コジマ汚染レベルで脳が駄目な男のインフィニット・ストラトス   作:刃狐(旧アーマードこれ)

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本音ちゃんはヒロインじゃないと言ったな、アレは嘘だ。
今回シモネタが薄い気がします。
無念です、次こそは必ず…!


こっから鈴音編
ビットマンがEN不足で誰であろうと私を越える事など不可能で本音ちゃん推しなお話


顔面にびっしりと包帯を巻いた本日よりマミーの籐ヶ崎です、おはようございます。

 

「おはよう、いっちー、大敗だったな、おっつー」

「あぁ、シンか…おはyうわぁっ!!」

「何だね、人の顔を見るなり叫び声を上げやがって、何だ、ミイラにでも見えたかMr.去勢リーチ」

「ミイラにでも見えたかって、まぁ見えたけど…二つ言いたい、何でそうなったのかとその不名誉なあだ名に付いて」

 

あらあら、二つも知りたいなんて欲張りさん☆

 

「しかたないなぁ~いちかくんは(ダミ声)」

「ISTD!」

「そうだな、じゃぁまずは俺がマミーにジョブチェンジした事に付いて教えてあげよう、いっちー」

「お、おぉ」

「昨日せっしーとの決闘を終えてピットに戻ると織斑先生が居た」

「…で?」

「俺が昨日最後に見たのは織斑先生の拳だった、以上」

「…過程はともかく結果は理解できた、まぁ原因も十中八九シンだろうけどな」

「お…俺やない(こーほーやないとかの意味じゃない)!! 俺は悪くないんや! 悪いのはVの開発企業や! ダミーエクスプロージョン機能なんてお遊びで付けた親父の部下が悪いんや!!」

「お…おう…」

 

いっちーが何とも言えない珍妙不可思議な顔をしている、おのれ。

 

「あだ名はアレだ、察しろ」

「えぇ…」

 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

「と言うわけで1年1組のクラス代表は織斑一夏君に決定です! あ、一繋がりでいい感じですね!」

「はいはい! 先生!!」

「は、はい! 何ですか? 織斑君。」

 

いっちーが手を挙げた、え? 俺? …会社の資料読んでた、アクアビットとトーラスがソルディオス砲の量産体制に入ったとか、アームズフォートでも作るつもりかね。

 

「何で俺負けたのに代表になってるんですか?! 呪い?! 呪いですか?!」

「それはですね…」

「「わたくしが辞退したからですわ!!」」

「オ、オルコットさんの声が二重に?!」

「オルコットさんはもしや忍者!!」

「アイエエエ!! ニンジャ!? ニンジャナンデ!?」

 

「……籐ヶ崎さん…? 少し、よろしいでしょうか?」

「ならぬ、今選択ミスったらIS一発で葬りかねん自立レーザー砲を大量に搭載した戦闘移動要塞(アームズ・フォート)が量産されてしまう。」

「そんな事はどうでもいいのです!」

「あ、どうでもいいんだ…アクアビット、トーラス、ゴーサインだエネルギーコアは今度の休みに帰るからその時に作るよ」

『やっほぅい! 坊ちゃんからゴーサインが出たぞ!! 量産準備にかかれー!!』

ブツン

 

「……おい待て、籐ヶ崎! 今何を許可した?!」

「えーいいじゃないっすか、人の会社が何を作ったとしても関係無いじゃないですかー織斑先生。」

 

「あ、あのー…セシリアが辞退したなら何故シンじゃないんでしょうか…。」

「いや、だって俺会社から呼び出しあったら直ぐに帰らなきゃ駄目じゃん、もしクラス対抗戦で呼ばれたら出れないじゃん。」

「あー、なるほど。」

「それにな、いいか? 俺は面倒が嫌いなんだ。」

「裏切ったな…シン!!」

「籐ヶ崎は既に死んだ

ここにいるのは、ランク1、オッツダルヴァだ」

 

『誰?!』

「シンにー…居なくなっちゃったよぉ~…へうぅ…」

「い、居なくなってないよ本音ちゃん! オッツダルヴァは今死んだ! ココに居るのはカラードの次期ランク1、籐ヶ崎信一郎だ! だからそんなに悲しそうな顔をしないで!」

 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

現在は実技の時間との事でアリーナに集合している。

男(一人)も女も皆ぴっちりとしたエロいスーツを着ている、俺?着ねぇよ恥ずかしい。

てかムキムキな男のぴっちりタイツとか誰得だよ、てな訳でアルドラ製バトルスーツ。

想像しやすくするために近い形状のものを言うとすればデッドスペース2の(♯¥)<ン゛-!! スーツ見たいな感じ、それの頭部露出と左腕、両足を切り落とした感じ。

つまり、凄くカッコイイ! てか一夏のISスーツピッチリ過ぎワロタ、それと露出多すぎだろ。

 

「やっぱり…義手義足なんだ…」

「痛そー…」

「ISスーツゴツゴツしすぎでしょ、どう考えても」

「うわ、俺の年収低すぎ…?」

「いくらだよシン」

「俺個人で200億」

『多い!』

「円じゃなくてドルな」

『更に多い!!』

 

もしジンバブエドルだとしたら…一体いくらだと思う? 恐らく100円…否、10円もしないぞ?

まぁ米ドルだけどな。

 

「無駄な話をするな馬鹿者ども!専用機持ちは飛行訓練を行う、専用機持ちは前に出ろ!」

 

呼ばれちまったいな、仕方あるまいて…

せっしーを見るとやっぱりISスーツってエロいなぁ、何を考えて作ったんだろうか。

反対のいっちーを見る、男のピッチリスーツだ、嫌な気分になってくる、ちっふーは恍惚とした表情でいっちーを見ているが。

あとはモッピーだな、顔を真っ赤にして顔を反らしつつもチラチラといっちーを見ている、生娘か。

 

「せっしー…大変だ、緊急事態だ」

「…なんです?」

「いっちーのISスーツ姿を見てしまった、目が腐る、俺の精神がゴリゴリ削られた、せっしーの尻を撫でさせてくれ」

「お願いですので死んでいただけませんか?」

 

非常に冷たい目で俺を見るせっしー、いいぞ…冴えてきた。

 

「よし、ISを展開しろ」

「はい」

「わかりましたわ」

「うーーーーい。(ォライッ、ォライッ」

 

せっしーがISを展開するのを穴が開くのではないかと疑うレベルでガン見、頭の中では魔法少女とかって変身する時全裸になるのがあるけどせっしーって全裸になるんだろうか、等と不届きな事を考えている。

結果から言えば全裸にならなかった、世界は俺に優しくない。

いっちーは何か目を瞑ったままうんうん唸っている、スゲェ間抜けに見える、ハハッ。

 

「一夏、落ち着け、初めて白式を装着した時の感覚を思い出して自然なイメージをするんだ」

「は、はい」

「さーて俺は何にしようかなー…やっぱオーソドックスに二脚だよなー」

「ふーっ…来い、白式!」

 

ちっふーの助言を得て息を落ち着けてISを展開するいっちー、ただしガントレットを掴んで。

と言うかね、ガントレットって聞いたからどんな仰々しいものか期待してたらアレ、ただの腕輪じゃん。

 

「今回もVから…いやいや、せっかくだし4かfaから引っ張ってくるか…ふむむ、迷うな」

「いつまで掛かっている。早く展開しろ、籐ヶ崎」

 

せっしーが青、いっちーが白、じゃあ俺は間を取って水色だ。

となると愛と正義のヒーローだな!

 

「よし! 輝けコジマァ! 愛と正義とコジマのヒーロー! チェンジ! アーマードコア! アクアビットマン!!」

 

「ま、眩しい!!」

「きゃあ!」

「AMSから光が逆流する…!」

「ギャアアアアアアアアアッ!」

 

「説明しよう!

アクアビットマンとはPA整波性能19103&KP出力999を誇る最強のヒーローである! 全てのパーツを可能な限りアクアビット製、ムリな物は同志レイレナードで構成してみよう!」

 

「なっ…! 前のISと違う?!」

「コジマは…まずい…」

 

んふーふ、皆驚いているな、聞いて驚け、PAが剥がれたらハンドガンで死ねるぞ、これ。

 

「わぁ~シンにーカッコイイよぉ~! かんちゃんが好きそうだね~」

「誰ぞそれ…あ、やべぇ、凄く重要な事を思い出した」

「どうした? 籐ヶ崎」

「このアセンじゃ十秒飛べるかどうかも怪しい、重量過多だし」

「……3人とも飛べ」

 

あぁん、ひどぅい。

せっしーと同時に跳び始めたがENカッツカツだから上手く飛べん少し飛んではブースト調整でEN回復して飛んで、具体的にはいっちーに抜かされるレベル。

 

「ん、意外と遅いんだな、シンのIS」

「遅いだと…? 今俺の事を遅いと言ったのか?」

「いや、だってそう思うだろ普通…」

「いっちー、放課後アリーナな、ブレオンでナマス切りにしてやる」

「え゛っ! ぶ、ブレオン…?」

「ブレードオンリー、ついでにチューン移動関連全振り両腕月光追加ブースター装備レギュ1.15な」

「お、おかしい! 俺の土俵に立ってくれた筈なのに意味は分からないが勝てる姿が見えない?!」

 

ぼー…ぼっぼっぼっぼー…ぼっぼっぼっ。

せっしーが空中で停止している高さまで漸くたどり着く、先に上がっていたいっちーがせっしーと会話していた、イケメン・マスト・ダイ。

ぎりぎりぎりぎり、俺だって今世は立派な高校生だ、彼女ぐらい欲しい。

その癖あの例のアレは自分はモテ無いなんて思ってるんだからなお腹が立つ、俺が一般以上にもてるのは重いものだけだよ、荷物とか。

自分の体重以上の物だって持てるんだぞ、クソァ!

 

『いつまでそこに居るつもりだ! 早く降りて来い一夏!』

「モッピーがご立腹である、そのうち真剣か木刀かもしくは掃除用具が銃弾ほどの速度で飛んで来るぞ、いっちー」

「お、おぉ」

 

ちっふーの指示で地表10センチで止まるように指示された、ちなみに相変わらずENはギリギリ、何とか満タンまで回復したが絶対量が少なすぎる。

空中停止かー、どうやったら出来るだろう、落下中上にブースター吹かせたままサイドブーストを何度かすればいけるかな?

 

「ではお先に行かせて頂きますわ」

「それがせっしーの最後の言葉だった…」

「おい、止めろよ」

 

せっしーが下へと急降下、落ちながら通常のブーストを吹かしてる感じだな、んでストップと、次はいっちーに行かせるとしよう。

 

「次はいっちーが行きたまえ、俺はその後に行かせて貰う」

「おう、よし…行くぞっ!」

 

ダイジェストでお送りいたします。

ドヒャァ!

ボボボッ

ズドォン!

 

「とりあえずノーコメント、じゃぁ次行かせて貰うとしよう」

 

オバードブースト作動準備、エネルギー充填開始、充填完了、オーバードブースト…発動。

 

「ハッハー! まだまだ行けるぜ! メルツェェェェェェェェェル!!!!!」

 

ピーピー、エネルギーが無くなりました。

 

「まだまだ行けると言ったな、アレは嘘だ」

 

逆噴射も出来ん、これは面倒な事になった、地面まで残り300メートル也。

徐々に近付いてくる地面、相も変わらずENは無い、精々QB一回分だ、もういっその事前方にQBして地面に突っ込んでしまおう。

 

ドヒャァ!

 

「おい、マジかよ夢なら覚め」

 

視界に広がる闇、黒の世界、何も見えない、体が動かない…

俺は一体どうなってしまうのだろう、いや、どうなってしまったのだろう。

 

まぁ予想は出来る、足は動くしね、多分犬神家状態だろう。

仕方ないしACを解除する、スーツの保護機能のおかげで窒息したりはしない、マジ万能。

 

「誰か籐ヶ崎を引きずり出してやれ…」

 

あきれ果てたようなちっふーの声が聞こえる、ん、右足が掴まれた、誰だ! 俺のあんよを掴む不届き物は!

 

「せーのっ!」

 

右足の義足接続システムを停止、簡単に外れるようになった右足が根元から外れて行く、じゃぁな相棒…よかったぜ…お前とは。

 

「ン゛ン゛ン゛ン゛ン゛ン゛ン゛ン゛!!!!!」

 

断末魔の叫びのような声を上げる、まるでデッドスペース。

ふと考えたらこれ絶対トラウマになるよね、女子にはさ。

 

「お、織斑先生…!!」

「構わん、やれ」

「で、でも!」

「やれ、前の爆発もそうだったんだ、今回もそうなんだろう? 籐ヶ崎」

 

いっけね☆ばれちまってる。仕方あるまいて、自力で脱出するとしようか。

 

[いっちー、俺の回り…そうさな、半径2メートル以内から全員離れるように言ってくれ]

「え? あ、おぉ、分かった。シンが半径2メートル以内から離れてくれってさ」

 

周りが見えんからよく分からんがザワザワ聞こえる、小規模AAを使うから離れないと危ないしね。

 

「シン、OKだぜ」

[あいよー、チェンジ、アーマードコア、リザ]

 

「ま、また変わった…」

「どういう原理なのよ」

「義足じゃなかったら足がグチャグチャ確定よね、あの足」

 

ヴゥン…ゴァッ!!

いや、効果音なんて最初のブゥンぐらいしかハッキリ文字に出来ないけどさ、でもこんな感じだと思うぜ。

 

「きゃ、なに?!」

「シンにー足痛くな~い?」

「あれ、気にするタイミングおかしくない?」

 

周囲1.5メートルほどにぽっかりと穴が出来る、コレでようやく外に這い出る事が出来ます。

 

「いつもニヤニヤあなの外に這い出るコジマ! 籐ヶ崎信一郎です!」

「いい度胸だ……授業が終わったら待っていろよ、貴様」

「ちっふーってスミちゃんに似てるよね、どう? インテリオルかレオーネ・メカニカに来ない?」

「ほざけ、早く次の用意をしろ」

 

一蹴されてしもうた、切ない、リザのまま肩を落としつついっちーの横に並ぶ。

ちなみにライフルもショットガンもチェインガンもミッソーも装備したままである、仕方ないじゃない、プリセットアセンブルなんだもの。

ただしアレだ、企業のプリセットアセンブルなら武器腕じゃない限りは非武装だよ、物によっちゃAAあるけど。

 

「次は武器の展開だ、一夏! 武器を展開するんだ」

「は、はい!」

 

いっちーの手に雪片弐型が現れる、別に武器が3・4個あるわけじゃなくてただ一つだけなんだからもっと早く出すべき。

等と思いつつ左右にステップステップ、Lスティックを左右にちょんちょんする感じ。

でもコレできるのって二脚だけなんだよね、逆足だと何か気持ち悪い動きになる、つまり今の俺である。

 

「よくやったと褒めてやりたいがもっと早く展開できるようになれ、次はオルコット、武器を展開しろ」

「はい」

 

腕を横に伸ばしてライフルを展開、どうでもいいかも知れないけどこれって銃口こっち向いてるんだよね、お返しにライフルをせっしーの顔に向ける。

 

「ひゃっ! な、何です?!」

「せっしーがやってる事をしてるだけさね」

「オルコット、そのまま撃って欲しいとは思うが誤射の元だ、正面に向けて展開できるようにしろ」

「で、ですがコレはわたくしのイメージを固めるのに必要な…」

「口答えは許さん」

「はい…」

 

せっしーがションボリする、いいぞ…冴えてきた…

 

「次は籐ヶ崎、武器を展開…は既にしているな、違う武器を出してみろ」

「あいよー、んじゃORCAを下から行っときますかー」

 

逆足のジャンプ力を生かしてピョインとジャンプして全員から見える位置へと着地、クイックターンで全員の方を向く、カッコイイだろう?

 

「かなり早いからよーく見といてね、皆。んじゃぁ…行きますか! フェラムソリドス! ビッグバレル! クラースナヤ! 鎧土竜! グレイグルーム! オープニング! グレディッツィア! スプリットムーン! リザ! アステリズム! 月輪! アンサングゥッ!!」

「…………流石に…驚いたな」

「すっげぇ…!」

「わぁ~シンにー凄いねぇ~流石だねぇ~」

 

本音ちゃんを除いて全員目を丸くしている、どや。

でも正直アンサングって嫌いなんだよね、重量過多だし…もういっその事スプリットムーンをデフォルトアリーヤカラーにしてメイン1をレッド、んでアイカラーをブルーにしてチョイチョイスタビライザーを変えて擬似ナインボールにしたい。

戦闘はブレメインになるけど見た目がかっこいいから万事OK!

 

「…近距離武器を展開しろ、籐ヶ崎」

「スプリットムーンってブレードあるんだけどな…チェンジ! アーマードコア! ハングドマン! マスブレード!」

 

そう、例のアレである。

マスブレード、分かりやすく言えば…

 

「それは 剣(ブレード)というにはあまりにも大きすぎた

大きく 分厚く 重く そして大雑把過ぎた

それは 正に柱だった」

 

いっちーが言ってくれたが柱である、ちなみに武器として選択できるマスブレは柱にトゲ状の突起とブースターがついているが、主任のマスブレはガチで柱だ。

俺のは武器選択出来る方なのでトゲとブースターが着いている、まぁ生徒達には分からんだろうが。

 

「…これが近接武器だとお前は言い張るのか?」

「だってコレが俺の持つ近距離武器でトップクラスの威力なんですもの」

「…まぁいいだろう、籐ヶ崎のやっていたように機体名や武器の名を言って展開するのは初心者のする事だ、ただし…もっと凄まじい数があるであろう籐ヶ崎の場合は例外だがな」

「アセンブルの数は無限大! 君の好きなアセンを組んでみよう!」

 

ニッコリ主任、ギャハハハッ! いいじゃん、盛り上がってきたねぇ!

 

「因みに速度だけを考えるなら言って展開した方が遥かに速いよ! 覚えておこうね!」

「と、籐ヶ崎君が先生みたいな事を言っている…!」

「だって私の自慢のシンにーだも~ん」

「何で布仏さんは籐ヶ崎君にこれほど懐いているのか疑問に思う」

 

と、ここでチャイムが鳴ります。つまりコレで授業は終了と言う事、スミカ・ユーティライネンです。

 

「あ、織斑先生! この穴埋めた後に継続してアリーナを使用してよろしいでしょうか?」

「ふむ…まぁいいだろう。だが何をするつもりだ?」

「ちょーっといっちーにブレオンの戦い方をレクチャーしてやろうかなと」

「じょ、冗談じゃ」

「私が教えれれば一番なのだろうが生憎、残念ながら、非常に悔しいがそういう訳にはいかん。頼んだぞ、籐ヶ崎」

 

んふーふ、許可を頂いたぞ、さぁいっちーや、刺激的にやろうぜ?

 

「んじゃぁ穴埋めるか、いっちー」

「何てこった…そうだ…!」

 

しょぼんぬしているいっちーが急に何かを思いついたかのような顔をする。

どうせ穴埋めに時間を掛ければレクチャーと言う名のいぢめを回避できるとか思ったんだろう。

いいぞ…お前の感情が見える…!

 

「あ、いっちーあそこで本音ちゃんがハキハキと喋っている」

「うっそぉ?!」

 

等とあっちを向いた瞬間に能力で土を精製して穴を埋める、結果的にいっちーがこちらを向いた瞬間に絶望するわけだ。

 

「いねぇじゃん、のほほんさ…ゑ?」

「どうした、スカーレットフォックスにつままれたみたいな顔をして」

 

スカーレットフォックスにつままれたような顔とは?

ルーキーが中二脚にそれなりのアセンを組んで順調にカラードランクマッチを勝ち進んでいる時、エメラルドラクーンに遭遇。

事前に情報を仕入れていた場合二人組みなので一人だと大した強さはないと戦って勝つ、そこで調子に乗って「ハハハ! やっぱりだ、やっぱり大した事無い! やれる、やれるんだ俺は!」等と思いながらスカーレットフォックスに挑む。

するとモリモリPAが削られゴリゴリ装甲が削られ敗北を味わう。

その時のポカーンとした顔が「スカーレットフォックスにつままれたような顔」である。

 

「え? なんで…あ、穴が…嘘…だろ?」

「なんだ、フラジールがOIGAMI背負ってるのでも見たか?」

「い、いや…いつの間に…」

「いいから早くISを展開しろ、話が進まん、今話中に烏龍茶 煌(ファン)を出さなきゃならんのだ」

 

アセンブル開始、見た目重視のフルアーリヤ・FCSをアクアビットのブレード特化にする。

肩及び背中の追加ブースターを装備、スタビライザーをヘッドトップのHD-LANCEL-OPT01、残りはヘッド以外オールレイレナード。

両手月光でブースター系統をフルチューン、後は旋回性能を可能な限りチューン。

レギュレーションを1.15専用にして名称設定…「1.15用ぶれおん!」…OKだ。

 

「チェンジ! アーマードコア! 1.15用ぶれおん! 1.15!」

「くっ! 来い! 白式ぃ!」

 

ヒュゴォォォ…とブースター音を鳴らしながら空中へと飛ぶ、いっちーの白式とは対照的な黒一色にアイセンサーの紅いAC。

 

「さて、じゃぁいっちーの勝利条件だ、別に俺を倒す必要は無い、俺がいっちーを撃破するまでに……零落白夜じゃなくて良い、俺に一撃当てろ、簡単だろう?」

「ん…んん、どうだろうか」

「ちなみに俺はブレードしか使わん、あと俺に一撃当てるまで何度もエネルギー補充させて戦わせるからな」

「おい、マジかよ! 夢なら覚め」

「開始だ」

 

連続してクイックブーストを作動、時速1000キロを軽く超える速度を一瞬で何度も出す。

普通なら体が木っ端微塵に壊れるがそこはカラードの底力、全く異常は無い。

正直ISでもこの機動は無理だろう、一定方向に時速1000キロで飛んでる途中に全く逆に一瞬で時速1000キロで飛ぶなんて出来るわけが無い。

まず体が死ぬだろう。

 

「そーらぁ! こっちだこっちぃ! 見えてるー?!」

「早すぎだろ!!」

「意外と遅いっつってたのは何処のどいつだっけ?」

「根に持ってたのかよ!」

 

お、後ろ取った、いっちー必死こいて動き回ってたけどしっかりと俺が見えてないんだな?

まぁ仕方ないな、ゲームでも俺自分のACを見失う時あるもん、特にソブレロ―フラジールの素体―の時とかね。

 

「ハラショオオオオオオオオ!!!!」

「ぐぁあああああ!!」

 

違うな、ハラショーはロケットだ、もしくはパイルだ。

 

「よかったなぁいっちー、もし俺が持っているのがパイルだったら見事にホルデス採掘場だ」

「ハイパーセンサーでも捕らえきれない速度って何だよそれ!!」

「違う違う、一瞬で逆に飛んでるから消えたように認識してしまうだけだって」

 

などとさり気ないレクチャーを織り交ぜながら夕方になるまでいっちーを蹂躙、ちなみに後半あたりからモッピーとかせっしーとか見物客が増えてた。

それと二人に混ざるか聞いてみたら一瞬で断られた。

「モッピーとせっしーもやる? 俺とだけど」

「いや、止めておこう」

「わたくしも遠慮させて頂きますわ」

見たいな感じ、せっかく相手の得意な距離で蹂躙してやろうと思ったのに…

 

「結果から言うといっちーは一撃も俺に当てる事は出来ませんでした、まる」

「何だよ…寄った瞬間に後ろに向けて瞬時加速って…」

「あれ瞬時加速じゃなくてただのクイックブーストだから、瞬時加速的な役割のオーバードブーストは別にあるから」

「クソッ、俺の白式をゴミのように…なんなんだよ、シンのISは…不公平だろう」

 

世界一の企業が総力を挙げて作った物が個人の天才に作られた物に負けて堪るかよ、社の為なら命だって捨てる覚悟です。

 

「いいから飯食いに行こうぜ、オラ腹減っちまってよー」

「ん、んじゃ行くか…次は絶対当てるからな、シン」

「ハハッ、ワロス」

「籐ヶ崎…その服は何だ?」

「そう言えばそうですわね、何と言うか…制服の魔改造が過ぎてタンクトップと短パンじゃないですか」

「いや、だってもう俺が義手義足だってバレてるし…機械の体ってカッコイイだろう?」

 

それに俺は基礎体温と放出熱がアホみたいに高いから涼しい服装が一番なんだ、まぁ義手義足見て嫌な気分になる女子が居たら隠すけど。

そろそろ食堂に到着する、この後起きる事は分かりきっているので如何にしてアホな事を使用かと画策中。

 

「(ス)ティン(ガー)と来た」

「何がだよ」

 

制服の前を開けて両手を服の下、場所で言うと腋周辺に突っ込む。

そして取り出したるは…?

 

「じゃーん。 FN P90が二つ」

「ま、マシンガン?!」

「PDWだぶっ飛ばすぞマヌケ」

「て、鉄砲…」

「いや、まぁ確かにそうだがなモッピー」

「さ…サブマシンガンではないのですか?」

「あながち間違いではない」

 

勿論そんなものを服の下に隠す事なんて出来ないから能力で精製しました、生前はガンオタだったからちょっとした事で怒るのは仕方が無い。

宿命だと思って諦めていただく他無い。

 

「実銃ですが弾薬は空包ですので誰も傷つきません、しいて言うなら煩いのと薬莢が熱い事ぐらい」

「実銃?!」

「ま、まぁ企業の御曹司ですから持つ事に意義はありませんが…学校で出す物でもないと思いますが…」

「いや、問題あるだろ!」

「いっちーだってせっしーだってIS持ってるじゃん、それに比べれば銃なんて大したもんじゃないよ」

「それをどうするつもりなんだ…籐ヶ崎?」

「それはだな」

 

食堂へ走ってダイナミックエントリー! いっちーが来るのを今か今かと待ち受けていた女子勢に向けて発射ぁ!

しようと思ったけど本音ちゃんも居た事を思い出してエントリーする瞬間に即座に銃を消す。

結果的にバランスを崩して頭からスライディング、顔面と義手義足と接触した地面を擦ってIN。

 

「籐ヶ崎を食堂へシュゥゥゥゥゥゥゥッ!!! 超! エキサイティン!!」

「あめりかん ば○るどーむ~」

 

続いたのは本音ちゃん、何と俺の着弾点の真前に本音ちゃんが立っていた、ここで顔を上げると漏れなくペェンツを覗けるだろうが本音ちゃんに対しそんな事をすれば自省の念に駆られて死ぬ。

結果的に御器被りよろしくカサカサと地面を這い回って食堂の外へ一旦出る事になる。

 

「まだまだです。 おちませんよ、私の鎧土竜は」

「気持ち悪いっ!!」

「あはは、またね~シンにー」

 

その後異口同音に「気持ち悪い」と3人に罵られた後その3人と共に普通に歩きながら食堂に入る。

そこからはまぁ知る通りです。クラッカーを鳴らされわいのわいのとドンチャン騒ぎ、一組以外も混ざってカーニバルです、派手に行きましょう!

 

ここで一人の少女が食堂に突入してくる、まぁ現在の俺より年上なんだけど精神年齢からしてみれば十分お嬢ちゃん、むしろひ孫レベルの歳の差。

 

「はいはーい、新聞部でーす。話題の新入生である織斑一夏君と籐ヶ崎信一郎君に取材しに来ましたーっ!」

 

わぁ、なんだか大変な事になったぞ。

なんかいっちーってこう言うスピーチとかって苦手なんだろうか、ナチュラルに女を落としに掛かるような奴なのに。

 

「じゃぁ次! 籐ヶ崎信一郎君! …と、籐ヶ崎信一郎さん」

「なんだ、どうした、なぜさん付けなんだ?」

「え、えと…その…か、カラードの御曹司だって本当ですか?!」

「嗚呼、其の通りだ、俺が使うACもカラードの全総力を挙げて作った物だ、誰にも負ける気はせんよ」

「その義手義足に付いてお、教えてください!」

「ガキの頃に事故で潰されてな、今思えばアレは暗殺目的だったのかも知れん」

「こ、今後の意気込みか一言お願いします!」

「誰であろうと、私を越える事など不可能だ」

「あ、ありがとうございました!!」

 

なんだ、もういいのか…もっと話したかったのだが…残念だ。

しょぼんぬ、セクハラも出来んかった…俺のアイデンティティが…

仕方ない、一人寂しく食堂の隅で(ジンジャー)エールでもあおっときますよーだ。

 

「…マジで誰も寄ってこねぇ、俺気付いたんすよ、女の子にモテる方法って奴です。馬鹿なんで時間掛かりましたけど、俺がモテる為にはイケメンの誰かが消えればいい、俺以外の誰かが!」

「シンにーどーしたの~? はい、これシンにーにあげるね~」

「本音ちゃんマジ天使、ありがと、頂くよ」

「えへへ~」

 

本音ちゃんに貰ったクッキーをサクサク齧りながら(ジンジャー)エールを飲む。

うむ、クッキーにはオレンジジュースが合うと思う、オレンジジュースの酸味とクッキーの甘味が合わさって…誰も聞いてませんか、聞いてませんね、ごめんなさい。

 

「本音ちゃんって専用機欲しい?」

「う~ん、え~っとね~、あのね~闘うのって苦手なんだ~」

「よーし、おじさん本音ちゃんの為にサポート用のISワンオフで作っちゃうぞー」

「ごめんね~シンにー、わたしはいらないよ~」

「ん、そうかい…まぁ多少無理矢理だった感はあるしね」

 

しょんぼりとして申し訳無さそうに眉を垂らす本音ちゃんの頭を撫でる。

 

「さて、どうやら集合写真を撮るようだから一緒に行こうか、ね」

「うん!」

 

本音ちゃんがパタパタトテトテといった具合に皆の元に歩いていく、正確に言うと集合写真じゃなくてせっしーといっちーのツーショットの筈だったんだが結果的に集合写真になるからそれはそれで構わんだろう。

俺はまぁ…写る必要は無いだろう、この面だし一人ニヤニヤorムッスリな男が混ざってたらそれはそれは微妙な写真になるだろうしねー。

全員が今か今かと待ち構えている時に少し離れた所で見物して遠い目をしていると俺の服をちょいちょいと引っ張られた。

 

「む? 何の用だ?」

「あのね~シンにーも一緒に撮ろ~」

 

なんと、本音ちゃんだったか、それなりに上を向いてたから分からなんだ、あるよね、無意識でやや上を見てしまうことって。

 

「いやーでもなぁ~、俺が写っても他の人物にメリット無いしな~」

「私一人じゃ寂しいよ~、シンにーも一緒がいいな~」

 

うむむ、なれば仕方あるまい、きっと皆凄まじい勢いで左右から群がるだろうから本音ちゃんが圧迫されなくて自然に写る事の出来るのはやはり真ん中しかないか?

だが一気にそこまで移動するのはやや苦しいか、なれば…俺は本音ちゃんの為だけに鬼になろう。

 

「それじゃあ撮るよー。フェルマーの最終定理を証明せよ!」

「えー…2?」

「ブブー! 正解は…私知らない!」

 

「少し抱えて移動するから降ろした時に写真に写るポーズをしてね」

言うと同時に本音ちゃんを抱え上げ本音ちゃんに負担が掛からない、かつ素早くいっちーとせっしーの間やや後ろに本音ちゃんを降ろして本音ちゃんがピースをするのにあわせて俺もピースをする。

ちなみにこれバランス力とかその他諸々の要素の所為で少なくとも生身の人間が出来る移動方法じゃなかった。

 

「ど、どうして全員入っていますの?!」

「抜け駆けは駄目だよー!」

「クラスの思い出だと思えば良いでしょー」

「それよりいっちーの答えに俺は驚きを隠せない、何故(なにゆえ)定理の証明で数字単体が出てくるのか」

「それに確かそれって~1995年にアンドリューって人が証明したよね~シンにー」

 

驚いた、正直今すげぇ驚いた、本音ちゃんがそんな事を知ってるとは思わなんだ、アレ未だに解けてないって考えてる人も居るのにな。

とりあえず本音ちゃんを撫でておこう、撫でり撫でり。

 

「きゃう~くすぐったいよ~シンにー」

「本音ちゃんは本当に頭の良いお方…」

「と…籐ヶ崎君の表情がどう見ても娘の成長を喜ぶお父さん…!」

 

何だ、意外と若く見られてたな俺…若いおじいちゃんと言われる事も多かったのに。

それと甘い物がそれほど得意ではない俺にとっては大した情報ではなかったがクラス対抗戦では優勝したクラスが学食のデザート商品半年フリーパス権を与えられるとか。

そういやそんな物もあったな…まぁ意味を成さないままに消えるんだがな。

恥ずかしそうに近くにあったであろう飲み物を取ってクピクピと飲み始める本音ちゃん、すっごく可愛いです。

 

「…思い出した…そう言えば今日だったか?」

「どうしたの~?」

「うんにゃ、ちょいと用事を思い出しただけさね、俺はここいらで失礼するよ」

 

どっこらせ、中腰だったのを普通に立っていざ食堂から出ようと一歩踏み出す。ぎゅむ。

どうした…ジャック…

 

「やだぁ…行っちゃやだよぅ…シンにー、一緒がいいよぅ…」

「Oh…本音ちゃん、一体何事か…何ご…と?」

 

ここで目に付くはさっきまで本音ちゃんが、正確にはさっき本音ちゃんが手に取っていた飲み物である、なんか炭酸的なものであろうそれは泡が立っている。

指先を突っ込んでぺろりと舐めてみた、うん…生前よく飲んでいたものの感じ、間違いない、アルコールだわコレ。

本音ちゃんから俺の顔が見えなくなるように優しく抱きしめる、本音ちゃんも何か抱きしめ返してくる。

 

「おい、一つ聞きたい、よく聞けお前ら」

 

作らない素の声、物凄く低くて感情の何も篭っていない声だ、正直怖いから声作っとけと生前言われ続けた声である。

感情が無い声なのは仕方ない、だってこの声の時は感情が無いのだから。

 

「ひ、は…はい」

「ココに何故か酒がある、こいつを持ち込んだのは何処のどいつだ」

「わ…私…です」

「スイス国籍か、確かスイスでは14から飲酒が可能なんだったな…」

「そ、そうです! だから私に非は無いというか…」

 

「黙れよ、茶番はもう終わりだ」

「ひ…ゃ…!」

「郷に入れば郷に従えって言う日本のことわざを知っているか?」

「知らない…です」

「覚えておけ、日本では飲酒は二十歳からだ、いいな?」

「は、はいぃ!!」

 

よろしい、分かったならそれでいいんだ。

別に酒を飲むのもタバコを吸うのも好きにすればいい、ただ本音ちゃんに被害が渡ったのだけは許せん。

本音ちゃんはさっきから俺の制服から手を離してくれんし俺は一体どうやってココを離れればいいんだ…

 

「本音ちゃん、俺は行かなきゃならない所があるんだ…だから」

「やぁ~! シンにーと一緒がいいよ~!」

「こ、これは困った事になった…」

 

面倒な事になったとは言わんよ、もういっその事連れて行ったほうが良いのではなかろうか?

いやいや、俺はドの付くHENTAI行為、もしくはセクシュアルハラスメントを行うつもりなのに本音ちゃんを連れていくことなど出来んよ?

 

「誰か本音ちゃんを部屋に返してあげてくれ…」

「じゃぁ私が…」

 

ぎゅむ、ぐい、服を引っ張られたのでその方向を見ると本音ちゃんが天使でさえ崇めるレベルの笑顔で俺のほうを見ていた、うむ、可愛い。

 

「シンにーだぁ~い好き~」

「OH…本音ちゃんは酔っとるだけなんや…せや、他意は無いんや…例え好きやったとしてもそれはおじいちゃんに対するもんで…」

「何か籐ヶ崎君が若干壊れてるんだけど」

「い、いかん! 今日はこれ以上ココにはおれん! 俺もう行くさかい後ホンマ頼んだで! なんやぎょうさん変な事あって俺の頭の中がえらい事になっとんねん! ほんじゃな!」

 

離脱だ! 離脱する! 無理だぜこんなの!!

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

現在はアホみたいな形の校舎、屋根の上でⅤの四脚を纏って待機している。

ちなみに定期的にリコンジャマーを撃っている為学園側から感知されないのだ、もっと最新技術だけじゃなくて視認による索敵も、監視も行うべき、ザルじゃねぇか。

 

「……ほん…ど…なのよ…ワケ…」

「みぃ~っけたぁ…キヒャハハッ」

 

スキャンモードに切り替え熱源探知、待ちに待った女性の御出ましだ、さーて次は…

 

『侵入者ヲ発見、ソノ場デ停止セヨ』

「なっ、なに?! 何処よ?!」

 

キョロキョロと回りを見渡す、地上ばっか見てるから一生経っても俺は探し当てれんよ?

ジャンプ、ブースト停止、ターゲットの女の子の目前3メートルに着地するよう調整。

ズ、ガゴン!

 

「きゃ!! …け、警備ロボなの…これ?」

『質問ニ答エヨ、学園ニ侵入シタ目的ハ』

「わ、私は留学生よ!」

『生徒手帳ヲ掲示セヨ』

「そんな物…まだ持ってない…で、でも! ほら! 制服、学園の制服があるわよ!」

『…生徒デハナイト認識、ターゲットノスキャンヲ開始シマス』

「え、ほら! じゃあ学園の教師に確認を取ってよ! そしたら」

『ターゲット、身体的特徴ヨリ、以後「無限ニ広ガル大平原」と仮称』

 

その瞬間一歩踏み込んだ女の子が部分展開した拳をコアに叩きつける、強度も凄まじい為フレームがひん曲がったりは無いが兎に角物理的な衝撃が凄い。

そしてコレ、四脚つまりCEである、他パーツも見た目重視でCEなのでKEがゴミレベルなのだ。

APがたった一発で2万近く持っていかれた、パイルか。

 

「このポンコツ…!! 今私のどこを見て平原なんて言ったのよ!! ぶっ壊すわよ、この中国代表候補の凰(ファン) 鈴音(リンイン)がッ!!」

『データベース検索…凰 鈴音、確認シマシタ…専用機、甲龍 (シェンロン)…』

「え? あ…な、名前言えば…良かったの?」

『受付マデ…ザザッ…案内…ザーッ…シマス』

 

機体からバチバチ言っているのをいい事にノイズも混ぜてみる、りにー…ふぁにー…平胸板(たいらのむないた)がビクビクしながら俺に付いてくる。

偶にガコン! と、バランスを崩しながら(故意)移動。

 

「あ、あんた…大丈夫なの…? ってロボに聞いても無駄か…反応なんてあるわけないし」

『問題アリ…ザザッ…マセン、受付…ザッ…ヘノ御案内マデハ持チマス』

「反応あった…! 日本の技術凄い…て、それって大丈夫じゃないじゃない!」

 

ゆったりのっしりガションガションと足(4本)を進めていくと受付窓口が見えてきたのでそちらを指差す。

 

『目的地デス。後ハ…ザーッ…オ気ヲ…ツケ…テ…プツン』

「う、嘘…壊れちゃったの…?」

 

指差したまま完全停止、アイセンサーの発光は停止したけど見えてるんだよね、だから何とも言えない表情をしつつ顔の前で手を振ったり触ったりしてくるのがシュール。

 

「ありがと…それと、ごめんなさい…」

 

平胸板があちらへ向いて歩いていくのにあわせてAC換装、ステイシスに変化。

美しいタップダンス(無音)を繰り広げながらその場で待機、会話を盗み聞きなう。

 

「すいません、留学生の凰鈴音です」

「あ、はい、遅かったですね」

「えと…その…まず言わなきゃならない事が」

「なんですか?」

「えー…警備ロボをその…壊してしまいました」

「警備ロボ?」

「足が4本ある…」

「警備ロボなんてありませんよ?」

「え?!」

 

平胸板がこっちを指差して「だってあそこに!」なんて言いながらこっちを見た瞬間中々GOODな表情を見せてくれた、そして指差した腕がプルプルと震えだす。

 

「な! 何よコレ?! てかあのロボットは?!」

「警備ロボは既に死んだ、ココに居るのはランク1、オッツダルヴァだ!!」

「知らないわよ!!!」

 

その後QBを吹かしながら逃亡、自分の部屋へと逃げ帰った。

なお、途中でちっふーに見られていたらしく出席簿ではなく拳が次の日の朝俺の頭に直撃したのは余談である。




メインヒロイン、サブヒロインってのは無いです。
主人公ハーレムはありませんからね!
次回はACネタがそれなりに出てくるはずです。です。

あとバイクでこけました、色々なものを失ってしまった…
その1 修理代 その2 健康体 その3 必修科目の単位
マ○シン赦さん…!

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