彩花/恋と魔法の物語   作:khiro

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2話 姉の気持ち

・・・

ある日の体育の着替え

 

唯「あやちゃんのブラかわいい」

 

彩花「ありがとう。」

 

女子「なによペチャパイのくせに。」

 

女子「彩花ってブラいらないよね」

 

女子「Aカップもないんじゃない?」

 

彩花「・・・」

 

唯「あいつら気にしなくていよ」

 

・・・

私は不幸な女の子である。

 

いろんな男子に下着を見られたり、胸を揉まれたり。

そのせいでクラスの女子にも変態、露出狂扱い。なんで私ばっかり。

 

しかも胸もぺったんこ。一部の女子からはブラなんかつける必要ないじゃんとからかわれる。

 

・・・

中2のときのとある日

 

大輔「なあ、誰かいるのか?」

 

大輔がドアを開けると

 

彩花「あ・・・」

 

大輔「彩花、来てたのか・・・」

 

彩花の着替え、下着姿を見てしまった。

 

大輔「すまん。」

 

彩花「不幸だ・・・」

 

彩花「ねえ、わたしの下着姿を見ておいて、ただで帰る気?」

 

大輔「まさか一発殴らせろって言うのか?」

 

彩花「そんなことしないよ。」

 

彩花「大輔君も脱いで」

 

大輔「わ、わかった。それで許してくれるなら。」

 

ということで俺もここで着替えた。

 

彩花「大輔君の下着姿を拝めて最高」

 

大輔「そういえば、彩花もブラジャーを着けるようになったんだな。」

 

彩花「そうだけど。わたしにはまだ早いとでも?」

 

大輔「そんなことないよ。別に俺には関係ないことだ。」

 

大輔「まあ彩花がブラ着けるようになったというのは感慨深いものがあるな。」

 

彩花「さすが大輔君。男の子として普通の反応です。」

 

・・・

別の日

 

その日は雨だった。傘をさしていても濡れる。

この日も大輔君と登校。そしてそのとき

 

彩花「うわっ」

 

横を通りかかった車の水しぶきで制服が濡れてしまった。

 

彩花「濡れちゃった」

 

大輔「大丈夫?」

 

彩花「うん。タオル持ってるんで。」

 

大輔「・・・。今日はピンクか。」

 

彩花「え?」

 

これは濡れたときのお約束のパターンか。ブラが透けてしまった。

顔を真っ赤にしてあわてて胸を隠す。

 

近くにいた男子たちも見て見ぬふりをしているが明らかに見てしまった表情をしている。

 

彩花「不幸だ。」

 

大輔「彩花がブラ見られたくらいで赤くなるとか意外だな」

 

彩花「そりゃわたしだって女の子なんだから。男の子に下着見られたくないよ。」

 

大輔「これ学校についても透けてたら嫌だな。」

 

多分昼近くまで透けてるんだろうな。

なんで私はいつも男子の前で下着を見せてしまうんだろう。

 

大輔「まあ彩花はメインヒロインであって、視聴者サービス要員なんだから。むしろ俺なんかじゃなくいろんな男子に見せないとな。」

 

彩花「わたし、サービス要因なんだ。」

 

彩花「どうせわたしの透けブラ見た男子の何人かは、なんで貧乳のくせにブラつけてるんだよとか笑ってるんだろうな。」

 

大輔「それ誰が言ったんだ?」

 

彩花「クラスメートの女の子のほとんどだよ」

 

大輔「そりゃ女子はそういう奴いるかもしれないけど、少なくとも男はそうは思ってないぜ。」

 

大輔「むしろ貧乳なのにそんな可愛いブラつけてたら萌えるだろうが!」

 

大輔「これに萌えない男なんていないよ」

 

 

今日もナイトメア退治に向かう

 

オラフ「ここは多分君も知らない人かな」

 

彩花「そうだね。こないだは知ってる人だったけど、知らない人だと緊張するな。」

 

由紀「あんたも来たんだ。」

 

彩花「福原さん、よろしくお願いします。」

 

由紀「私はアニメ史上最強の魔法少女。すべての魔法少女は道を譲りなさい。」

 

オラフ「由紀、それって死亡フラグなんじゃ。」

 

由紀「さあ、今日こそは速攻で片付けるわよ。」

 

オラフ「それも死亡フラグなんじゃ・・・」

 

 

そして変身シーン。しかし・・・

 

彩花「キャー!」

 

変身に失敗し、下着姿を晒すことに。

 

彩花「不幸だー。」

 

由紀「私は高梨さんのパンティとスポーツブラを拝めて幸せ。」

 

由紀「別にいいじゃない。私に見られるくらい。女同士なんだし。」

 

彩花「それはそうだけど・・・」

 

気を取り直して、再び変身。

 

 

由紀「ねえ、高梨さん、私と友達になってくれるの?私の傍にいてくれるの?」

 

彩花「うん、もちろん」

 

由紀「うれしい。ダメだなー。私、先輩ぶってなきゃいけないのに。」

 

由紀「じゃあこの戦いが終わったら、パーティをしましょう。私と高梨さんの魔法少女コンビ結成記念よ。」

 

由紀「ご馳走とケーキを用意しよう。最高におっきくて贅沢なお祝いのケーキ。」

 

彩花「ケ、ケーキ?」

 

オラフ「だからそれ死亡フラグだって」

 

 

由紀「彩花ちゃん最高!」

 

彩花(彩花ちゃん・・・、親しくなったな・・・)

 

由紀「体が軽い。こんな気持ち初めて。もう何も怖くない!」

 

オラフ「それ最強の死亡フラグ!」

 

オラフ「彩花、これはなんとしても由紀の死亡を阻止しなければ。」

 

彩花「わかった」

 

こうして私の弓でナイトメアを退治した。

 

彩花「よかった・・・」

 

オラフ「彩花のおかげとはいえ、あれだけの死亡フラグを立てながら生き残ったのは奇跡だ。」

 

由紀「何言ってんの。私の実力よ。あやちゃんの助けなんていらなかったのにな。」

 

彩花(あなたもあやちゃんって呼ぶんだ。親しくなったな。)

 

由紀「そうだ。これからは私のことは由紀でいいよ。」

 

彩花「うん。」

 

彩花「あやちゃんって呼ぶのは別にいいし、友達もそう呼ぶことあるけど、わたしにとってはあやちゃんは別の人なんだよね。」

 

由紀「それって誰のこと?」

 

彩花「姉の、高梨彩。」

 

由紀「そうなんだ。」

 

由紀「そういえば、あやちゃんは戦闘中いつもパンチラしてるのね。」

 

彩花「えー、先に言ってよ!」

 

由紀「いいじゃないの。あやちゃんは視聴者サービス要員なんだから。」

 

 

由紀「今日の戦闘はどうだった?」

 

彩花「相手も強くなってきてるけど、力を合わせれば勝てるね。」

 

由紀「そうでもないでしょ。大したことなかったわね。」

 

由紀「とりあえず魔力不足さえしなければ殺されそうな気しなかったから、大したことなかったわ。」

 

彩花「さすが、ベテラン。強気だね。」

 

由紀「そうね。魔法少女との戦闘のほうがよっぽどしんどかったわね。相手も強いし。」

 

由紀「こんな相手に負けたら唯ちゃんやかなちゃんにも申し訳ない。」

 

オラフ「もしかして、あいつは美樹さやかより弱いかな?」

 

由紀「そうね。さやかちゃんのほうが強いかもね。」

 

彩花(引き合いに出されるさやかちゃん可哀想)

 

オラフ「平成生まれにはわからない元ネタだけど、とりあえず。死亡フラグを明日に回したね」

 

 

とはいえ結局その後の戦闘でも由紀ちゃんは無敵だった。

舐められてるナイトメアがなんか可哀想になってくる。

 

・・・

私は高梨彩。この家の長女。

 

今日は妹の彩花が友達を連れてくるらしい。

 

唯「お邪魔します。小原唯です。」

 

香苗「荒川香苗です。」

 

彩花「この人が私のお姉ちゃん。」

 

彩「初めまして。高梨彩です。」

 

唯「この人が彩ちゃんのいうところのあやちゃんか。」

 

香苗「姉妹だから名前が似てるんだね。」

 

 

彩「そういえば提案なんだけど、私たち漢字まで同じなのよね。姉妹だから仕方ないけど。」

 

彩「このままだと検索サイトで『高梨彩』って検索したら両方出ちゃって探すの大変になりそうじゃない?」

 

彩「だから区別のために、彩花のことは『高梨綾花』って表記すればいいんじゃないかと。」

 

彩花「『綾』より『彩』のほうが人気あるから、それだと彩ちゃんに人気を取られそう。」

 

彩「冗談冗談。主人公兼メインヒロインの名前を変えるわけにはいかないね。」

 

彩「名前が平仮名で『高梨あや』って表記にすればいいんじゃないかな。」

 

彩花「それはそれでいいね。」

 

 

リビング

 

彩花「達也君も帰ってたんだ」

 

達也「初めまして。弟の達也です。」

 

あや「唯ちゃんは初めてだね。香苗ちゃんは前にも来たことあったよね。大輔君の妹だったし。」

 

香苗「はい。」

 

香苗「お姉ちゃんがいてうらやましいな。ぼくは兄がいるけど、姉妹がいないんだよね。」

 

彩「ぼくは兄が3人。ちなみにそのうち1人は彩花ちゃんのボーイフレンドの大輔お兄ちゃんだね。」

 

彩「末っ子で、女の子1人だけだから心細いんだ。」

 

達也「そうだよね。僕も男1人だから肩身狭いかも。」

 

達也「でもお姉ちゃんたちの姉妹愛が見れるのはいいけど、どうしても僕は家での居場所がない気がするんだ。」

 

香苗「男の子って女の子に囲まれたら嬉しいんでしょ?ハーレムとか望んでるって聞いたけど」

 

達也「そういうのは二次元だけだよね。実際は女の子がいっぱいのところに男1人ってのは肩身が狭い。」

 

達也「それに引き換え男多数に女1人ってときのほうがその女の子は大事に扱ってもらえそうな気がする。」

 

香苗「でもお兄ちゃんたちが見せ合ってるエロ本見ても、ぼくは楽しめないし。」

 

香苗「ブラジャー着けるのもなんか恥ずかしい。」

 

唯「あたしも。初めてブラジャー買いに行ったとき一緒にいたのお母さんだけだった。彩花ちゃんはお姉ちゃんと行けるからいいよね。」

 

彩花「確かにお姉ちゃんいたけど、あまり関係なかったな。」

 

香苗「ぼくは家ではブラ着けてないんだよね。家に帰ってきたらいつも外してる。」

 

彩花「わたしも胸小さいから夏場はブラつけてないこともある。」

 

彩花「そういえば唯ちゃんは胸大きいよね。わたしは胸小さいからうらやましい。」

 

唯「いや、胸が大きいというのもいいことばかりじゃないよ。」

 

唯「かわいい柄のブラはだいたいCカップくらいまでしかないし。」

 

唯「ブラの値段、カップ数が大きくなるほど高いからね。」

 

唯「下着代がかすむよ。だからあたしはブラはそんなに何枚も持ってない。」

 

唯「中1くらいまではあたしもかわいいブラ着けてたけど今は地味なのしかない。」

 

唯「かわいいブラ持ってる彩花ちゃんがうらやましいよ。」

 

彩花「そうなの。」

 

唯「あたしは胸が大きかったから小3のころからブラ着けてたんだよね。最初はスポーツブラだったけど。」

 

唯「そのころはブラつけてるの恥ずかしかったよ。小学校低学年だとまだ体育の着替えは男女一緒だし。」

 

唯「そういえば3年生のとき、あたしが初めてブラをつけてきたら体育の着替えのとき男子にからかわれて泣いちゃったんだよね。」

 

彩花「そんなことあったね。それでクラスの女子の何人かが唯ちゃんのためにブラつけてくるようになったんだっけ。」

 

彩花「でもわたしは最近までブラ着けてなかったな。」

 

唯「胸が大きいのって結構女子にからかわれるよ。」

 

彩花「そうなんだ。」

 

唯「子供のころはブラにあこがれるって女の子あんまりいないと思う、」

 

彩花「わたしはあこがれてたよ。」

 

彩花「女子の間でブラをつけた子=大人みたいな状態で競争するかのようにつける子が増えたな。その頃からあたしも胸が痛くなりはじめてたからお母さんにお願いしてつけるようになった。」

 

彩花「でもやっぱりわたしは胸が大きいほうがいいな。」

 

彩花「それより、わたしは本当は男の子に生まれたかったかも。」

 

唯「なんで?」

 

彩花「だって。男の子に生まれてたら胸が小さいの気にする必要なかったもん。」

 

彩花「あと男の子に生まれてホモになりたかったって思うこともある。BLって、女じゃ永遠に届かない世界だし。」

 

唯「それならブラにあこがれるのはなんで?」

 

彩花「だって、せっかく女の子に生まれたら可愛いブラを着けたいと思うよ。」

 

・・・

彩花「ねえ、唯ちゃんとかなちゃんは自分で告白するタイプ?それとも相手に告白してもらいたい?」

 

唯「私は相手に告白されたいな。」

 

香苗「ボクも」

 

彩花「わたしは自分から告白するよ。幸せは自分でつかまなくっちゃ。」

 

香苗「その勇気、見習いたい。」


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