彩花/恋と魔法の物語   作:khiro

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1話 魔法少女との出会い

大輔。その人とは幼稚園に入る前から一緒だった。

 

彼のことを兄のように慕っていた。

 

彩花「お兄ちゃん、って呼んでいいかな?」

 

大輔「いや、むしろ俺は弟だろ。お前がお姉ちゃん。」

 

大輔「お前のほうが1日早く生まれたんだから。」

 

彩花「でも私は弟はいるから、お兄ちゃんが欲しいな、って。」

 

大輔「俺も妹はいるんだけどな。」

 

大輔「まあお前がそう呼びたいならそれでいいよ」

 

彩花「やったー。」

 

彩花「お兄ちゃん」

 

 

男子「お前うぜーんだよ」

 

私はよく男の子にいじめられた。

 

大輔「お前ら、俺の友達に何を・・・」

 

男子「おりゃー」

 

男子「なんだお前。荒川のくせに偉そうなこと言いやがって。」

 

彼は私を守ってくれた。でもそのせいで彼までいじめられた。

本当は彼は力があまり強くない。

 

男子「こいつは女だから手加減してやってたけど、お前は男だから容赦しねえ。」

 

気付けば彼は私以上に重傷に。

 

彩花「なんでわたしのためにそこまで・・・。」

 

彩花「本当ごめん・・・」

 

大輔「言っただろ。俺はお前のお兄ちゃんだって。だから妹を守れないとな。」

 

大輔「なのにこのザマとは。情けない兄でごめん。」

 

彩花「いいんだよ。わたしを守ってくれたんだから。」

 

 

ある日は、彼がいじめにあった。

どうやら私と仲良くしてることが原因らしい。

 

男子「荒川のくせに女とイチャイチャしてるなんて、生意気なんだよ。」

 

彩花「ちょっと、あんたたち!」

 

男子「あ、またあの女が来たぞ。お前を助けに来たのかな?」

 

彩花「いじめはよくないよ。」

 

男子「だからどうした?」

 

男子「お前、俺と喧嘩するのか?」

 

彩花「え?それは・・・」

 

男子「こいつを守りたいんなら、力尽くでこいよ。どうせ勝てないんだろうけど。」

 

彩花「話し合いで解決しない?」

 

男子「は?」

 

彩花「喧嘩はよくないと思う」

 

男子「ふざけんな、何が話し合いだ!この野郎!」

 

 

大輔「大丈夫か?」

 

彩花「うん、大輔君のほうこそ」

 

 

そういえば結婚式ごっこなんてやってたときもあった

 

彩花「わたしはおよめさん。大輔くんはおむこさん。」

 

大輔「彩花ちゃん可愛い」

 

彩花「大輔くんもかっこいいよ」

 

彩花「およめさんとおむこさんは腕を組んで歩くんだよ。」

 

彩花「せーの、いちに、いちに」

 

そして2人は向かい合う

 

彩花「ここで向かい合って、愛を誓うの。」

 

彩花「そしてチューするんだよ。」

 

大輔「チュー?」

 

彩花「わたしとじゃいやかな?」

 

大輔「ううん、むしろ彩花ちゃんとじゃなきゃダメだと思う。」

 

彩花「よかった。」

 

彩花「じゃあ誓うよ。」

 

彩花「雨の日も、風の日も、たとえどんな日も、わたしは大輔君を愛することを誓います。」

 

大輔「ぼくは彩花ちゃんを幸せにし、どんなときでも○○ちゃんを守り」

 

大輔「彩花ちゃんを永遠に愛することを誓います。」

 

そして2人は口づけをする。

 

大輔「ねえ、大きくなったら大輔くんのおよめさんにしてくれるかな?」

 

大輔「うん、そうなったらいいな。」

 

 

他に、私の親友のクラスメート

 

唯「あたしは小原唯っていうの。」

 

彩花「わたしは高梨彩花。」

 

唯「じゃああやちゃんって呼んでいい?」

 

彩花「好きに呼んでいいよ。」

 

唯「私のことは唯でいいよ。」

 

彩花「わかった。でもわたしのなかで、あやちゃんって人は他にいるんだよね。」

 

 

香苗「ぼくは荒川香苗っていうの。」

 

この子は大輔君の妹で、1つ下。先輩後輩の上下関係なく、普通に接している。

 

香苗「ぼくもあやちゃんって呼ぶね。ぼくのことはかなちゃんって呼んでよ」

 

彩花「うん。」

 

香苗「ぼくは末っ子で、3人の兄の妹。女の子1人だけだからなんていうか心細いんだ。」

 

香苗「だからあやちゃんや唯ちゃんが仲良くしてくれたら嬉しいな。」

 

彼女の一人称が「ぼく」なのは男兄弟だからなのだそうだ。

 

 

中学2年生の10月ごろ。

 

達也「彩花お姉ちゃん、朝だぞ、起きて~。」

 

彩「おっきろー!」

 

彩花「うにゃあ」

 

彩花「あ、彩ちゃん、達也くん。」

 

姉の高梨彩、弟の達也。

 

わたしにとってのあやちゃんとはこのお姉ちゃんのこと。

 

彩「今日はこのリボンをつけて行きなよ。」

 

彩花「えー、ちょっと派手過ぎない?」

 

母「それくらいでいいのさ。これなら彩花の隠れファンもメロメロだ。」

 

彩花「いないよ、そんなの」

 

 

 

圭一「おはよう荒川君。」

 

大輔「おはよう葛西。」

 

圭一「今日僕の家の隣に新しい人が引っ越してくるんだって。」

 

大輔「そうなんだ。」

 

圭一「噂だとこの学校に転校してくるらしいぞ。」

 

大輔「へえ、それは楽しみだね。」

 

この日、食パンを加えて登校する。

 

彩花「大輔君、葛西君、おはよう。」

 

彩花「あ!」

 

石につまづき転倒。このときスカートがめくれて水色のパンツを見せてしまう。

 

彩花「見たでしょ?」

 

大輔「いや、別に・・・」

 

彩花「不幸だ。」

 

彩花「まあ男子に下着を見られる不幸には慣れてますよ。特に大輔君にはね。」

 

圭一「相変わらずラブラブだな。」

 

彩花「そうでもないよ。」

 

大輔「今日の彩花のリボン可愛いな」

 

彩花「えー、これお母さんとお姉ちゃんが選んだんだけど、派手過ぎると思うんだよね。」

 

 

帰り道

 

道端につまづき、プラスチックのおもちゃの弓を池に落としてしまった。

 

彩花「弓が・・・」

 

彩花「不幸だ」

 

そのとき、池からイタチのような生き物が現れて

 

「君が落としたのはこの金の弓かい?」

 

彩花「いいえ違います。」

 

「ならばこの銀の弓かい?」

 

彩花「いいえ違います。」

 

「ならばこのプラスチックの弓かい?」

 

彩花「はい、それです。」

 

「君は正直な人だ。ではこのプラスチックの弓を返してあげよう。」

 

彩花「ありがとうございます。」

 

彩花「・・・ん?あれ?」

 

彩花「こういうときって、わたしは正直だから金の弓と銀の弓もくれるんじゃないの?」

 

「え、これ欲しいの?」

 

「嫌だー。これは僕の大事な弓なのにー。」

 

彩花「だったら見せびらかさないでよ。最初からプラスチックの弓だけを持って来ればいいでしょ。」

 

「だいたい金の弓や銀の弓なんて君には何の役にも立たないと思うな。銃刀法違反で捕まるだけじゃない?」

 

彩花「確かにそうだね。」

 

「ということで、正直な君にはご褒美に弓よりももっといい物をあげよう。」

 

彩花「いい物?」

 

「魔法だよ。」

 

「君を魔法少女に任命する。」

 

彩花「魔法少女?」

 

オラフ「僕はオラフ。今日から君のご主人様だ。」

 

オラフ「時期にこの街には別の魔法少女がやってくる」

 

彩花「え? そうなの?」

 

 

こうして魔法少女になった。

 

彩花「魔法少女って何するの?」

 

オラフ「主にナイトメア退治だね。」

 

彩花「ナイトメア?」

 

オラフ「人が夜寝るときに見る夢、悪夢に取り付く魔物だ。」

 

オラフ「まずはあの人のナイトメア退治だ。」

 

彩花「ねえ、あの人は誰?」

 

オラフ「私は福原由紀、魔法少女の1人。」

 

由紀「あなたが新人の魔法少女?」

 

彩花「はい。わたしは高梨彩花です。」

 

彩花「あれは、大輔君?」

 

オラフ「おそらく、荒川大輔のナイトメアだね。」

 

こうして私は

 

彩花(へえ、こんな感じで変身できるんだ。)

 

オラフ「君の武器は弓。その弓でナイトメアを撃つんだ。」

 

彩花「うん」

 

そうして私は弓を放つ。

私はナイトメアに襲われそうになる。

 

由紀「その程度じゃダメだね。こうやるのよ。」

 

彼女は銃を放つ。

解放された私は再び弓を放った。

 

その後彼女とともにナイトメアを退治した。

 

彩花「すごい。さすがベテラン。ピンチのときも助けてくれたし。」

 

彩花「どうもありがとう。」

 

由紀「あなたも初仕事にしてはなかなかやるね」

 

オラフ「そういう君もまだベテランって言える芸歴じゃないんでしょ?」

 

由紀「う・・・、確かにまだ2ヶ月くらいだけど・・・」

 

ちなみに戦闘シーンは、漫画なら2ページくらい使いたいところだ。

 

 

葛西の家

 

由紀「隣に引っ越してきたので伺わせていただきました。」

 

由紀「初めまして、福原と申します。」

 

圭一「これはご丁寧にどうも。」

 

由紀「これ、つまらないものですが。」

 

圭一「どうもありがとう。」

 

由紀「来客中でしたか?」

 

圭一「僕の友達の荒川。気にしなくていいよ。」

 

由紀「それでは失礼します。」

 

 

学校

 

彩花(どうやら大輔君に昨日の夜の記憶はないみたいだね)

 

先生「今日は転校生を紹介する。」

 

先生「それでは自己紹介行ってみよう」

 

由紀「福原由紀です。よろしくお願いします。」

 

彩花「あ、あの人・・・」

 

 

女子生徒「福原さんって前はどこの学校だったの?」

 

由紀「京都の学校」

 

女子生徒「部活とかやってた?運動系?文化系?」

 

由紀「やってなかった」

 

彩花「なんか人気だね」

 

大輔「そういえばさっきの彩花の反応からして、あの人と知り合いなのかな?」

 

彩花「まあ、この前1度だけ会っただけなんだけど。」

 

大輔「へえ、それは運命の出会いって奴?」

 

彩花「そうでもないでしょ。」

 

大輔「葛西の家の隣に引っ越してきたのってあの人?」

 

圭一「うん。」

 

圭一(正直俺としては隣の家に同級生の女子が引っ越してきたというのはかなり辛い状況だ)

 

オラフ「福原由紀、あだ名はふゆき、ってとこかな。」

 

由紀「何それ。それ悲惨な転校生じゃん。最終回前にまた転校しちゃう。」

 

オラフ「まあメインヒロインは彩花で、君はただのサブキャラだから。」

 

オラフ「ドラえもんでいう雪の精みたいなもの。」

 

由紀「それ1話で消えちゃう人じゃない。」

 

オラフ「好きな人のために死ねたらかっこいいと思うけどな。」

 

オラフ「なら水中バギーとか、ウソ800(エイトオーオー)とか。」

 

由紀「それひみつ道具だし、映画にしか出てない。」

 

彩花「よくそんなちょい役のマイナーキャラ知ってるね。せめて出来杉君かドラミちゃんにしてあげなよ。」

 

オラフ「それじゃあ主人公の君より優秀なキャラになってしまうではないか。」

 

彩花「まあ現に福原さんのほうが強いし」

 

 

由紀「私、父の転勤でよく転校するんだよね。小学校のときは6年間で7回転校したし。」

 

由紀「だから友達できなくて・・・」

 

彩花「そうなんだ。」

 

彩花「わたしでよかったら友達になってあげてもいいけど。」

 

由紀「別に友達いなくていいんだ。お別れが辛くなるから。」

 

彩花「そうなの?」

 

彩花「できればわたしは福原さんと仲良くしたいな。」

 

彩花「わたしだけじゃなく、大輔君や、隣に住んでるっていう葛西君とも仲良くできたら。」

 

 

唯「あやちゃん、魔法少女になったんだ。」

 

彩花「うん、そうなの。」

 

唯「あたしも魔法少女なのよ」

 

彩花「そうだったの?」

 

唯「でもあたしは妖怪担当だから。あやちゃんはナイトメアのようだけど。」

 

彩花「そうなんだ。」

 

 

唯「魔法少女の専門分野はいくつかあって、あたしとかなちゃんは妖怪。あやちゃんはナイトメア。」

 

香苗「ちなみに妖怪とは人の感情によってとりつくものなの。」

 

唯「妖怪は世界そのもの、生き物と違って世界と繋がっている。」

 

彩花「そうなんだ。」

 

香苗「ぼくが目指すのは、みんなの夢をかなえる魔法少女。名前が香苗だけに。」

 

彩花「そうですか。」

 

香苗「お互い担当分野は違うけど、一緒に頑張っていきましょう。」


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