SAO~デスゲーム/リスタート~   作:マグロ鉱脈

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いつもと同じお決まりレポート。
見ても見なくても大丈夫だよシリーズです。


File05 レポート5

◇回復について

 DBOはシビアなゲームバランスであるが、その一方でHPの豊富な回復手段も存在する。プレイヤーはいずれを用いるかは自由であるが、完全にノーリスクでお手軽に回復できる手段はない。状況に応じて持ち込むアイテムを厳選し、回復を行える仲間とパーティを組むことが求められる。

 ここではメインとなる回復手段について下記するものとする。

 

 

◆アイテム

 最もポピュラーな回復手段であり、HPにおいてメインを担うのは回復アイテムである。

 回復アイテムはアイテムストレージ容量と持ち込み可能数が許される限り、無制限で保有することができる。DBOにおける回復アイテムはほぼ全てが割合回復制である。それ故に高レベルプレイヤーが低レベル帯でも購入できる安価な回復アイテムを使用することも可能である。ただし、回復アイテムには共通した性質・デメリットが存在し、それぞれの回復アイテムの性能と状況を判断した上で使用しなければ、本来は自身を救うはずである回復アイテムが首を絞め、HPゼロになる間接的要因になることを念頭に入れねばならない。

 

■性質

 言うまでもないことであるが、使用することでHPを回復することができる。この為、スキルや装備構成次第では唯一の回復手段として重宝することになるだろう。またアバター修復速度を高めるものも存在し、流血システムのアップデート以降はより重視されている。

 大前提であるが、個々のアイテムの『使用完了条件』を満たさない限りはHP回復が発動しないことを忘れてはならない。また、HP回復アイテムには個々の『HP回復完了時間』もまた定められている。『3割回復/10秒間』の場合、HP3割を10秒かけて回復することになる。10秒を短いと考えるか、10秒を長いと焦るかは使用する状況によるだろう。ただし、1度使用完了条件さえ満たせば設定された数値の回復は確定する為に、これを利用して敢えて回復時間がかかるアイテムを連用することで疑似オートヒーリングを発動させる荒業も存在する。

 連続使用による効果の低減にも注意しなければならない。アイテム次第ではクールタイムが存在し、これを待たずして使用するとHP回復量低下などのペナルティが課せられる場合がある。中にはクールタイムが経過しなければ使用できないアイテムも存在する。その場合は他のアイテムで回復を図るのも1つの手であるが、別アイテムの使用にもペナルティを課すアイテムがある為に、回復性能の十分な把握と適切な判断が求められる。

 回復アイテムには最大所有数が定められており、上限以上の回復アイテムを持ち込めない。ただし、回復アイテムがドロップによって自動入手した場合はこれの限りではなく、例外的に上限をオーバーした状態でも所持が可能である。これを逆手に取り、性能が高く最大所持数が少ない強力な回復アイテムを上限数以上をアイテムストレージ内で所持し続ける裏技も存在するが、強力な回復アイテム程にアイテムストレージ使用容量も大きい傾向にあることを忘れてはならない。

 

■デメリット

 DBOがDBOと呼ばれたる所以であるプレイヤーにとって過酷とも呼べるゲームバランスであるが、それは回復アイテムも例外ではない。回復アイテムの使用はプレイヤーに対して様々なデメリットをもたらす。状況次第ではデメリットによって逆に追い詰められることになるだろう。

 主なデメリットは以下の通りである。

 

●スタミナ消費・スタミナ消費量増大・スタミナ回復速度減少

 HPを回復するという行為を現実準拠に言い換えるならば『肉体の修復を促す』とも呼べる。ならば、相応の体力を消費するのは言うまでもない事だろう。DBOの回復アイテムは総じてスタミナ消費が伴う。特に低レベル帯でも得られる安価な回復アイテムは回復性能に釣り合わない程にスタミナを大幅に削るものが多い。また連用によってスタミナ消費量が増えるアイテムもある。

 回復中はあらゆるアクションのスタミナ消費量が増大し、回復中にガードを固めるなどした場合、想定以上にスタミナを削られる危険もある。

 スタミナ回復速度の減少効果もあり、なおかつ減少効果が消えない内の再使用はスタミナ回復速度効果重複・延長する為に、使用すればする程にスタミナ回復速度が低下することになる。

 回復アイテムの使用=継戦能力の低下である。エンカウント率が高いダンジョンに長時間の滞在や長期戦・スタミナ大消費が予想されるネームド戦などでは、回復アイテムのチョイスを間違えた場合、スタミナ切れを起こして抵抗できないままにHPをゼロにされる事もあるだろう。

 

●防御力・スピードの低下

 回復アイテムの多くには防御力の低下効果がある。多くは割合低下であるが、低レベル帯で入手できるアイテム程に高割合減少の傾向が高く、高レベル帯で安易に使用すれば大幅な防御力低下によって回復量以上の大ダメージを受けて窮地に追いやられる場合もあるだろう。また、アイテムによっては連用することによって初めて防御力低下効果を発動させるものもあり、説明欄に記載されていない場合もある。未知なる回復アイテムを使用する場合は≪鑑定≫スキルによるクローズド情報の開示や実用による調査をするべきだろう。防御力低下も重複する場合はあるが、全上乗せは稀であり、スタミナ回復速度減少に比べれば上がり幅が抑えられている傾向にある。また、使用完了条件を満たすまでは防御力低下とカウンター判定となる為に、回復行為自体が大ダメージを被る危険もあることを忘れてはならず、敵の攻撃範囲内での回復行為は自殺行為と呼べるだろう。

 全ての回復アイテムには使用完了条件として『使用可能速度』が設定されている。使用可能速度を下回らない限りは回復アイテムは無効化される。また、『使用可能速度維持時間』も定められており、速度を低下させて即使用するならば、使用可能速度維持時間が比較的短いものをチョイスするべきである。

 回復中はスピードの低下をもたらすDEX補正の下方修正や鈍足状態になるものも多い。防御力低下のみならず、スピード低下で回避もできず、なおかつHP回復にも時間がかかる……といった三重苦も時にはあり得るだろう。

 

●貢献度の低下

 獲得経験値やドロップアイテムに関係する貢献度であるが、回復アイテムの使用はマイナス評価となり、貢献度が低下する。より多くの経験値を欲し、よりレアリティの高いアイテムを得たいならば回復アイテムの使用は控えた方がいいだろう。ただし、HPゼロになっては元も子もない。自身のプレイヤースキルや仲間のヒーラーを計算しながら立ち回るのがいいだろう。

 なお、逆に他プレイヤーに回復アイテムを使用した場合はプラス評価になる。これを利用して貢献度を高める裏技も存在するが、回復アイテムの使用評価は被使用者の状態を基準にして決定される。より窮地のプレイヤーに使用してこそプラス評価を高められるが、被使用プレイヤーに危険を敷いてまで貢献度を高める必要性があるかは熟考が求められるだろう。

 

■回復アイテムの系統

 回復アイテムは様々な方法で使用が可能であり、個々に応じて様々なメリット・デメリットが存在する。ここでは主な回復アイテムの4タイプと個々の性質を記載する。

 

●草系

 レベル1でも購入できる最安価の回復アイテム『燐光草』のお陰もあり、プレイヤーが最初に使用するだろう回復アイテムは草系であることが多い。最大の特徴はアイテムストレージ消費容量の低さと所持上限数が無限、またはほぼ無限に近しいことである。使用完了条件は『一定まで咀嚼して呑み込む』と時間がかかりやすく、焦りから使用失敗する例も多い。回復行為と認定されるのは咀嚼からであり、敢えて口内に含んでおいて任意のタイミングで使用、間髪入れずに連用といった小技も使える。

 ドロップアイテムとして獲得できるチャンスも比較的多い部類であり、フィールドやダンジョンにおいて回復アイテムが枯渇した危機を救うことも多い。

 使用完了条件の都合上『口に含む』という行為が不可欠であり、フルフェイス型の兜などを装備していた場合は迅速な使用に難がある。

 総じて回復時間が長い傾向にあり、スタミナ消費や防御力低下などのデメリットも最も大きい。他の選択肢が得難い低レベル帯はともかく、高レベル帯で草系をメインの回復手段に用いるプレイヤーは少ない。

 一方でアイテムストレージ消費容量の低さと所持数上限の高さから大量所持に向いており、長期間のフィールド・ダンジョンの探索や休息時の即時回復には向いているだろう。

 他回復アイテムのベース素材になることも多く、特性さえしっかりと把握していれば頼りになる相棒として末長くプレイヤーを支えてくれる。

 

●ドリンク系

 液状の回復アイテムであり、NPC販売からプレイヤーメイドまで幅広く愛される、高レベル帯でもプレイヤーを支えてくれるだろう。

 バランスに優れたアイテムストレージ容量、所持上限数、回復性能である。連用ペナルティも比較的マイルドである。それ故に低レベル帯を脱したプレイヤーは徐々にドリンク系に回復アイテムのメインをシフトさせていく傾向になる。

 使用完了条件は『内容量の一定を飲む』であるが、9割以上の飲用がほぼ必須である。それ故に内容量と味が最大のハードルとなり、戦闘中で息が上がった状態では内容量が多すぎて飲み切るのに時間がかかったり、あまりの不味さに吐き出して回復失敗した挙句に咳き込んで隙を晒してHPがゼロになったケースがある。NPC販売のドリンク系は総じて味が劣悪であり、プレイヤー間では『トラップアイテム』と恐れられており、プレイヤーメイドの使用が大前提となっている。

 草系と同様に使用条件の都合上、フルフェイスの兜と相性は悪いが、ストローとセットにし、兜側にストローの挿入口を準備するなどの対策をプレイヤーは取っていることも多い。

 草系に比べればドロップアイテムで入手するチャンスが低い。だが、完全回復アイテムの筆頭である女神シリーズがドリンク系のように、時として破格の回復アイテムが入手できるのもドリンク系の特徴だろう。

 

●クリスタル系

 使用完了条件が『手で砕く』という事から、前述した草系・ドリンク系に比べてフルフェイス兜を装備するプレイヤーに需要がある回復アイテムである。

 回復性能は総じて高めであるが、スタミナ・防御力などのデメリットが大きい傾向にある。その一方で回復使用条件完了までの手順が少なく、迅速な回復手段としては優れている。またクールタイムも短く、連用にも適している。単純なHP回復だけではなく、バフを付与する複合型も多い。CONを高めて十分なスタミナを確保し、高防御力を持つ重防具プレイヤーならば、草・ドリンク系よりもメインに据えても問題ないだろう。

 問題点として常時販売している商人NPCはおらず、フィールドや街に登場するランダムポップ型の行商人NPCが個数限定販売しかしない。またプレイヤーメイドにしても敷居が高く、素材や手順の多さから、≪錬金術≫を始めとしたスキルの熟練度、作成設備、素材収集の労力・コルが求められる。

 モンスターによってドロップ率が大きく異なり、数を保有するならばドロップ率が高いモンスターを重点的にハントするのが最も効率的である。

 問題点を克服することさえできれば、極めて強力な回復アイテムとしてプレイヤーに恩恵をもたらすだろう。

 

●注射系

 最も即効性が高く、最もクールタイムが長く、所持上限数も少なめであり、連用デメリットが大きいとされるのが回復アイテムが注射系である。

 使用完了条件は『内容量の全投与』であり、前述した通りに平均で見ても最速の回復速度を誇る。注射器自体は針や圧力など様々であるが、防具上からも使用できる仕様になっている。

 プレイヤーメイド以外で入手はほぼ絶望的であり、それ故に作成プレイヤーに性能が大きく左右される。総じて使用可能速度も高めに設定されており、回復速度も合わさって戦闘中もスムーズに回復できる反面、連用には全く適さず。回復アイテムによっては首や腕など使用する場所によって性能が変動するなど取り扱いが難しい。

 スタミナ関連などのデメリットは低めであるが、連用時は逆に爆発的に上昇する為に、良くも悪くも単発使用を前提とするので、被ダメージを受けない立ち回りをする軽装高速戦闘型やシューターには有効だろう。

 ドロップはほぼ存在しないが、技術レベルの高いステージの医療施設などのトレジャーボックスならば入手できることもある。

 良くも悪くも癖が強すぎる為に、作成・使用両方においてプレイヤーに負担をかける上級向け回復アイテムが注射系である。

 

 

 

 

◆スキル・装備

 相手から受けたダメージの一部を回復する≪バトルヒーリング≫や≪信心≫で使用可能になる奇跡、オートヒーリングや一定以下のHPに到達したら自動回復を行う『保険』など、回復アイテム以外にも様々な手段でHP回復は可能である。回復アイテムに比べてデメリットこそ低いが、その分だけ使用条件のハードルが高いものが多い。だが、多数のスキルや装備を獲得した高レベル帯プレイヤーならば、より生存性を高めるスキル・装備構成が可能であり、次第によっては回復アイテム要らずになるだろう。

 

■性質

 プレイヤーは個人の判断によって自由にスキル・装備を構成することができる。故に個人差が大きい特徴になるだろう。

 たとえば、≪バトルヒーリング≫の習得にはレベルに対して獲得条件の累計被ダメージ値が設定されており、高レベル帯で≪バトルヒーリング≫を獲得するのはほぼ不可能に近い。よりダメージを受けやすい近接ファイターのプレイヤーが低レベル時に条件を満たすのが一般的である。そもそもダメージを受けない立ち回りが要求されるシューターのプレイヤーでは習得が困難であることを示す。近接ファイターからの転向でもない限り、シューターが≪バトルヒーリング≫を習得しているケースは稀である。

 回復アイテム以外の優れた即効性のある回復手段である奇跡は自他の生存力を高めることができるが、一方で≪魔法感性≫と≪信心≫という2つのスキルが不可欠であり、なおかつ効果が期待できる高ランクの奇跡には高いMYSが求められ、さらには発動に必要な魔力を確保するためにPOWも成長させねばならない。より回復特化したサポート役であるヒーラーを目指すならば、ステータス・スキル・防具構成も大きく制限される事になるだろう。

 高レベル帯で入手できる装備や素材にはオートヒーリングを付与するものも多い。ただし、装備条件の厳しさ、素材入手難度などが立ちはだかるだろう。また生存力を高める構成で素材を選んでオートヒーリング特化にしたつもりが防御力自体がお粗末だった……などという事も十分にあり得る。

 

■デメリット

 前述したとおり、スキルにしても装備にしても、まず獲得するまでに越えねばならないハードルがある。また、獲得後も強化を怠っていると実用性を失っていく。故にプレイヤーが目指すスタイルに依存する部分が大きく、回復アイテムに比べても気軽に手を出せるものではない。

 一方で高レベル帯ならば程度はどうであれ、オートヒーリングなどの付与は比較的容易である。流血システムのアップデートもあり、高レベル帯ではオートヒーリングは必須という環境になっているのもまた事実である。

 良くも悪くも低レベル帯では軽視されがちであり、高レベル帯に近づくほどに重視されていくだろう。

 

 

 

 

 

 HP回復のみならず、魔力・使用回数を回復するアイテムも存在するが、総じてHP回復以上のデメリットが大きく、あくまで緊急手段という位置づけである。

 また、バフ関連もHP回復アイテム同様の仕様になっているが、バフ付与時間の長短によってデメリットが変動する傾向にある。

 

 スタミナ管理がDBOの奥義とされているならば、HP管理はあらゆるゲームにおける基礎である。自身のプレイヤースキルとプレイスタイルに合わせたチョイスを心掛けるべきである。

 

 

 

 

 

 

Topics1『DBOの食糧事情』-週刊ナイツ・ラウンダー、第2号より抜粋-

 

 DBOでは前触れなくアップデート勧告が全プレイヤーに送信され、突如として全く新たな環境に放り込まれることがある。

 筆者も突如として腋臭がして悶絶し、自分がどれだけ不衛生な状態なのか思い知ったものである。『ニオイ』と汗の実装という望ましくない第1段アップデートのお陰で、プレイヤーが自身を清潔に保つ大切さと香水や消臭剤のバカ売れと貧富の格差がより表面化したことは置いておくとして、今回は9月にアップデートされた『食料』に関して語りたい。

 アップデート前の旧環境においても食料の保存は何も軽視されていたわけではない。アイテムストレージや保管施設でもない限り、耐久度は徐々に減少していく仕様だったのだ。各飲食店はいずれも保管設備を整え、ギルドやプレイヤーも最低限の貯蔵をしていた。保管さえしていれば耐久度が減少することはなく、何ヶ月前の食材であっても、たとえ生肉であっても何ら変わることなく使用できたのだ。

 だが、悪夢のアップデートが9月に訪れた。食料関係を一変させたのは『賞味値』と『耐久度の自然減少の厳格化』の導入である。

 賞味値は言うなれば鮮度だ。賞味値は環境によって減少速度が左右される。たとえば、新鮮な肉を炎天下でそのまま放置すれば、瞬く間に賞味値は減少し、見た目も味も劣悪なものになる。つまりは現実世界と同じく保存環境によって味が変動するようになってしまったのだ。

 耐久度の自然減少の厳格化は大きな波紋を呼んだ。これまでは保管設備に放り込んでいれば耐久度は減少しなかったのに、これからは減り続けるというのだ! しかも保管設備と保管物によって減少速度は大きく変化する! 生肉をただの棚に置いていても耐久度減少を抑えることはほとんど出来ないのだ。賞味値の減少もあり、瞬く間に食べれたものではない腐った肉塊となるだろう。

 このアップデートがもたらしたものは何か? まずは飲食業を担うプレイヤーは保管設備への投資を余儀なくされた。だが、NPC販売など性能に反して高価過ぎるものばかりである。必然的にプレイヤーメイドに需要が集中するが、いきなり供給が追い付くはずもない。太陽の狩猟団が増築予定だった食料保管庫分を回したことによって事なきを得た経営者も多いはずである。だが、それでも需要の全てを担えず、この時の負債が原因で4割が廃業することになった。

 更にランニングコストも増加する。保管設備とて耐久度は自然減少し、冷蔵庫などならば別途で電力供給が不可欠だ。終わりつつある街には旧文明の遺産という位置づけの発電施設はあるが、これだけではとてもではないが増築・拡張を続けた終わりつつある街への供給はクリアできない。現在は3大ギルドの共同管理下にある発電施設であるが、いずれは教会に管理権が譲渡されるだろう。現時点で発電施設の強化はやり尽くしてしまっている。ただでさえ供給が足りない現状で更なる需要の増加である。終わりつつある街で経営する飲食業の皆様は移転も視野に入れるべきだろう。ただし、それにもコストがかかる。八方塞がりになる前に勇気ある決断を期待したい。

 他にも問題はある。食料生産がまるで追いついていないのだ。3大ギルドさえも緊急事態宣言を出したのだ。なにせ、保管していた食料が一斉に廃棄不可避なゴミと化したのだ。

 これまで生産されていた食料は何をとっても『味』と『生産量』と『生産コスト』を重視されてきた。味が良く、生産性が高く、なおかつ時間も費用も掛からない。なるほど。まさしく理想的な追求である。だが、ここに『耐久度』という問題が突如として降りかかった。3大ギルドはもちろん、多くの食糧生産をメインにしていたギルドも大打撃を被った。これまでは保管設備されあれば耐久度など関係なく、運搬時さえクリアすればほぼ問題なかったのが、突如として耐久度という既存でありながら全く新しい要素とも戦わねばならなくなったのである。

 3大ギルドでも特に食糧生産において大きな投資と利益を得ていたクラウドアースは計り知れないダメージを受けた。即座に対策を講じたのはさすがと言うべきであるが、それでも無視できない損害は議会を紛糾させた。聖剣騎士団も食料生産に大きな見直しを迫られた。笑ったのは太陽の狩猟団だろう。他2つの大ギルドに比べれば食料生産分野において出遅れていたが、その分だけあらゆる面においてバランスの取れた食料生産を目指していた。味も生産コストも市場を支配していた従来品に比べれば低いが、それ故に耐久度を『まだ』蔑ろにしていなかったのだ。太陽の狩猟団が安定供給をしたことによって市場は表向きの平穏を取り戻したが、それでも価格高騰は避けられなかった。

 だが、貧民街は酷い有様であった。筆者が取材した時には、なんと残飯を巡って殺し合いが生じていたのである。筆者も危うく襲われるところであったが、クラウドアースの巡回警備員のお陰で事なきを得た。彼には今も感謝のしようもない。

 ラストサンクチュアリも増々の困窮に追いやられた。なにせ、貯蓄していた味も何もかもが悪い粗悪な食料さえもが駄目になったのである。キバオウは聖剣騎士団と会談し、緊急の食糧援助を要請したようだ。代償として支払ったのは、ここ最近のUNKNOWNの聖剣騎士団の依頼ラッシュを見れば分かる通りだろう。

 だが、個人的に言えば、この食料援助は悪手だったと言わざるを得ない。貧民プレイヤーからすれば明日どころか今日も食べるか食べられないかの日々だというのに、ラストサンクチュアリに保護された1000名は食に困らないのだ。来月に実施されるのではないかと噂されるラストサンクチュアリ壊滅作戦であるが、その後の着地……既存の貧民プレイヤーとの共同生活を視野に入れるならば、大きな禍根を残すことになったのは間違いない。だが、仕方ないといえば仕方ないことでもあるだろう。そもそとして、クラウドアースとラストサンクチュアリの因縁は、まさに食料生産にこそある。大きなシコリとなって最後まで残り続けるのは運命だったのだ。

 DBOのプレイヤー人口は加速度的増加を続けており、終わりつつある街のキャパシティは既に超過している。NPC経営料理店も、皮肉にも終わりつつある街の開拓に応じて消滅しつつあり、なおかつ獣狩りの夜で排除が推進されてしまったのだ。

 別ステージのNPC経営料理店に行けるならば、味さえ期待しなければ、そして味や量に見合わぬ高値でも支払える財力があるならば、腹を足せるだろう。

 デスゲーム化によって本来のフレーバー要素が最重視されていく。これは茅場の後継者の狙い通りだったのかはわからない。少なくとも確定しているのは、プレイヤーが生産業に従事しなければ、NPC経営料理店に行くこともできない、通える財力もないプレイヤーは飢えていくということだ。

 ここ最近になって、3大ギルドが音頭を取った食料生産・保管の新体制と教会の尽力もあり、市場も落ち着き、貧民街も表面的には沈静化した。だが、今も問題は確かに燻っている。今後もDBO人口が増加し続けるならば、3大ギルドの総力を注いでも食料生産が間に合わないのだ。それだけではなく、終わりつつある街はいよいよパンクし、人々はまともな生活を送ることなど絶望的になる。

 だからこそのフロンティア・フィールドの開拓は急務だ。新たな資源……すなわち新たな食料生産拠点の獲得である。レベル100オーバー前提という過酷な環境であり、大多数のプレイヤーからすれば死地そのものであるが、フロンティア・フィールドへの開拓と移住はもはや避けられない。

 戦闘が不慣れなプレイヤーは今1度スキルを見直してみてはいかがだろうか? 軽い気持ちで習得したフレーバースキルが役立つかもしれない。これから奮起しようと考えているプレイヤーは、借金でも何でもして少しでも多くのスキル枠を得て生産系スキルを習得しよう。文字通りの食い扶持はフロンティア・フィールドにこそある。

 

 

 

 

 

◇流血システムについて

 DBOにて2029年8月にアップデートされた新システム。ダメージエフェクトの演出がより生々しい血液表現に変更されただけではなく、プレイヤーはアバターが損傷するとスリップダメージと防御力低下が生じるようになった。これはモンスター側にも適応されるが、流血のスリップダメージの継続時間はプレイヤーに比べても短く、防御力の一時的な低下がメインである。

 下記するのは流血システムの主な特徴である。

 

 

◆スリップダメージ

 一定量の流血が生じた場合、プレイヤーはスリップダメージを受ける。アバター損壊度が大きければ大きい程によりスリップダメージは大きくなる。

 プレイヤー・モンスター問わずにあらゆる攻撃はアバターに直撃した場合、個々の攻撃属性……斬撃・打撃・刺突・射撃の計算が行われる。この場合のアバター損壊度とは、『どれだけ流血させたか』がメインとなる。

 アバターの破損については与えたダメージ量だけでは判定できない。アバター強度が主軸となって計算されることになるだろう。

 例でいえば、斬撃攻撃で相手の腕を通過したとしたとしても必ずしも腕は切断されず、それどころかまともな傷を与えることもできるかも分からない。個々の攻撃属性値がダメージ判定到達深度を基準に計算され、アバター強度からアバター破損状態を決定するのである。

 流血させなければスリップダメージが生じない以上、斬撃>刺突>打撃の順で有利に機能する(※射撃属性は例外的に斬・刺・打のいずれの性質も持っているが、個々の射撃攻撃によって変動する)。相手を効率的にスリップダメージで削り、オートヒーリングの弱体化を狙うならば、高い斬撃属性値を持つ武器が有効だろう。

 流血のスリップダメージ自体は毒に比べても小さいが、その分だけ継続性が高く、また重複が危険である。特に大きなアバター破損には処置無しでは極めて長い時間がかかる。スリップダメージによってHPがゼロになった場合、瀕死状態となり、HP上限が低下し、スタミナ切れと同じく全攻撃がクリティカルかつ行動不能になる。受けたダメージはHP上限を減少させ、HP上限もゼロになった場合、プレイヤーはシステム的に死亡とカウントされる。瀕死状態を解除する為にはHPを3割回復させねばならないが、3割回復させても減少したHP上限は回復しない。

 また、上記の瀕死状態の実装によって欠損のスリップダメージも流血スリップダメージとしてカウントされるようになった。結果、欠損のスリップダメージが重なっても瀕死状態に移行する。

 

◆防御力低下

 アバター損壊状態によって防御力が低下する。これはプレイヤーにも大きな恩恵がある流血システムの側面だろう。アバターを破損させればさせる程に相手の防御力は低下し、よりダメージを与えやすくなる。モンスターはアバター強度が高ければ高い程に修復速度が鈍い傾向にあり、アバター破損に成功すれば継続的な弱体化が期待できる。その分だけ、これまでは重要視されていなかったアバター修復能力を持ったモンスターはより厄介な相手として立ちはだかるだろう。また、アバター破損によって防御力が低下する為に、流血のスリップダメージが生じないロボット系や植物系などにも効果を発揮する。

 アバター破損の防御力低下が見込める為、スリップダメージをあまり見込めない打撃属性は特に輝くだろう。鎧や鱗を破壊して防御力低下を積極的に狙えば、自他に大きなチャンスを巡らせることができる。

 

 

 回復アイテムや奇跡などにはアバター修復速度を上昇させる効果がある。だが、その一方で1度修復してもアバター強度は低下しており、よりアバター破損をしやすくなる。これまでのようにHPだけに目を向けていた場合、思わぬアバター破損によって大きな代償を支払うことになるだろう。

 その一方で防御力とアバター強度を大幅に高められる重防具は新たな地位を獲得したと言える。従来も欠損のリスクを抑えられる強みもあったが、軽装がアバター強度の上昇があまり見込めず、HPが高くてもアバター破損によってスリップダメージという枷と防御力低下による大ダメージ、戦闘不能の危険性が高まった。対してアバター破損自体を抑えられる重防具は流血システムならではの強みを発揮できる。

 流血のスリップダメージを抑える為に効果が低くてもオートヒーリングの付与はよりアバター破損の危険性が高い高レベル帯では半ば必須であり、欠損を除けばアバターの破損を軽視されてきた旧来に比べても、より慎重な立ち回りが要求される。だが、流血システムはモンスターにも同様に適応されるならば、これまで以上にチャンスが増えたのも事実である。

 その一方で今まで以上に注意を払わねばならないのがアバター強度である。1度破損すると修復後はアバター強度と修復速度が低下し、より破損しやすく、また修復に時間がかかる状態が続く。これらを回復させるには一定時間の休養が不可欠となる。時間経過・アイテム・奇跡によって修復されたとしても、次に攻撃を受ければより大きなダメージを、また流血状態にもなりやすく、また修復速度も鈍くなる。この事からも根本的にアバター強度を上昇させる重防具はより優位性を得たと言えるだろう。

 だが、流血システムの真の危険性はスリップダメージでも防御力低下でもなく、生々しいアバター破損と血液表現の方だろう。プレイヤーは攻撃を与えることにより罪悪感と嫌悪感を生じさせ、また攻撃を受けることへの恐怖心を高める。特にHPを削り切るラストアタックはアバター破損を助長させる為に、思わず攻撃を躊躇う事もありうる。逆に生々しいダメージ表現は倫理観・道徳観の低下をもたらし、プレイヤーの攻撃性を高めかねない。むしろ、それこそが本命と呼べるだろう。

 

 

 

 

 

 

Topics2『精神負荷による記憶損壊について』-KISARAGIサイエンス・テクノロジー、外部顧問アルセンの手記-

 亡命者である私が今も生存を許されているのは、日本でも有数の企業グループであるKISARAGIの保護下にあるからだ。どうやら、彼らは私の技術と見識について高い興味を持っているらしく、是非とも技術提供と顧問として協力を希望された。どうやら私の亡命を受け入れた背景には、日本とロシア間における政治的交渉だけではなく、KISARAGIの存在もあったようだ。あるいは、ロシアは非協力的になった私が日本で研究を続けて実らせた果実を美味しくいただくつもりなのかもしれない。

 私自身の人生にはもはや未練などない。だが、私亡き後のイリスの処遇……彼女の安全だけは何としても守らねばならない。私は日本で起きたDBO事件の解決に対するアドバイザー、KISARAGIにおける外部顧問という地位を獲得し、表向きは『移住』として処理されることになった。イリスも全く新しい戸籍を与えられ、私の親族となった。

 茅場晶彦の生誕の地であり、VRが興隆した日本を訪れたことで、イリスの願いは叶えられた。彼女はDBO事件に酷く心を痛めたらしく、是非とも協力させてほしいと願い出たが、私としては彼女には自分の人生を穏やかに過ごしてもらいたかった。だが、彼女の決意は固く、日本で最もVR技術に見識があるVR犯罪対策室オブザーバーのドクター須和と共同である試みをすることになった。

 イリスは極めて特異な能力を持つ。彼女は人類でもまだ10人も確認されていないVR適性SSSであり、なおかつ運動アルゴリズム無しで長時間の接続を可能とする。ドクター須和は大きな驚愕を示した。彼女のフラクトライト構造は運動アルゴリズム無しでVR接続を行うように発達していると私は説明した。それでも彼女が負荷によって多大なダメージを負うことは免れなかったが。

 また、ドクター須和は最新分野であるフラクトライト研究にも率先して取り組んでいるらしい。彼自身は脳外科医が本職とのことであるが、彼の知的好奇心は無尽蔵であると驚かされる。だが、医師としての本分は蔑ろになっているのではないかと指摘したら苦笑いされた。どうやらDBO事件の解決の為にオブザーバーとして尽力することことが最優先らしいが、彼は優秀な脳外科医だ。彼の助けを待つ患者の為にも程々を心得てほしい。

 ドクター須和の提案により、イリスのフラクトライトをコピーし、なおかつデジタルデータ化。ザ・シードを応用し、DBO事件の死亡者でも脳が無事だった遺体を使ったDBOへのクラッキングを敢行した。遺体とはいえ、人間の尊厳を奪う行いになるのではないかと反対を表明したが、どうやら遺体の『処理』を親族は希望されたらしい。むしろ大金と引き換えに売り払ったとも言い換えられる。血も涙もないが、どうやら大黒柱である夫がDBOに囚われ、一家は離散してしまったようだ。妻も夫が亡くなってようやく再婚できると冷たく吐き捨てたらしい。非人道的な実験に手を染めた私が言っても説得力はないが、実に哀れだ。彼女たちは多額の補償金を受ける立場でありながら、遺体の尊厳を売り払ってまで更なる金を欲するのか。

 ドクター須和も心情は私と同じだった。彼は遺体を日本の神官を呼んで清めさせ、手厚く弔うことを誓い、彼の脳を摘出した。彼には危険な好奇心の光こそあるが、同時に人間の尊厳と矜持に対して最大の敬意を払える男でもあるようだ。私はこの日、日本においてイリスに次いでドクター須和こそ信頼できる人物であると確信した。

 結果は成功とも失敗とも言い難い。本来はイリスの完全なる模擬人格AIを送り込むはずが、大部分が欠損してしまい、ほぼ原形を失ってしまったとのことだ。だが、イリスとAIのリンクに成功し、彼女によってDBO内部の断片的な状況を含めた多くの情報の獲得に成功した。だが、今回の実験は非公式であり、また確証性もない。イリスとのリンクも不定期かつ彼女に負荷をかけることから実験は中断されることになった。だが、得た情報の多くのはDBO事件の解決と今後の研究に大いに役立てられることになった。

 イリスは自分の模擬人格がどのようになったのか再三に亘って心配していたようだが、大部分が破損していたとはいえ、彼女の人格がベースになっている。私がそうであったように、人を正しい方向に導ける存在であるはずだ。だが、イリスが見たDBOのより詳細な状況は我々の想像を遥かに超えていた。彼女は更なる研究の参加を表明したが、私とドクター須和は彼女の健康を優先し、プランの再考を行うことになった。

 イリスと疑似AIのリンクによって分かった点として、やはりDBOとアミュスフィアⅢはセットで開発されているという点だ。また、アミュスフィアⅢの端子は特定の環境下……一定以上の過電圧がかかった状態になるとソウル・トランス・レーターと極めて類似した機能を発揮することが分かった。即ち、アミュスフィアⅢはこれまでと全く原理が異なるフラクトライト解析システムが組み込まれていたのだ。

 幸いにも被害者の脳を利用したこと。イリス側はKISARAGI製の試作メディキュボイドを利用したことによって、彼女のフラクトライトの解析は行われなかった。だが、DBOへの不正ログインに対するカウンター処置としても組み込まれていたらしく、仮にアミュスフィア同士で接続を行っていた場合、イリスのフラクトライトにアクセスするだけではない、いかなる影響があったかも不明である。

 だが、このことからもDBOの死因の1つであるPF技術にはフラクトライト関連技術も使用されていることが判明した。だが、これ以降は全被害者に新たにアミュスフィィアⅢが生み出す電界を検知する装置を取り付けることであるが期待はできないとのことだった。おそらくであるが、刷り込み自体は死ぬ間際ではなく接続時に行われており、定期的にファンタズマ・エフェクトによる自死を防ぐコードが被害者に送信されているというのがドクター須和の見解だった。

 彼は正しい。最初から後手に回っており、むしろ解決の糸口が狭まったといえる。落ち込む彼に私はなんと声をかけるべきか迷ったが、イリスは彼に笑いかけた。それは彼にとって大切な記憶を呼び覚ましたらしく、イリスの体調の回復が期待できる夏以降にはある人物に合わせたいと申し出された。

 その人物はDBO被害者だった。ドクター須和が保有する病院からKISARAGIが保有するメディカル・センターに移されたのは、度重なる心停止を含めた肉体のダメージが芳しくなく、最新の……まだ承認が下りていない薬物・医療器具を用いる必要性があると判断されたからだ。

 美しい。私は純粋に魅入られた。天使、あるいは悪魔と呼ぶ存在がこの世に実在したのだと妄信しそうになったほどだった。KISARAGIの研究者たちは神子と呼んでいた。何かのコードネームだろうか。ドクター須和にはあまり喜ばしい呼び名ではないようだ。

イリスは何かを感じ取ったらしく、涙を両目に湛えていた。『私はこの人を知っている気がする。「あの子」を通して知っていると思う。とても悲しくて、寂しくて、哀れで、救われないといけない人』とイリスはそう教えてくれた。

 ドクター須和は精神負荷について知識を持っていないようだった。当然だ。精神負荷は様々な障害を引き起こし、多くは精神崩壊をもたらす禁忌なのだ。いずれの国も非合法に研究しているかとは思うが、少なくとも表の住人に属する須和には容易に得られない知識のようだ。だが、KISARAGIの研究者はどうにも詳し過ぎる気もした。彼らもまたドクター須和と同じく危険な好奇心を持っているが、彼程に自制心を持たず、また人間への敬意を払うことはないようだ。唯一の例外として、あの神子だけには崇拝にも近しい好奇心を抱いてもいるようであるが。

 神子は著しく常識外……まさしく人の理を超えていた。不整脈を自力で回復させるだけではなく、心停止状態から自力で鼓動を再開していた。また、血流が停止しても脳の活動がまるで衰えていない。『そういう風にできている』としか言いようがない、生物として全くの規格外だった。同じ人類であると認めることさえも難しかった。

 だが、私とは逆にドクター須和は驚かなかった。『人間は人間が思っている以上に人間の能力・限界に枠組みを与えて考え過ぎている』とドクター須和は窘めた。資料を見た限り、どうやら心臓が『自力』で動きを整え、また鼓動を再開させたようだ。心停止からの自力の回復について全く症例がないわけではないが、白の子の場合はおよそ規格外と言わざるを得ないだろう。

 データから神子もまた致命的な精神負荷の受容を行っているとほぼ断定できた。KISARAGIの設備もあり、アミュスフィアⅢに影響を与えないように脳の詳細なモニタリングを行うこともできたが、イリスと同様に脳細胞への著しいダメージが確認できた。前頭葉へのダメージが大きいのも共通点がある。

 その一方で奇妙なのは神子の脳自体は極めて活性状態にあるという事だ。ダメージを負った脳は急速な回復を行い、むしろ『順応』を示しているとも呼べるだろう。神子は致命的な精神負荷の受容を行ったダメージを利用して脳の構造を『変質』させているのだ。

 スクラップ&ビルド。彼は精神負荷への順応力を手にしているのだ。しかもその大部分が攻撃性の発露に利用されているらしく、精神負荷をむしろ自らの攻撃性を高める道具として活用すらもし、脳を自己改造しているのだ。まさしく命と記憶を対価にして自身の潜在能力を引き出すべく特化されていると言えるだろう。

 だが、そもそもとして精神負荷の受容はどうして叶ったのか? 多大な攻撃性で乗り超えるのも1つの手段であるが、それではどうしても不安定になるはずだ。イリスがそうであったように、神子の精神負荷の受容はダメージこそあるが安定している。

 私はドクター須和からヒアリングを行い、神子とイリスにある共通点を見出すことができた。

 どちらも精神性が幼く、排他性が乏しく、自己肯定ができず、だが他者によって観測される事によって自己を見出す傾向があるという点だ。

 今ならイリスののかつての言葉の意味が少しだけ理解できるような気がした。彼女たちの致命的な精神負荷の受容が安定していた理由の1つは、他者に観測された自己の存在によって、精神負荷を受容した状態であっても自己の存在を再認識しているからなのだ。それは逆に言うならば、著しい自己愛の欠如の表れでもある。

 イリスはいつも私に笑いかける。それは彼女の優しさからだと私は知っている。だが、その裏側を少しだけ理解できた。

 彼女はきっと自分が愛される存在だと認められないのだ。理解できないのだ。許すことができないのだ。

 イリスはどうして実験施設にいたのか。彼女は親に『売られた』。それでも両親を愛していたことを私は知っている。だが、地獄にも等しい実験を受けてもなお自分を売った両親を愛し続けたことが真っ当と呼べるだろうか。

 神子の場合、過剰な攻撃性の発露、他者に観測された自己認識、根底に根付いた自己否定、自己愛の著しい欠落があるのだろう。だが、私にはそれだけでは説明できない気もした。

 DBO事件を負い続ければ、神子について研究する機会があれば、イリスを回復させる方法が見つかるかもしれない。

 私はイリスを『イリス』として観測し続けよう。その事実こそが自己否定し続ける彼女の心を微かでも救っているのだと信じよう。彼女の笑顔が……本当は自己を殺し続ける地獄そのものだとするならば、私が肯定し続けることによって、イリスが『イリス』を愛せるようになるはずだと信じよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

◇キャラクターの紹介

 ここではDBOでデスゲームに挑む1部のキャラクターの紹介を行う。このステータスは2029年11月時点のステータスであり、以後も生存さえすれば成長を続けることになる事を留意する必要があるだろう。

 なお、ステータスは〈『ステータス名』:(チュートリアル配分済み)+(割り振り成長ポイント)=総ポイント〉と記述するものである。

 サインズ危険度判定は、サインズが情報収集できた範囲で判定したものである(範囲はS~E)。

 戦績は最大で8つ記載するものとする。また、前レポートで記載されたキャラクターの場合、追加戦績を最大で4つ記載するものとする。

 

プレイヤーネーム【クゥリ】 本名【久藤 篝】

異名:【渡り鳥】

立場:傭兵(フリー)

誓約:深淵狩り(レベル3)

 

レベル106 武器枠:5 スキル枠:17 魔法枠:8

DBOにおけるPK数:181人(第1位)

アルヴヘイムにおけるPK数:1041人

サインズ危険度判定:SS(特例)

 

入手成長ポイント

・レベルアップ=191ポイント

・ボス戦報酬=23ポイント

・イベントクリア=16ポイント 

・ネームド撃破=29ポイント

・PK=20ポイント

・闇霊撃破=13ポイント

・誓約ポイント=8ポイント

総成長ポイント=『300』ポイント 

 

VIT:4+20=24

CON:4+42=46

STR:4+36=40

TEC:4+41=45

DEX:4+67=71

INT:4+18=22

POW:4+33=37

MYS:4+18=22

SAN:5+25=30

 

ステータス構成スタイル:『高速戦闘オールラウンダー』

 

スキル構成(スキル枠17)

≪戦槌≫:戦槌にボーナスが付く。戦槌のソードスキルが使えるようになる。

≪戦斧≫:戦斧にボーナスが付く。戦斧のソードスキルが使えるようになる。

≪両手剣≫:両手剣にボーナスが付く。両手剣のソードスキルが使えるようになる。

≪カタナ≫:カタナにボーナスが付く。カタナのソードスキルが使えるようになる。

≪薬品調合≫:アイテムを合成させ、薬系アイテムを作成できる。

≪気配遮断≫:隠密系スキル。エンカウント率や発見率を減少させる。動いていると効力を発揮し辛くなる。

≪武器枠増加1≫:武器枠を1つ増加させる。

≪武器枠増加2≫:装備できる武器の数が増加する。≪武器枠増加1≫を得ていなければ獲得することができないスキル。

≪武器枠増加3≫:装備できる武器の数が増加する。≪武器枠増加2≫を得ていなければ獲得することができないスキル。

≪格闘≫:体術スキル。格闘攻撃にボーナスが付く。格闘のソードスキルが使用できる。

≪剛力≫:両手持ち専用武器が片手でも使用になる。ただし、武器のカテゴリーは変化しない。

≪歩法≫:体術スキル。DEX値によるスピードの倍率を上昇させる。また、歩法のソードスキルが使用できる。

≪槍≫:槍にボーナスが付く。槍のソードスキルが使えるようになる。

≪銃器≫:銃器が使用可能になる。熟練度が一定に達すると所持弾数が増加する。

≪光銃≫:光銃が使用できるようになる。また、熟練度を上昇させる事によってリロード時間の短縮、チャージ魔力量が減少する。

≪光剣≫:光剣が使用できるようになる。熟練度が上昇してもボーナスが得られない代わりに使用の際の秒単位魔力消費量が減る。

≪暗器≫:暗器にボーナスが付く。暗器は例外としてソードスキルが存在しないが、代わりに特定の部位に対してボーナスアタックが高く設定されており、このスキルを持つことで威力を高めることができる。

セレクト・デーモンスキル≪幻燐≫:特定のスキルにEXソードスキルを追加する。

ランダム・デーモンスキル≪ソウル・ドレイン≫:特定のスキルにEXソードスキルを追加する。また、モンスター・プレイヤー問わずに、撃破時にHPと魔力を回復する。

誓約スキル≪深淵狩りの業≫:誓約ランクに応じて能力を解放する。また、闇属性防御力を高める。

誓約スキル≪狼の体術≫:STRとDEXが増加する。

誓約スキル≪深淵纏い≫:デーモン化時のみ発動可能であり、大幅な自己強化を行う。ただし、デーモン化制御時間の減少が増す。

ユニークスキル(バグ)≪妖精王の権能≫:改変アルヴヘイム限定で管理者権限を使用できる。

 

・追加戦績

『ネームド<法王サリヴァーン>の単独撃破』

『ネームド<闇喰らいのミディール>の撃破』

『ボス<騎士アーロン>の単独撃破』

『Fネームド<雷災のカースドロッド>の単独撃破』

 

☆ヨルコより一言

 頭がおかしい。ほぼ武器スキルで埋まってるんだけど? グリムロックさん戦犯過ぎない? 武器スキルに裏ボーナスで攻撃力とか装備重量の上昇とかあるけどさ、それでもこの武器スキルの数はおかしいでしょ? 私が言いたいのは『もう少し自己主張しなさい』ってこと。このままだとレベル120に到達しても武器スキルで埋めるんじゃないの?

 

 

プレイヤーネーム【シノン】 本名【朝田 詩乃】

異名:【魔弾の山猫】

立場:傭兵(太陽の狩猟団とパートナー契約)

誓約:狩猟者の戒律(レベル3)

 

 

レベル:104 武器枠:4 スキル枠:17 魔法枠:5

DBOにおけるPK数:3人(10位未満)

アルヴヘイムにおけるPK数:49人

サインズ危険度判定:D

 

入手成長ポイント

・レベルアップ=187ポイント

・ボス戦報酬=20ポイント

・イベントクリア=23ポイント

・ネームド撃破=24ポイント

・闇霊撃破=1ポイント

・誓約=8ポイント

総成長ポイント=『263』ポイント

 

VIT:3+42=45

CON:5+38=43

STR:3+27=30

TEC:7+63=70

DEX:7+43=50

INT:3+06=09

POW:3+27=30

MYS:3+00=03

SAN:3+17=20

 

ステータス構成スタイル:『技量バランス』

 

スキル構成(スキル枠17)

≪短剣≫:短剣にボーナスが付く。短剣のソードスキルが使用できる。

≪弓矢≫:弓矢にボーナスが付く。弓矢のソードスキルが使用できる。

≪銃器≫:銃器が使用可能になる。熟練度が一定に達すると所持弾数が増加する。

≪精密射撃≫:射撃攻撃の精度が上昇する。動きながらの射撃攻撃精度の下方修正を小さくする。

≪気配遮断≫:隠密系スキル。エンカウント率や発見率を減少させる。動いていると効力を発揮し辛くなる。

≪隠蔽≫:完全に静止している状態で使用可能のスキル。他プレイヤーやモンスターの視界から完全に消える。≪気配遮断≫の上位スキル。

≪気配察知≫:隠れた存在を察知するスキル。また、事前にモンスターの位置を察知する事によってエンカウント率を下げる事もできる。

≪狙撃≫:射撃属性の物理攻撃のみに発動するスキル。このスキルを使用した射撃攻撃は対象がスキル使用者を未認識の状態に限り、相手の防御力を無視したダメージを与えられる。ただし、通常よりも2倍の威力の距離減衰が発生する。

≪歩法≫:体術スキル。DEX値によるスピードの倍率を上昇させる。また、歩法のソードスキルが使用できる。

≪作曲≫:曲のデータを作成することができる。作成した曲は≪演奏≫で自動演奏する事ができる。

≪演奏≫:曲データに応じて演奏する。熟練度が一定に達する事に演奏できる楽器を1つ増やすことができる。

≪曲剣≫:曲剣にボーナスが付く。曲剣のソードスキルが使用できる。

≪武器枠増加1≫:武器枠を1つ増加させる。

≪光銃≫:光銃が使用できるようになる。また、熟練度を上昇させる事によってリロード時間の短縮、チャージ魔力量が減少する。

≪頑強射撃≫:スタミナを消費することによって、射撃反動を低下させることができる。

≪武器枠増加2≫:装備できる武器の数が増加する。≪武器枠増加1≫を得ていなければ獲得することができないスキル。

≪破壊射撃≫:射撃属性攻撃による破壊性能が増加する。熟練度の上昇により効果が増す。

 

セレクト・デーモンスキル≪抗呪の理≫:レベル1の呪いを無効化する。また呪い耐性を引き上げる。

ランダム・デーモンスキル≪3番目の指輪≫:指輪枠が1つ増加する。

誓約スキル≪狩猟者の掟≫:隠密ボーナスが高まり、また隠密系スキルによるスタミナ消費量を抑える。

誓約スキル≪奇襲の心得≫:相手に察知されていない状態に限り、背後からのクリティカル攻撃を強化する。

誓約スキル≪森の体術≫:あらゆるアクションのスタミナ消費を抑える。環境が森である場合、地形によるDEX下方修正が低下する。

 

追加戦績

『ボス<囁きの大樹>の撃破に貢献』

『イベント<ファロスの仮面>のクリア』

『ネームド<火馬を駆る者>の撃破』

『ネームド<剣王バシャクガルマ>の撃破に貢献』

 

☆マユからの一言

 ソロよりも誰かと組んでこそ輝くスキルが多いね。中距離射撃戦で近接ファイターの援護も、遠距離狙撃戦による支援も得意としているよ。STRを高めたことで射撃反動の抑制とより重量火器の装備・取り回しもできるようになったし、近接戦においても並の相手には後れを取らない。でも、シノのんはまるで満足していないみたい。もっと、もっと、もっとって自分を悪い意味で追い詰めているような気がするよ。だからこそ『シノのんはどんな自分になりたい?』って言いたいよ。シノのんの装備開発は本当に難題だね。

 

 

プレイヤーネーム【ディアベル】 本名【????】

異名:【青騎士】

立場:ギルド【聖剣騎士団】リーダー

 

レベル100 武器枠:3 スキル枠:17 魔法枠:7

DBOにおけるPK数:3人(10位未満)

サインズ危険度判定:E

誓約:青の守護者(ランク3)

 

入手成長ポイント

・レベルアップ=179ポイント

・ボス戦報酬=25ポイント

・イベントクリア=29ポイント

・ネームド撃破=31ポイント

・ギルド補正=20ポイント

・闇霊撃破=3ポイント

・誓約=8ポイント

総成長ポイント=『295』ポイント

 

VIT:5+75=80

CON:4+56=60

STR:7+35=42

TEC:4+11=15

DEX:4+24=28

INT:3+00=03

POW:3+37=40

MYS:4+40=44

SAN:3+17=20

 

ステータス構成:『アンバサ戦士』

 

スキル構成(17枠)

≪片手剣≫:片手剣にボーナスが付く。片手剣のソードスキルが使えるようになる。

≪盾≫:盾にボーナスが付く。盾のソードスキルが使用できる。

≪魔法防護≫:防御系スキル。魔法攻撃の威力を低減する。

≪射撃減衰≫:射撃攻撃の威力を低減するスキル。物理・魔法問わずに射撃属性全てに効果を発揮する。

≪武器枠増加1≫:武器枠を1つ増加させる。

≪暗号解読≫:暗号ならば種類を問わずに解読できるようになるスキル。

≪魔法感性≫:魔法を使用する為の必須スキル。このスキルがなければ魔法は使用できない。

≪信心≫:奇跡を使用できるようになる。≪魔法感性≫が無ければ習得できない。熟練度の上昇により、ゴースト系・アンデッド系モンスターからの攻撃を減衰させる。

≪気配遮断≫:隠密系スキル。エンカウント率や発見率を減少させる。動いていると効力を発揮し辛くなる。

≪料理≫:食材系のアイテムで料理を作成することができるスキル。

≪釣り≫:釣りをする際にボーナスを得るスキル。

≪バトルヒーリング≫:受けたダメージの1部を10秒かけて回復することが出来るスキル熟練度の上昇により、回復割合が増加する。ただし、デバフによるスリップダメージには効果を発揮しない。

≪瞑想≫:魔力の回復速度を高める。ただし、使用中は他スキルの使用が不可となり、また行動できない。

≪戦術指揮≫:自分が所属するパーティの攻撃力・防御力・全耐性上昇のバフを付与させる。本スキルの効果は重複しない。

≪騎乗≫:馬などに乗る事が可能になるスキル。熟練度が上昇するたびに騎乗できる対象を1つ増やす事が出来る。

≪防御指示≫:自分の周囲の非敵対プレイヤーのガード性能が強化される。熟練度の上昇により効果範囲が拡大する。

≪頭部防護≫:頭部に攻撃を受けた場合、被ダメージを減少させる。

 

セレクト・デーモンスキル≪友軍鼓舞≫:周囲の非敵対プレイヤーの攻撃力と防御力を僅かに高める。

ランダム・デーモンスキル≪反撃心≫:受けたダメージ比率に応じて攻撃力を一定時間高める。

誓約スキル≪守護者の加護≫:誓約【青教】のプレイヤーが周囲にいた場合、防御力が増加する。

誓約スキル≪青の秘剣≫:奇跡【青の武器】が使えるようになる。

 

追加戦績

『ボス<処刑者・スモウ>の撃破』

『ボス<四騎士の長・オーンスタイン>・<竜狩り・オーンスタイン>の撃破に貢献』

『イベント<巨人の槌の行方>のクリア』

『イベント<行方知らずの客船の噂>のクリア』

 

☆ペイドからの一言

 組織のトップとして生存力を優先して大幅にVITを高めたのはアノールロンドの経験があってこそでしょう。近接戦を仕掛けられるだけの攻撃力は確保しつつ、支援・指揮をメインとしたスキル構成にシフトさせたようですね。団長は自身もトッププレイヤーと名乗れるだけの実力を持ってこそいますが、あくまで個の能力に依存しない、組織としての戦果を重視しています。これは各々のジャンルの頂点を極めんとした円卓の騎士制度とは真逆……フフフ、『かつての理想もすっかり形骸化していますね』とお伝えしておきましょう。円卓の騎士制度もいずれは廃止されるかもしれませんしね。

 

 

プレイヤーネーム【ジャック・スミス】 本名【????】

異名:無し

立場:傭兵(フリー)

誓約:射手の覇道(ランク2)

 

 

レベル108 武器枠:5 スキル枠:17 魔法枠:7

DBOにおけるPK数:122人(第2位)

サインズ危険度判定:A

 

入手成長ポイント

・レベルアップ=195ポイント

・ボス戦報酬=22ポイント

・イベントクリア=25ポイント

・ネームド撃破=27ポイント 

・誓約=5ポイント

・PK=15ポイント

・闇霊撃破=34ポイント

総成長ポイント=『323』ポイント

 

VIT:4+46=50

CON:5+45=50

STR:5+45=50

TEC:5+45=50

DEX:5+85=90

INT:3+06=9

POW:4+32=36

MYS:3+00=3

SAN:3+19=22

 

ステータス構成:『高速戦闘特化』

 

スキル構成(17枠)

≪曲剣≫:曲剣にボーナスが付く。曲剣のソードスキルが使えるようになる。

≪銃器≫:銃器が使用可能になる。熟練度が一定に達すると所持弾数が増加する。

≪光銃≫:光銃が使用できるようになる。また、熟練度を上昇させる事によってリロード時間の短縮、チャージ魔力量が減少する。

≪光剣≫:光剣が使用できるようになる。熟練度が上昇してもボーナスが得られない代わりに使用の際の秒単位魔力消費量が減る。

≪ヒートパイル≫:ヒートパイルが使用できるようになる。熟練度が上昇する事によって反動硬直時間が減少する。

≪気配遮断≫:隠密系スキル。エンカウント率や発見率を減少させる。動いていると効力を発揮し辛くなる。

≪歩法≫:体術スキル。DEX値によるスピードの倍率を上昇させる。また、歩法のソードスキルが使用できる。

≪武器枠増加1≫:武器枠を1つ増加させる。

≪武器枠増加2≫:装備できる武器の数が増加する。≪武器枠増加1≫を得ていなければ獲得することができないスキル。

≪武器枠増加3≫:装備できる武器の数が増加する。≪武器枠増加2≫を得ていなければ獲得することができないスキル。

≪暗視≫:暗闇を見通す事が出来るスキル。ただし、デバフ【盲目】を打ち消せるわけではない。

≪魔法防護≫:防御系スキル。魔法攻撃の威力を低減する。

≪遠視≫:有効視界距離を伸ばすスキル。熟練度の上昇により、更に距離が延びる。

≪荷造り上手≫:アイテムストレージ容量を増加させる。

≪短剣≫:短剣にボーナスが付く。短剣のソードスキルが使用できる。

≪精密射撃≫:射撃攻撃の精度が上昇する。動きながらの射撃攻撃精度の下方修正を小さくする。

≪爆発強化≫:爆発によるダメージを上昇させる。熟練度の上昇により効果が増す。

セレクト・デーモンスキル≪煌羽≫:特定のスキルにEXソードスキルを追加する。

ランダム・デーモンスキル≪狂速≫:スキル発動中はスタン耐性と防御力が減少するが、DEXのスピード補正を高める。

誓約スキル≪孤独の射手≫:ソロの時、射撃属性攻撃力・スタミナ回復速度が上昇する。

誓約スキル≪射手の経験≫:射撃属性攻撃でラストアタックを決めた場合、得られる経験値・ドロップ率にボーナスがかかる。

ユニークスキル≪ガンズ・マスター≫:≪銃器≫・≪光銃≫によって消費する武器枠が1になり、射撃属性攻撃力が増加する。≪銃器≫・≪光銃≫の装備重量が半分、装填数が2倍になる。銃弾等の最大所持数が2倍になり、アイテムストレージ消費量が4分の1になる。特殊射撃が可能となる。

 

追加戦績

『ボス≪処刑者・スモウ≫の撃破に貢献』

『ボス≪四騎士の長・オーンスタイン≫・≪竜狩り・オーンスタイン≫の撃破』

『ネームド≪毒神・クィビーナ≫の単独撃破』

『ボス≪孤高の銃王≫の単独撃破』

 

☆ヘンリクセンの一言

 人型最強ネームド【竜狩り】オーンスタインの撃破で箔が付いたが、本人はむしろ好ましくないと考えているようだな。だが、オーンスタインのソウルを有効活用したラスト・レイヴンに合わせて、極限までスピードを引き上げる選択をしたようだ。それとアイツはたまに平然とユニークソウルを持ち帰ってくるのだが、何に巻き込まれているのやら。だからこそ、俺も腕を振るう価値がある。誓おうじゃないか。トータルコーディネートの真髄で『お前の全力を引き出させてやる』とな。

 

 

プレイヤーネーム【ユージーン】 本名【????】

異名:【赤き豪傑】

立場:傭兵(クラウドアース専属とパートナー契約)

誓約:クラーナの系譜(レベル3)

 

レベル107 武器枠:2 スキル枠:17 魔法枠:7

DBOにおけるPK数:14人(10位未満)

アルヴヘイムにおけるPK数:7人

サインズ危険度判定:D

 

入手成長ポイント

・レベルアップ=193ポイント

・ボス戦報酬=31ポイント

・イベントクリア=24ポイント

・ネームド撃破=26ポイント

・誓約=8ポイント

・アイテム使用=5ポイント

・闇霊撃破=8ポイント

総成長ポイント=『295』ポイント

 

VIT:7+78=85

CON:6+51=57 

STR:6+63=69

TEC:3+09=12 

DEX:3+23=26 

INT:3+22=25

POW:3+27=30

MYS:3+00=03

SAN:3+22=25

 

ステータス構成:『パワーファイター』

 

スキル構成(17枠)

≪両手剣≫:両手剣にボーナスが付く。両手剣のソードスキルが使えるようになる。

≪剛力≫:両手持ち専用武器が片手でも使用になる。ただし、武器のカテゴリーは変化しない。

≪格闘≫:体術スキル。格闘攻撃にボーナスが付く。格闘のソードスキルが使用できる。

≪魔法防護≫:防御系スキル。魔法攻撃の威力を低減する。

≪射撃減衰≫:射撃攻撃の威力を低減するスキル。物理・魔法問わずに射撃属性全てに効果を発揮する。

≪魔法感性≫:魔法を使用する為の必須スキル。このスキルがなければ魔法は使用できない。

≪バトルヒーリング≫:受けたダメージの1部を10秒かけて回復することが出来るスキル熟練度の上昇により、回復割合が増加する。ただし、デバフによるスリップダメージには効果を発揮しない。

≪気配遮断≫:隠密系スキル。エンカウント率や発見率を減少させる。動いていると効力を発揮し辛くなる。

≪罠感知≫:トラップを察知することができるスキル。熟練度の上昇により、よりトラップ発見率が上昇する。

≪逆境≫:HP残量に応じて防御力が上昇する。熟練度の上昇により、上昇防御力が増加する。

≪投擲≫:物を投げる為のスキル。投擲物の威力が高まる。投擲用のソードスキルが使用できる。

≪作曲≫:曲のデータを作成することができる。作成した曲は≪演奏≫で自動演奏する事ができる。

≪演奏≫:曲データに応じて演奏する。熟練度が一定に達する事に演奏できる楽器を1つ増やすことができる。

≪緑花の加護≫:スタミナ回復速度を高める。熟練度の上昇により効果が増す。

≪大力≫:あらゆるSTR補正を高める。

≪剣技・魔力抑制≫:ソードスキルに魔力消費がある場合、消費量を低下させる。熟練度の上昇により効果が増す。

≪環境適応≫:環境によるDEXの下方修正を低下させる。寒冷・高熱耐性を上昇させる。

セレクト・デーモンスキル≪イザリスの焔火≫:呪術【イザリスの焔火】が使用可能になる。

ランダム・デーモンスキル≪致死の回避≫:背後から受けるダメージのクリティカル補正を下げる。

誓約スキル≪火への憧憬≫:呪術の攻撃力を上昇させ、魔力消費量を抑える。

誓約スキル≪火への畏怖≫:炎属性防御力を高める。

誓約スキル≪火への渇望≫:炎属性攻撃を受けた時、一時的に魔力回復速度・スタミナ回復速度が上昇する。

ユニークスキル≪剛覇剣≫:ガードを完全貫通し、専用ソードスキルが使用できるようになる。使用する為にはエンチャントが必要であり、使用中は攻撃力が増加し、敵にダメージを与えるとスタミナ回復速度が一定時間上昇する。ただし、スタミナ切れになると自動消滅し、一定時間使用不可になる。

 

追加戦績

『イベント<クラーナの足跡>のクリア』

『ネームド<狂骨の巨人>の撃破』

『ボス<忘れられた雑技団>の撃破』

『ネームド<主亡き城の門番>の撃破に貢献』

 

☆ブリッツからの一言

 近接パワーファイターとして理想的なステータスですね。相手の攻撃をものともせずに斬り伏せる戦法を得意とする彼には最低限のDEXさえあれば十分でしょう。ラストサンクチュアリ壊滅作戦の敗因でもあった、ユニークスキルに過度な依存をしたソードスキル連発戦法も見直し、元来の戦闘スタイルに戻れたならば、彼本来の強みを発揮できる極みにもたどり着けるかもしれません。『敗北から学べてこそ求道』なのです。ランク1の価値を失った彼が道を見失わないことを祈りましょう。 

 

 

 

プレイヤーネーム【ユウキ】 本名【紺野 木綿季】

異名【絶剣】

立場:ギルド【チェーングレイヴ】のメンバー

 

レベル101 武器枠:2 スキル枠:17 魔法枠:9

DBOにおけるPK数:22人(10位未満)

アルヴヘイムにおけるPK数:0人

サインズ危険度判定:D

誓約:星を巡る者(レベル3)

 

入手ポイント

レベルアップ=181ポイント

ボス戦報酬=12ポイント

イベントクリア=23ポイント

ネームド撃破=26ポイント

ギルド補正=5ポイント

誓約=8ポイント

闇霊撃破=6ポイント

総成長ポイント=『261』ポイント

 

VIT:3+31=34

CON:5+28=33

STR:3+02=05 

TEC:3+30=33

DEX:6+54=64

INT:6+44=50

POW:5+40=40

MYS:3+25=28

SAN:3+07=10

 

ステータス構成『魔法剣士』

 

スキル構成(17枠)

≪片手剣≫:片手剣にボーナスが付く。片手剣のソードスキルが使えるようになる。

≪暗器≫:暗器にボーナスが付く。暗器は例外としてソードスキルが存在しないが、代わりに特定の部位に対してボーナスアタックが高く設定されており、このスキルを持つことで威力を高めることができる。

≪歩法≫:体術スキル。DEX値によるスピードの倍率を上昇させる。また、歩法のソードスキルが使用できる。

≪魔法感性≫:魔法を使用する為の必須スキル。このスキルがなければ魔法は使用できない。

≪射撃減衰≫:射撃攻撃の威力を低減するスキル。物理・魔法問わずに射撃属性全てに効果を発揮する。

≪投擲≫:投擲にボーナスが付く。投擲のソードスキルが使えるようになる。また、投擲にロックオン機能を使用できるようになる。

≪多重結界≫:全属性防御力を上昇させる。

≪気配遮断≫:隠密系スキル。エンカウント率や発見率を減少させる。動いていると効力を発揮し辛くなる。

≪抗体≫:毒・麻痺・睡眠・疫病の耐性を高める。

≪料理≫:食材系のアイテムで料理を作成することができるスキル。

≪占術≫:24時間に1度使用可能。専用のアイテムを使用する事によって多種のバフからランダム発動させる事ができる。

≪省略詠唱≫:設定した魔法枠の魔法発動速度を上昇させる。熟練度上昇により設定可能数が増加する。

≪追跡≫:対象の足取りを追う事ができるスキル。

≪魔力活性≫:魔力回復速度を上昇させる。熟練度上昇によって効果が増す。

≪飛天≫:空中で行った攻撃のダメージが増加する。熟練度上昇によって効果が増す。

≪信心≫:奇跡を使用できるようになる。≪魔法感性≫が無ければ習得できない。熟練度の上昇により、ゴースト系・アンデッド系モンスターからの攻撃を減衰させる。

≪演奏≫:曲データに応じて演奏する。熟練度が一定に達する事に演奏できる楽器を1つ増やすことができる。

セレクト・デーモンスキル≪常夜の恩寵≫:一時的に闇属性防御力と闇属性攻撃力を高める。使用中は光属性防御力が低下する。

ランダム・デーモンスキル≪血の慟哭≫:攻撃力とDEXを高めるが、スタミナがゼロになるまで減少し続ける。

誓約スキル≪星の導き≫:24時間に1度使用可能。周囲の隠密ボーナスをゼロにする。誓約ランクにより、効果半径が拡大する。

ユニークスキル≪絶影剣≫:片手武器に限定で発動できる魔法剣。使用後は幻刃が武器攻撃に追尾し、ダメージを与えることができる。また、魔力を消費することで闇属性の結晶剣を生成し、様々な剣陣を発動させることができる。ただし、発動中は対象武器のソードスキル使用に魔力消費が伴う。

 

追加戦績

『ボス<死の賢者マーリン>の撃破に貢献』

『イベント<象牙の塔の跡地にて>のクリア』

『ネームド<黒金の飛竜たち>の撃破に貢献』

『ネームド<赤斧の悪魔>の撃破』

 

☆グリムロックからの一言

 ユウキちゃんは闇術を主体にしつつ、属性攻撃力をメインにした武器で相手にダメージを与える。その分だけ物理属性ダメージを与えにくいのがネックだね。だけど、ユニークスキルも合わせて手数で押し込むことができる。耐久面やスタミナには不安が残るけど、アルヴヘイムの経験のお陰なのかはわからないけど、より継戦能力を重視した成長をしているね。≪信心≫も獲得したことで闇術奇跡も使えるようになった。耐久面の低さや高速戦闘主体ということもあってクゥリ君と似通っているから『これからも開発協力によろしく』と心の中だけでお願いしておこうかな?

 

 

プレイヤーネーム【ラジード】 本名【支倉 颯斗】

異名:【若狼】

立場:ギルド【太陽の狩猟団】のメンバー

 

レベル99 武器枠:2 スキル枠:15 魔法枠:4

DBOにおけるPK数:5人(10位未満)

サインズ危険度判定:E

誓約:砂塵の牙(ランク1)

 

入手ポイント

レベルアップ=177ポイント

ボス戦報酬=19ポイント

イベントクリア=24ポイント

ネームド撃破=15ポイント

ギルド補正=20ポイント

誓約=3ポイント

アイテム使用=5ポイント

闇霊撃破=3ポイント

総成長ポイント=『266』ポイント

 

VIT:7+77=84

CON:6+49=55

STR:6+52=58

TEC:3+19=22

DEX:3+29=32

INT:3+03=06

POW:3+12=15

MYS:3+03=06

SAN:3+22=21

 

ステータス構成『近接ファイター』

 

スキル構成(15枠)

≪片手剣≫:片手剣にボーナスが付く。片手剣のソードスキルが使えるようになる。

≪両手剣≫:両手剣にボーナスが付く。両手剣のソードスキルが使えるようになる。

≪特大剣≫:特大剣にボーナスが付く。特大剣のソードスキルが使えるようになる。

≪気配遮断≫:隠密系スキル。エンカウント率や発見率を減少させる。動いていると効力を発揮し辛くなる。

≪聞き耳≫:小さな物音や小声を聞き取る事ができるスキル。対抗として≪気配遮断≫スキルが存在する。

≪魔法防護≫:防御系スキル。魔法攻撃の威力を低減する。

≪射撃減衰≫:射撃攻撃の威力を低減するスキル。物理・魔法問わずに射撃属性全てに効果を発揮する。

≪騎乗≫:馬などに乗る事が可能になるスキル。熟練度が上昇するたびに騎乗できる対象を1つ増やす事が出来る。

≪生命活性≫:短期間に連続で攻撃を受けると防御力が上昇するスキル。熟練度の上昇により、防御力の増加率が上がる。

≪装備重量増加≫:装備重量を増加させる。

≪歩法≫:体術スキル。DEX値によるスピードの倍率を上昇させる。また、歩法のソードスキルが使用できる。

≪格闘≫:体術スキル。格闘攻撃にボーナスが付く。格闘のソードスキルが使用できる。

≪釣り≫:釣りをする際にボーナスを得るスキル。

≪逆境≫:HP残量に応じて防御力が上昇する。熟練度の上昇によって効果が増す。

≪バトルヒーリング≫:受けたダメージの1部を10秒かけて回復することが出来るスキル熟練度の上昇により、回復割合が増加する。ただし、デバフによるスリップダメージには効果を発揮しない。

セレクト・デーモンスキル≪鋼の剣技≫:スキル発動から短時間であるが、スタン耐性を高め、また怯み辛くなる。ソードスキル時には更に効果が増幅する。

ランダム・デーモンスキル≪緊急回復≫:HPが1割未満になった時にセットした回復アイテムを自動使用する。

誓約スキル≪砂地適応≫:砂地におけるDEXの下方修正を低下させる。また、砂や土煙による視認性の低下を軽減する。誓約ランクが上昇する程に効果が増す。

誓約スキル≪極致生存≫:HPが1割未満になった時、攻撃力・スピードのDEX補正が短時間だけ大幅に上昇する。誓約ランクが上昇する程に効果が増す。

 

 

追加戦績

『ボス<処刑者・スモウ>の撃破に貢献』

『ボス<四騎士の長オーンスタイン>・<竜狩り・オーンスタイン>の撃破に貢献』

『ネームド<火馬を駆る者>の撃破に貢献』

『ネームド<処刑斧の亡霊アグリッタ>・<処刑槍の亡霊ジミー>の撃破』

 

 

☆ミリアの一言

 やっぱり隊長はすごい! たった1つの武器を使いこなすのも大変なのに、戦闘中に複数の性質が異なる剣を切り替えるなんて! ネームドもほぼ単独討伐可能な実力も持ってるし、皆にも慕われて人気もある。アノールロンド以後は無理していたみたいだけど、黒霧の塔を経て更に心も実力も強さが増したみたい! でも、体の調子が悪いみたいで、前ほどじゃないけど戦線離脱を余儀なくされちゃった。足も悪くなったみたいだけど、伝説の鍛冶屋GRと副団長が何か話をつけたみたい。煙の騎士が受け継いだ剣と合わせて、復帰の準備は進んでるみたいだよ! でも、また無理して『ミスティアさんと喧嘩しないで』って言っておきたいな。

 

 

 

プレイヤーネーム【グローリー】 本名【????】

異名:【馬鹿】

立場:傭兵(聖剣騎士団とパートナー契約)

 

レベル105 武器枠:3 スキル枠:17 魔法枠:7

DBOにおけるPK数:7人(10位未満)

サインズ危険度判定:SS(多数の傭兵・依頼主から苦情が殺到したため)

誓約:太陽の戦士(レベル3)

 

入手ポイント

レベルアップ=189ポイント

ボス戦報酬=21ポイント

イベントクリア=25ポイント

ネームド撃破=27ポイント

誓約=8ポイント

アイテム使用=3ポイント

闇霊撃破=8ポイント

総成長ポイント=『281』ポイント

 

VIT:8+76=84

CON:3+51=54

STR:4+49=53

TEC:4+09=13

DEX:4+19=23

INT:3+00=03

POW:4+26=30

MYS:4+44=48

SAN:3+07=10

 

ステータス構成『アンバサ戦士』

 

 

スキル構成(17枠)

≪片手剣≫:片手剣にボーナスが付く。片手剣のソードスキルが使えるようになる。

≪盾≫:盾にボーナスが付く。盾のソードスキルが使えるようになる。

≪魔法感性≫:魔法を使用する為の必須スキル。このスキルがなければ魔法は使用できない。

≪信心≫:奇跡を使用できるようになる。≪魔法感性≫が無ければ習得できない。熟練度の上昇により、ゴースト系・アンデッド系モンスターからの攻撃を減衰させる。

≪ガード強化≫:ガード能力の性能を高める。

≪格闘≫:体術スキル。格闘攻撃にボーナスが付く。格闘のソードスキルが使用できる。

≪料理≫:食材系のアイテムで料理を作成することができるスキル。

≪ダンス≫:踊りのデータを作成し、読み込む事で自動で踊る事ことができる。

≪騎乗≫:馬などに載る事が可能になるスキル。熟練度が上昇するたびに騎乗できる対象を1つ増やす事が出来る。

≪武器枠増加1≫:武器枠を1つ増加させる。

≪魔法防護≫:防御系スキル。魔法攻撃の威力を低減する。

≪射撃減衰≫:射撃攻撃の威力を低減するスキル。物理・魔法問わずに射撃属性全てに効果を発揮する。

≪気配遮断≫:隠密系スキル。エンカウント率や発見率を減少させる。動いていると効力を発揮し辛くなる。

≪釣り≫:釣りをする際にボーナスを得るスキル。

≪ガード強化2≫:ガード能力をさらに高める。このスキルは≪ガード強化≫が無ければ習得できない。

≪エンチャント強化≫:あらゆるエンチャントの効果を高め、効果時間を延ばす。

≪盾攻撃強化≫:盾の攻撃力が上昇する。≪盾≫が無ければ習得できない。

セレクト・デーモンスキル≪深信≫:奇跡の威力を高める。

ランダム・デーモンスキル≪再生能力≫:時間経過によって欠損が回復する。

誓約スキル≪太陽の加護≫:奇跡の雷属性攻撃力を高める。

誓約スキル≪太陽の団結≫:奇跡【束ねられた太陽の光の槍】が使用できるようになる。

ユニークスキル≪神聖剣≫:盾のガード性能を大幅に高め、オートヒーリング能力が付与される。専用ソードスキルが使用可能になる。

 

追加戦績

『ネームド≪星龍≫の撃破』

『ボス≪騎士王の詩人≫の撃破に貢献』

『イベント≪火山の氷花≫のクリア』

『ネームド≪つらぬきの騎士≫の撃破に貢献』

 

☆ペイドの一言

 馬鹿ですね。もう手の施しようのない馬鹿ですね。『馬鹿』としか言いようがないですね。だからこそ、その生き方は少しだけ……羨ましくなりますよ。

 

 

 

プレイヤーネーム【リーファ】 本名【桐ヶ谷直葉】

異名:無し

立場:自由開拓戦線(所属ギルド無し)

 

レベル102 武器枠:2 スキル枠:17 魔法枠:5

DBOにおけるPK数:0人(―)

アルヴヘイムにおけるPK数:0人

サインズ危険度判定:E

誓約:水乙女の契り(レベル3)

 

入手ポイント

レベルアップ=183ポイント

ボス戦報酬=2ポイント

イベントクリア=27ポイント

誓約=8ポイント

アイテム使用=7ポイント

総成長ポイント=『227』ポイント

 

VIT:3+53=56

CON:5+37=42

STR:3+23=26

TEC:3+35=38

DEX:3+29=32

INT:3+00=03

POW:5+20=25

MYS:8+28=36

SAN:3+02=05

 

ステータス構成『アンバサ戦士』

 

 

スキル構成(17枠)

≪片手剣≫:片手剣にボーナスが付く。片手剣のソードスキルが使えるようになる。

≪格闘≫:体術スキル。格闘攻撃にボーナスが付く。格闘のソードスキルが使用できる。

≪料理≫:食材系のアイテムで料理を作成することができるスキル。

≪耕作≫:土地を耕して植物系アイテムを生産することができる。

≪ダンス≫:踊りのデータを作成し、読み込む事で自動で踊る事ことができる。

≪歩法≫:体術スキル。DEX値によるスピードの倍率を上昇させる。また、歩法のソードスキルが使用できる。

≪魔法感性≫:魔法を使用する為の必須スキル。このスキルがなければ魔法は使用できない。

≪信心≫:奇跡を使用できるようになる。≪魔法感性≫が無ければ習得できない。熟練度の上昇により、ゴースト系・アンデッド系モンスターからの攻撃を減衰させる。

≪射撃減衰≫:射撃攻撃の威力を低減するスキル。物理・魔法問わずに射撃属性全てに効果を発揮する。

≪魔法防護≫:防御系スキル。魔法攻撃の威力を低減する。

≪気配遮断≫:隠密系スキル。エンカウント率や発見率を減少させる。動いていると効力を発揮し辛くなる。

≪恩恵≫:回復系奇跡のHP回復量を増加させる。熟練度の上昇により効果は増す。

≪大魔法防護≫:≪魔法防護≫スキルの効果を更に高める。また、魔法属性攻撃のダメージを確定1割カットする。

≪魔力増加≫:魔力上限が増加する。また、魔法防御力を上昇させる。

≪幸運≫:アイテムドロップ率が上昇する。熟練度の上昇により効果は増す。

≪光珠≫:奇跡の光属性攻撃力を高める。熟練度の上昇により効果は増す。

≪弱体剣技≫:モンスター限定効果。ソードスキルを命中させた場合、対象の攻撃力・防御力を低下させる。

セレクト・デーモンスキル≪対人防御≫:プレイヤー・人型モンスターから受けるダメージを減少させる。

ランダム・デーモンスキル≪剛拳解放≫:通常・ソードスキル問わず、拳によるダメージを上昇させる。

誓約スキル≪水乙女の祝福≫:火炎属性からのダメージを減少し、雷属性からのダメージを増加させる。また、液状の回復・バフアイテムの効果を高める。

誓約スキル≪水乙女の剣技≫:EXソードスキル【ロスト・アクアマリン】が使用できるようになる。

 

追加戦績

『イベント<ロイド教団の試練>のクリア』

『イベント<殉教のスワリ>のクリア』

『イベント<水乙女の剣技>のクリア』

『Fネームド<剛腕なるモーラー>の撃破』

 

☆レコンから一言

 ステータスもスキルも揃って最前線にも十分に戦えるようになったよ。リーファちゃんなら大ギルドでも引手数多なんじゃないかな? でも、リーファちゃんにも僕にも進むべき道がある。戦いだけじゃない。フロンティア・フィールドでも色々な事があって、それでもリーファちゃんの心は曇ることなく輝いている。だからこそ言いたいんだ。『君は本当に強くなった』ってさ。

 

 

 

プレイヤーネーム【レコン】 本名【長田慎一】

異名:無し

立場:自由開拓戦線(所属ギルド無し)

 

レベル101 武器枠:2 スキル枠:17 魔法枠:4

DBOにおけるPK数:1人(10位未満)

アルヴヘイムにおけるPK数:11人

サインズ危険度判定:E

誓約:白教(レベル3)

 

入手ポイント

レベルアップ=181ポイント

ボス戦報酬=2ポイント

イベントクリア=27ポイント

誓約=8ポイント

アイテム使用=7ポイント

総成長ポイント=『225』ポイント

 

VIT:9+84=93

CON:3+59=62

STR:7+41=41

TEC:3+00=03

DEX:3+07=10

INT:3+00=03

POW:3+17=20

MYS:3+17=20

SAN:3+00=03

 

ステータス構成『タフネスファイター』

 

スキル構成(17枠)

≪戦槌≫:戦槌にボーナスが付く。戦槌のソードスキルが使えるようになる。

≪盾≫:盾にボーナスが付く。盾のソードスキルが使えるようになる。

≪気配遮断≫:隠密系スキル。エンカウント率や発見率を減少させる。動いていると効力を発揮し辛くなる。

≪射撃減衰≫:射撃攻撃の威力を低減するスキル。物理・魔法問わずに射撃属性全てに効果を発揮する。

≪釣り≫:釣りをする際にボーナスを得るスキル。

≪荷造り上手≫:アイテムストレージ容量を増加させる。

≪魔法防護≫:防御系スキル。魔法攻撃の威力を低減する。

≪魔法感性≫:魔法を使用する為の必須スキル。このスキルがなければ魔法は使用できない。

≪信心≫:奇跡を使用できるようになる。≪魔法感性≫が無ければ習得できない。熟練度の上昇により、ゴースト系・アンデッド系モンスターからの攻撃を減衰させる。

≪ガード強化≫:ガード能力の性能を高める。

≪鍛冶≫:武器・防具・アクセサリを開発・生産・修理が可能になるスキル。熟練度の上昇により成功率が上昇する。また、専用の設備が無ければ作成できない。

≪HP増加≫:HPを増加させる。熟練度の上昇によって効果が増す。

≪生命活性≫:短期間に連続で攻撃を受けると防御力が上昇するスキル。熟練度の上昇により、防御力の増加率が上がる。

≪ガード強化2≫:ガード能力をさらに高める。このスキルは≪ガード強化≫が無ければ習得できない。

≪ガード強化3≫:ガード能力をさらに高める。このスキルは≪ガード強化2≫が無ければ習得できない。

≪属性ガード強化≫:属性攻撃に対するガード性能を高める。≪ガード強化≫が無ければ習得できない。

≪戦斧≫:戦斧にボーナスが付く。戦斧のソードスキルが使えるようになる。

セレクト・デーモンスキル≪防御専心≫:ガードすると防御力・スタン耐性・衝撃耐性が短時間上昇する。ただし、発動後は短時間攻撃力が低下する。

ランダム・デーモンスキル≪宝の地図≫:一定の確率でランダム・トレジャーボックスの位置がマップデータに表示されるようになる。

 

追加戦績

『イベント<熔鉄の工房>のクリア』

『イベント<聖者の槌を継ぐ者>のクリア』

『イベント<赤沼の主>のクリア』

『Fネームド<剛腕なるモーラー>の撃破に貢献』

 

 

☆リーファから一言

 重装備のタンクに転向して、潔いまでに特化させた成長をしたね。それでもタンクとしてはこれでもステータスもスキルも足りないみたい。特にSTRが高くないと装備できない、真に性能を発揮できない防具がまだまだあるみたいだしね。スピードは無いに等しいけど、その分だけ揺るがない防御力を手にしたかな? それに≪戦斧≫を取ったのは攻撃面でも何か考えがあるからなのかもね。グローリーさんの言葉を借りるなら『レコンの盾は砕けない』って全力で信じてあげる!

 

 

 

プレイヤーネーム【キリト】 本名【桐ヶ谷和人】

異名:黒の剣士・聖剣の英雄

立場:傭兵(フリー)

 

レベル109 武器枠:2 スキル枠:17 魔法枠:4

DBOにおけるPK数:2人(10位未満)

アルヴヘイムにおけるPK数:22人

サインズ危険度判定:C

誓約:黒竜の秘奥(ランク2)

 

入手ポイント

レベルアップ=197ポイント

ボス戦報酬=24ポイント

イベントクリア=50ポイント

ネームド撃破=33ポイント

誓約=5ポイント

アイテム使用=10ポイント

闇霊撃破=3ポイント

総成長ポイント=『322』ポイント

 

VIT:5+88=93

CON:4+56=60

STR:9+65=74

TEC:3+17=20

DEX:3+47=50

INT:3+00=03

POW:3+19=22

MYS:3+13=16

SAN:3+17=20

 

ステータス構成『高速戦パワーファイター』

 

スキル構成(17枠)

≪片手剣≫:片手剣にボーナスが付く。片手剣のソードスキルが使えるようになる。

≪格闘≫:体術スキル。格闘攻撃にボーナスが付く。格闘のソードスキルが使用できる。

≪釣り≫:釣りをする際にボーナスを得るスキル。

≪暗視≫:暗闇を見通す事が出来るスキル。ただし、デバフ【盲目】を打ち消せるわけではない。

≪気配遮断≫:隠密系スキル。エンカウント率や発見率を減少させる。動いていると効力を発揮し辛くなる。

≪魔法防護≫:防御系スキル。魔法攻撃の威力を低減する。

≪射撃減衰≫:射撃攻撃の威力を低減するスキル。物理・魔法問わずに射撃属性全てに効果を発揮する。

≪バトルヒーリング≫:受けたダメージの1部を10秒かけて回復することが出来るスキル熟練度の上昇により、回復割合が増加する。ただし、デバフによるスリップダメージには効果を発揮しない。

≪歩法≫:体術スキル。DEX値によるスピードの倍率を上昇させる。また、歩法のソードスキルが使用できる。

≪投擲≫:物を投げる為のスキル。投擲物の威力が高まる。投擲用のソードスキルが使用できる。

≪追跡≫:対象の足取りを追う事ができるスキル。

≪罠感知≫:トラップを察知することができるスキル。熟練度の上昇により、よりトラップ発見率が上昇する。

≪逆境≫:HP残量に応じて防御力が上昇する。熟練度の上昇によって効果が増す。

≪破傷剣技≫:ソードスキルを命中させた時、アバターを損壊させやすくなる。

≪騎乗≫:馬などに載る事が可能になるスキル。熟練度が上昇するたびに騎乗できる対象を1つ増やす事が出来る。

≪回復専念≫:オートヒーリング効果を高める。熟練度が高まる程にオートヒーリングの回復スピードが速まる。

≪銃器≫:銃器が使用可能になる。熟練度が一定に達すると所持弾数が増加する。

セレクト・デーモンスキル≪ロイヤル・ガード≫:武器によるガード性能を大幅に高める。

ランダム・デーモンスキル≪健身剛体≫:全耐性・装備重量・アイテムストレージ容量が上昇する。

誓約スキル≪光黒の竜鱗≫:衝撃・スタン耐性が上昇する。デーモン化状態の時、全ての攻撃に竜の力を付与する。

誓約スキル≪光黒の竜牙≫:武器を抜いた時、短時間だけ攻撃力を増加させる。デーモン化状態の時、最大HPが上昇する。

誓約スキル≪光黒の竜眼≫:有効視界距離が延び、フォーカスロックした対象のアバター強度を低下させる。デーモン化状態の時、フォーカスロックした対象のスタミナ回復速度・魔力回復速度を低下させる。

ユニークスキル≪二刀流≫:片手武器を2つ装備しなければ発動しない。武器の物理攻撃力が大幅に増加し、専用ソードスキルを使用できる。

ユニークスキル≪集気法≫:防御力・スタミナ回復速度・魔力回復速度・アバター修復速度・ドロップ率が上昇し、あらゆるバフの効果を高める。専用ソードスキルを使用できる。

 

DBOにおける主な戦績

『ネームド<公のクレイディア>の撃破』

『ボス<竜の神>の撃破』

『ネームド<巨鉄のデーモン>の撃破に貢献』

『ネームド<穢れの火の守護者、竜砕きのスローネ>の撃破』

『ボス<妖精神オベイロン>の撃破』

『ネームド<剣王バシャクガルマ>の撃破』

『ボス<塔の騎士>の撃破』

『ボス<人魚の狂像>の単独撃破』

 

☆茅場晶彦の評価

 ステータスとスキルで獲得した高耐久と高攻撃力で敵を圧倒し、また高DEXのお陰でスピードも獲得していて隙らしい隙はない。状況に応じてバフをかけられるだけではなく、スタミナ回復を可能とするDBOでも唯一の手段を持つ≪集気法≫。シンプルながらもそれ故に強化が著しい≪二刀流≫。現時点でもユニークスキルを2種類所持する希少なプレイヤーだ。DBOでは当初ソードスキルに頼り過ぎる戦い方が足を引っ張っていたようだが、他プレイヤーの指導で脱却し、アルヴヘイム後は新たなバトルスタイル『ガンズ&ソード』を開発した。G&Sによる近距離射撃戦と中距離牽制、そしてG&Sならではのソードスキル強化作用でかつてない戦い方を可能としたが、一方で射撃の腕前には問題が残っている。だが、≪二刀流≫の真骨頂であるラッシュ力も健在。これまでの懸念だった単発最大火力も聖剣で解消している。スキル構成も攻撃に傾倒しているのではないので適応力が高いのも魅力だろう。単独でダンジョン攻略も可能だが、探索系スキルが乏しいのは仕方のないことだな。

 剣術に関してはトップクラスであり、彼とまともに剣戟出来るプレイヤーは僅かだろう。真っ向からの斬り合いともなれば勝てる者は更に減るはずだ。だが、ありとあらゆる戦術と戦略を組み合わせるのが戦いだ。剣術オンリーの正々堂々とした試合ならばまだしも、デュエルでさえあの手この手が用いられる。G&Sによって幅は広まったが、如何にして自分の剣術を発揮できる状況を作り出せるかも彼の今後の課題になるだろう。

 メンタル面の問題も解消されつつあるが、やはり脆い部分は多い。熱くなりやすく、そのせいでミスを犯すこともある。それでも最後は必ず立ち上がる。不屈ともまた違う、心折れようとも必ず立ち上がる者。だからこそ、彼を支えたいと望む者が現れるのだろう。アイザックは彼の精神性を『無限残機マ●オ』と評した。中身は平凡なのに心が何度折れようとも必ず最後は立ち上がる異常性。的を得ているような、そうでもないような……実に困る。だが、心意のモニタリング対象としてはこれ以上となく適しているのは間違いない。

 政治や交渉事にはあまり得意ではないようだが、変なところで鋭さを発揮してしまって悪い方向に転ぶことが多いようだな。トラブルを引き寄せるよりも、自ら首を突っ込むタイプでもある。頭の回転自体は悪くないが、視野が偏りやすく、助言や別の視点を提供できる相方が不可欠だろう。コミュニケーション能力にもかなり問題があるのも忘れてはならない。

 情が深いと勘違いされがちであるし、彼自身も無自覚であるが、自分の輪の外の人には冷淡な対応が目立つ。知人と見ず知らずの他人、どちらかが崖から落ちそうな時は迷わず前者を選べるタイプだな。そのはずなのにあれこれ守ろうとして、そのせいで自己破綻する傾向がある矛盾した存在でもある。また、先にも述べたように凡庸な精神性からして罪悪感にも度々押し潰されそうになっているようだ。

 良くも悪くもメンタルにパフォーマンスが大きく左右される典型例だ。やはり彼に不可欠なのは精神を安定させ、同時に高揚させる存在……パートナーなのだろうな。

 

 

 

プレイヤーネーム【シリカ】

異名:竜の聖女

立場:フリー

 

レベル100 武器枠:2 スキル枠:17 魔法枠:4

DBOにおけるPK数:1人(10位未満)

アルヴヘイムにおけるPK数:0人

サインズ危険度判定:E

誓約:探究者ロイの弟子(ランク3)

 

入手ポイント

レベルアップ=179ポイント

ボス戦報酬=3ポイント

イベントクリア=23ポイント

ネームド撃破=5ポイント

誓約=8ポイント

アイテム使用=2ポイント

総成長ポイント=『220』ポイント

 

VIT:3+49=52

CON:3+37=40

STR:3+07=10

TEC:2+35=38

DEX:13+25=38

INT:3+17=20

POW:3+20=23

MYS:3+00=03

SAN:3+30=33

 

ステータス構成『技量戦士』

 

スキル構成(17枠)

≪短剣≫:短剣にボーナスが付く。短剣のソードスキルが使用できる。

≪薬品調合≫:アイテムを合成させ、薬系アイテムを作成できる。

≪料理≫:食材系のアイテムで料理を作成することができるスキル。

≪気配遮断≫:隠密系スキル。エンカウント率や発見率を減少させる。動いていると効力を発揮し辛くなる。

≪気配察知≫::隠れた存在を察知するスキル。また、事前にモンスターの位置を察知する事によってエンカウント率を下げる事もできる。

≪射撃減衰≫:射撃攻撃の威力を低減するスキル。物理・魔法問わずに射撃属性全てに効果を発揮する。

≪魔法防護≫:防御系スキル。魔法攻撃の威力を低減する。

≪罠感知≫:トラップを察知することができるスキル。熟練度の上昇により、よりトラップ発見率が上昇する。

≪錬金術≫:多種多様なアイテムを合成させる事ができるスキル。

≪言語解読≫:ゲーム内言語を翻訳できるスキル。熟練度の上昇により、解読できる言語の種類を増やせる。

≪ピッキング≫:鍵を開ける為のスキル。熟練度が高まるほど開錠までの速度や難度の高い鍵を開錠する事が出来る。

≪暗号解読≫:暗号ならば種類を問わずに解読できるようになるスキル。

≪追跡≫:対象の足取りを追う事ができるスキル。

≪聞き耳≫:小さな物音や小声を聞き取る事ができるスキル。対抗として≪気配遮断≫スキルが存在する。

≪地図作成≫:マッピングデータの解析エリアを拡大する。

≪遠視≫:有効視界距離を伸ばすスキル。熟練度の上昇により、更に距離が伸びる。

≪認識阻害≫:プレイヤーの容姿や音声にノイズをかけるスキル。≪気配遮断≫の上位スキル。

セレクト・デーモンスキル≪勝利喝采≫:撃破時、パーティメンバー全員の経験値・ドロップ率にボーナスをかける。

ランダム・デーモンスキル≪食いしばり≫:ダメージによってHPの半分以上を失った時、防御力が大幅上昇し、ダメージ計算に再適応される。

誓約スキル≪罠の羅針盤≫:一定の確率で周囲の罠をマップに表示する。誓約ランクを上げると確率と範囲が上昇する。

誓約スキル≪宝箱売却≫:トレジャーボックスを開けた時、一定確率でコルを入手する。

誓約スキル≪探索の秘薬≫:非戦闘時、あらゆるアクションのスタミナ消費を抑え、隠密ボーナスが増加する。

誓約スキル≪応急処置の書≫:回復アイテムを使用した時、アバター修復速度が上昇する。

誓約スキル≪弱者生存≫:モンスターから逃げやすくなる。周囲に自分よりレベルが高いプレイヤーがいる時、隠密ボーナスが増加する。

EXスキル≪テイマー≫:モンスターを仲間にすることができる。

 

DBOにおける主な戦績

『イベント<探索者ロイの試練>のクリア』

『ネームド<4番目の大蛇の娘>の撃破に貢献』

『ボス<亡霊の踊り子たち>の撃破に貢献』

『イベント<妖精郷の伝説>のクリア』

『イベント<ドラゴンレース>のクリア』

『ネームド<破壊者の斧>の撃破に貢献』

『ボス<死の賢者マーリン>の撃破に貢献』

『ボス<妖精神オベイロン>の撃破に貢献』

 

 

☆キリトの総評

 攻撃よりもサポートに特化しているのがシリカだ。俺と一緒にアルヴヘイムへの行き方を探ったり、ダンジョンやフィールド攻略を円滑にしてくれるサポートスキルも揃っている。≪薬品調合≫と≪錬金術≫でアイテムの現地調達できるし、トレジャーボックスも≪ピッキング≫で開錠できるから施錠されていても彼女がいれば問題ない。本人も戦うことは決して得意な部類じゃないから戦闘でもピナによる援護がメインになる。でも、彼女もSAOを生き抜いたのは間違いない。戦闘面では後れを取るとしても、生存力に関しては秀でているし、いざという時にチャンスを作るのも上手い。

 俺とは違って政治力や交渉事にも慣れていて、ラストサンクチュアリの専属だった時は彼女がマネージャーとして間に入ってくれていたし、通信できる時はオペレーターを務めてくれていたな。戦況を分析して的確に指示を飛ばしてくれるし、彼女が伝達してくれる情報は予測も含めて精度が高いから信頼も置けるよ。

 俺のせいでDBOに巻き込んだとずっと気に病んでいたけど、シリカとも何度も話し合って、彼女の意思で来たと酷く怒られたよ。アルヴヘイムを経て……それにモルドレッドの戦いの後は俺たちの関係もかなり変わってきたと思う。前の関係は不健全だったのは違いないし、無かったことにしてもいけない。だからこそ、俺たちは新しい関係を模索しないといけなかったんだ。今度こそ、本当の意味でお互いにとってより良い関係を築く為に。

 

 

 

 

Topics3『ヤツメ様信仰について』-笹倉明吾のボイスレコーダーに収録。警察押収後、紫藤家が回収して如月家に解析依頼中-

 

 

 ヤツメ様信仰とは何か? 人生で最も深奥を感じるテーマについて研究することが出来た機会に感謝を捧げたい。

 ヤツメ様はいわゆる土着信仰の1つであると当初は想定していたが大きく裏切られる結果となった。

 私はヤツメ様信仰について最も詳細な資料を得られる塚守町に来ている。塚守町はかつてヤツメ様信仰の本山でもあった九塚村を平成の大合併で吸収している。件の九塚村は私有地によって囲われることで意図的に交通が制限されているだけではなく、新古の地図や国内外のアプリからもその名前を発見することができない。

 国土交通省の古い友人に調べてもらったが、九塚村に関してはアンタッチャブルの扱いであり、深入りするなと警告を受けた。私のような不出来だった学友への心遣いはありがたいが、私は生涯をかけて追わねばならないテーマに直面している。ここで退いては研究者としての魂が死ぬことになる。すまない。

 九塚村に行く唯一の交通手段がある塚守町では、ヤツメ様について情報を得る機会は幾らかあった。地元の資料館や図書館にはヤツメ様信仰に関する書籍なども発見することができたのだ。だが、いずれもヤツメ様信仰を『ありふれた古い信仰の1つ』と『納得』させて興味を失わせるかのような誘導性を感じたのだ。

 私は更に調査を進めて、ヤツメ様とはかつてこの地に住み着いた蜘蛛の物の怪であり、同時に複数の象徴を持つことが分かった。

 ヤツメ様はまず狩人の守護者である。狩人は山に入る時、ヤツメ様に祈りを捧げて狩りの成就を祈願する。山はヤツメ様の住処であり、そこで狩りをするからには認可が不可欠でもあったのだろう。また、狩った獲物の臓物を奉納する風習もあったらしく、狩りとはヤツメ様に獲物の血肉を召し上がっていただく儀式の側面もあったようだ。

 次にヤツメ様は戦神としての顔もある。塚守町には白兜という地元の祭りがあり、男衆は白毛の被り物をする。白兜はヤツメ様の加護を与え、この地の男たちは戦に参じたらしい。この塚守町には多くの首塚があり、彼らは倒した敵の首を持ち帰り、この地に葬ったが、その実は人の肝を集めてヤツメ様に捧げることを目的としたのではないだろうか。あまりにも多すぎる首塚は、塚守寺にて丁重に供養されているが、詳細は分からなかった。

 ヤツメ様は夜の女神であり、豊穣神でもあるようだ。ヤツメ様に豊穣祈願する風習は今も塚守町にて細々と残っている。だが、豊穣神でありながら夜の女神というのは不自然である。豊穣とは太陽と結びつくことが多く、むしろ死や凶事をイメージさせる夜とは結びつかない。だが、月の神は狩りや狩りの手法になぞらえて射手の守護者であることが世界的に見ても多い。そもそもとして、月の女神ではなく夜の女神という点に何処か奇妙な点を抱く。月ではなく夜であるという点にヤツメ様信仰を紐解く手がかりがあるのかもしれない。

 この豊穣神という点もかなり歪である。山の主であるヤツメ様が山の実りを約束するならば違和感はない。だが、ヤツメ様が豊穣をもたらすのは稲などの人間が耕した作物に限るのだ。時代の移り変わりや新たな信仰の流入によって既存の神に様々な要素が追加されることは珍しくない。ヤツメ様も人間の都合によって新たな性質が付与されたとも考えられる。だが、ヤツメ様信仰について調べれば調べる程に、豊穣神としての顔にズレを覚えた。

 最後であるが、ヤツメ様信仰には多くの神がそうであるように先祖崇拝の面もあるようだ。かつて、この地を支配した一族はヤツメ様との間で設けられた子であり、鬼であったと伝えられている。鬼は人の娘を娶り、代々とこの地を治め、山の狩りを占有した。よくある王権神授説と類似したケースだろう。山の神であったヤツメ様の子であるとして、狩りの独占の裏付けとしたのだ。

 ここからは私の推測になる。豊穣神と夜の女神としての性質を別の角度から捉えてみた。すなわち、ヤツメ様が夜を司るのは、狩人たちにとって恐怖の対象であった夜の闇を味方につける意味があったのではないだろうか? ヤツメ様が人の肝に飢えて山を下りて襲っていたという伝承も、山に巣食う野獣が原因であったとも考えられる。この地にはツキノワグマの目撃例もあるようだ。山で狩人……人間の血の味を知った熊が下山して人里を襲ったとも考えられる。夜の女神とは夜間の加護と物の怪としての性質に矛盾しない。

 そして、豊穣神の土台となったのは、この夜の女神という性質そのものだ。かつて狩人はヤツメ様を討ったという伝承の通りならば、夜の女神が倒されたことによって朝を迎えたとも考えられる。ヤツメ様は夜の女神だからこそ夜明けもまた司り、豊穣の太陽をもたらす。

 ヤツメ様の血を継いだとされる一族は、山における狩りの独占者でもあり、同時に豊穣祈願を取り仕切る神官でもあった。時代を考えれば、この地における最も強大な権力者であったことは間違いない。

 ……やはり誘導されている気がするな。これも意図してたどり着くように、巧妙に設計された罠なのか? 資料をつなぎ合わせることでこの結論にたどり着くように、わざと情報が残されていた? いや……そんなはずが……だが、どうしても呑み込めない。

 疲れているのか? この町に来てから奇妙な経験が続いている。誰かに見られているような気がする。心霊現象は信じない主義なのだが、この地では非科学的な存在を認めてしまいそうになる。

 しかし、蜘蛛……蜘蛛か。塚守寺で奇妙な仏像を見つけた。住職も詳細は定かではないとのことだが、本尊には奇妙な仏像が奉じられていた。いや、仏像であるかも疑わしい。8本の腕を持つ女の木像だ。蜘蛛の化身であるヤツメ様を模ったものにも見えた。

 だが、私には8本の腕を持つのではなく、幾つもの腕が彼女に縋りついているようにも感じ取れた。紅サンゴで瞳も表現されていたのだが、右目には大粒を1つ、左目には小粒を7つ埋め込んであった。8つの瞳……蜘蛛の表現にも思えたが、これこそがヤツメ様のモチーフとなった人物なのだろうか。

 症例こそ少ないが、先天的、あるいは事故などによって後天的に瞳が分裂した多瞳孔症というものがある。ヤツメ様は白髪にして赤い瞳の美しい娘として現れるという伝承がある。容姿に関しては色素欠乏症……アルビノと類似している。友人から資料を取り寄せたが、塚守町の周辺では物の怪に憑かれた大納言の姫の怪談が残っているようだ。

 古い時代、重度の多瞳孔症を患ったアルビノの少女がいたならば、彼女は物の怪……あるいは神として祀られてもおかしくない。

 あらゆる伝説・伝承には元になった人物・事件がある。証拠不足は否めないが、アルビノの多瞳孔症の少女であったならば人間であるわけであり、人の子も産める。ヤツメ様とヤツメ様の血筋の正体としても辛うじて合理的な説明もできる。

 裏付けとなる証拠はやはり九塚村にしかないのだろうか。どうしても躊躇われる理由は、私の好奇心に何か大きな間違いがあるような気がしてならないからだろう。研究者として失格であるが、ヤツメ様信仰について調べれば調べる程に、触れてはならない禁忌が存在すると直感するのだ。

 それでも、私は知りたい。ヤツメ様の真実を学者としてたどり着きたいのだ。

 夜も更けた。明日も早い。まったく、まるで纏まらなかったな。やはり、いずれの資料もヤツメ様信仰の上辺だけをなぞっているせいだな。私も危うく騙されかけた。明日はもっと有意義な調査ができればいいのだがな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ああ、私が間違っていた。

 古き血。大いなる獣の血は今も貴種に流れていたのだ。

 世界は変わる。だが、秘密は静寂の中にあらねばならないのだ。誰も触れてはならない。

 私は愚かしく蒙昧な知恵に縛られていた。なんと罰すればいいのか。

 神がいらっしゃるのだ。この世の全ての祈りと呪いを貪り喰らう貴種の末……神の子がいらっしゃられるのだ。

 ヤツメ様とは山神ではない。前提が間違っていたのだ。ヤツメ様が司る『夜』が真に意味するもの……それは深殿の底にこそある。

 ならば豊穣とは、贄姫の契約とは……ああ、そういうことだったのか! ようやく理解した! 私は今ようやく真なる啓蒙を得た!

 捧げねばならない。新鮮な血肉を捧げねばならない。それだけが慰みになるはずなのだ。

 

 

 笹倉教授、篠崎です!

 

 

 ほら、供物がやってきた。

 彼女の血で浸された臓物はきっとヤツメ様を歓喜させるだろう。

 私は従順なる小間使い。

 私は祈りと呪いの末に生まれた神の子を知る者。

 かつて贄姫がそうであったように、神の子もまた己の首を裂き、ヤツメ様と共に深殿に帰られるのだろうか。

 あア、あタまの中で……蜘蛛の……蜘蛛ノ足音ガ聞こエる。

 カサカサと……カサカサと……カサカサと……愛おシく奏でラレてイル。




次回はまた仮想世界に戻ります!

それでは338話でまた会いましょう!

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