恋愛支援ナビゲーションプログラムを手に入れ太郎攻略に向け意気が上がっていたラウラだったが、ナビを使用し始めたその日に早々と千冬のお叱りを受けてしまった。ナビに従えば良いのか、千冬に従えば良いのか困惑するラウラであった。
「あの・・・・・」
「どうした?」
「性的な身体の接触は禁止との事ですが、軍はむしろパパとの親交を後押しすると言って来ています。身体の接触を禁止された状態で親交を深めるにはどうすれば良いのでしょうか?」
「ぐっ・・・・・・・それはな・・・」
ラウラの信頼し切った曇りの無い目で見詰められて、千冬は頭を抱えたくなった。こんな目で頼りにされて
「どうかしましたか。教官?」
千冬が答えに窮しているなどとは考えもつかないラウラが黙り込んでしまった千冬を心配する。千冬はラウラの質問に対して、自身のプライドもあって分からないなどとは言い辛い。必死で考えを巡らした結果、ついさっき自分が言った内容を思い出した。
「何でもないぞ。・・・・う、うむ・・・・・・そうだな。先程も話題に出したが、近々臨海学校へ行く予定になっているだろ。例年そこで自由時間に海で生徒達は遊ぶ。当然、皆水着になる。そして、男へのアピールに魅力的な水着姿は有効だ」
「そうなのですか?」
「あ、ああ。常識だぞ(多分)」
千冬自身、自分の言葉に半信半疑であったが、それを表に出さないように努めていた。それは成功していたのか、ラウラに不審がっている様子はない。
「魅力的な水着姿・・・・・どうすれば良いでしょうか?」
「とりあえず自分に似合う水着を用意しろ」
似合う水着と言われても、ラウラはそんな物に心当たりはほとんど無かった。あえて言うならIS学園で使っている水着くらいのものだ。
「似合う水着・・・・・学園指定の物では駄目なのですか?」
「学園指定の水着はスクール水着だぞ」
ラウラの言葉に千冬は呆れてしまう。高校生にもなってスクール水着を学園以外で着るなど、一部の特殊な趣向を除けば論外である。しかし、そんな常識を持ち合わせないラウラは真顔で何が問題なのか分からないといった表情だった。
「それに何か問題があるのですか?」
「臨海学校の海遊びをスクール水着で済ます奴など今まで見た事無いぞ」
千冬の説明を受けてもラウラは納得していない様子である。それには理由があった。
「しかし、学園指定の物を着た時にパパから良く似合っていると言われたのですが?」
「おい!・・・・あの変態がっ!・・・・・とにかく新しい水着を用意しろ」
千冬の怒りは相当なものであった。もし、この場に太郎がいれば怒りの鉄拳がその頭部にブチ込まれていただろう。しかし、この場にいない人間にここでどれだけ怒っても仕方が無い。千冬は気を落ちつかせてラウラに新しい水着を用意するようにだけ指示したが─────────
「では今度の日曜日にパパと買いに行ってきます」
「待て、なぜそうなる」
ラウラの口から飛び出た発言に千冬は素で突っ込みを入れた。だが、ラウラはその突っ込みに自身も素で返す。
「アピールする相手が良いと言う物を買う。それが一番有効なのではないですか?」
「くっ・・・・・・」
確かにその通りである。しかし、ラウラが水着を買いに行くところへ太郎が付いて行く。その事に対して千冬の頭の中には嫌な予感しか存在しなかった。この2人を一緒に街へ解き放つなどありえない。世間知らずな上に無駄な実行力を持つラウラ、何を仕出かすのか分からない性犯罪者で自分と同等に近い格闘能力を持つ太郎。混ぜるな危険の文字が千冬の頭の中に浮かんだ。絶対に良くない事が起こる、確信を持ってそう言える。
何とかしてラウラが太郎と2人で水着を買いに行くのを止めさせようと千冬は必死で考えを巡らせる。そして、一つだけ考えが浮かんだ。
「よ、良し、それなら私も同行して助言してやろう」
「えっ、教官も付いて来てくれるのですか!」
「・・・・・うむ」
苦肉の策であったが千冬にはこれしか思い付かなかった。休日の生徒の行動を制限する事は難しい。「誰それと買い物に行くな」などと言うのは権限的にも難しい。それならせめて2人っきりにさせない様にしようと考えたのだ。
ラウラはそんな千冬の考えなど知らないまま、自身が好意を持っている太郎と千冬、その2人と出掛ける事が出来ると無邪気に喜んでいた。太郎や他の専用機持ち達の知らぬ間に進められたこの話が、彼らをさらなる混沌へと導くのであった。
スクール水着っていいよね。でもビキニはもっと好きです。
全裸はさらに好きです。
ISでクラス全員裸で集合写真とか見たいです。そういうシュチュって燃えます。
読んでいただきありがとうございます。