コジマ汚染レベルで脳が駄目な男のインフィニット・ストラトス   作:刃狐(旧アーマードこれ)

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今までで一番ぶっ飛んだ意味不明なサブタイ、考えれば全体的に意味不明なサブタイばっかりだった。
サブタイの横に~編って書いた方がいいのだろうか…

今回クソ長い上に全然シモネタでないです。
あと壁殴ってクソァしなきゃならないかもしれません。
コジマ汚染にあるまじき恋愛要素がggggg…


茶番はもう終わりでちょっとお手伝いのこの荒れ具合が騙して悪いが許しは請わないそんな機体で青いイレギュラーを期待するステキな風穴なお話

「で、いっちーや、時間が経つのって早いなぁ…」

「あぁ…でも俺、勝てるかな」

「無理じゃね? 代表候補とブレオンのルーキーがやり合って勝てる保証なんざ殆どねぇぞ」

「そう思うならシンが練習に付き合ってくれたってよかったじゃねぇか」

「馬鹿言え、何格上の相手と練習しようなんて思ってんの? お前ちっふーとガチでやり合って何か学べる自信あるの?」

「うぐ」

 

今ロッカールームでピッチリスーツを着たいっちーと駄弁っている、入学時みたいに勃起したチンコの如くガチガチに固まっていたから話し相手になってやってる。

 

「俺はいっちーが勝とうが負けようがどうでもいいが女子達にとってはそうもいかん、故に少しだけ教えてやる」

「何だ?」

「鈴音の甲龍に搭載されている武器で衝撃砲ってのがあるが肉眼で弾を見ることは出来ん、不可視の弾丸だ」

「へぇ…」

「衝撃波を飛ばしているわけだからレーザーやライフル弾よりも遅いだろう、センサーで感知したらすぐに避けろ、避ける方向はいっちーの勘だがな」

「わかった」

「いっちーじゃなければもう一個、そうさな…せっしーなら有効な攻略法もあったんだが…」

「一応聞かせてくれよ」

「衝撃波ってのは距離による威力の減衰が凄まじく大きい、だからアウトレンジで戦えば射手の腕によるが完封も可能だ。そうでなくとも距離を維持できればたいしたダメージを負う事も無く勝てる」

「カラード情報?」

「うむ、と言うよりもコレは中国が公開している情報から割り出したもんだがな」

 

いっちーが知らなかった、見たいな顔をする、いやいや、調べろよ、可能な範囲で敵の情報探せよ。

せめて「へーそんな攻略法があったのかー」程度の反応にするべきだろ、何で何一つとして相手の情報を知らないんだいっちー。

 

「…一夏、ピットへ移動しろ」

「あ、あぁもうそんな時間か…教えてくれてありがとう千冬姉」

「ぶっ飛ばされて来い」

「必死に抵抗してやるよ、情報サンキューなシン」

 

いっちーがロッカールームから出たのを確認して通信機を取り出す。

掛けるのはある人物、いやただ頼みたい事があって…

 

「どうも、人口衛星IBISでIS学園周辺を監視してくれませんか? 何でも構いません、何かがIS学園に向かってきてたら連絡して欲しいだけです」

『わかりました、信一郎様の指示通りに致します、IBIS監視モードに移行します』

 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

「ウィース、本音ちゃんと簪、調子どうだい?」

「あ~シンにー、あのね~かんちゃん緊張してるんだって~」

「え? 何故? べつに出場するわけじゃないんでしょ?」

「で、出る……4組の…代表で……日本の代表候補生だから……」

「知らなんだ…まぁアレだ、自分も専用機持ちって土俵に立ってるんだから」

「シンにー実はね~…」

「アレ……まだ完成してない………」

 

そうだったのか…アレから基本的な事はまさかの整備ステータスがSだった本音ちゃんと半チーターの俺が手伝ってたからてっきりもう動く物だと…

 

「機体の方向性を決める特徴的な武器がまだ出来てないとか…?」

「うん……」

「確かオールレンジ対応型高速機だったよな、どの距離?」

「中距離遠距離のミサイル…」

「そりゃぁ……手伝おうか? 本音ちゃんも居るしそりゃ今大会には間に合わんが次の行事までには出来るだろ」

「ううん……一人でする………」

「…かんちゃん…」

「違うの…せめてコレだけは……打鉄弐式(あの子)の…象徴的な武器だから………私だけで…作ってあげたい」

「なるほど…そういやコイツは全部会社任せだったな…俺が創ったのはコアだけだったか…」

「「……え?」」

「んあ?」

 

何だ? 俺変なこと言ったか?

思い出せ…全部会社任せ、創ったのはコア………おっと…これは面倒な事になった。

 

「コアを……作った……?」

「え? シンにー? あれ~?」

「ま、マハハハハハハ!! さぁさぁ! 試合が始まるぞ! 一試合目は我が1組のいっちーVS2組の代表で中国の代表候補の鈴音か!!」

 

すると簪がなんか不機嫌そうな顔になった、後でいい間違いだったと言い訳せねば…

なお、一度簪のあだ名を決めようと「かんじー」とかどうだ? と言ったら「死ねばいいのに……」とか言われた、簪も助走つけてぶん殴るレベルだったらしい。

考えたらこれイギリス、中国、日本の代表候補に死ねと言われたのか、あとはドイツとフランスだな、ドイツは楽そうだ。

 

「織斑……一夏……!」

「いっちーがどうかしたのか?」

「かんちゃん?」

 

因縁でもあったのか? 子供の頃に云々とか、もしそうだったらフラグメイキングされててもおかしくないな…

 

「打鉄弐式は…元々倉持技研で作られてたの………でも…」

「白式…か、まぁその白式も欠陥機として放置されて最終的に別の人間が完成させたんだがな」

「へぇ~シンにーって物知りなんだね~」

「結果的に言えば倉持技研は何も完成させず放りっぱなしで白式を完成させたと声高らかに宣言してるんだ、人数抱えたカラードでもそんな事するのは一人としていないのにな」

 

ちなみにカラードの雇用方法は引き抜きだ、受付とかは普通に雇っているが。

能力を完全に発揮できなかったり各地でポコンと出来た高い能力を持った小さな組織とかを引き抜いたりしている。

カラードの潤沢な資金と設備で自分のやりたい事を制限無く出来るのだから大喜び、その結果ド変態が密集する異常空間が出来上がっているのだが。

 

「おっと、本当に始まるぞ、それにしても何故ココ周辺には人が寄り付かないんだ?」

「と……籐ヶ崎君の見た目だと思う………」

「…だよな」

 

これには流石の俺も苦笑い、いっちーの方は…まず斬りにかかって、力負けして…距離を取る。

あれ? 何でいっちーあんなに動きいいの? てかあの移動方法、俺のクイックブーストじゃね?

 

「わぁ~すごいね~おりむー早いねー」

「でも本音ちゃん、あの移動方法ってね…」

「あ、バランス崩して………吹き飛んだ………」

「慣れてなかったらああなるんだ、それも馬鹿みたいにエネルギー食うから普通に攻防して押されるのと同じぐらいエネルギーが減るんだよ」

「へぇ~物知りだね~」

「いや、アレ多分俺の真似だし…下手に真似するより自分のスタンスを固めた方が良いと思うがなぁ……」

 

お、鈴音のブレードが飛んだ、回転しながら戻っていく、アレもPICを使った物なのだろうか。

なんか格ゲーであんなキャラがいたなぁ…ラ○チ殿ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!!

 

「お、肩がスライドした、衝撃砲の準備か…」

「早いし遠いしで見えないよぉ~」

「専用機って、便利だよね!」

「展開……してるんだ……」

 

これから少しの間泥沼試合が始まるか、緊張するな…てかせっしーとかもっぴーってもしかしていっちーのピットで見学してるの?

御偉さん方よりいい所で見てるのな、あれ? 違うところだっけ? 覚えてないや。

んむ? 通信か、そろそろだな。

 

『信一郎様、恐らくISだと思われる所属不明機が複数IS学園へと向かっています』

「複数?!」

『はい、全て同系機と思われますが、如何致しますか』

「IBISから……砲撃できますか」

『チャージ終了時には既に所属不明機はIS学園に到達するかしないかの速度です』

「3分…か、分かりました、俺が潰すしかない…ねぇ。何機です?」

『4機です』

「多すぎる…いや、分かりました、ありがとうございます」

 

ACのプライベートチャネルを終了し、空を見る、あと3分で無人機が4機IS学園に攻めて来る。

1機なら適当でいいんだが4機だと生徒達に被害が出ないとも限らん、制限解除か。

 

「籐ヶ崎君……? どうしたの……?」

「いや、少し…な」

「わぁ! おりむー危ないよ~!」

 

ACのレーダーを起動、レーダーには何の反応もない、ACにも反応しない迷彩をしている可能性がある、視認で確認せねばならんか。

セクハラもシモネタもACネタさえも出ない、俺にはこの空気は合わんな…

 

「いっけ~おりむー」

「早い……!」

 

空高くに一瞬だけきらりと光る物が見えた。

 

「伏せろッ!!!」

「ッ…?!」

「きゃっ!」

 

二人の頭を抱きかかえて俺の影に隠し姿勢を低くさせる、一瞬後に閃光がアリーナに降り注ぎ轟音がアリーナを埋め尽くす。

 

「な、何?!」

「今のが織斑君の攻撃なの?」

「凄いね…やっぱ」

 

まだ事態を理解している人間はいない、出入り口を見れば既に硬く閉じられロックを掛けられているのも分かるはずだが生憎全員今も砂煙で埋め尽くされているアリーナを見ている。

 

「と…籐ヶ崎君…? 一体…」

「チェンジ! アーマードコア!! リミット解除ッ! ハングドマン!! ハウザーッ!」

 

高エネルギーの圧縮を確認、二人の前方に出てハウザーを構える、直後に高圧エネルギー体が脚部シールドを展開したハングドマンに直撃。

 

「え…? 何? え?! 嘘!!」

「きゃぁぁぁぁぁっ!!!」

 

一機は観客席に降りて来やがった、確かに観客席には直接降りる事が出来るからな、TEが高くて助かった、しかもシールドを展開したのに数百エネルギーを持って行きやがった。

 

「離れろ!! 消し飛ぶぞッ!!!」

「ほ…本音…!」

「うんっ…!」

 

他の1機はいっちー達の所へ、残りの2機は未だ上空に待機している。

 

『未確認ノコアヲ所持シタIS(イレギュラー)ヲ排除シマス』

「黙れよ、茶番はもう終わりだ…テメェのコア抉り取ってやるよ、イレギュラー!!」

 

同時にハウザーを撃つ、避けられるが着弾点で爆発が起こり無人機が巻き込まれる、すぐさまハウザーをパージ、KARASAWAに持ち替えチャージを始める。

チャージしなかったであろう低威力レーザーが飛んで来る、だが避けるわけには行かない。

ハングドマンで真正面から攻撃を受け耐える。

 

「頼むから無差別攻撃なんざしてくれるなよ?」

『排除、排除、排除、排除』

 

ハイブーストで距離を詰め右手で持っていたバトルライフルを撃つ。

ISのエネルギーシールドに直撃し、その衝撃で一瞬動きが止まる、時間を掛ける余裕など全く無い、早々に破壊する。

ヒートミサイルを放ち大きくシールドエネルギーを削りブーストを再度噴かす。

 

「千切れ飛べッ!!」

 

エネルギーを通常のハイブーストの2倍消費しこちらへ腕を突き出していた無人機を蹴り飛ばす。

エネルギーをチャージしていた両腕が捩れ曲がり千切れ飛ぶ。

 

『腕部破損、シールドエネルギー消失、戦闘行動続行困難、退避シ…』

「消えろ、イレギュラー!!!」

 

KARASAWAを無人機の顎にあたる場所へ突きつけ発射する、バジュッっと言う音と共に無人機の頭が消失した。

続いて胸部に腕を突き刺し、内部のコアを引き千切る。

その場に投げ捨てクイックターンで振り向く。

 

「どうして?! どうして開かないの?!」

「いやだ…死にたくないよ!」

「退けろ!! 扉を破壊する!」

 

扉から人が離れるのを確認してグライドブーストを発動、グライドブースト中にハイブーストをして扉を蹴る、ロックされていた扉が本来ならば開かない方向に拉げ吹き飛ぶ。

 

「行け! 落ち着いて避難しろ!」

 

避難を始めたのを確認しアリーナのバリア付近まで移動する。

 

「籐ヶ崎君……!」

「シンにーも逃げよう!」

「いや、俺は残る。オーバードウェポン! ヒュージキャノン!!」

「籐ヶ崎君…一体……一体何をするつもり……?」

 

いいね、タイミングとしては最高だ、勿論こう言うに決まってるさ。

 

「いやいや、ちょっとお手伝いをね?!」

 

ヒュージキャノン展開開始、チャージ開始。

アリーナ内の無人機はいっちーと鈴音の二人とやり合っている、間に合うか…?

 

「あぁクソ! コアもジェネもOW向けじゃねぇからチャージが遅い…! 間に合えよ…!」

「籐ヶ崎君…! 無理だよ…一人で相手なんて出来っこない…………」

「男ってのはね、いつでもヒーローに憧れてるもんさ、まぁそれに…この程度なんて事は無いしね!」

 

チャージまであと十秒…いけるか? いや、大丈夫なはずだ、滞空しているイレギュラーに動きさえなければ…!

 

『一夏ぁッ!! 男なら! 男なら、そのくらいの敵に勝てなくてなんとする!』

「クソッ…あと、あと何秒だ?!」

 

無人機が放送席に腕を向ける、その直後いっちーが無人機を両断した。

無人機の上半身が空を舞い地面へと落ちた、その後ゆっくりとした動作で雪片弐型を下げる。

ギチギチギチと正に機械的といった動きで残った片腕をいっちーへと向ける。

チャージはたった今完了した。

 

「へばりきったIS一機、オイシイ仕事だ」

 

無人機が突入してきた時の閃光よりも目映く突入してきた時よりもけたたましい轟音が響き、上半身だけの無人機は伸ばしていた腕を残して消滅した。

目前には砕け、大穴の開いたエネルギーシールドがある。

 

「凄い……!」

「んじゃぁ、あと2機ぶっ壊してくるわ、本音ちゃんも簪も早いとこアリーナから出た方がいい」

「頑張ってね~」

「頑張るまでも無いな、あの程度。あぁ、それとアレ無人機だから人殺しはしてないよ」

 

そう言い残していっちーと鈴音に通信を開き大穴にグライドブーストで飛び込んだ。

 

「ハハハッ、見てたよ、ルーキー! なかなか、やるじゃない。ちょっと時間かかったけどね」

「今の…シンか?!」

「す…凄すぎでしょ…」

「まあ、ちょうどいい腕かな ゴミ虫の相手にはさ!」

「あ、アレをゴミ虫扱い…」

「漁夫の利よ、漁夫の利」

「もう一機単体で潰したけどな、にしても二人とも満身創痍だな。そんな腕じゃあこの先生きのこれないぜ」

「でも取り合えず何とかなったしいいんじゃないか? まだ時間はある、もっともっと強くならねぇと」

「一夏…」

 

なんてアサルトアーマー(ピンク色)を展開してる所申し訳ないがまだまだ終わってないんだよねー。

 

「言っとくがまだ終わってねぇぞ、それあそこで俺らを見下ろしてるクソジャンク品が二つ」

「嘘だろ…!!」

「まだあんなのが…2機?!」

「まぁあの程度で満身創痍ならあと2機の相手はきついかぁ…おっけ、俺が潰す」

 

すると何言ってんだこいつみたいな顔で俺を見る二人、何もガチでやりあう訳じゃねぇよ、一撃で叩き潰すって。

 

「オーバードウェポン、マスブレード」

「うわ、何それ?! 柱じゃない!!」

「おいシン、遊びじゃねぇんだぞ?!」

「ジェネレーター、KV-3D2/XINZANG 二人とも黙ってろ」

 

マスブレードを構え、チャージを始める、コレなら大丈夫そうだ、リミッターも解除しているためOWも使用無制限だ。

 

「どうした? 見てるだけか、とんだチキンなんだな、機械のクセに」

『ターゲットヲ撃破シマス』

 

その言葉と共に急降下しながらレーザーを乱射してくる無人機、EN無限なのでハイブーストを連続して行い余裕を持って回避する。

無人機も空中からの射撃では避けられると判断したのか地上へと降り立ってきた、俺はそれを待っていたわけだが…!

 

「いい的だな、お前」

 

ハイブーストやグライドブーストとは比べ物にならない速度で飛び込む、無人機のレーザーが直撃するが問題無く突き抜ける。

脚を地面に突き刺さんが如く勢いでフットブレーキ、ブーストを行ったままのマスブレードが俺を支点にぐるりと回転し、振りぬかれる。

脚だけを残し上半身は木っ端微塵に砕け銃弾程の速度で無人機の破片が飛び散る、そのまま一回転し腕の角度を変えマスブレードを振り上げる。

再度俺を支点にぐるりと半円を描き残るもう一機の無人機を叩き潰した。

 

マスブレードへのエネルギー供給を停止して背部に戻す、残っていたのは上半身が吹き飛んだ無人機の脚、無人機であったであろう木っ端微塵に砕けた何かが抉れ陥没した地面に残されていた。

 

「なるほど、こんなものか」

「たった一撃で…!!」

「一夏の零落白夜さえ比べ物にならない…」

「さて…我がカラードの力を見ていただけましたか? 各国の方々、もしよろしければ我がカラードを御贔屓にして下されば…ありがたいのですが、まぁ…そちらにとっても悪い話ではないと思いますよ」

 

よぉし、カラードの宣伝終わり! あとはちっふーの所へ行って無断でACを展開した事後報告と…まぁいろいろですよ、うん。

 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

「籐ヶ崎…話がある、付いて来い」

「やったぁ! ちっふーと二人っきりだ!」

「今は貴様のおふざけに構っていれるほど余裕が無い、黙って付いて来い」

 

うぶむみゆ(呻き声的な何か)、今日のちっふー何時にも増してクールだな、まぁ仕方あるまい、4機も侵入者を許した上に全て生徒が撃破したのだからな。

多分何時もと違う手の出ない結構真剣なお話が始まるんだろうな。

 

「ここだ、入れ」

「さて、ちっふー以外には誰とお話しなきゃならんのかな?」

「残念ながら私一人だ」

 

部屋に入るとちっふーが扉を閉めて部屋に備え付けられているソファーみたいな椅子に座る、俺もそれに習って机を挟んで向かい側の椅子に座った。

最初は隣に座ろうかなんて馬鹿なことを考えたが思えば真剣な話なので止めておいた。

 

「幾つか言いたい事と聞きたい事がある」

「どうぞ、可能な範囲で答えましょう」

「まずは言いたい事だが、よく生徒達を守ってくれた、感謝する」

「本音ちゃんが居たもんでね、張り切らせてもらいましたよ」

「次だがISの無許可展開を咎めるつもりは無い、緊急事態だったからな」

「そりゃ何より」

 

ちっふーが体勢を変えて前のめり気味に深く椅子に座る、聞きたい事かな?

それよりコーヒー無いかコーヒー、なんだかMA×コーヒーを飲みたくなってきた。

 

「…なんだ? あの威力の武器は」

「よく聞いてくれました、あれは我が社が開発したオーバードウェポンと呼ばれる兵器です。無人機を消し飛ばしたあのヒュージキャノン、木っ端微塵に無人機を破壊したマスブレード、せっしーと戦ったときにも使いましたが6枚のチェーンソウを使ったグラインドブレード、他にも周囲を消し飛ばすマルチプルパルスや小規模な核に威力が匹敵するヒュージミサイルなどがあります。勿論、全てISを一撃で葬れます」

「条約に違反するぞ…」

「それがしないんですよ…条約から例外として外されるでしょうね」

「何故だ?」

「通常兵器に搭載できるからですよ!」

「何だと…?!」

「つまり、対IS兵器になり得るのです、我が社の製品でISは抑止力では無くなる!!」

 

まぁ、ACじゃないから威力はISに「通用する」程度に落ちるし馬鹿みたいに値段が高いだろうけど…

 

「世界を混乱に貶めるつもりか?」

「でもまぁ…かなり長い間は私のAC専用ですけどね、それに人殺しをする気はありませんから」

「安心しろと言うのか」

「生徒の事を信じるのも教師の仕事だと思いますが」

 

ふふん、勝ち誇ったような顔をして見る、やだちっふー無表情。

 

「…あの武器を使うのは本当の緊急事態だけにしろ、今回のような…な」

「はいよ、では俺は寮に戻らせて頂きます」

「お前から聞きたい事は無いのか?」

「……一つだけ」

「いいだろう、言ってみろ」

「ちっふーのスリーサイz」

「死んでしまえッ!!」

 

比喩じゃなく部屋から蹴りだされた、PAのおかげで俺自身にダメージは無いが衝突しかけた壁が妙に歪んでる、これは改良せねばならんな。

開いた扉から俺を見るちっふーの視線がヤバイ、離脱だ! 離脱する!!

 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

寮に戻ってきたわけだが何か全員すげぇお通夜ムード、一体何があったんだ…

 

「この(生徒の)荒れ具合…同業者か?」

「ふふ…ふふふ…」

 

おい、マジで大丈夫か、一体何がどうなってどうしたらこんな事に…?

 

「と……籐ヶ崎君…!」

「シンにー!」

「本音ちゃん、簪…一体何があった? もしやあの襲撃で誰かが…?」

「確かに…アレが原因だけど………」

「クラス対抗戦自体が無くなったから優勝商品も無くなったんだよ~」

 

そういやそうだったな、つまり…皆欲が張ってただけか。

いやはや、それにしても実に不憫だ…何もせんけどな!

 

「籐ヶ崎君…えと……その……」

「かんちゃん頑張れ~」

「い、い…一緒に……ご飯…食べない……?」

「構わんよ? いっちー…は別にいいか、泡でも食っとけばいい」

 

本音ちゃんが左腕にくっついて来て簪が俺の右手をきゅっと握っている…あるぇー?

ハイパーセンサー起動、ちらりと簪の顔を見る、凄く恥ずかしそうに顔を真っ赤にして、かつ少し嬉しそうな表情。

俺は一体いつフラグ立てた…?

いや、人生一回やってるわけだから流石にコレで違うな、なんて朴念仁な事にはならんが…いつだ?

始めて顔を合わせて大体一月ぐらいしか経ってないよな、もしかしてアレか、今日か。

いやしかし待て、俺は一体どうすればいい、確かに簪は可愛いし俺のタイプではあるが…

うん、決めた、後回しにしよう。

 

「やっぱ肉と米だよなー、二人は何を食べるつもりだい?」

「私は日替わりでいいかな~」

「わ、私も……」

 

食堂(お通夜ムード)に入って適当に座れるところに目星をつける、学食って予め席を確保していないとお盆持ったままウロウロする羽目になるからな。

 

「お、兄ちゃん今日は両手に花かい?」

 

すっかり顔馴染みになった食堂の姐さん、両手が嬉しい状態で塞がっている俺を見て笑いながら俺を茶化す。

 

「いいでしょう、しかも両方とも極上の可愛子ちゃんですよ」

「えへへ~恥ずかしいよ~シンにー」

「か…可愛い……籐ヶ崎君に……」

 

はいジャックポット、やっぱり簪にフラグを立てていたらしい、だが俺はチキンハートなので言い出せない。

 

「で、何にするんだい?」

「焼肉定食俺仕様が1、日替わりが2、デザートが2、全部纏めてコイツで」

「すごいねぇ、私ブラックカードなんて始めて見たよ」

「と、籐ヶ崎君…?」

「あれ~? シンにー?」

「奢るのは男の甲斐性ってな、顔以外イケメンたぁ俺のことよ」

 

にっこり、すると簪が少し後ろに下がった、うん…怖いよね。

何か遣る瀬無い気持ちになったから後で1・2組専用機持ち勢+αを連れてそれぞれの得意距離で蹂躙してやる事にする。

 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

「っつーわけでいっちー他金魚のフン、付いて来い」

「き、金魚のフン?!」

「いきなり下品ですわね!!」

「私達を金魚のフン扱いとは…!!」

「その言い方はねぇだろ!」

 

いや、ト□よろしくどこでもいっしょだから言い得て妙な言い回しだと思うが。

ちなみにト□は普通に好きだ、中々に可愛いと思う。

 

「いや、すまん、じゃあ男一人女二人まな板一つ」

「ぶッ殺すわよ?!」

「アリーナでな!!」

「…使用許可は取ってあるのですか?」

 

きゃいきゃいと蹴ったり殴ったりと仕掛けてくる鈴音の攻撃を避けながら、こめかみを押さえるせっしーの話を聞く、その程度の問題など全く無い。

 

「俺が入学するに当たって何百億ドルと寄付したから俺は何時でも優先的に施設を使う事が出来るんだよ、訓練機は使えんが」

「……そう言えば…ゼェハァ…大企業の…ゼェ…御曹司だったわね…ハァ…」

「資料で見たけどマジで軍属かよ、ISだけ使うのが上手くてもどうにもならんぞ、生身を鍛えろ生身を」

「じゃあ、シンに便乗させて貰おう、俺はもっと強くなりたい…いや、強くなるんだ!」

 

キリッ! やだイケメン…私が女だったら惚れちゃうわ!

 

「んじゃ全員来るって事でいいな、場所は…近いし第5アリーナでいいな」

「ですが他に使っている人が居たらどうしましょうか」

「あぁ? こんなお通夜ムードで訓練をしようなんて酔狂な奴そうそういねーよ」

「それは…そうだが」

「やる気出せよ、んじゃぁお前らの内一人でも俺を倒す事が出来たら今日の夕食のデザートを全員に奢ってやる」

「うっし! やってやろうじゃないの!!」

「た だ し ! 誰も勝つことが出来なければ尻を撫でてやる……」

「…ッ!!」

「マハハハハハハハハァッ!!!!」

 

盛大に高笑い、俺はウキウキ気分で第5アリーナへと歩いていく。

 

「んじゃ先行ってちょっとアップしとくわ!」

「ま、待てよシン!!」

「騙して悪いが私欲なんでな、(世間的に)死んでもらおう」

 

スーパージャンプで壁蹴り壁越え屋根走り第5アリーナへと直進する。

 

「どぉら着地ィッ!!!」

「ひぃ!! また?!」

「おっと悪い、ところでISスーツを始めて作ったのってモテない男だと予想をつけてるんだがどう思う?」

「へ、変態だー?!」

 

前に練習していた生徒ABが居たので今回は分かりにくいセクハラをしておいた、一瞬でばれた。

取り合えずアリーナの壁にあるパネルで小型フィールドを作成、今度のレベルはモンドグロッソ平均レベルで、今回のビックリドッキリACはこちら!

 

[ドローンレベルを設定しました。モンドグロッソ平均レベルです。所定位置にISを展開・装備して待機して下さい]

「こ、今度はモンドグロッソぉ?!」

「じょ、冗談じゃ…」

「チェンジ! アーマード…コアッ!! 白き閃光! ホワイトグリントォッ!!!」

 

アイセンサー保護シャッターを真ん中から順に開けていく、ついでにブースターも広げて再度たたむ。

余談だが4の方のグリントは「ジョシュアグリント」と名付けて差別化している、そうでなければどっちかがランダムで展開されてしまうのだ、非常に面倒。

 

「何あのヒロイックなIS…」

「サラシキさん好きそうだよね、あの子ヒーロー物好きっぽいし」

 

更識…ハッキングを仕掛けてきた所と同じ苗字か…偶然とは思えんな…警戒しておこう。

 

[所定位置への移動を確認しました。戦闘開始まで5・4・3]

「ん、集中せんと行かんな、流石にモンドグロッソとなると…」

[開始します]

「っふ…!!」

 

取り合えずサイドブースト、直後にOBのチャージを開始する。

どうやらモンドグロッソレベルではスタート直後の射撃が無いらしい、代わりに一気に距離を離された。

すぐにライフルで牽制、OB発動で追いかける、あちらもライフル弾を紙一重で避けアサルトライフルをばら撒くように撃ってきた。

OBを停止、速度を残したままクイックブーストで加速しすぐにサイドブースト、弾幕から逃れる。

ドローンは続いてショットガンに一瞬で持ち替え撃ってくる。

こちらもアサルトライフルで交戦、幾つか被弾するがショットガンの有効射程距離ギリギリなので対したダメージは無い、だがPAがかなり削られる。

上方にクイックブースト、こちらに銃口を向けられる前にミサイルを発射、すぐに前方へのクイックブーストでドローンの真上を抜け後ろに回る。

ドローンがイグニッションブーストで分裂ミサイルを回避しようとするがこちらもライフルで応戦、両方のライフル・アサルトライフルを撃ちっ放しにして分裂ミサイルを迎撃されないよう一方的に責める。

急に背面飛行を始めサブマシンガンを乱射して来るため幾つかの分裂ミサイルが迎撃される。

しかし敵の武器が弾切れを起こし武器を入れ替える瞬間にライフルが直撃、一瞬硬直する。

続いて分裂ミサイルが次々直撃、かなりのダメージを与えれた。

こちらも敵が体勢を立て直す前に武器をリロード、数秒と待たずリロードを終える。

 

「許しは請わん 恨めよ」

 

リロードを終えた瞬間にブレードを握ったドローンが煙から飛び出してきた、すぐにライフルやミサイルを連射するがジグザグに飛ぶためFCSの都合で中々当らない。

すぐに両手のライフルをパージ、軽くしてサイドブーストでブレードを回避する、すぐにミサイルを同時に放ちミサイルもパージ。

ドローンがブレードを持ったままミサイルを回避し続ける。

クイックブーストでドローンの前方に出てアイセンサーの保護シャッターを閉じた。

 

「落ちろ」

 

アサルトアーマーで付近を緑の光で埋め尽くす。生憎殺傷効果時間にはドローンはAAに触れていなかったがコレでドローンのエネルギーシールドを削り取った。

ドローンのレーダーやハイパーセンサーが狂っている間にクイックブーストで接近、ドローンのブレードを握る右腕と肩の根元を掴む。

 

「本物では出来んな」

 

ギチギチギチ…バキンッ!という音と共にドローンの右腕が千切れる、すぐに右腕を投げ捨て両手を腹部に突き刺した。

エラーを起こしたドローンの右肩がプログラムポリゴンとなる、それを見届けるが早いか否か、突き刺した両手を左右に開いてドローンを真っ二つに裂いた。

 

[ドローンの撃破を確認しました。お疲れ様でした]

「そんなものだ、所詮な」

「俺…どんなもんか見ようぜって言ったけど、やめた方が良かったと今切に思っている」

「今の…本物だったら確実に死んでますわよね」

「で、でもそれぞれの得意距離なら…!!」

 

なんだ、いっちー達もう来たのか、一体いつから見てたんだろう、ちなみに戦闘中の声は全部ジョシュアの真似。

 

「遅かったな…言葉は不要か…何処から見ていた?」

「ミサイルが大量に直撃した時あたり」

「箒だけよね、見てないの」

「えぇ、訓練機を用意してくると言って走って行ったきりですわ」

 

何だ、もう鈴音は皆と仲良くなったのか、良きかな良きかな。

今日は本来クラス対抗戦の予定だったため訓練機の使用をするものはいなかった筈なのだが午前で潰れてしまったため午後は好き放題できる。

しかも訓練をしようなんて思う奴はいないと思われるので書類を出して即許可が出るはずなのだ、そうでなくとも俺が裏から手を回せばそれでいいのだが。

そこで俺の戦闘を見ていた生徒A・Bは例外だ、認めましょう、あなたを例外と…

 

「すまない! 待たせたか?」

「いや? んじゃまずはいっちーだ、いっちーはブレオン一択だな、んじゃ俺もそうするか…」

「ふぅ…んじゃ行くぜ…!!」

「おい、待て馬鹿、まだアセンを組んでないしアリーナ内に人がいるだろう」

「え、あぁ…ごめん」

 

んじゃVで基礎は最軽量アセンにしてFCSは…いらね、ジェネは最高出力、ブースターをシナツにして武器は両手ムラクモっと、あとはEN回復とか速度の為にちょいちょいパーツ変えて…「ムラクモ」で名称設定っと。

 

「すまないがアリーナで模擬戦をさせて貰っていいか?」

「え、ああハイ、どうぞ」

「申し訳ない」

 

アリーナ内に人がいない事を確認、ホワイトグリントでいっちーの目前へと移動。

 

「チェンジ、アーマードコア、ムラクモ」

「何かさっきの白いのより弱そうなんだが」

「お前もそんな機体で勝負する気か? 舐められた物だ」

「今のはムカッと来た、行くぞ!!」

 

馬鹿正直に真正面から突っ込んでくるいっちーに対してある程度引き付けてクリーンヒット距離になったらブーストチャージを発動する。

速度×重さ=威力だが生憎軽量二脚なので対したダメージにはならないだろう、衝撃はかなりあると思うが。

 

「うっぐぁ…!」

「勝手な期待か…遠いな」

「くっそ!」

 

両手のムラクモを出したりしまったりと挑発する、いっちーはもう少し精神を鍛えるべきだな、うむ。

取り合えず今度はこちらから攻めてみよう、同じように突っ込んでみる、いっちーが深く腰を落とした。

 

「はぁっ!!」

「甘いぜ?」

 

抜刀を柄頭に左手で掌底を当て振らせないようにする、次いで右手で柄を持ちクルリと回して奪い取る、システマである。

すぐに雪片弐型を投げ捨て、右のムラクモを展開して斬る、左のムラクモも展開、斬った慣性を残して回転、左のムラクモを鳩尾に突き刺す、再度右のムラクモで切り裂き左でアッパーをするように斬る、左手を戻すのに合わせて頭を引っ掴んで右膝のブーストチャージを顔面に叩きつける。

体が揺らいだ所でいっちーの腕を掴み、力技背負い投げで地面に叩きつける。

あとはマウントとって殴る殴る殴る殴る……

 

「ふぅ……楽しかった☆」

「マジかよ……」

「実戦経験が圧倒的に足りん、遠距離にばかり付き合ってたか?」

「あぁ…」

 

ACを解除して見学席の方へ向く、腰に両手をあて元気よく叫びましょう!

 

「次はせっしー! 距離はどう?」

『い、今行きます! 中・遠距離ですわ!』

「チェンジ、アーマードコア、ノブリス・オブリージュfa」

 

片腕がブレな上にEN効率もさり気なく悪いが破壊天使砲の威力だけは凄まじい、ただしENがもりっと削れる…

特に1.15のヤバさは目を瞠る(みはる)ものがある、ペーペーの時にブレオンで挑んだら幾度と無く水没させられて…最終的に橋待ちでとっついて終わりと言う…

 

「お待たせしましたわ、さて…行きましょうか」

「ノブリス・オブリージュ 青いイレギュラーを排除する」

「言ってくれますわね!」

 

その言葉と同時に二人とも後ろに下がる、せっしーはライフルを構え俺は破壊天使砲を構える。

 

「は、羽ではないのですか?!」

「遠距離とは、選択を誤ったな」

 

両背中のレーザーキャノンを取り合えず撃つ、案の定避けられた、うぐぐ、せっしーだからノブリスだよねーとか思うべきではなかった…

力尽くでも中距離に持ち込まなければ、もしくはビットを出させるか、だな。

まぁこちとらfa機体だ、近付く事など容易い、何せ瞬間最高時速は壁をぶち抜くのだから。

 

「中距離ー」

 

クイックブーストで接近、ライフルを連射する、せっしーもライフルの連射を避け続けれるほど器用ではないらしい、ちなみに俺はせっしーのライフルを見てから回避できる、次射までの時間が長すぎるからおおよそのタイミングで飛んできてくれるから分かりやすい。

 

「くっ、行きなさい!」

 

と、飛んでくるファンネ…ビット、俺もお返しにソルディオスでも飛ばしてやりたいが生憎所持してない、ぐぬぬ。

で、中距離用なのだろう、ビットが2機だけ飛んでくる、しかもそれでもライフルを撃ってくるのだから腕を上げたと感心せざるを得ない。

何発かダメージを受けた。

 

「ビット2機で、何をするつもりだ!

大胆にすぎたな、イレギュラー」

 

と言いながら後ろにクイックブースト、遠距離まで距離を離して破壊天使砲を撃つ。

 

「きゃぁっ!!」

 

ヒット、案の定ビット2機+ライフルが処理能力の限界だったみたいで自分の動きにまで気は回らないようだ、両羽ともヒットした。

代わりにこちらのENも割とカツカツで一旦地面に降りる。

 

「中距離に来たかと思えば遠距離、遠距離だと思えば中距離…!」

「二つ距離指定したそっちが悪い、自分の弱点が見えたか? 素早い応用が利かないんだ、レンジ、速度、威力、弾数、ちゃんと理解して自分のペースに引きずり込め、相手に引きずりこまれるな。

さっきも中距離に入られたからと言って中距離武器に変えたから反応が遅れたんだ、遠距離に自分が移動すれば良かった。そうすれば俺はただの弾の無駄使いをしただけだったのに」

「分かりましたわ…ありがとうございます。真面目で顔が隠れていれば素晴らしい人なんですけどね」

 

カチンと来た、ENもKPも回復しきったしちょっと斬ってくる。

OB作動準備、起動。

 

「ぶった斬る!」

「! インターセプ…」

「言ったろ、受身になるな、攻撃に…転じろッ!」

 

OBブレがせっしーにクリーンヒット、そのまま斬り抜け破壊天使砲を構えクイックターンで後ろを向く、射撃。

せっしーのエネルギーが尽きて地面へとゆっくり落ちる。こっちも丁度ENが尽きた、ゆっくりと落ち…あ、無理だ。

 

「うごぁ!!」

「何をしているんです…?」

「墜落ごっこ、それより自分の弱点を見つけたな? ゆっくりとそれを潰していくんだ、急な事にも対応できるようにな、自分のペースを作って引きずり込め」

「はい、ありがとうございましたわ」

 

ゆっくりと立ち上がって戻っていくせっしーを見送る、次は…モッピーでいいか、面白い素材と聞いている 期待するぞ。

 

「次はモッピー! 距離は?」

『近距離だ!』

「だろうな、チェンジ、アーマードコア、スプリットムーン」

 

出てきたのは案の定、打鉄を纏ってふんすと鼻息荒くするモッピーだった、また武器の持ち方が奇妙だ、マシンガンを左手に持ちブレードを右手で持つ形となっている。

空中で構えを取る姿は剣道と言うよりフェンシングに近い。

 

「…ブレードは両手で持った方がいいと思うがな…」

「さぁ来い! いざ尋常に!!」

 

さぁ来い等と言いながらこちらに突っ込んでくるモッピー、まぁ打鉄だから突っ込んで来るんだが如何せん遅いのよ…

取り合えず通常ブーストで引き撃ちしつつ牽制、すると大型ブレードをまるで盾の様に使って突っ込んできた、片手なのによくやる!

打鉄のブレードが届く距離になったら盾にするため横に向けていた刃を正面に向け自分ごと回転するように持ち手を体に密着させて刃を滑らせるように斬ってくる。

なるほど、システマ対策か、いい案だし理に適っている。

クイックブーストで横に避けると持っていたマシンガンを連射してくる、間違いなく大雑把な狙いだが、だからこそ怖い。

 

「こうなるか? 新しい…惹かれるな」

「どうした! 籐ヶ崎! もしや勝利は私が貰ったか?」

 

そこまで言われたんじゃぁ仕方ない、IS最強の親友の妹として相応しい実力か否か 試させてもらうぞ!

こちらもマシンガンを連射、今度は刀の陰から撃ってくる、遮蔽物がないなら作ればいい、か!

続いて一気に距離を詰めブレードを構えた瞬間に後ろにクイックブースト、肩のフラッシュロケットを撃つ、勿論俺には効かない。

 

「ぐぅ!! 目が! 卑怯な!!」

 

マシンガンを連射、1マガジンあっと言う間に使い切り前方にクイックブースト、追加ブースターの効果により速度は凄まじい物となる。

モッピーの視界が回復して俺を見つけるのと同時に月光で胴を斬り抜いた、すぐに振り向いてリロードを終えたマシンガンを連射、クイックブーストを移動に織り交ぜ打鉄には付いてくる事の出来ない速度で後ろに回りブレードで斬る。

 

「……終止」

「う、ぐぅぅ…!!」

「ふむ、センスはある、移動も基本を捉えていたし発想も素晴らしい、だがやはり…機体だな…もっと高機動なISが合うだろう。だが注意が一つ」

「な、何だ」

「酔うなよ?」

「酔ってなどいない!」

「どうだか」

 

スプリットムーンを素早く解除、生身に戻って地面に座る。

モッピーが戻っていくのを見てグッと体をストレッチする、意味はない。

 

「ラストは鈴音! 距離はどうせ近中だろ!」

『そうだけどどうせって何よ!』

「チェンジ、アーマードコア、レッドラム」

 

よっこいしょっと、見たいに椅子に座るようにACを展開する、そういえば四脚は初めてのお披露目か?

いや、ビッグバレルが四脚だったな。

 

「うっわ…気持ち悪いし目に悪いし…酷い趣味ね」

「レッドラム、逆から読んだら…?」

「ムラドッレ?」

「redrum逆から読むとmurder(殺人鬼)」

「趣味悪っ」

「イカしてないか?」

「イカレてるわよ」

 

そしてブーストでアリーナを滑りながらライフルを撃ち始める、鈴音もライフル弾を的確に避けつつこちらへと接近してきた。

 

「殊勝な羊だな わざわざ狼の餌場にでてくるのだから

キヒヒャハハッ 戻れないぞ、お前」

「言ってくれるじゃない、ぶった切ってやるわ!」

 

と、いっちーほどバカ正直なのは例外だがそれなりにジグザグに移動して近くに寄ってくる。

もしかして忘れているのではないだろうか、俺はまだライフルしか使っていないと言う事を、左背のスラッグガンを起動、前方に向ける、ライフル、ショットガン、スラッグガンのトリプルトリガーで鈴音を蜂の巣にする。

 

「きゃっ!」

「お前ら揃いも揃って忘れてると思うがな、お前らのキルゾーンは俺のキルゾーンでもあるんだぞ」

「くっ! なら!」

「逃がすわけねえだろ! テメエだけは!」

 

近距離で張り付いたまま撃ち続ける、斬りに行こうと寄れば離れ離れれば寄る、とてもいやらしい戦い方である。

鈴音ももうこの際プライドは抜きだ、と言わんばかりの勢いで衝撃砲を連射してくるがクイックブーストを使ってウロウロしているので正直中々あたらないし当っても安定性能が高いから大した効果もない。

 

「こっの!!」

「うぐぉっ!! そんな…何かの間違いだ…

俺のレッドラム…」

 

鈴音のブン投げた青龍刀と呼ぶのには抵抗のある馬鹿でかいブレードが直撃する。

その場で動きを止めてアイセンサーを消し、両腕を下げた。

 

「よっしゃぁ! 直撃! ふふん、大した事無かったわね、これで私のか…」

『まだですわ! それは籐ヶ崎さんの得意な…!』

「敵の体力ステータスはちゃんと確認しとくべきだったな?」

「え?」

 

一瞬でアイセンサーを点けてクイックブーストで接近、目の前に躍り出た。

 

「う、うs」

「アサルトアーマー」

 

鈴音を巻き込んで周囲を緑の光で埋め尽くした、直ぐにトリプルトリガーで弾を吐き出す。

 

「絶対防御が発動してる?!」

「素敵な風穴だな、お前、もっと必要か?」

 

逃げようとする鈴音にスラッグガンを撃ち込んでエネルギーを0にした。

 

「卑怯よ!!」

「だが、だから俺が勝った 重要なのはそこさ」

「うぅぅぅぅぅ!」

「んじゃアレだな、問題点、短気で素直すぎる。 内面を鍛えろ」

「うぅ…」

「さて、全員ココに来い!」

 

ACを解除、全員を呼んで並べてみる、無駄に小さい順から、ちなみに鈴音、いっちー、せっしー、モッピーである、言わなくても分かるだろうがおっぱいのサイズ順だ。

 

「ちなみにこの並び方胸のサイズ順な」

「なんで私一夏より前にいるの?!」

「それと俺が入ればモッピーの横で一番端になる」

「何で?!」

「胸囲…121cmな、俺」

「…くっ」

 

自分の胸を眺めてペタペタ触ってから一夏以外の全員の胸を見る鈴音、目尻にじんわり涙が浮かんでいる。

 

「さて諸君、私が言った事を覚えているかな?」

「デザートを奢ってくれるって事?」

「お前、毎日デザート作ってやるって言ってんじゃねぇんだぞ、俺は」

「な、にゃんで知ってるの?!」

「…約束どおり…尻を貸してもらうぞ!」

 

おててワキワキしながらいやらし~ぃ笑みを浮かべて女性陣に近付いて行く、ちなみに俺は胸とか尻よりも鎖骨や骨盤が好き、水着とか裸よりエロイ気がする。

一歩進むたびに後ずさりしているのを見ながら悦に浸る、いいぞ…冴えてきた。

 

「ねぇ~シンにー何してるの~?」

「んふーふ、コレは罰ゲームなのだよ、俺に勝てたらデザートを奢ってやるとい…?」

「じゃあね~じゃあね~私もやりたいな~」

「ほ…本音…ちゃん?」

「いいでしょ~シンにーねぇねぇ~」

 

振り返るとそこにはラファールを装着して両手をブンブンと振ってこちらに話しかける本音ちゃんがいた。

これは…マズイぞ…!

 

「おねが~い、シンにー」

「う、ご、お、お、お、お、あァァァァァッ!! チェンジ!! アーマードコア! アルゼブラァァァァァァッ!!」

「わぁ~い!」

「あ、危ない!! 皆ピットへ!」

 

「行くよ~! えいやぁ~!」

「説明しよう! ロケット戦士アルゼブラーとはレギュ1.30で猛威を振るう狂アセンだ! 武器は腕ロケ五連ロケ衝撃ロケを積んだノーロック界随一の戦闘力を持つテクノクラート! アセンはほぼ全部アルゼブラ社の物、オーバードブースターはオーメルで補おう! 瞬間攻撃力はACを一撃で落とせるほどだ! しかしこのアセン両背の五連ロケを敵の弾幕の中同時に撃つと…」

 

ズゴァァァァァン!!!

 

「自爆して一撃で落ちるのだぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

「わぁ~! シンにーに勝ったよ~!」

 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

「ん~♡」

「本音ちゃん、おいしい?」

「おいし~」

「そりゃ何よりだ」

「もしかして今の所シンに唯一勝ってるのってのほほんさんじゃね? うめぇ、あめぇ」

「…解せない、しかし…美味だな」

「なんだか納得行かないわ、おいしいけど」

「そんな…ありえません…たかが訓練機如きに…、素晴らしいお味ですけど」




パイオッツダルヴァ、乙樽の名前の使いやすさは異常。
>>1乙ダルヴァとか…

急に物凄くから揚げが食べたくなった。

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