憤怒と雁夜   作:グリゴリ00号

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どうも、今年の運を使い果たしたであろうグリゴリです

fate/goですが今回のガチャで、確定10連ではモード、呼符でギルと金時、10連一度でカルナ、単発一度でアルジュナがでました………
(金時は二体目)

なんか一週間ぐらいで死にそうなきがする……


覚悟

 

 

ホテルが崩壊した次の日、雁夜はそんな事知らずに心地いい朝日と共に目を覚ました。隣には桜が寝ていたはずだが桜の姿は見えない。一瞬ドキッとしたが、キッチンの方から漂う匂いとバーサーカーの笑い声で安心した

 

 

ベットから身を起こしてキッチンに立つ向かう、そういえば最近はこんな風に起きることもなかった。雁夜はこの一年間拷問とも言える鍛錬を臓硯から受け続け、その肉体は最早ゾンビとも言えるものになっていた。そして夜は体の蟲の激痛で眠れず。気を失うように眠りについてもさらなる激痛で意識を無理やり戻されるようなものだった。だから朝起きて朝食を食べるという人として当たり前の事さえ新鮮に感じ、思わず笑みがこぼれた

 

 

「あ!おじさんおはよう」

 

 

「やあ雁夜くん。やっと起きたのかね?」

 

 

「ああ、おはよう桜ちゃん……それでバーサーカー。その格好は一体なんだ?」

 

 

キッチンに入ると、バーサーカーと桜が楽しそうに話していた。桜はエプロンを掛けており、朝食を作ってくれたのかとホッコリした気分になるが。バーサーカーはいつも着ている青い軍服ではなく、どこから持ってきたのか冬という季節に合っていないアロハシャツを着込んでいた

 

 

「これかね?これは奥の部屋にあったものを拝借しただけだよ。なに、流石に常に軍服では肩が凝る。これぐらいは問題ないだろう?」

 

 

「ま、まあ問題ない……のか?」

 

 

バーサーカーが着ているアロハシャツは以前雁夜がジャーナリストとして海外を回っていた時に買ったアロハシャツだ。確かに問題は無いが何か釈然としない

 

 

「おじさん、桜が朝ごはん作ったの……ちょっと失敗しちゃったけど。食べてくれる?」

 

 

桜がこの年代の子供として普通のちょっと背伸びしているのを見ると、本当に良かったと思える。そう考えながら席に着くと、目の前には白いご飯、味噌汁、卵焼きを失敗したかのようなスクランブルエッグ、最早炭になった魚が並んでいた。普通に見える白いご飯も、水が足りなかったのかカチカチ。味噌汁も出汁を入れていないのか殆ど味がしなかった。スクランブルエッグにも殻が入っていて。正直美味しいとは言えなかったが、何よりも自分のために桜が作ってくれたという気持ちが嬉しかった

 

 

「………おいしい?」

 

 

「うーん、もうちょっと練習すればもっと美味しくなるよ」

 

 

不安げに見つめてくる桜を見て、すごく美味しいと言いそうになるがいつか嫁に出す事を考えると………嫁に出す……

 

 

「うがぁ!」

 

 

「おじさん!どうしたの?」

 

 

桜が誰とも知れない男と結婚するなんて考えたく無い。というか絶対に嫁に出したくない。その気持ちがオーバーロードした結果雁夜はテーブルに思い切り頭を叩きつけた。当然桜は自分の料理がいけなかったのかと泣きそうになり、雁夜はそれをなだめるためにアタフタし始める。そしてバーサーカーはその光景を見て朗らかに笑うのだった

 

 

こうして、間桐家の朝は過ぎていった

 

 

ちなみにバーサーカーは雁夜とパスが繋がっている事と、魔術師として三流だった事もあり雁夜の妄想はバーサーカーに筒抜けだったとか

 

 

 

 

そして雁夜が暖かい日常を過ごしていた日の夜。衛宮切嗣は冷たい保存食を食べて頭を抱え込んでいた。自分の作戦が悉く失敗しているからである。初戦でセイバーが癒えぬ傷を負い戦力半減、ランサーのマスターもホテルが崩壊する前に迅速に脱出し、慢心をつくことができなかった。そしてタチの悪いストーカーのキャスター、セイバーがキャスターを倒さなかった事を聞いたときは思わず舌打ちしてしまった。自分が一番恐れている言峰綺礼が未だ脱落しておらず暗躍しているかもしれないという可能性。そして何よりも重かったのが現代の英霊と思われるバーサーカーの存在だ

 

 

「………くそ」

 

 

誰もいない部屋でタバコをふかす、問題は山積みだ。セイバーが弱体化していることからまともに応戦できるのはキャスターぐらいだろう(アサシンはまずいるかどうかもわからないので除外)それにより他のサーヴァントがランサーを脱落させるまでまともに戦うことが出来ない。そしてそのランサーはセイバーとの決闘やらでここに攻め入ってくるだろう。そこで漁夫の利を狙ったバーサーカーが来る可能性もある。そこにキャスターが乱入したら最良とも言われるセイバーとしても勝てる可能性はゼロに近い

 

 

「切嗣………入るわよ?」

 

 

そう言って入ってきたのは切嗣の妻であり今回の聖杯でもあるアイリスフィールだ。アイリスフィールはいつも以上に死んだ目をしている切嗣を不安に思いながらも隣に座る

 

 

「…………ごめんなさい、あの時キャスターを倒せていれば……」

 

 

「……いや、大丈夫だよ。この程度なら想定の範囲内だ」

 

 

切嗣はそう言っているが、アイリスフィールにはどうにも無理をしているようにしか見えていなかった。生まれてから10年経っていないホムンクスルとはいえアイリスフィールは切嗣の妻だ、アイリスフィールの目にははっきりと焦燥が伝わってきた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雁夜が桜を寝かした後にバーサーカーと雁夜は飛ばした使い魔からキャスターが子供達を連れて、アインツベルンの拠点がある城の方に向かっているということを知った

 

 

「セイバーとキャスターで潰しあってくれるなら問題はないけど……子供を連れてるって時点で嫌な予感しかしないな」

 

 

「ああ、あのキャスターは子供を生贄か何かにするつもりだろう」

 

 

「なっ、なんでそんな事分かるんだ?」

 

 

「まあ理由は多々あるが……一番の理由とすれば奴が青髭、ジルドレェという事が問題だな」

 

 

「はあ!?なんで正体わかってんだよ?」

 

 

雁夜は驚くがどうという事はない。この前セイバーとキャスターが邂逅した時に、キャスター自身がジルドレェと言っていたからだ。バーサーカーは生前子供の頃から王となるための訓練をさせられていた。そんなバーサーカーにとっては読唇術などたわいもない事であり、この世界の住人ではないバーサーカーがジルドレェの事を知っていたのは日中ジルドレェについて調べていたからである

 

 

「そんな事はどうでもいいだろう。それより問題はキャスターの真名ではなくキャスターがどういう存在かという事だ」

 

 

「そんなにヤバい奴なのか?」

 

 

「ああ、奴はかつてジャンヌダルクと共に戦い救国の英雄とまで呼ばれた存在だ。だがジャンヌダルクが処刑されたことにより正気を失った。その後は国家にも勝る経済力により子供達を犯し殺し続けた。そして今キャスターは子供を集めている。ここまでくればあの子供達がどうなるかはわかるだろう?」

 

 

それを聞いた雁夜の血の気が引くと同時に怒りが湧いてくる。何故バーサーカーがそんなことを知っているかはどうだっていい。雁夜はなんの関係もない子供達が犠牲になるのが許せなかった

 

 

「バーサーカー、あのキャスターを殺せるか?」

 

 

「それについては問題は無い、だが君はあの子供達を助けるつもりかね?君がここに残るにしても付いてくるとしても最悪死ぬことに変わりわない。そして何よりも意味がない、戦争で甘さは一番邪魔になる感情だ」

 

 

「………ああ、確かにバーサーカーの言う通りかも知れない。ここで俺が死ねば桜ちゃんはまた笑えなくかもしれない……それでも」

 

 

鋭い視線を向けていたバーサーカーに真っ直ぐに視線を合わせる

 

 

「だけどここで止まったら俺は昔に戻ってしまう。魔術から逃げてしまったあの頃の俺に」

 

 

あの時に逃げ出さなければ

 

桜ちゃんをあんな目に合わせることもなかった

 

 

あの時に逃げ出さなければ

 

臓硯を自らの力で殺せたかもしれない

 

 

あの時逃げ出さなければ……

 

 

「俺はもう力のなかったあの頃じゃない!ここで俺は変わらなくちゃいけないんだ。今更普通の人間ぶるつもりはさらさらない。傲慢かもしれないけど、俺は俺の手に届く範囲の人ぐらいは守れる化け物でありたいんだ!」

 

 

だから

 

 

「すぐに助けにいくぞ。俺に従え、バーサーカー」

 

 

そうバーサーカーに宣言する

 

 

「…………ふふ そうだ、その目だ。その目がある限り君は愚かで醜い人間であり続けられる。そしてそんな君だからこそ私が仕える価値がある」

 

 

バーサーカーは雁夜の前に跪く

 

 

「君を私の主と認めよう。これより私の運命は主と共にある、この剣に誓い必ずや勝利を捧げよう」

 

 

「………ああ、お前のマスターは俺だ。そして命令だ。すぐに子供達を救いに行く。付いて来いバーサーカー」

 

 

「了解した。主よ」

 

 

 

 

 

 

 

 


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