あーっと……そうか……」

 

「えぇっと……はい……」

 

「………」

 

「………」

 

会話が詰まり気まずい沈黙が2人を包む。何せお互い相手がどんな人物なのかわかっていない状態だ。そんなヨソヨソしい相手と2人きりなら会話が続く筈もない。

 

しかし、そんな空気を打ち破る様にライラが何かを決心し晴人に話しかける。

 

「ハルトさんは何をしていらしたんですか?」

 

その言葉に晴人はキョトンとした表情を浮かべる。

 

「俺? まぁ、散歩がてらに考え事かな?」

 

「この学校を見てましたが、何か気になる事でもお有りだったのですか?」

 

そう言ったライラに対して、晴人はなんとも言えない表情を浮かべながら口を開く。

 

「なぁ……仮に村長の正体がマシドラ教皇で、詐欺紛いの事をしてたとして……」

 

「……していたとして?」

 

「それなら何で村長からは穢れを感じられなかったんだ?」

 

それこそが晴人の疑問だった。

 

「今までレディレイクのバルトロやラストンベルの司祭みたいな連中からは他の人間よりも強い穢れが生まれているのを感じた。けど、あの村長からはそれを感じなかったんだ。仮にあの人が偽エリクシールで大勢の人間を欺いて金儲けを企む様な人間だったなら、他の人間よりも強い穢れを発する筈だろ?」

 

「はい。確かに負の感情の一部である歪んだエゴや欲望は強い穢れを生む原因となります。しかし例外もあるんです」

 

「例外?」

 

「非道を尽くそうとも無私の奉仕の精神からの行い……本人にとってそれがうしろめたくなる様な物ではない『純粋な願い』であれば穢れを生み出す事にはなりません」

 

「成る程ね……法律や一般的な善悪の価値観と穢れの発生理由は必ずしも同じにはならないんだったな……」

 

神妙な表情を浮かべながら晴人はもう一度、学校へと視線を向ける。

 

「なら、村長さんには例え人を騙してでも叶えたい願いがあるのかもしれないって事か……」

 

「まだ確証はありませんが……その可能性は十分にあり得るかと……」

 

「そうか……」

 

そして2人は複雑な表情を浮かべ黙り込む。だが、暫くしライラが晴人に問いかける。

 

「ハルトさんは、どうお考えですか?」

 

「……何がだ?」

 

「もしも、村長が私利私欲の為ではなく誰かの為に偽エリクシールを売っていたのだとしたら……貴方はどうしますか?」

 

真っ直ぐに、何かを見極めようとするかの様に問いかけるライラ。その眼差しを正面から受けた晴人はゆっくりと口を開く。

 

「止めるよ」

 

ハッキリと誤魔化さずに彼は言い切った。

 

「それが村長さんの願いを否定するかもしれなくても?」

 

「あぁ、どんな理由があったとしても誰かを騙す様な真似をしてるのならそれを見過ごしてやる事はできない……それが大切な物の為だっていうのなら尚更だ」

 

静かに、けれども力強く彼は告げる。

 

「村長さんが誰かの為に行動できる様な人なら、見返りを求めずに他人に手を差し伸べる事ができる様な人だっていうのなら……尚更、これ以上間違いを犯させちゃいけないと思うから」

 

その言葉を聞いて、ライラは少しばかり驚いた顔をしたあと表情を崩し柔らかい笑顔を浮かべる。

 

「優しいんですね貴方は」

 

「そんなんじゃない……ただ俺が納得できないってだけの話だ。所で……聞きたい事はそれだけでいいのか?」

 

「……気づいていたんですね」

 

「時々視線を感じてたからな。1人で来たのも俺に聞きたい事があったからなんだろ?」

 

「はい……魔法使いとは一体何なのか、何故貴方がドラゴンを操る事ができるのか、それを貴方の口から聞きたかったからです」

 

その言葉を聞くと晴人はどこか納得した様な表情を浮かべる。

 

「あー、そっか……アリーシャが気を遣ってくれたけど、そのあと俺がそこら辺有耶無耶にしちゃってたしな……」

 

片手でガシガシと頭をかくと、晴人は顔を上げライラに言う。そして……

 

「いいぜ。魔法使いが何なのか説明するよ」

 

あっさりと晴人はそう言った。

 

 

 

 

「へ? 宜しいのですか?」

 

先程の真剣な表情は何処へやら、ライラはポカンとした表情を浮かべながら晴人に問いかける。

 

「ま、確かにペラペラと喋りたい様な内容でもないんだけど、そっちとしても一緒に行動する以上、得体の知れない奴じゃ信用できないだろ?」

 

「……申し訳ありません。戦場でご助力頂いたにも関わらず貴方を疑う様な真似をして……」

 

晴人の言葉にライラは暗い表情で謝罪を告げるが、当の晴人は気にせず笑みを浮かべる。

 

「別に気にしちゃいないさ。ライラは一緒に旅する仲間の身が心配だからこそ、俺の正体をハッキリとさせておきたかったんだろ?」

 

あっさりとそう言い放ちながら晴人は言葉を続ける。

 

「それにだ、本当に俺を疑っているのならこんなハッキリと言わずに裏で警戒していればいい。それなのに態々こんな風に聞いてくれたって事は、俺の事を信用しようとしてくれてるって事だろ? なら俺だってその信用に応えたいからな」

 

そう偽りない笑顔で言い切った晴人に対して、ライラはどこか面白そうにクスリと笑う。

 

「ふふ……ザビーダさんの言う通りでしたわね」

 

「ザビーダの?」

 

「はい。ハルトさんは真っ直ぐに問えば真っ直ぐに返してくれる方だと」

 

「アイツが? 悪いものでも食べたんじゃないのか?……まぁ、いいや。どうせ説明するなら全員に説明した方が良いし宿に戻るか?」

 

「はい、そういたしましょう。特にアリーシャさんは貴方の口から説明して欲しいでしょうし」

 

「わかってる。待たせた分、キッチリ説明するさ」

 

そう言って宿に向かい歩き出す2人。だがその道中……

 

「あら? ガルーダさん?」

 

ザビーダに貸したレッドガルーダが旋回しライラの肩へと着地する。

 

「! どうやら何か動きがあったみたいだな。悪いライラ、説明は後回しでいいか?」

 

「構いませんわ。先ずはこの村の問題を見極めましょう。ガルーダさん案内をお願いできますか?」

 

ライラが律儀にガルーダにさん付けして呼びかけると、ガルーダは応じるように一鳴きし飛び上がると2人を先導する。

 

村人に見つからない様に注意し晴人はそれを追っていく。そしてガルーダに案内され辿り着いた先には……

 

「ここは……村の聖域」

 

村の奥の洞窟へと続く道だった。

 

「あ! 2人とも来たよ!」

 

物陰から声がしそちらを向くと2人を除く全員が既に集まっていた。

 

「ハルト……すぐに戻ると言ったじゃないか、心配したぞ」

 

「あぁ、悪かった。次からは気をつける」

 

「まぁ、わかっていればいいんだが」

 

少しばかりむくれた表情でそういうアリーシャに、晴人はいつもの調子で謝りつつもザビーダに状況を問う。

 

「で、どうなってるんだ?」

 

「真夜中のあたりであの村長、急にコソコソと出かけていきやがったんでな、何かあると思って尾行してみたらあの聖域とかいう場所に入っていくのを見たのさ」

 

「意外だな……よそ者である僕たちがいる内は尻尾を見せないかと思ったが……」

 

「余裕が無いのかもしれんな。もしも偽エリクシールを作っているのだとしてもこの村は小さく生産量も限られる。金に糸目をつけない貴族達にエリクシールを1つでも多く買わせるには生産を休む訳にはいかないという事だろう」

 

「でも聖域の入り口は見張りがいるみたいだけど……」

 

「厳重にし過ぎて怪しまれない為だろうが、見張りの数は1人だ。突破するのは難しくないだろうが……」

 

「なら、俺に任せな。手荒な真似はしたくないし、その為の魔法だからな」

 

そう言って晴人は指輪を取り出すと洞窟の入り口へ向け歩き出した。

 

___________________________________

 

【スリープ!プリーズ!】

 

結論から言えば見張りをなんとかするのは容易かった。道に迷ったフリをした晴人は飄々とした調子で見張りの男性に近づくとその手を取りスリープウィザードリングをはめ、魔法を発動させ眠らせてしまったのだ。

 

「悪いな。あんまり褒められたやり方じゃないが勘弁してくれよ」

 

晴人は魔法で眠りについた男性に詫びつつ倒れて怪我をしない様に受け止めると、壁に寄り掛かる様にゆっくりと座らせる。

 

そこへ様子を見ていたスレイ達が駆け寄る。

 

「眠りの魔法……便利だな」

 

「初めて使った時は効果を知らずに自分ではめて使ったから盛大に自爆したけどな」

 

「ま、まぁ、最初は誰にでも失敗はあるものかと……」

 

「お喋りは後にしろ。見張りの交代が来たらバレる。先を急ぐぞ」

 

デゼルの言葉に従い、一同は洞窟の中へと足を進める。

 

洞窟の中は一定間隔で灯りが備え付けられており、視覚の面で不自由する事は無く一同は順調に奥へと進んでいく。

 

「あれ? 何これ?」

 

洞窟を進む内、ロゼが何かに気付いた様に壁を指差す。その先には洞窟の壁から赤い結晶が何本も生えていた。

 

「あれは『赤精鉱』ですわ。強力な火の天響術の影響で生成される特殊な鉱石で、本来なら火山地帯で採れる物の筈なのですが……」

 

「火山地帯? では何故この様な洞窟の中に?」

 

「考え事は後になさい。さっさと終わらせるわよ」

 

エドナの言葉に従い一同は更に奥へと進んでいく。だが、ザビーダだけは赤精鉱を見つめ1人、神妙な表情を浮かべていた。

 

「滋養強壮剤……赤精鉱……まさかあの爺さん……」

 

小さく呟きながらもザビーダはその場を後にする。

 

そして更に洞窟の奥へと進んでいった先で狭い道から打って変わり、拓けた広い空間へと一同はたどり着いた。

 

その場所には沢山の木箱や作業台の様な物が設置されており、とてもでは無いが古い遺跡の様には見えない。広場からは更に道が奥へと続いており、村長の姿は見えない。

 

「木箱? これって!?」

 

スレイは置いてある木箱へと近づき調べるが、その中身を見て目を見開き驚きの声をあげる。

 

「大量のエリクシールの瓶……ロゼが持っていたものと一緒だ……」

 

「予想は当たり……だね」

 

「そんな……では、マシドラ教皇は本当に偽エリクシールをここで?」

 

決定的な証拠を見つけたもののスレイ、ロゼ、アリーシャの表情は暗い。

 

3人とも昼間に見た学校の件で少なからずそれを建てた村長に良い印象を持っていただけに、この結果は残念なものだったからだ。

 

そこに……

 

「誰だ!? ここで何をしている!?」

 

洞窟の先へと続く道から戻ってきた村長がスレイ達を見て驚きの声をあげる。その手には赤精鉱の入った皮袋が握られていた。

 

「君達は……どうしてここに……」

 

「スランジさん……いえ、マシドラ教皇。貴方が偽エリクシールを作っていたのですか?」

 

「っ!? 何故それを!?」

 

アリーシャの問いに同様するスランジ。その反応こそがアリーシャの問いを肯定していた。

 

そこへスレイ達の来た道から何人もの足音が洞窟内へ響き村の大人達がやってくる。

 

「村長! あの連中が宿屋からいなくなってる! もしかして 連中は……っ!? お前ら、どうしてここに!?」

 

やって来た村人達は武器代わりに鍬などの農具を持っており只ならぬ形相だった。それでもどれだけ武装しようが導師や天族を率いる一同に勝てる道理は無いのだが、晴人達からすれば村人達をいたずらに傷つけるつもりはない為、辺りに一触触発の空気が漂うが……

 

「武器をおろしなさい」

 

「村長!? ですが……」

 

「いいから武器をおろしなさい。怪我人が出ることなど私は望んではいない」

 

「わ、わかりました……」

 

スランジの言うことに従い村人達は構えていた武器をおろす。

 

「説明……して貰ってもいいですか?」

 

スレイがそう問いかけるとスランジは静かに頷く。

 

「わかった、私の家で話そう。ついて来なさい」

 

そう言いスランジは村人達を連れ出口へと歩いていき、それを追う様に一同も歩きだす。

 

「大丈夫かアリーシャ?」

 

そんな中、呆然とした様に立ち尽くすアリーシャを心配し晴人が声をかける。

 

「あ……いや、大丈夫だハルト。ただ、やはり実際にこの目で事実を知ってしまうとショックで……」

 

「気持ちはわかるさ。けどいつまでもここに居るわけにもいかない。先ずは村長さんの話を聞こう」

 

「あぁ、そうだね……」

 

そう言って2人も歩き出そうとするが……

 

『ガァァァァァァァァァア!』

 

「「ッ!?」」

 

突如、背後にある洞窟の奥へと続く道の先から響き渡った謎の咆哮に2人は反射的に振り返る。

 

「い、今のは……?」

 

「…………」

 

動揺するアリーシャと黙り込む晴人。そこにロゼから声がかけられる。

 

「どうしたの2人とも? 早く行こうってば」

 

「えっ? いや、だって今、洞窟の奥から叫び声が……?」

 

「ふぇ!? 叫び声!? ナニソレ!? 」

 

「いや、そんな声は聞こえなかったけど……なぁ、ミクリオ?」

 

「あぁ、これと言って何も」

 

「……え?」

 

洞窟内全体に響きわたるほどの大音量の咆哮だったにも関わらず、ロゼ達はアリーシャの言うことが何のことかわからない様子を見せ、アリーシャは混乱する。

 

そしてスレイ達が出口に向かい歩き出した中で、1人その場を動かない晴人は何かに気付いた様に自身の持つ指輪を取り出す。

 

「ハルト? その指輪は……確か、この村に来る前にも……え?」

 

晴人が取り出した指輪を見て、アリーシャはそれがゴドジンに来る道中で彼が急に取り出した指輪である事を思い出す。

 

だが指輪には変化があった。以前見た指輪はまるで輝きを失った様に黒ずんだ色をしていた筈なのに、今、晴人が取り出した指輪は赤く輝きながら点滅を繰り返しているのだ。

 

まるで他の何かに共鳴するかの様に……

 

「は、ハルト? これは……?」

 

その言葉を受けた晴人はその指輪を再びしまい込むと静かに告げる。

 

「詳しい説明は後だ。先ずは戻ろう」

 

「わ、わかった」

 

晴人の言葉に従いアリーシャは彼と共にその場を後にした。

 

___________________________________

 

場所は変わり、村長の自宅内。大きいテーブルに椅子を用意され座った4人に対して、テーブルの反対側にはスランジと村人達が集まっている。

 

「それで? 何が聞きたいのかね?」

 

「単刀直入に言うよ? 村長さんの正体は行方不明だった教皇様。そして、教会の証明書を使って偽エリクシールを売り捌いてる……これは間違ってない?」

 

「……調べはついているのだな」

 

ロゼの問いかけに対してスランジ……否、マシドラは静かにそれを肯定した。

 

「どうしてこんな事を……セルゲイ達は貴方の帰りを待っていたのに……」

 

悲しさを滲ませた声で問いかけるスレイ。だが……

 

「……彼らが待っているのは『私』では無く『教皇』だろう」

 

スランジの口から放たれたのは拒絶の言葉だった。

 

「何故私が『教皇』などという望んでもいない仕事をしなければならない?」

 

溜め込んでいた何かを吐き出す様にマシドラの口から言葉が溢れる。

 

「私が聖職に就いたのは家族にささやかや加護を与えたかったから……ただそれだけだった……国が良いものとなればそこに暮らす家族も幸せになれる! そう信じてできる事を必死でやった! 自分を顧みず! 皆の為に! 何十年も!」

 

荒げていく語気。マシドラは一度自身を落ち着かせる様に息を吐くと弱々しく語り始める。

 

「……その結果、気がつけば家を顧みない男と憎まれ、私の家族は跡形もなくなっていた……私はね、わからなくなってしまったんだ。何の為に頑張ればいいのか……何の為に頑張っていたのかが……」

 

「教皇様……」

 

「そんな私に対して、それでも王族は……騎士団は……民は……私に『正しい教皇』としての在り方を望み続けた。そして気が付いたのだ。誰も『私』の事など見ていない、皆が望んでいるのは全てを犠牲にして国にその身を捧げる『教皇』なのだと……」

 

声を震わせながら語られていく1人の男の人生。その言葉に一同は何も言えない。

 

「そして気付いたのだ。全て無駄だったのだと……私の人生には何の意味も無かったのだと……だから、国も民も戦争も全て投げ出して逃げた……どうでも良くなったのだ」

 

そして俯いていたマシドラは顔をあげ、村人達へと視線を向ける。

 

「死ぬつもりで彷徨い動けなくなった所を彼らに救われた。ゴドジンの皆は『私』に何も求めずただ家族の様に接してくれた」

 

心からの喜びを表すようにマシドラの表情に笑顔が浮かぶ。

 

「家族の為……」

 

「それで村の為に働こうと思われたのですね……」

 

「偽エリクシールを売り捌いてまで……」

 

マシドラからは微塵の穢れも放たれていない。それはつまり彼の言葉が本心である事の証明だった。

 

「帝国も教会も知らん、卑怯者と言いたければ言うがいい。今の私は村人(かぞく)の為に生きている」

 

そんなマシドラのその言葉に続くように村人達が口を開く。

 

「例え薬が偽物でもゴドジンにはこれが必要なんだ!」

 

「薬だけじゃない! 村長がいてくれるから今のゴドジンがある!」

 

「村長を捕まえるつもりなら俺達は全力で抵抗するぞ! 」

 

「村長は俺たちの『希望』なんだ!」

 

彼らが口々に言い放ったその時……

 

 

 

 

 

 

 

「なら、そんな真似をさせるなよ」

 

静かに、けれども力強く操真晴人の言葉が村人達の言葉を遮った。

 

「ハルト……?」

 

「い、いきなりなんだよ!?」

 

動揺する村人を他所に晴人は言葉を続ける。

 

「村長さんが逃げ出した事に対して俺はとやかく言うつもりはない……国よりも自分の手に入れた幸せを優先してもそれを無責任だと責めるつもりもないよ……けどな」

 

迷い無く、躊躇いなく彼は断言する。

 

「どんな理由があったにしても、アンタ達は村長さんを止めるべきだった。他人を騙して金を巻き上げる様な手段に、手を染めさせるべきじゃなかった」

 

「な!? 黙って入ればこの村の事情も知らずに!」

 

「村長がどんな覚悟でこの道を決断したのか、よそ者のお前に何がわかるって言うんだ!」

 

「あぁ、知った様な事を言うつもりは無いよ。だけど……」

 

怒りでは無く、悲しげな声で晴人は言う。

 

「もし、アンタ達の言う通り村長さんが私欲の為じゃなく誰かの為に自分を犠牲にできる人だって言うなら……その人生を『他人を騙して金を巻き上げた』なんて結末で塗りつぶしちゃいけないんだ」

 

「そ、それは……」

 

その言葉に村人達は言葉を詰まらせる。

 

「本当に大切なら、その人に誰にでも胸を張れる道を歩かせてやるべきなんだ……村長(そのひと)は……」

 

優しく問いかける様に彼は言う。

 

「アンタ達の『希望』なんだろ?」

 

確かに村長の自己犠牲の選択は尊いのかもしれない。穢れを発さない純粋な願いだったのかもしれない……けれどもだからと言って全てを肯定していいものでは無い。それが晴人の答えだった。

 

「では……どうすればよかったというのだ」

 

村人が口を噤んだ中、マシドラが声を漏らす。

 

「この道しか無かったのだ! 私の家族を救うにはこれしか! 『教皇』では無い『私』に頼れるものなど村人達以外には何も……」

 

その時、マシドラの前にアリーシャが歩み寄った。

 

「マシドラ様……これを」

 

そう言って彼女は一枚の手紙を手渡す。

 

「これは?」

 

「セルゲイ殿から預かった手紙です。もしも貴方がペンドラゴに戻らないと仰った時に渡して欲しいと」

 

「セルゲイが? ハハ……きっと彼は失望しているだろうな。国を捨てた私を……」

 

そう言いながらマシドラは、弱々しく手紙を開き読み始める。

 

だが、その手紙を読む彼の目は徐々に驚きに見開かれて言った。

 

「これは……」

 

手紙の中に書かれていたのは、罵倒の言葉などでは無く謝罪の言葉。自身の信じる正義と理想を押し付け、知らぬ内にマシドラを追い詰めた事を詫びるセルゲイの言葉だった。

 

そして、最後の締めくくりに書かれていた言葉は……

 

『例え貴方が教皇の座から逃げ出したとして我々はそれを追うことはしません。大切な物を得たのならどうかそれを大切にしてください。そして、何か助けが必要な時であればその時は我々白皇騎士団が総力を挙げて貴方の力になる所存です。貴方が導き続けたローランスの1人の民として皆、貴方を助けたい。そう思っている事をどうか胸の内に留めておいていただきたい』

 

手紙を読み終えたマシドラにアリーシャは言う。

 

「私の様な小娘が、貴方の人生についてとやかく言えるものでは無いのは重々承知しています。ですが、1つだけ……貴方を救いたいと願っている者は確かに存在するんです。『教皇』ではなく『貴方』と言う1人の人間を……貴方の人生は決して間違いなどでは無い……私はそう思います」

 

「ははは……私は本当に愚か者だな……大事な事が何も見えていない……」

 

そう言うマシドラの瞳からポロポロと涙が溢れ落ち手紙の上に落ちていく。

 

「村長……」

 

そんなマシドラを村人達は何も言えずに見つめるが……

 

 

 

 

 

突如、椅子に座っていたマシドラが横に崩れる様に倒れ椅子から落下する。

 

「……えっ?」

 

「村長!?」

 

唖然とするが慌てて駆け寄る村人達。そして彼らは村長の異変に気付く。

 

「どうしたんですか村長!」

 

「おい! 意識が無いぞ!」

 

それを見ていち早く反応したのはザビーダだった。

 

「チッ! 嫌な予感が当たりやがった! ライラ! エドナ! 教皇様に回復術をかけとけ! 治らないが少しはマシになる筈だ! アリーシャ!誰でもいいから村の連中と話をさせろ!」

 

「わかりましたわ!」

 

「ったく、しょうがないわね」

 

その言葉に反応し、ライラとエドナはマシドラに駆け寄り回復術をかけ始める。

 

一方でアリーシャは魔力を発動させると村人の1人に触れ、そこにザビーダが声をかける。

 

「おいアンタ!」

 

「う、うわ!? 誰だアンタ!?」

 

「誰だっていいだろうが! 家族を死なせたくないなら質問に答えな!」

 

「し、死ぬって村長が!? わ、わかった!」

 

アリーシャの力で天族を突然視認した男性は驚きの声を上げるが、ザビーダの言葉に反応しすぐに動揺が消える。

 

「あの偽エリクシールとやらの精製。まさかとは思うがやっていたのは教皇様だけか?」

 

「あ、あぁ! 村長が言うには精製の手順は難しくて自分にしかできないから、俺達は赤精鉱の採掘や薬の出荷だけを手伝って……」

 

「チッ!あれを一年近く1人でだと? 寧ろ良く保った方か……」

 

「ど、どういう意味だよ!?」

 

「赤精鉱で作られる滋養強壮剤。あれは赤聖水(ネクター)って言ってな。依存性の高い代物なんだが、精製時に強力な毒素を出すんだよ」

 

その言葉に一同が目を見開く。

 

「毒? それじゃあ村長さんは……」

 

「一年近く毒浸りな状態の筈だ」

 

「ま、待ってくれ! 俺たちはそんな話は一言も……」

 

「言う訳ねえだろ。正直に話したらお前さん達に止められる」

 

「な!? それじゃあ村長は……」

 

「……死ぬつもりだったんだろうな。この村の為に」

 

その言葉の衝撃に男はガクリと膝をつき床にヘタリ込む。

 

「俺たちが……村長を追い詰めたのか?」

 

『…………』

 

呆然としながら漏らした男の言葉に答える者は誰もいない。

 

「ライラ、エドナ! 回復術では治せないのか!?」

 

「申し訳ありませんが、回復術は外傷を癒す為のものです……ここまで毒に侵された身体はどうにも……」

 

「寧ろ驚いてるくらいよ……この状態……いつ死んでてもおかしくなかったわよ……よく誤魔化せてたわね……」

 

回復術をかける2人は暗い表情で首を横に振る。

 

「そんな……村長が死ぬ?」

 

男がそう言葉を漏らした時……

 

ガタンッ!

 

『!?』

 

玄関の扉の外で物音がし、一同が反応する。

 

そこにいたのは……

 

「村長が……死んじゃう……?」

 

「君は……昼間の……」

 

そこにいたのは、晴人達が昼間に出会ったボール遊びをしていた少年だ。

どうやら大人達が騒いだ影響で目を覚まし、様子を知る為に寝床抜け出して一連の話を盗み聞きしていたらしい。

 

「ねぇ……嘘だよね?」

 

『…………』

 

呆然としながら問いかける少年。だが、誰もそれを否定する事ができない。

 

「嘘だ……だってボク、一杯勉強して……村長みたいな立派な人になるのが夢で……それを村長に……」

 

少年の声が震え、言葉が弱々しく消えていくそれを見ても誰も少年に声をかけられない。

 

 

そう思われた時……

 

「大丈夫だ」

 

「……え?」

 

ポンと優しく少年の頭に手を乗せ、しゃがみ込んで視線を合わせながら晴人が安心させる様に声をかける。

 

「死なせやしない。村長さんは必ず助けるよ」

 

「本当に!? お兄ちゃん!?」

 

「あぁ、約束する」

 

そう言って微笑む晴人に今度は村の人々が駆け寄る。

 

「ほ、本当に村長を助けてくれるのか!?」

 

「なら頼む!! 調子のいい事をいってるのはわかってる! それでも……」

 

「薬を売るのはやめる! 罪も償う! だから頼む! 村長を助けてくれ! 例え貧しい生活に戻ったとしても俺たちは村長に生きていて欲しい! あの人は……俺たちの希望なんだ……」

 

それは都合のいい願いなのかもしれない。

 

マシドラは全てを理解して罪に手を染めた。

 

村人達もそれを許容した。

 

今、彼らが置かれている状況は因果応報。全てが正しく回り辿り着いた結末だ。

 

その上で尚、救いを求めるのは身勝手と言えるのかもしれない

 

 

だけれども……

 

 

「あぁ、わかっているよ」

 

操真晴人は助けを求める手を掴む。

 

「アンタ達の想いは俺が繋ぐ……」

 

彼らの犯した過ちは消えない、それは彼ら自身が背負い清算していかなければならないものだ。

 

それに対して他者がしてやれる事などたかが知れている。

 

それでも、生きてさえいれば新しく積み上げていけるものだってあるのだ。

 

1人の男の人生の最期を汚れた罪で塗り潰して終わらせるのではない……その罪の上にもう一度希望の足跡を刻んでいく為に彼は立ち上がる。

 

 

「俺が最後の希望だ」

 

 

___________________________________

 

「それで? なんかカッコつけた台詞を言ったと思ったら何処に行くつもりなのよ?」

 

ジト目のエドナに睨まれながら、晴人達は再び聖域の洞窟を奥に進んでいた。

 

「ハルト、この奥に村長の毒を治す方法があるのか?」

 

「あぁ、俺の予想が正しければな」

 

「何よそのフワフワした理由は」

 

不満そうな表情を浮かべるエドナだが、そんな彼女を見てザビーダはニヤニヤと笑みを浮かべる。

 

「そんな事言いながらついてくる辺りエドナちゃんも助ける気満々じゃないの。まったく素直じゃな……うぉ!?」

 

軽口を叩くザビーダにエドナの傘が放たれザビーダはそれを寸前で避ける。

 

「別に……なんとなくよ」

 

そう言いながら傘を広げクルクルと回すエドナ。傘の端に宙吊りで縛り付けられた謎の人形が遠心力に任せグワングワンと揺れる。

 

そんな素直じゃない彼女を見て一同は微笑むが突如、先頭を歩く晴人が足を止める。

 

「これは……」

 

洞窟の最奥。そこには今までの洞窟と異なり明らかに人の手が加えられた赤い紋様が浮かぶ遺跡が存在した。

 

「これが聖域……いや、もしかして!」

 

アリーシャはティンダジェル遺跡の壁画を思い出す。火の試練神殿を示す紋章があった地域がこのゴドジンと同じ地域だと……

 

その神殿を見てライラが頷く。

 

「はい、間違いありません。ここが『火の試練神殿、イグレイン』です」

 

その言葉に一同に緊張が奔るなか、晴人は2つの指輪を取り出す。

 

それこそがマシドラを救う為の鍵。

 

1つはペンドラゴで使用した六角形型の指輪であり戦友が使用していた指輪。

 

そしてもう1つは……

 

「そろそろ起きる時間だぜ……ドラゴン」

 

赤く点滅する指輪は遺跡と共鳴する様に更に点滅を早めている。

 

『ガアァァァァァァァア!!!』

 

そして彼を呼ぶかの様に、遺跡の奥より龍の咆哮が響き渡った。




やだ……前回の感想欄、ロリコン湧きすぎ(元凶)

今回は詰め込み過ぎたかも知れない……
個人的に2章はドラマパートが長過ぎたと思い詰め込んで見ましたがどうでしたでしょうか?

え?エドナさんが81073になってる?
不思議だね(真顔)

今年の年末の平成ジェネレーションはウィザードが客演すると知りテンションが上がっている今日この頃、白石さんの登場があると嬉しいですね

以下、エグゼイド1話の感想

人人人人人人人人人人人人人人
< 突 然 の ワ ン ダ ー ス ワ ン! >
YYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY

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