弟くんがラスボスルート   作:潤雨

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本日3度目の更新です。読み飛ばしにご注意下さい

後1話で完結です。色々あっさりしてます


エピローグ

 

エピローグ

 

聖杯戦争が終わって三日がたった。

衛宮士郎は遠坂の屋敷より帰還し、家を開けてた間の分の掃除を行っていた。もう少し早く帰りたかったのだが、最後に英霊の宝具を使うなどと言う無茶をやらかした為にかかった体への負荷とそれの影響を調べたり、治療したりと忙しかったのだ(主に凛が)

 

「おや、こんな所にまだ埃が・・・」

「煩いなぁ、文句が有るなら遠坂の所に帰れば良いだろう。」

「つれない事を言うじゃないかマ、ス、タ、ー。」

 

部屋の隅の埃を見つけ、姑の嫁いびりのような事をし出したのは紅い弓兵。最終戦の策としてサーヴァントを入れ換えたのだが、現在でもそのままだ。聖杯のサポート無しの士郎ではサーヴァントを現界させておくことは難しく、単独行動持ちのアーチャーならば、魔力を節約出来るからと押しきられたのだ。

問題としてはその通りではあるが、恐らくは同居人としての快適さで、小言がうるさいのを追いやろうとしたのも、主従の入れ換えを戻していない理由の何%かを占めているのだろう。

 

「シロウ、今日からよろしくね。」

「ああ、イリヤ。」

「お姉ちゃんって呼んでもいいのよ?」

 

衛宮邸の新たな住人となる少女が二人のメイドを連れて現れる。イリヤはアインツベルンんは帰らず、衛宮邸で士郎と暮らすことを選んだ。バーサーカーが居ないのを残念がっているが、それでも『家族』と暮らせることに喜んでいる。

 

「飯は桜と慎二が来てから作るからちょっと待ってくれ。」

「はーい。」

 

桜と慎二は和解し、二人で臓硯がいない間桐の遺産の整理や管理を行っていく事を決めた。凛はかなり難色を示したが、聖杯戦争の表向きの優勝者である遠坂凛に弟子入りするということにして、桜に魔術を教える事を条件にそれを認めた。

 

第5次聖杯戦争は表向きは遠坂凛の優勝と言うことになっている。しかし、本来なら優勝者になっていただろう創名がサーヴァントの反逆により聖杯を破壊されてしまい、その勝敗はあやふやなモノと成ってしまった。

あのアサシンは一体何を考えていたのだろうか?

 

「こんにちはー、来たわよー。」

 

玄関から声がして、凛にバゼット、そして、肌の黒くなった創名が入ってくる。

そう、創名はあの後、一度死亡した後に息を吹き返したのだ。髪は黒くなり、肌も浅黒い色になり、人格も別人のようになって・・・

 

「どうしたんだ?来るのは夜からって言ってたのに・・」

「創名くんの体に残ってた弾丸を回収して、調べたら、ちょっと分かったことがあってね。報告に来たのよ。」

「軽く言うけどこの人、俺の心臓止めたからね。その上に癒着してる弾剥がしたんだぜ!いくら直せるからって鬼の所業だよな?」

「煩いわよ、創名くん。」

「アヴェくんって呼んでくれていいんだぜ?」

 

本気で別人のようだ、本人曰く、創名とは別人だが、士郎とはほぼ同一人物という謎の答えが帰ってくるだけだった。

凛達を居間まで通すとアーチャーが既に人数分の湯飲みを用意していた。

 

「今回分かったのは、この弾丸が魔術礼装だったと言うこと、創名くんの骨が使われていたこと。」

「骨?」

「えぇ、ここに居るアヴェが言うには起源弾って言うらしいわ。撃たれた対象に起源の現象を強制的起こす礼装」

 

そこまで言われて士郎も気付く。創名の起源は『輪廻』つまり・・・

 

「そう、この弾丸の効果は恐らく撃たれた対象を転生させる効果、創名くんは既に生まれ変わってる可能性があるわ。」

「うん、すげー発見みたいにいってるけど、オレ目が覚めたときに言ったよね、創名はもう生まれゴっはッ!」

 

澄んだ目をした凛に殴られ、創名もといアヴェくんは吹き飛ぶ。

 

「まぁ、記憶があるかとか色々気になる点はあるけど、もしかしたら、また会えるかも知れないわ。」

「会えるさ、約束はまた今度、そう言ったんだ。きっとまた会える。」

 

月下の約束とあの日の約束、そのどちらもまだ果たされていない。ならば、創名は約束を果たしにやって来る。その時を楽しみに、そして、その時彼に胸を張れるように、正義の味方に少しでも近づこう。

少年は決意を胸に笑う。いつか、いつの日か、弟とまた家族として過ごせる日が来る事を確信して。

 

 

END

 





ご愛読有難うございました(≧∇≦)
次の蛇足を入れて、弟くんがラスボスルート完結となります。
本当にありがとうございました。
皆さまの評価、感想のお陰で最後まで書ききる事が出来ました。
本当はもうちょっと色々書きたかったのですが、他にやらなきゃいけない事が多くなり、最後方はかなり短くなってしまいました。落ち着いたらちょこちょこ書き足して行きたいと思っているので、書き足し部分を見つけても、暖かく読んで頂けたら幸いです。

最後に本当にありがとうございますm(_ _)m

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