うずまきナギサ物語~姉の愛は世界を救う~   作:レイリア@風雅

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6話 疑問、発覚

 

 

どうも、ナギサです。

今日はエロ仙人に修行をつけてもらうこと一週間……なんだけど。

さっきからずっと筋トレばっかりさせられているのは何故だ。

 

 

「……エロ仙人……」

 

「なんだ?もうギブアップか?」

 

「体力的にはまだいける。超余裕」

 

「……お前本当に二歳児か?

そんな歳の頃からこれくらい出来るなんて……体力バカにもほどがあるのォ」

 

「あのさぁ~~~……エロ仙人ってばちゃんと私の修行つける気ないっしょ!?」

 

 

今日ずっと筋トレばっか……。

まだいけるけどさすがに飽きたってば。

しかも本人はこっちが筋トレやってる最中、何やらずっとニヤニヤして水着姿のお姉さんが表紙にでっかく載ってる雑誌読んでるし……。

うわ、涎垂れてるし……。

 

冷たい目で見ていると、ゴホンと咳払いをして雑誌を閉じた。

 

 

「いやいや、エロいお姉ちゃんだけじゃなくちゃんとお前の修行も見ておったぞ!うん!」

 

「……今日何回腕立てやるように言ったか覚えてる?」

 

「も、もちろんだとも!た、確か……500くらい?」

 

「思いっ切り覚えてねーじゃんかエロ仙人」

 

 

いや、期待なんてしてなかったけどさ……。

溜息をついて、額を抑える。

 

 

「そ、そもそもだな!今の時間帯はアカデミーの授業中だろう。

なぜお前はアカデミーをサボっておるんだ」

 

「今更それを言う!?大丈夫だっての!影分身に行かせてるから」

 

「そういう問題じゃねーの!アカデミーで交友関係を深めることは、忍世界で生きていく上で重要なポイント……信頼関係の築き方を学ぶ貴重な機会。

それを無碍に扱うのは師匠として許すことは出来ん!」

 

「……そもそも、私に友達なんてイタチしかいないし」

 

「……お前、寂しい奴だのォ……」

 

「別に……嫁さんどころか彼女もいないからって手当たり次第ナンパしてるエロ仙人ほどじゃないよ」

 

「人聞きの悪いことを言うなァー!!」

 

 

怒鳴り立ててくるのは想定済みで、さっと耳を覆ってそっぽを向く。

交友を深める、なんて無理に決まってる。

他の連中が話してくれるとも思わんし。

話したいとも思わない。

そんなことよりもまずは強くなることが私にとって重要。

 

 

「強くなんなきゃ、守りたいって思った時に守れないじゃん……」

 

「!」

 

 

父さんや母さん、それにイタチやイタチの大切な人たち……。

その人たちにもしものことがあった時、守れるようになってなくちゃダメなんだ。

それに、きっと強くなれば……

 

 

「今、私は父さんや母さんと月に一度しか会えない。

それは、私の中に封印されている『コイツ』が原因なんでしょ?」

 

「そ、それは……まぁ……」

 

「なら、この原因を取り除くことなんて不可能に近い。

ってことは、このままじゃずっと二人と一緒に、なんて無理だ。

……だったら」

 

 

私だって、まだ子供なんだ。

父さんと母さんと一緒に居たい気持ちだって、ある。

寂しくないわけないじゃん。

じゃあ仕方ない、なんて聞き分けるいい子じゃないんだから。

イタチや他の子供みたいに、二人と一緒に暮らして、他の奴らにとっての当たり前な生活を送りたいよ、私だってさ。

 

でも、出来ないから。

だったらせめて、どんな形でもいい……。

二人の傍に居たい。

それにはどうしたらいいかって、考えて……それでさ、思いついたんだ。

 

 

「だったら強くなって火影の傍にいられるようになりゃいいだろ」

 

「!」

 

「強くなって強くなって……火影を守れるような忍になれば、問題ないはずだと思うんだ!

そうしたら少なくとも、ずっと父さんと一緒に居られる」

 

 

きっと可能性はゼロじゃない。

頑張れば、私の願いにきっと届くはずだ。

 

 

「そんくらい強くなったらイタチのことだって守れる!

アイツ忍に向いてないんじゃねーかって思うくらい優しいから、すぐ傷ついちまうと思うんだ。

そんなアイツが傷つかないようにするには私が強くならなきゃダメだろ?

強くなれば、いいこと尽くしだ!きっと!!」

 

 

ネガティブになって落ち込むなんて、誰にだって出来るさ。

僻んで、嘆いて……ただただ現状を呪ってた方が楽なのかもしれない。

 

でもさ、そんなことしてなんになる?

そんなことしたってさ、二人の傍には居させてもらえない。

里の奴らに優しくなんてしてもらえるわけがない。

 

だから……進むしかないんだ。

前に進んで、信じる道を歩いていく。

その方がきっと、いつか……私の願いに届くって信じてる。

 

 

「……仕方ない」

 

「え?」

 

「真面目に修行、つけてやるよ」

 

「本当!?」

 

「ああ。

(『里の奴らをフルボッコにするの♪』とかだったら適当な基礎体力向上だけで済ませられたんだが……

そういう理由じゃ、真面目にやるしかねーっての)」

 

「やったぁあああああ!」

 

 

雑誌も仕舞ってくれたし、これは期待してもよさそうだ!

修行も勿論だけど、『これ』についても聞かなきゃならなかったから、いつまでもあんな調子じゃそれも難しそうだったし。

 

 

「おっと、そういや今日はお前に聞きたいことがあったのを忘れとった」

 

「?聞きたいこと?私にか?」

 

「ああ。よって、今日の修行は座学とする。」

 

「ええー」

 

「そう文句を言うな……。お前が知りたがっていた、お前の中に封印されている物のことも教えてやる」

 

「!そ、そういうことなら……」

 

「(現金な奴だのぉ……)」

 

 

しらーっとした目で見られ、ちょっとカチンとする。

なんだよ、そっちだって子供の目の前でいかがわしい雑誌読んでるくせに。

 

 

「じゃあまずはワシの聞きたいことからいくぞ。

まず一つ。この間ワシに向かってきた時に見せた忍術についてだ……」

 

「?多重影分身と、螺旋丸か?」

 

 

確かその前に変化の術は使ってたけど、そっちは普通にアカデミーでやる基礎忍術。

エロ仙人ほどの忍が聞きたいことっていうんだから、そっちの二つしかないもんな。

 

 

「そうだ。多重影分身の術は禁術に指定されておるし、螺旋丸に関しては四代目火影とワシ以外使えん術だ。

なのにお前はこの前、この二つの高等忍術を使ってきたな。

いくら忍の才能が良くても、普通はさすがに無理な話だのォ。

ナギサ、お前この術をどこで知り、誰に習った?」

 

「いや、別に誰かに習ったとかなわけじゃなくて、完全に見様見真似なんだけど……」

 

「見様見真似、だと?」

 

「?ああ」

 

 

多重影分身についてはエロ仙人と出会う前の一か月。

一人で修行していた時にそれを思い出しながら習得した。

螺旋丸についてはあの時咄嗟に思い出したあの術を発動させて見ただけだ。

……さすがに制御が出来なくて、中途半端になっちまったんだけどな。

 

 

「……ナギサ」

 

「な、何だよ?」

 

 

怖い顔で見られ、後ずさる。

エロ仙人は怯えている私を気にも留めず、険しい表情で口を開いた。

 

 

「どこで、術を見たんだ?」

 

「……え?」

 

 

言われて、初めて頭が真っ白になった。

 

 

 

 





思っていたより長くなりそうなんで区切ります。

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