コジマ汚染レベルで脳が駄目な男のインフィニット・ストラトス   作:刃狐(旧アーマードこれ)

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会社に戻ったりロシアに飛んだりデートしたりします。

あとCoD:MW3買いました、かなり今更かよなゲームですがオンラインは相変わらず雑兵だらけですね。
おうお前たち、恥ずかしくないのか、レベル37に一位を取られて
恥ずかしくないのか、大勝利を収められて
お前たち、勝利は欲しくないか


プランD、所謂デートですね。幕間ですか、これでテストの汎用性が高くなりました、良い傾向です。この話は、別に見なくても結構ですよ。

おはよう、早速だが3連休に会社に呼び戻された、どうやら俺じゃないと出来ない事があるらしい。

 

「シン! パパは会いたかったよぉぉぉぉ!!!」

「父さん! 俺も会いたかったぁ!」

「愛してるんだ! 家族(ファミリー)を!!」

「「ギャハハハハハハッ!!!」」

 

そして大して身長もガタイも顔さえも変わらない父親と抱き合う、全力で抱擁したら父さんがサバ折れるのでそれなりの力で抱きつく。

 

「シンくん、おかえりなさい! ママも会いたかったわ!」

「ただいま、母さん!」

 

ビックリするほど美人で小柄な本当に日本人かどうか怪しく思えるレベルの白銀の髪の毛をした母さんを優しく抱きしめる。

ゆっくりと抱擁を止め一歩下がる。

 

「社長、カラード所属、籐ヶ崎信一郎、呼び出しに応じ戻って参りました、ご用件を伺ってもよろしいでしょうか」

「えぇ、手紙でも書いたけどやはりAFを動かせるほどの出力を持ったエネルギーコアは作れる人間はいないそうです、そこでアーマード「コア」を製作した貴方を呼び戻して作って貰うことにしたと言うわけです」

「分かりました、では私は個人ラボに入りコアを組み立てます、材料や基本構造は既に完成し持って来ているので直ぐに終わるはずです」

「はい、ありがとう、では早速作業に取り掛かってください」

「了解しました」

 

勿論完成なんてしていない、その場で創り出すだけだ、かなり複雑な物を創り出すから1時間は休まないと会話さえ不可能だ、疲労困憊で死ねる。

父さんに軽く手を振って短い別れの挨拶を済ませると自分に割り当てられた個人ラボに入り部屋のドアをロックする。

部屋を見渡すと自分の部屋としても何度か使っていたので実に汚い、食い物や飲み物の袋のようなゴミは無いが色んな機材が散乱し書類や資料が所狭しと置かれている。

 

取り合えず唯一綺麗に保ってある作業机の椅子に座り、上着を脱ぐ。

一度深く深呼吸をして空間に集中、何を作りたいか、どんな用途に使うか、形はどんな物か、サイズはどれほどの物か、性能はどうか、と詳しく分けていきイメージを固める。

ぼう、と手の間の空間を虚ろな目で見てその中心にイメージを映す。

すると蒼、紅、紫、緑、黄、と様々な色の電気が小さく何度も跳ねる。

数秒その状態を維持すると、想像したものが創造された。

 

「ぁー…ぁ~?」

 

かんがえるのがつらい、つかれた、ねむい…べっ…ど…

 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

『起きて下さい信一郎様、信一郎様が入室してから間も無く一時間が経過いたします』

「んぉ…?」

『おはようございます、信一郎様』

「あ~、IBIS? おはようございます、システム通常モードを起動します」

 

起きた、仮眠とってスッキリだぜ。

正直あと数時間は眠ってたい、てか俺椅子から転げ落ちた状態で眠ってたのね。

 

『AFコアを社長に渡さなければならないのでは?』

「うぃ、ありがとうごぜます」

 

彼女はIBIS、カラードが所有している軍事衛星で優秀なAIを積んでいる、今俺に話しかけてきているのがそのAIである。

俺が能力を持っているのを知っている唯一の人(?)だ。

 

「んじゃ、行ってきます」

『はい、お気をつけて』

 

ACよりも大型の10キロぐらいあるAFコア(以後AFC)を持ち、部屋から出て社長室へと歩いて行く。

母さんは移動距離が長いのは嫌だと言って1階に社長室を作ったので移動が楽でいい、とでも思っていたのか?

残念ながらこのカラード、大企業なだけあって馬鹿みたいにデカイのだ、確かに社長室は1階にあるがとにかく広いし入り組んでるしで遠い。

いいか、俺は面倒が嫌いなんだ。

脚部だけACを展開し、軽タンにして社内を進んでいると色んな部署の人間から声を掛けられる。

 

「おぉ、ご子息殿! 帰っていらしたか」

「有澤の社長、お久しぶり。どんだけぶりかな?」

「約一ヶ月ぶりですな。ご子息殿、社長と呼ぶのは止めて頂けないか、私はただ一部所を担っているだけであって…」

「まぁ渾名だと思って諦めてくれれば嬉しい、それと学園に有澤の社長のファンがいたよ、サインを一枚書いて上げれないかな」

「ふむ、お安い御用ですな、しかし私が書いた所で価値があるものかどうか…」

「価値は貰った本人の心の内さね、んじゃ俺は母さんの所へ行って来るよ」

 

有澤の社長がお気をつけて、と言いながら軽く頭を下げた、有澤重工は作ってる物は変態的だけど社員本人は真面目な人間ばかりだ、会話してて普通に話が出来る。

 

「おや? おやおやおっやぁ?! 信一郎君じゃないですか! お久しぶりですねぇ、嬉しいですねぇ!」

「アクアビットのリーダー! 久しぶりだねぇ、どう? 最近調子は」

「いいですよぉ、すこぶるいいです! 今朝もGAのグレートウォールにソルディオスを取り付けるなんてサイコーなアイデアが浮かんだんですよぉ?」

「そいつぁ…面白いね…一度試してみればいいんじゃないか?」

「やっぱり! 信一郎君なら分かってくれると思いましたよ! 嬉しいですねぇ、是非とも抱いて欲しいですねぇ!」

「うへぁ」

「ところで学園はどうです? 可愛い子いっぱいいましたかぁ?」

「選り取り見どりだったよ、まぁ俺は相手にされんかったが」

「あぁ…いいですねぇ…可愛い子が沢山ですかぁ、ぐちゃぐちゃに蕩けさせたいですねぇ、全身舐め回したいですねぇ!」

 

と言って体をくねくねとさせるアクアビットのリーダー、彼女はバイでHENTAIだ、こうなったらしばらくの間止まらない。

美人なのだがだからこそ残念である、ちなみに30前半の処女だ、だが変態だ。

ちなみに「H」とは変態の頭文字を取ったもので米国等で日本的アダルトチックなコンテンツ(エ□アニメとか)は「HENTAI」(前述の例だとHENTAI ANIME)で表記される。

 

「キュイーッ」

「こ、こいつぁ?! キサラギのAMIDAか?!」

「キュァーッ!」

「どぅわっ! あっつい!!」

「おや! いやぁ! はははごめんなさい、うちの子がシンくんに迷惑かけてしまったようですね!」

「プライマルアーマーのおかげで無事だけどね、熱は届いたよ、あっついね」

「ふむむ、PAに阻まれましたか、PAを無効化させる術を考えなければいけませんね」

「おい、キサラギおい、俺を実験台に使ったのか」

「…………まさか」

「はいアウトー! 俺を実験台に使ってたな! おのれー! ファニーボーンに左手でデコピンしてやるわ!」

「おぉっといけない! 私は用事があるので行かせて貰います! 行きますよAMIDA! アミルダーオン!」

「キュイィィィッ!!」

「きっも! きっも!! AMIDA背負って飛びやがった! きもっ!」

 

ヒュゴォ、と通常ブーストを吹かしながら社長室へと急ぐ、やはり何人か人とすれ違ったが時間が無いので軽く手を振って挨拶だけをする。

普通に開発部署所属の人間は俺がACを展開している事に対してノーリアクションだがあくまで一般人な受付の人とかはすこぶる驚いていた。

社長室の扉をノックして返事が返ってきたことを確認して話し出す。

 

「社長、AFCの組み立てが完了し、ここに持って来ました」

「えぇ、ありがとう。入って下さい」

「失礼します、これがAFCです、単純な瞬間出力は完全に制限解除したOWに少々劣りますがACより高いエネルギーを常に供給し続け、超長期的に行動が可能です」

「ん、やっぱり信一郎さんは素晴らしい開発者ですね、もっとよく見せてくれますか?」

「どうぞ、10キロほどなので個人が運ぶ事も簡単に出来ます」

「んん…! よいしょ…! ……シンくん、駄目、ママには重すぎて持てないよう!」

「母さん驚くぐらい非力だもんね…全くAFCが持ち上がってないし」

「お箸とお茶碗とペンが持てたらそれでいいもん!」

 

両手でAFCをぺちぺち叩きながら涙目の母さんが唸る、ちなみにAFCはAFに搭載するのでちょっとやそっとでは傷さえ付かない、凄まじく丈夫に出来ているのだ。

AFCを一個犠牲にすれば多分ISだって殴り潰せるぐらい頑丈に出来ている。

 

「あ、シンくん! お願いがあるんだけどいいかな」

「いいよ、母さん、どんなお願い?」

「今からロシアに飛んでノリリスクに行って欲しいの、何でも高い技術力を持ってるんだけど国に認められなかった研究チームがあるとか」

「引抜やね、ええよ、んじゃ飛行機用意しなきゃね」

 

手を振って部屋を出ようとしたら扉が盛大に開け放たれる。

 

「ロシアへの旅路には是非とも我がアスピナ機関の試作飛行機に!!」

「「うわぁ…」」

 

細身で痩せこけた男性が隈で目の下が黒くギョロリとした目を爛々と輝かせて現れた、言わずとも分かるが彼はアスピナのリーダーである。

彼の後ろを見たら同じように痩せこけた男達が隊列を組んでいる、アスピナ機関勢ぞろい、怖い。

流石に女性は「見た目」普通の人達だ、あけてビックリド変態なのは確実だが。

 

「さぁ!」

「「さぁ!!」」

「「「さぁっ!!!」」」

「母さん……」

「なぁに? シンくん」

「逝って来ます」

 

きっとココ最近で一番の笑顔だったはずだ、あとは言われるがままアスピナの飛行機に乗る。

ある座席は「操縦席」「副操縦席」「客席」が一つづつ、異常(誤字ではない)。

そのくせジャンボジェットみたいなサイズでブラックバードみたいな形状をしているのだ、見るだけで分かる、後ろ半分以上は全部燃料とエンジンなんだろうな…

 

ほんの数時間も掛からず目的地のノリリスクに到着した、ムカつく事にこのアスピナ機ホバリングも出来るのである。

ハリアーよろしく垂直着陸で地面に降り立ちアスピナ機から出て地に脚をつける。

 

「素晴らしい素晴らしい! やはり間違っていなかった! ISの最高速度よりも早いね!!」

「そうね、あぁ…やっぱりアスピナでよかったわぁ…!」

「問題はIS適正が無いと保護を受けれない上にコレ自体にコアを積んでいる事だな」

 

この女性方はアスピナ所属のIS乗りの方々である、そして研究者であり今回のパイロット達だ。

なお、バカみたいにデカくてバカみたいに速い癖にステルス性能は現行最高性能だから更にムカつく。

音もしなければレーダーにも引っ掛からない、最後には姿さえも見えない始末だ。

 

「さて、んじゃ行くかね…俺ロシア語なんて分からんけど」

「心配しないで下さいよ、私達も日本語以外喋れませんから」

「おい、イタリア人おい、どうするんだよ、意思疎通できないじゃん」

『私にお任せ下さい、信一郎様、リアルタイムで翻訳いたします』

「さすがIBISやでぇ」

『信一郎様のためですから』

 

 

結果的に言うと相手さん側は普通に日本語が喋れた、ISの影響力パネェ…

アスピナ機には乗れないので後日普通にアルゼブラが飛行機を飛ばして向かいに行ってくれるらしい。

 

『信一郎様、ロシア所属のISが2機信一郎様の所へ向かっています』

「ステルス性は完璧だと豪語してたんじゃないのか?」

「勿論です! IS反応はありますが!」

「お前らもうホントアスピナだな」

「褒められちゃいました」

『信一郎様、分かっているとは思いますが我々は不法入国者です、逃げるなり迎撃するなりしなければ危険なのでは?』

「俺が相手するからお前ら社に帰ってろ」

「「はーい」」

 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

「へぇ、IS反応があったと思ったらずっとその場で待機してくれるなんて、大人しく捕まってくれるのかしら?」

「まぁ戦っても2対1、勝てるわけないものね、賢明な判断よ」

『…………』

「さぁ、武器を捨てなさい」

「大丈夫、ロシア式にやさし~く尋問するだけよ」

 

事前にスタルカを展開して二機のISを前に空中停止、何か好き放題言っているがロシア式は勘弁願いたい、いきなり部屋の電気が消えたかと思えばいつの間にか後ろに会話していた相手が立っていて「君は私のために働いてくれる、そうだね?」とか怖すぎる。

オーバードブースト準備、右腕のKIKUを一発腹にとっついて一人でも落としてから逃げたい所だ。

 

「ダンマリ? 嫌な娘ね、ぶっ飛ばしちゃおう…」

ズゴァンッ!!

「が…はっ…?!」

「…え?」

ガゴン、ドゴァッ!!

「ぁ…」

『殺った…寒いか? じゃが、それも直にのうなる』

 

IBISさん何言ってんの、てか拍子抜けだな、一人がとっつきで沈んだのはいいがあと一人が呆気に取られてるとか、目の前で5連ロケが発射されて最後まで何が起こったか理解できなかったのだろうか。

勿論殺してはいない、一人は超強力な腹パンを当ててあと一人は顔面に5連ロケが直撃しただけだ。

 

「ま…ちなさい…!! こ…のっ、殺…してやる…!」

『まだ一人は落ちていませんでしたか、ロケット5発程度では軍用のISは落とせないようですね』

「よくも…! よくもよくもよくもッ!!!! 殺してやるッ!!!」

『貴方には罪も怨みもありませんが目の前で銃を向けてくるのであれば仕方ありませんね』

「Я убью !!!!(殺してやる)」

 

よりにもよってほぼゼロ距離でスナイパーライフルをこちらへ突きつけてきたので銃身を掴み握り潰す、内部の弾薬が爆発四散し小さな爆発が俺の左手周辺から起こる。

 

「く、あぁッ?!」

 

マシンガンをパージ、開いた左手で敵さんの首を掴む、直ぐに右腕を大きく引いてKIKUを使わずに直接ボディブロウをぶち込む。

 

「う、げぇ…! ぉえ…ッ!」

『まだ殺したいと言いますか?』

「こ…ろして…やる…!」

『では』

 

もう一度ボディブロウをぶち込む、ちなみにコレは全てIBISの指示である。

では外に漏れない内部通信をどうぞ。

 

「もういいんじゃないですか?」

『まだです、もう一発です、ほら』

「いや、もう許してやりましょうよ、彼女何も悪い事してないよ」

『信一郎様』

「わかった…許しは請わない、怨めよ」

 

そうして幾度も腹パンを続け最終的には言葉さえ発する事が出来ないほどに…

後々の事を考えて下腹部だけは殴っていない、今更なんだと言われても仕方が無いが…

 

『どうです?』

「ぁー…ぇ…ぅぁ」

『ふむ、もういいでしょう』

 

『信一郎様、投げ捨てて下さい』

「酷い…」

 

クローズチャネルで一言呟いて敵の女性を可能な限り優しく投げ捨てる、途轍もなく後味が悪い。

帰りはヴァンガード・オーバード・ブーストを展開して社へと帰った、ごめんなさいロシア、生前割と好きな国でした、ミリオタだったので…

 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

「ただいも我が社、やっぱ自宅は落ち着くなぁ…」

「お、シン! おかえり、ロシア行ってたんだって? 海外旅行はどうだった?」

「精神がモリモリ削られて良心の呵責がやばかった、IBISマジ容赦ねぇ、ちっふーに並ぶレベル」

「ま、いーんじゃない? イイ経験が出来たと思えばさ」

「それに日帰り旅行で海外って…」

「ぎゃはははっ、あ! そーだシン、ほら、これこれ」

「…運転免許? 俺免許取れるような所行ってないよ?」

「世界の経済を左右できる存在って…凄いよね!」

「はい! カラードの影響力の無駄遣い!! 皆さん絶対にこんな事しちゃ駄目ですよ! 余裕で犯罪ですからね!」

 

でもしっかりと国から買ったお免許を受け取りお財布へとしまう、お財布には現金十数万円とカード何枚か、んで今新たに仲間に加わった運転免許くん。

 

「でもシン、しょっちゅうカラードの私有地でバイク乗り回してたでしょ? 技術は十分だと思うんだよねー」

「彼女と二人乗りすることが子供の頃からの夢だったんだ!」

 

ちなみに私有地では無免許でも運転できるが、私有地でも第三者が侵入出来る状態だと無免許運転が適用される、ロープなりなんなりで区切れば問題は無いのだそうだ。

明日早速バイクを購入して学園に搬入してみようかな、止めとこう、ちっふーにバレたら怖い。

 

「バイク何がいい? 有澤にする? アスピナにする? オーメルにする?」

「ホンダにする」

「ぎゃははははっ! いーじゃん、盛り上がってきたねぇ↓」

「盛り上がってない!」

 

その日久方ぶりに家族(社員達)で食事を取ってバカ騒ぎをして泥のように眠った。

皆が皆好き放題に騒いで好き放題に飲み食いをする、本当にこの家族は楽しくて仕方が無い。

またしばらくすると新しい家族が増える、楽しみで楽しみでもう一度顔を合わせるのが待ち遠しい。

 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

「IS学園よ! 私は帰ってきた!!」

「な、何してるのかな? 籐ヶ崎君?」

「おっと、実はむっつりな真耶先生じゃないか! 3連休を利用して家族に会いに行っただけですよん」

「むっつり?!」

「んじゃ俺は学園ない適当にブラブラしときますねーっと」

「ちょ! ジャンプ力凄い?! 無断でISを展開しちゃ駄目ですよ!!」

「残念ながら義足なんだよね! マハハハハハ!!」

 

動くたびにたゆんたゆんと揺れ動く真耶先生の乳を見ながらピョインと跳躍してその場を離れる。

取り合えずぶらぶらするとは言ったが行くところもないし半ばお気に入りの場所になりつつある整備室へと足を進める。

 

「どらぁ! 着地!!」

 

そして周りを見るが例の女子生徒二人組みは居ない、なんだか寂しい。

後でアリーナにでも行こうかな…

近くの自販機でカフェオレを購入、左手で掴みながら扉をゆっくりと開ける。

 

「おーはーよーうーごーざーいーまーす(小さい声で)」

 

やっぱり簪は打鉄弐式の前に座り立体ホログラムを操作している。

流石に俺と本音ちゃんからいつも口うるさく言われている所為か整備室の電灯はちゃんと点いていた。

 

「…ここを……あれ?……あっ、そうか……」

 

何やらプログラムを弄っているのだろう、正直何をしているのか詳しくは全く分からない、言っておくが俺は天才なんかじゃない、凡才、否…もしかすると凡才にさえ劣るのかもしれない、得意な事はただの単純計算で難しい計算などかなりの時間を掛けないと出来ないのだ。

取り合えず一息ついたであろう椅子に深くもたれて「ふぅ」と息を吐いたのに合わせてカフェオレを頬にペタリとくっ付けてやった。

 

「きゃうっ?!」

「んふーふ、ずいぶん可愛らしい驚き方だな簪」

「と、と、籐ヶ崎君…?!」

「応よ、ほれ、コレやるよ」

「ありがと……」

 

適当にそこらの椅子を寄せて簪の近くに座る、相変わらず簪以外は居ない整備室をぐるりと眺めて俺も一息ついた。

 

「打鉄弐式、どうだ?」

「うん……なんとか…学年別個人トーナメントまでには…出来そう…」

「ほぉ、そいつはスゲェ、さすが簪だな」

「う……そんな…」

「そうだ、聞いた話では学年別トーナメント、個人じゃなくてタッグになるらしいぞ」

「そ……そうなんだ……」

 

こくり、こくりと大した内容量でもない缶コーヒーをゆっくりと飲む簪がほんの少し動揺していた、何故だろうか。

 

「私と…組んでくれる人って……いるのかな……」

「大丈夫だろう、少なくとも俺よりは確実に組んでくれる人間は居るさ…」

「じゃ、じゃあ!」

「うぉ! なんだ?!」

「あ、ごめん……えと、私と…組んでくれない……かな?」

 

やだ、可愛い…何この子可愛い。

 

「あぁ、喜んで! では俺は簪を守る騎士となろうかな」

「私を………守る?」

「あぁ、俺は簪を守る、この命に代えても…」

「ッ~~…!!」

 

顔を赤くしてぎゅっと缶コーヒーを握り締める、いや~ういやつういやつ。

簪が陣取る机をチラリと見ると何やら色んな袋が散らばっている、食品の袋だ、間違いない。

 

「なぁ簪、この整備室に入ったのはいつだ?」

「お…一昨日の……放課後………」

「なぁ、簪…」

「大丈夫……! シャワーだって備え付けられてるし……! 着替えだって持って入ったから……! それに仮眠室だって…」

 

あたふたと自分の健康状態が悪くなる要素がないことを俺に説明するが人間太陽光にちょいとでも当たったほうが健康的だ、ちなみに俺は太陽が大嫌いだ。

 

「外行きの服に着替えなさい」

「で、でも……」

「ハリー!!(はよ)」

「ひゃい!」

「うむ、では俺は1026号室で待っとく」

「うぅ…」

 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

「さて…現在地は…」

『ショッピングモール、レゾナンスです。データではデートに適した場所だそうです』

「と…籐ヶ崎君……」

「うんむ、やはり良いな、薄いライトブルーのワンピースがよく似合っている」

『私は無視でしょうか、信一郎様』

「―すみませんが監視を外して頂けないでしょうか、プライベートタイムは欲しいもので―」

『……わかりました、信一郎様がそうおっしゃるなら……』

 

そう言って通信を終了したIBIS、それは置いて簪がワンピースを着ているのは凄く似合うな…

いいぞ…冴えてきた…!

対して俺は黒いミリタリー(本物)パンツ、黒いミリタリー(本物)ジャケットの前を開け中に着ているはミリタリー(ほry)シャツ、ミリタリーグローブを左手に装着し頭にバンダナを巻いてカラード所属を表したドッグタグを首から提げている。

完全に軍属の見た目です、本当にありがとうございました。

これならいっそスーツにグラサンで簪の隣に居た方がマシだった、だれかファッションセンス皆無の俺を殺せ。

 

「……明るい…太陽光が暑い……」

「奇遇だな、簪…俺も今相当暑い、てか義手の付け根とか熱い、もうウンザリしてきた所だ」

「…その服だと…暑いのは当たり前だと思う……」

「そこで簪に頼みがある」

「頼み……? 私に…?」

「俺のコーディネイトを頼みたい」

「……私で…いいの?」

 

言葉は不要か、と言わんばかりに一度強く頷く、女性の服関連の買い物は兎に角長い、生前妻や娘、果ては孫の買い物に付き合った俺が言うんだ、間違いない。

そして軒並みその後は機嫌がいい、簪が気に入ったであろう物は俺が買えばいいし簪が自分に欲しいと思ったものもさり気なく聞き出して買ってしまえばいい。

連れ出したお詫びとでも言えば多少躊躇うが受け取ってくれるだろう、まぁ打算だし取らぬ狸の皮算用だから計画が破綻するかも知れんが。

 

「じゃ、じゃあ…行って……くるね…!」

 

そう言って一切迷うことなく何故かバイク用品店へと直行する簪、つまり…どういう事だってばよ?

仕方ないのでコーヒー(ジョー○ア)を自販機で買ってベンチに座ってくつろいでおく、やはりカフェオレは良い…

 

「ちょっと、そこの貴方この荷物を持ってなさい」

「?????(Q.E.Dのセリフ)」

「な、何喋ってるの! 分かる言葉で喋りなさい!」

「oh sorry. Is it something for me?」

「英語なら何とか…分かるわね、yes」

「わがんねぇよぅ 何言ってんのかさっぱりわがらねぇ 日本語しゃべれよう」

「なっ?!」

「日本語しゃべれねぇんなら……死ねよ」

 

と言いつつ飲みきった後左手で握っていた空き缶をグチャリと握り潰してニヤリと哂う。

忘れているかもしれないが俺はイケメンではない、しかし凄まじく顔が怖いのだ、敵意剥き出しの笑顔は一般人にとって銃を眉間に突きつけられてるのと同義らしい。

俺の知り合いが言ってた。

声にならない声をあげて走り去って行く女性、内心フフンとほくそえんで潰した缶を缶専用のゴミ箱に投げる。

入らなかったので拾いに行って直接入れた、関節が固い、今日は碌な事が無さそうだ。

 

「籐ヶ崎君…!」

「目星をつけただと、たった20秒足らずでか!」

「もっと時間掛かったはずだけど……でも、いいから早く…!」

「はいよ、あまり引っ張らないでおくれ、じいちゃん足腰が弱くてねぇ」

 

しかし一切容赦されずグイグイと引っ張られる、すごく積極的な女の子だな、笑顔が眩しい、最近笑顔を浮かべる事が多くなってきたがコレは珍しいな。

着くなり何やらジャケットを持ってきた、皮のライダージャケットだ。

 

キラキラした目で簪が見つめてくるのでミリタリージャケットを脱いでライダージャケットを着てみる、すると不意に頭のバンダナを取られて首元に軽く結ばれる。

 

「わぁぁ~……やっぱりだ…! やっぱり似合う…!」

「……チェンジ、アーマードぉぉぉ……コアァ!」

「ッ~!」

 

具体的に今の俺の見た目を説明すると昭和ライダーである、微妙に違えど昭和ライダーである、イメージはそのまんまだ、何やら簪がご満悦の様子なのでコレを買う事にする。

 

「コイツを下さい、支払いはカードで」

「はい畏まりまし…ブラックカードォォォォッ?!」

「今時ISに関わっていたらブラックカードなんてそう珍しくもないと思うけど…」

 

ビックリするほどビックリした店員相手に支払いを済ませて店の外に出る、今まで着ていたミリタリージャケットを量子変換してしまっておく、いやはや、無駄な所で役に立つ技術だ。

H×HのGI編で出てきたバインダー並に役立つ便利機能だな。

 

あ、どうでもいいかも知れないがPA発生装置の首輪は今手首に巻いている、カラードェ…

 

「ついでだ、簪の服も見て回れば良い、気分転換には丁度いいだろう」

「……いいの?」

 

うむ、と頷いて出来るだけ柔らかい表情を作る、簪はワタワタと周りを見た後軽い足取りで洋服店へと歩いていった。

俺も思い足音を響かせて後ろを付いて行く、昭和ライダーの風貌で。

 

「籐ヶ崎君…! これ…どうかなっ」

「うんむ、俺のファッションセンスは酷いからどうこう言えるわけではないが…もう少し大人し目の方が似合うんじゃないだろうか」

「じゃあ…これかな?」

「あぁ、良く似合うはずだ」

 

満面の笑みを浮かべた後見せた服を戻して他の服を探しに行くのを眺めこちらを見ていない隙にしっかりと記憶しておく、勿論プレゼントの為だ。

プランD、所謂デートですね、簪とですか…これでテストの汎用性が高くなりました、良い傾向です。

ところでテストって何のテストだろう。

CUBEはAMSのテストだってのは分かるよ、言われなくても。

 

可能な限り俺の感性を生かして俺に判断できない物は簪のセンスを信じて相槌を打って行く、店を出て他の店へ移動するときに簪に悟られないよう迅速に手に取りレジへ持って行って購入、IS学園の1026号室へ送って欲しいと伝え店を出て簪を追いかける。

しかし簪の特徴と言うのか生前の娘や孫ほど大量に試して見たりはしない、一つの店で精々1、2着程度だ、こちらも楽で良い。

まぁその代わり時間が掛かるときは目星をつけるのに3、40分ほどかかる時があるが…遅すぎるが…まぁ仕方ない、女の子なんだ、時間も掛かるさ。

 

そうして何件か、間違ってはいけない、「何件か」である、年頃の女の子としては異例の少なさだろう、ありえるのか、こんな女子高生が!

まぁ何件か回った後に満足したのか俺を引っ張って日陰のベンチへと移動する。

 

「ふぅ…ねぇ、籐ヶ崎君」

「なんでしょうか、お姫様」

「ふふ、ありがとう……今日は、楽しかった」

「それは何より」

 

ふと、簪へ「俺」からのプレゼントをしてみようと思いつく、グルリと周りを軽く見渡すと一つ、面白そうな店を発見、内心いい気になった。

 

「んふーふ、さて簪、少し寄りたい店があるんだが、いいか?」

「…? いいけど…」

「そぉーら、こっちだこっちぃ」

「わ、わ!」

 

手を掴んで軽く引っ張る、その後はスッと手を離して目的の店へと歩を進める。

そこはアクセサリーショップ、商品を流し見て俺の出せる最高の勘で一つのアクセサリーを手に取った、青い花の髪飾りだ、いいぞ、俺の勘、良くやった。

 

「こいつを下さい」

「はいよ、オーブリエチアの髪飾りだね」

「ありがとさん、釣りはいらんよ」

 

ぽぽいと一万円を店主に渡しポテポテと歩いてきた簪の方へ向く。

 

「少々ジッとしててくれ」

「んぅ…」

 

言い方は少しアレかもしれないが今日は学園で何時も付けている頭部スタビライザー的なサムシングを付けていないので何処にでも髪飾りを付けれるがとりあえず干渉しない所に付けておきたい。

左目に少し掛かっている髪の毛を纏めて耳の上で止まるような形で髪飾りを付ける。

 

「うむ!」

 

俺ご満悦、中々良い具合にアセンブルできた、感覚で言うならEN効率が良く速度も出てバランスの良い武器を積んだ上にそれなりに積載量の余りが出ているアセンが出来た感覚に似ている。

 

「…これは…?」

「今日俺の我侭に付き合ってくれたお礼、プレゼント…気に入ってくれるといいけど」

「うん…! 嬉しい…! 大事にする、ありがとう…! 籐ヶ崎君!」

 

ふむんむ、なんだか俺も嬉しくなってきた、ところでふと思ったんだが簪は俺の事を「籐ヶ崎」と苗字で呼んでるんだよな、んで俺は簪の事を「簪」と名前で呼んでいる。

簪は俺のフルネームを籐ヶ崎信一郎だと知っているんだが生憎俺は簪の苗字を知らない、少し聞いてみたくはあるな。

 

「ところで簪、俺は簪の苗字を知らんのだが…良かったら教えてくれないか?」

「え……と…その……」

「あぁ、いや、嫌ならいいんだけどな?」

「さ……更識…」

「……更識?」

 

更識だと? 我が社にもっそい回数のハッキングを試みては返り討ちにされ続けた更識?

いやいや、違う可能性も…無いな、考えればそうだ。

日本の代表候補で姉は一人でISを組んだといわれている、おまけにいっちーと妙な因縁がある。

裏はカラードの知りえない大きな組織だろう。

なるほど…簪は……俺が知らない範囲の原作キャラだったか、それもかなり重要な位置の。

これは…面倒な事になった……

 

「籐ヶ崎…君?」

「んぁあ、いや…どうせだ、俺のことは苗字で呼ばずに下の名前か渾名で呼んでくれ」

「え、え?! な…名前で?」

「応よ」

 

考えている最中に話しかけられてびびった、取り合えず話のすり替えに成功だ、いやぁ焦った。

 

「じゃあ……し、し…しん…信一郎…! …くん」

「最後は要らんのだがな」

「うぅぅぅぅ…」

 

愛い奴愛い奴と思いながら顔を真っ赤にする簪を撫でる、更に顔が赤くなるのがまた面白い。

あとはさぁ行こうかと簪の手を優しく引きIS学園へと帰って行く、今日のデートはコレで終わりだ。

 

しかし、簪が更識だったか…コイツは大変だな、もう通算100年以上生きているのだ、人の気持ちなど本心か否か少し考え込めば容易く分かる。

簪を見ているに俺への好意は本心からだろう、自惚れなどではなく確信を持って。

ならば…恐らく動いているのは簪の姉のほうだろうな、簪自体は更識がカラードにハッキングを掛けている事を知らない可能性が大きい、ならば簪だけはそっとして置いてやるべきだ。

カラードで更識を詳しく調べてみよう、俺の指示なら皆やる気を出してくれるはず…多分、きっと、メイビー。

 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

「ヘイ、谷本さん有澤の社長から贈り物」

「レアリィ?!」

「直筆サイン、一度会って話をして見たいって有澤の社長が言ってたぜ」

「ありがとう籐ヶ崎君! もう家宝にするわっ!! 今度有澤重工にお邪魔してもいい?!」

「勿論さぁ☆」

 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

「ふふふっ…」

「更識さんが髪飾りを触って凄く嬉しそうにニコニコしてる件に付いて」

「…更識」

「…信一郎…くん…ふふっ」

「更識」

「…嬉しかったなぁ……」

「更識簪!」

「え?! ひゃ、ひゃいっ!!」

「随分と楽しそうだったじゃないか、更識簪、日本代表候補の余裕の表れか? 私の授業で上の空とはな」

「あ…あ…」

「覚悟は出来ているな?」

「待ってください織斑先生! 更識さんの上の空は仕方の無い事です、不可抗力です!」

「…ほう? ならば証明して見せろ、フランシス・バティ・カーティス、お前になら、それが出来るはずだ」

「先生が弟君の事をただ何となく考えてしまうような感じです!」

「……なら仕方ないな、うん、何だが一夏に会いたくなってきた、まだ終わらないのか、この授業は」

「あ、ありがと…フラン…」

「次期社長婦人の為ですから」

「え…? 何?」

「何でも無いですよ」




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