コジマ汚染レベルで脳が駄目な男のインフィニット・ストラトス   作:刃狐(旧アーマードこれ)

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一ヶ月も更新してなかったらしいです。長いですね。
色々と忙しかったんです。大学とか、バイトとか、BF3とか。
ACVDも発表されましたしね、え? 情報が遅い? あはは、ですよね。
まぁオン対戦で武器ブレが大量に湧くでしょうね、使い辛くてロマン溢れる武器だといいですね、ムラクモ? お前は呼んでない、帰れ。

あとねー☆アーマードねー☆椎間板ヘルニアになっちゃったの☆うふふ☆おっけー☆

以下本編(幕間ですけど)


ナターシャが変態に変態したり、ある日の簪の出来事とかのお話

今からある日記の内容をお見せする。元々は英語であったが我が社の暇人と名高いGAのユナイト・モスにより翻訳された物だ。

今では私と仲のいい彼女がいい方向へと変わって行く姿を知ってもらいたい。

それと同時にこれで我が社の素晴らしさが知っていただければと私は思っている。

 

………P.Damn

 

あるテストパイロットの日記

 

7月―――

 

今日私が目を覚ますとある一件のメールが入っていた。

詳しくは伏せるが「あの子は回収しコアを初期化、そして分解し永久凍結する」とのアメリカからの通達だった。

メールの着信時間は昨日の夜、私が眠っている時だ。昨日、あの子が私を守っていた時、気を失いながらも朧気に覚えている。

幾つものISを打ち払い、望まぬ交戦をし、その羽で人を殺した。

私は軍人、人を殺した事自体に思う所はそれほど無い、だけど私が殺した人は敵ではなかった。敵は明らかに私だった。

顔も見えなかったがその人は間違いなく無実の人、私は無実の人を、罪の無い人を殺してしまった。

その事にひたすら悔いを持っていた。

私が胸を痛めていると私のいる部屋にブリュンヒルデ、織斑千冬が入ってくる。

聞けば私を助けたのはブリュンヒルデの弟だったらしい。覚えている、あの白のISを纏った子、赤いISから私の命を救った子。

ブリュンヒルデの現在の職業、そしてその弟君がいるらしい所からココはIS学園関係なのだろう。わたしが殺してしまった人も恐らくそうだ。

ブリュンヒルデに問う、私が殺してしまった人は?

彼女は世界最強だとは思えないような仕草で眉間を押さえながら「あの馬鹿か、死んでいない。いや、生き返った」

それから少し笑いながら「私としては残念だった、生き返るにしてももう少し大人しくなればいいんだが」

どうやらその人はブリュンヒルデをウンザリさせるほど相当図太い精神をしているらしい、だけど少なくとも五体満足じゃない筈、これからその苦しみを私の所為で背負うのだろう。

きっとまだ病院にいるその人には会えないだろう。この後私には査問委員会が待っている。

だからせめて私を助けてくれたブリュンヒルデの弟君には会ってお礼がしたい、そうブリュンヒルデに言うと快く承諾してくれた。

 

 

追記:一夏君へキスしようとしてブリュンヒルデに止められた後私に会いに来た人物がいた。カラードの次期社長、そして私が一度殺してしまった男性。

彼の身体はどう見ても五体満足には見えない、片腕と両足をISで無理やりサポートしている姿、にも係わらず全く気にする様子も無く私に会いに来た。

そして彼が伝えたのは私とあの子の身柄をアメリカからカラードに移すこと、そしてあの子を元に戻してくれると言う事。

ただ、私にハイと言わせる手段がそれ以外を許さないエグいものだったけど。

それと一緒にカラードと言う企業がいかに狂いきっているかを教えてくれた、あの企業は冗談ではなく最強で最狂の組織。

それでも構わない、あの子を助けてくれるなら相手が悪魔であっても構わない。

 

 

7月X日

 

彼、いいえ、リーダー(翻訳時の詳細後述)の言ったとおり昨日中にカラードが移動手段と説明係を寄越してくれた、アスピナだったかしら、人格破綻者であったけどいい人でもあった。

彼女達は私の頼みを優先してまずアメリカへと行き部隊の者との別れをさせてくれた、けど。

乗り物が、狂ってた。

だって! だっておかしいわ! ブラックバードの数倍の大きさの物がISよりも早く飛んで、しかも乗る人数が私含めて3人?! ガラガラな訳じゃなくて元々最大人数が3人?!

軍で徹底的に訓練を受けてた私が! 私がまさかあんな―【翻訳以前に文字が解読できなかった】―

イーリにも別れを言って、相変わらず憎まれ口を叩いてくれたけど別れを済ませた私はまた、例の超音速機でカラード本社へと今日向かう事になった。

アスピナの彼女達は昨日一度本社へと帰ったらしい、何でもリーダーが一旦会社へと帰ってきたかららしい。

そして今日伝えられた私の配属は特殊技術部のテストパイロットらしい、その総合部長がリーダー、次期社長だとか。

しかしリーダーはIS学園にいるので基本的には社長の指示に従うらしい。

今日例の空飛ぶスパゲティモンスター(勝手に私が命名)で本社へと行き部屋を割り当てられ、明日全社員へ紹介される事となった。

 

 

7月ω日

 

早速私はここでやっていけるのか心配になった。巨大で青くて緑で紫色の蟲が廊下を徘徊していたり無人兵器が当たり前のように飛んでいたりパワードスーツを装備した人が複数人缶ジュースを持ちながらベンチで談笑していたり。

それも私が社長に連れられ部屋を出て全社員集会の巨大多目的ホールへと移動するたった20分の間で!!

だけど社員の人は殆ど皆いい人でリーダーを一度殺してしまった私を快く迎え入れてくれたのだから。

ただ何人かの人間は敵意を示してくる。それでも影からではなく堂々と「まだ手放しにお前を迎え入れる事が出来ない」と言ってくるあたりそれもいい会社なのだろう。

何でも彼らはカラードの私兵部隊でリーダーに只ならぬ恩を感じているからだとアクアビットのP.ダムさんが教えてくれた。

 

 

7月( ・Λ・)日

 

信じられない、あの子が、福音が全く元通りに戻ってきた。いえ、大きく出力が上がって、兎に角凄まじいバージョンアップした状態ではあったけど。

あの子が戻ってきた。

社長が言うには「データが消えたわけじゃないから奥底から引っ張り出してリンクを再接続してコアを安定させるだけ、案外楽だった」

と言っていた。それにもっと嬉しい事に福音は強い感情と言葉を持っていた、ただ言葉を覚えたての子供のように単語でしかものを喋れないけど、こんなに嬉しい事は無い。

私はカラードに拾われて本当に良かった。ココ以上に素晴らしい会社なんてこの世には無いだろう。

たまたま近くに居たP.ダムさんに嬉しさの余りこの事を話したらお祝いだと小さなパーティを開いてくれた。

そのときに呼び捨てでいいと言われたので今度からそうさせて貰う事にしよう。

 

 

8月興日

 

しゅきぃぃぃぃぃ(ハートマーク)福音だいゅきぃぃぃぃぃぃぃ(ハートマークが複数)

福音に大好きだって言ったらね! 「ゴスペうも マスター 好き」って言ったのよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!

あの舌っ足らずの可愛さったらもう無いわ!!!

カラード最高! カラードに栄光あれ!!

でもあの巨大な蟲は駄目だわ。

 

 

8月干日

 

キサラギの人にあの蟲、AMIDAって言うらしいけど、何時までも苦手意識を持ってちゃ駄目だから少し触れ合ってみるといいと言われた。

正直勘弁願いたい。

触らなくていいし同じ部屋に居なくていいからガラス越しで生活を覗いて見るといいよ、と言われても困る。

仕方ないので渋々見る。歩いてあの独特な音が鳴るたび鳥肌が立つ。

だけど30分も居れば人間慣れるもので音には何も思わなくなった。すると次に鳥肌を立たせる要素となるのが見た目。

あのカラーリングは正直どうにかならなかったのかとキサラギの生物兵器課の人を問い詰めたい。

だけどやっぱり人間のなれって凄い。1時間で見た目も音もなんとも感じなくなったんだから。

あとはその仕草を見てるだけ、知能は低いながらもあるんだろう、赤ちゃんのようにいろんな事に興味を持っているみたい。

部屋に置いてある設置物に上ろうとしてひっくり返ってジタバタしているのを見て口元が緩んでしまった。

きっと私は一時的に頭がおかしくなってしまったのかもしれない。一次の気の迷いよ。疲れていたのよ。

 

 

8月≧日

 

リーダーが学園の長期の休みに入ったとの事で社に戻ってきた。正式な社員として顔をあわせるのは今日が初めて。

戦闘力を確かめたいとの事でホログラムデータで用意された各国の量産型IS総100機と戦わされることになった。

私とこの子に敵うことなく2時間ほどで殲滅。どうでしょうかと言った所「まあまあかな」のお言葉。冗談じゃ…

カラード最強の単機戦力を見せてやるとドヤ顔で言われたのでじゃあ見せてください。すると何を思ったのか全世界のISデータ、私が見たことも無いISもある467機、勿論先ほどのデータを流用した今の福音もある。それに量産機を足して総1000機、何コレふざけてるの。

結果、1時間と経たず全機撃破。楽だからと言う理由で消し飛ばされ真っ二つにされていくホログラムのISを見るのは切ない気持ちになる。

その真っ二つになったISには私の福音も混ざっていた、善戦? 出てきた瞬間縦に真っ二つよ。

どうやらリーダー以外のトップランカーは弾薬を補充し続ければ量産機を50機抜きできる腕らしい。

バケモノ揃いの企業ね。

 

今日も福音は可愛かった。

 

 

8月*日

 

私はもう駄目なのかもしれない、AMIDAが可愛く見えるなんて、おかしい、おかしいのよ。

うふふ、あはははははははははははは

【以後丸々一ページ、ミミズの這い回ったような笑いが書かれている】

 

8月「32」日

 

考えればAMIDAが可愛いのなんて当たり前よね、最初はあの色が駄目なんていってたけど普通に黒や茶色だったらそれこそ逆に嫌よ。

それにあの巨大なAMIDAも可愛いんだけど胸で抱きしめれるサイズのAMIDAも凄く可愛いのよ。

私は何て幸せなんでしょう、だってAMIDAや福音、可愛い子達に囲まれてこんなにうれしい事はないわ。

それに皆はいい人だし、最初はわたしに敵意をむけてきた人たちも私のたいちょうをしんぱいしてくれるようになったし。

だいじょうぶよわたしはこんなにしあわせなんですものああうれしいなあたのしいなあ

わたしはからーどのおかげでこんなにしあわせになれたのよそうだこんどいーりもからーどによんでみようかしらしゃちょうもきっとゆるしてくれるわだってみんなみんなとってもやさしいんですもの

 

 

コレで彼女がいい方向へと変わってきた事とカラードが如何に素晴らしい企業かを分かって頂けたかと思います。

 

「どうでしょうか、信一郎さんコレを公開しようと思うのですが」

「おいキサラギィィィィィィ!!!! なんでよりにもよってお前らが主体になった!! 俺言っただろ?! インテリオル主体になれって言っただろぉぉぉぉぉ?!」

 

 

 

 

 

 

『ある日の簪の一日』

 

朝目を覚ますと思うように身体を動かせない、もしかして世に聞く金縛り?

 

「んにゅ~、すぴー、すぴー」

 

じゃなかった、本音が自分の布団を離脱して何故か私にしがみ付いていただけだった。

そういえば本音は昔から寝相が悪くてベッドであっても何故か隣のベッドに入っていることもあった、最近はそうでもなかったけど布団だとこうなるらしい。

同じ部屋だったのに忘れていたなんて、迂闊。

 

「かんちゃ~…すー」

 

でも、まぁいいか、もう少しだけこうしてても。

 

「シンにー…」

 

前言撤回。本音の柔らかいほっぺムニ。

 

「うやぁう?!」

「おはよう……本音……」

「うぇ~? シンにーどこいったの~?」

 

むにー。

 

「うゃあ?! かんちゃんなんでー?!」

「さぁ……?」

「ひどいよぉ~?!」

 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

本音を連れて、と言うよりも本音が勝手についてきたんだけど、信一郎の部屋に行く。

起きてるかな?

 

「信一郎……? 起きてる……?」

「寝でる~……」

「なんだぁ~シンにー寝てるね~」

 

部屋の中から信一郎が寝てると返事をしてきた、本音がソレを信じて信一郎はまだ寝てると認識しているらしい。

冗談か本気か分からないけど本音のことだから多分本気。

 

本音が私に「イタズラをしちゃおうよぉ~」と耳打ちをしてくる。本音は多分知らないけど信一郎は一応重傷者だから駄目だと釘をさしておく。

そしていざ扉を開けると、そこには…

 

「ハ、ハンモ…ック……?」

「わぁ~、気持ち良さそうだねぇ~」

 

信一郎が部屋の中にハンモックを張ってその上で優雅に寝ながら読書をしていた。

 

「あれ~? シンにー起きてたの~? でもでも、さっきは寝てたからー、あれ~?」

「zzzzz……」

「あ、シンにー本読みながら寝てるー、すごいね~かんちゃん!」

 

目を開けたまま本の字を追ってページも捲りながらいびきを掻いている状態で寝ていると思ってる本音の天然度合いがそろそろ心配になってきた、虚さんに言っておこう。

 

「とー! シンにー起きてー! あさだよぉ~!」

「あ!」

「うぼごぁ?!」

「し、信一郎?!」

 

ハンモックに横から突撃していった本音が信一郎を押し切ってスルリと通過、半回転したハンモックから信一郎が地面に投げ出された。

 

「……おはようございます。システム通常モードを起動します」

 

そして何事も無かったかのように片腕で身体を起こす。

多分痛くても痩せ我慢して本音に心配させないようにしてるんだと思う、嫉妬するぐらい過保護。

 

「ご飯……行こう……?」

「ごは~ん」

「あぁ、昨日の騒ぎでちっふーに怒られてな、部屋で食えだとさ。まぁ一応病人? だしそれが正しいと思うけどな」

「じゃあ私――」

「二人はちゃんとあっちで食って来なさい、ただでさえ旅館の人に迷惑掛けてるんだから、一人分、もしくは二人分も多く持って来て貰う訳にはいかん」

 

むぅ、でも大丈夫かな? ちゃんと食べれるかな? 心配。

 

「大丈夫大丈夫、右腕はあるから」

 

考えてる事がバレた、以心伝心?

…昨日右腕が使えるって晩御飯の時に言ってたっけ、迂闊……無念……。

 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

「待て更識、お前は4組のバスに乗れ」

 

…え? 今、織斑先生は何て言ったの?

 

「え……? なん……て?」

「お前は 4組の バスに 乗れ」

「それじゃあ……それじゃあ誰が……信一郎を……?」

「座席に座って目的地に向かう程度でサポートはいらない」

「でも……でも……!!」

 

いや、嫌だよ、離れたくないよ。

 

「待って……、行かないで……、信一郎……、待って……まって……!」

「ふ、フラァァァァン!!! 早く来てくれぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

「はいはい、ほら、行きましょう? 更識さん」

「やだ、やだぁ……」

 

怖い、行かないで、だって、だって。

 

「離してフラン……! また、消えちゃう……! どこかに……行っちゃう……!」

「大丈夫です。あれでもカラード単機最強戦力です。滅多な事があっても死ぬ事はありません、もう……だいじょうぶですよ」

「フラン、フラン……ぅあああああ……!」

 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

「誰だ、クラス代表を泣かしたマヌケは、誰だァ…?」

「殺してやる…殺してやるぞ……!!」

「行け! 容赦するな! (クラス)代表のご意志に逆らう愚か者どもを抹殺せよッ!!」

「XaaaCi.(私は全てを赦しましょう、だが死ね、だ か ら こ そ 死 ね)」

 

「大丈夫……もう、大丈夫……だよ」

「だそうです、ですので皆さん落ち着いて下さい」

「だが、だが拙者達は代表の事が……っく、仕方ないでござるな…誰か、誰か見ていた者はいないのでござるか?!」

「ウチ見てたよ! 見てたけど…」

「それは僥倖! して、犯人は誰でござるか!」

「アカン、止めといた方がええ、ええか? 例え簪ちゃんの為であってもや、絶対に逆らったらアカン相手ってのがおんねん……」

「ええい! いいから教えるでござる!!」

「ぉ……ぃゃ……」

「もう一度! 拙者に聞こえるように言うでござるよ!」

「織斑先生やっ!!」

「なっ…!! ふ、ふふ……アイリ殿…拙者のツキも……コレまでのようでござる。あとは……頼んだでござるよ」

 

「え、え? 何でそこで私なんですか…?」

 

 

 

 

 

「無名之(むみょうの)茂撫子(モブこ)を返しに来た、こいつが私に飛びかかってきた理由の分かるヤツはいるか?」

「モブ子ェ……」

 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

俺の名前は 等野辺主(ラノベヌシ) 人公(ヒトキミ) 外見はイケメン、成績優秀、周りには非自然色な髪の毛の可愛子ちゃんたち!

だが悲しいかな俺には彼女がいないのだ、おっと、今更だが俺はライトノベルの主人公だ。

彼女のいないまま遂に遂に高校生、生憎幼なじみもいなければ1年の時に新たに出会った外国の美人なんてのもいない。

おかしいな、俺は主人公のはずなのにな…

 

「お前等静かにしろよー、嬉しいお知らせだ。泣いて喜べ私を崇めろ」

「乙姫杯姫せっんせー! おっぱい揉ませてー!」

「おっぱいせんせー!」

「やかましいっ!! こんな貧相な胸の私を苛めて何が楽しいんだ!!」

 

我等が担任の 乙姫(オトヒメ)杯姫(ハイキ)先生、ひんぬーなのにあだ名はおっぱい先生。

アプローチをさり気なく掛けるも全く応えてない、ド天然とかじゃなくてただ単純にジジ専なだけらしい。

俺のラノベウハウハ生活はどうやら高校生ではなく大学生の時みたいだ、ショック。

 

「転校生だ、お前等よく世話をしてやれよー。よし、入ってきなさい」

 

いいよ、俺はどうせ大学生までなんも無いんだ、童貞なんだよどうせ。

はぁ~どっかに可愛い女の子落ちてないかなー。

あー、視界がこげ茶色、机が影で黒くなったのしか見えねぇ。

 

「えと……その、は、始めまして…」

 

頭の天辺から足のつま先まで電撃が駆け抜ける。

教室に響いたのは「鈴の鳴る様な声」なんてのは比べ物にならない、言葉に出来ないほど綺麗で透き通って、よく耳に入る美しい声。

周りの騒がしかった生徒も息の音一つ聞こえない。

 

「う、わ……スゲェ美人……」

 

誰が言ったか、ソレすらも俺には分からない、そして本当に美人なのかどうかも机で視界が埋まっている俺にはわからない。

あぁ、そうか。そうかよ! この子が俺のメインヒロインか!!

 

「夢中(ユメナカ) 合理(アイリ)です…えと、よろしくお願いします!」

 

漸く顔を上げた俺の視界に映ったのは………

 

 

 

 

 

 

 

ゴリラだった。

 

ガタイがいいとか、顔が厳ついとか、筋骨隆々だとか、そんなんじゃない。

 

ゴリラだった。

 

ゴリラが服を着て教壇のところに立っている。

 

 

 

 

「か、可愛いーーーー!!!!」

「お、俺アタックしようかな…」

 

お前等、ソレでいいのか、相手はゴリラだぞ。

夢中合理って…言い方と並べ方変えたら「ゴリ夢中」ってか。

 

「ごり……むちゅー……」

 

+ + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + 

 

 

「フ……、フラン……? 何読んでるの……?」

「最近人気のラノベです。タイトルは「ゴリむちゅー♡」ですよ」

「そ、そう……べ、別に……朗読する必要……無くない……?」

「更識さんも読んでみては如何ですか? 王道的恋愛ライトノベルです」

「恋愛?!」

 

それに王道?!

 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

 

電車、車椅子に乗った信一郎が立体投影ディスプレイを起動して片手で操作している。けど…

後ろにいる私には丸見えなんだけど、それ……ACの機密だよね、いいのかな……?

 

「ふーむ、やっぱセラフの出力を抑えるのは不可能か……、対外敵用で限定するしかないか…」

 

これって私の事、信用してくれてるのかな?

だったら…うれしいな…

 

「邪魔だし目障りよ、他の車両に移りなさい」

「なっ……!! あなた……!!」

 

何、この女の人、なんなの、邪魔?

信一郎が、邪魔?

 

「あら、コレ貴女の? 障害者の男なんて価値無いじゃない、捨てれば?」

「ッ!! ふざけない―――」

 

コレ? 価値が無い? 捨てる?

ふざけてる、赦さない、ユルサナイ……ッ!!

おいで…ッ! 打鉄弐―――

 

「まぁ落ち着け、簪。心配すんな、慣れてる」

 

慣れてる、って…なんで、どうして慣れてるの? なんで、慣れてしまってるの?!

そんなのおかしいよ、だって、だって信一郎は…好きでそうなったんじゃ無いのに…!

 

「だって……!」

 

怒りで震える手を信一郎が優しく握ってくれた。うん、わかった…けど、本当にいいの?

 

「心配なさんなお嬢さん、どうせ次の駅で降りる、故にもうしばし容赦して頂けないか」

 

どうして信一郎は立場を使わないの? カラードの次期社長で、世界で唯二人の男性IS操縦者で、専用機持ちなのに…!

権力は使う物だって、言ってたのに……もしかして、相手のために…?

 

「最悪、同じ駅で降りなきゃ駄目だなんて、ツいてないわ」

 

この女…!! 自分が、自分がどれだけ……!!!

もし信一郎がいなければここにいる皆死んでいたかもしれないのに、何も知らないくせに!

 

『え、えー○○駅ー○○駅でございます。お出口は右側です』

 

汝等は禍害(ワザワイ)なるかな禍害(ワザワイ)なるかな禍害(ワザワイ)なるかな大いなる審きに撃たれよ審きに撃たれよ審きに撃たれよ

差し伸べよ血肉の購い血肉の購い血肉の購い愚昧(オロカ)なる獣の群集よ相応しき業報(ムクイ)(マミ)れて

 

コ ワ レ ロ ッ !!!

 

「簪、電車を出るぞ」

 

わ、わ、わ…!

 

「う、うん……」

 

…?

この女の人、誰かな? 格好いいな……

 

「お待ちしておりました、次期社長。カラードリンクスランク2、アンジェ、道中の護衛のため参上致しました」

「すまんね、忙しかったんじゃ?」

 

カラード…護衛の人…?

研究者じゃないの?

 

「えぇ、ですが…リンクスのトップから空いている者がとの事だったので…もし、もし私が普通に任務を請け負っていたら……オールドキングが、来る手筈になっていましたので、何としても、と」

 

この人がランク2だからそのオールドキングって人はランク3?

 

「あぁ、気に入らなかったらショットガンぶっ放すもんね…」

 

……え?

 

「はい、下手なテロ屋よりも厄介です……次期社長、そちらの青い髪のお嬢さんが?」

 

あ、え、わ、私…?

 

「あぁ、そうだ」

 

すると女の人がニコリと笑って右手を私に差し出してきた。

 

「すまない、挨拶が遅れたな。私はカラード、レイレナード部署のテストパイロット、及びカラード私兵部隊のアンジェだ。失礼だが事前に調べさせて貰った、日本代表候補、更識簪さん」

 

わぁ、格好いい…

……あ! 握手…!

 

「その……えと、更識簪です……。よろしくお願いします……信一郎の……彼女、です……」

「いや、未来の嫁さんだ」

 

し、信一郎…恥ずかし気も無くそんな……うぅ。

 

「ふふふ、それはそれは、では行きましょうか。皆待っています」

「まさかとは思うがスティグロでか」

「はい、スティグロまでは有澤製リムジンです」

 

え、え? スティグロ? 有澤…有澤重工? リムジン?!

あれ? 嫌な予感しかしない……?

 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

た、確かに私は更識家だよ…?

でも、でもそれは更識先輩が家関係を請け負ってたから。私は代表候補なだけの普通の女の子なんだよ?

こんな、こんな…

 

「――――イタルサインが消えかけた時にカラードが大混乱に陥りましてね、かく言う私も銀の福音をバラバラに切り裂いてやらんと意気込んでいましたが」

「へぇ、簪知ってる?」

「フランが……言ってたから……知って、ます……」

「何故敬語なのか、まぁ緊張するなよ」

 

窓から外を覗けば装甲車両と戦闘ヘリが見えるなんて!!

緊張するなって無理だよ……!!

それに聞けばACが14機って、戦争でも起こす気?!

ISも2機混ざっちゃったし……

 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

うぅ、気分が悪い……あんなのありえない、時速2000キロ以上で海上をドリフトなんて…信じない、信じたくない…

やぅ?! 耳が塞がれて…?

この手…アンジェさんかな……?

 

 

わ、あ……コレが…カラード、凄く…広い…高くは無いけど、兎に角広い。

ビルとしては30メートル位しかないけど広さはどれ位あるんだろう、学園よりも広いんじゃないかな…?

フロントも広々としてて一流企業みたい……一流企業だった。

 

「カラードへようこそ! 歓迎しよう、盛大にな!! …まぁ車椅子の上からで失礼するが」

 

信一郎も凄く誇らしげ、やっぱり自分の会社が大好きなのかな。

 

『あーあー! 聞こえるー? ゲストの子ー?』

「?! ?!」

「心配しないでくれ、この声は次期社長のお父上、主任の声だ」

 

信一郎の、お父さん……、お義父様……?

 

『あ、アンジェー、護衛あんがとねー!』

「はい、コレで任務を完了します。じゃあ簪さん、好きに会社を見回ってくれていい、禁止区域以外はな」

 

やっぱり……禁止区域ってあるんだ…、まぁ世界最先端の兵器開発企業だもんね。

アンジェさんがエレベーターで誰かとすれ違ったみたい、誰かな?

……あれ、あの人は…

 

「いらっしゃいお嬢さん、そしておかえりなさい、シン君」

「ただいま、母さん」

 

信一郎のお母さん、そしてカラードの社長…直接見たのは初めて。

若いって言うか、もう通り越して幼く見えるし凄く綺麗というか美人と言うか可愛いというか……凄く日本人離れしてる。

 

「お、おっ……おじゃましまひゅ!!」

「ふふ、大丈夫よ、緊張しないで。ね?」

 

あぅぅ、舌噛んじゃった…

 

『おかえりなさいませ、信一郎様。とても心配致しました』

 

スピーカー音……?

 

「ッ……?!」

「IBIS、ただいま。心配かけてごめんなさい」

『本当です。危うく国家解体戦争が始まる所でした』

 

あの時の無人機…?! どうして社内を歩いてるの…?

コレっていいの? いいの?

 

「始めまして、私はシン君…信一郎の母、籐ヶ崎麗羅です。貴女の名前は?」

「さ、更識簪……です……」

「知っていると思うけどカラードの社長もやってるわ」

『カラードの軍事衛星兼総合統括AIのIBISです。この機体は、そうですね境界のラ・ピュセルとでも言っておきましょう』

 

AI…凄い、まるで生きてるみたい。感情もあるように見えるし、見た目が機械なだけの女の人……虚さんみたいなしっかりした人?

 

「に、日本の代表候補生で……信一郎の……その……恋人をさせて……頂いてます……」

「違う違う、未来のお嫁さんだ」

「あらあら」

 

麗羅さんが微笑ましそうにしている、ってことは反対じゃないってこと……かな?

そうなら麗羅さんは…お義母様…?

 

『私は反対です』

 

え、あ……そう……だよね、私なんかが……信一郎と、釣り合うわけ……ないよね。

 

「何故ですか?」

『更識と言えば幾度と無くハッキングを仕掛けてきた組織ではありませんか』

「ッ……」

 

ふふ、ふふふ、そうだよね、更識は……カラードに対して許されない事を何度も…何百度もやってきたんだもん……

 

『具体的な数字を示しましょうか、現在1076回です』

 

え、そんな…! 増えてる…?!

 

「その程度何の問題も無いでしょう。それに簪自体は一切関与してない」

『ですが』

「静かになさい、IBIS。あなた、心配しすぎよ?」

『心配もします。私にとって信一郎様は父であり、弟でもあるのです。私は信一郎様が生まれた時より見守り、話し相手にもなってきました。そして私に感情を与えて下さったのは信一郎様です』

「故に弟であり、父であると?」

 

あぁ、そうなんだ…これが、家族なんだ……

どうして、こんなに………羨ましい…

 

『はい、ですので不穏分子は――』

「あー、その……じゃあさ、IBIS……いや、お願いだよ、『姉さん』。簪との交際を認めてくれよ、『姉さん』」

『そ、そんな……ですが、その…………し、仕方がありませんねっ! 他でもない大事な弟の頼みですから! わ、わかりました! み、認め……認め、ま…しょう…!!』

 

揺ら揺らと腕を動かして私と信一郎を何度も見て最後に震えながら上を向き信一郎との交際を認めてもらった。

すると麗羅さんが「ごめんなさいね。IBISったら、きっと嫉妬しちゃったのよ、うふふ」と耳打ちを私にした。

AIが……嫉妬……?

 

「じゃあIBIS? 私はシン君とお話があるから、簪ちゃんを案内してあげて、禁止区域も解放していいわ。出来るわよね? シン君のお姉ちゃんなんだから」

『も、勿論です! 弟の為ですから! 私の大事な、おとう…と……うぅ。シンがぁ…私のシンがぁ……お婿に行っちゃうよぉ……』

 

私がお嫁に行くから信一郎はお婿に来な……違う違う、そうじゃない、でも……ウェディングドレスかぁ……和式もいいけど、やっぱり、ウェディングドレス着たいな…

 

「じゃ、IBISに着いて行ってね。あとで私とお話、しましょう?」

「は、はい……」

 

あれれ、おかしいな。カラードの社長だよね、立場的に凄く危ないこと言ってない……?

もし暗殺目的とかだったらどうするんだろう、それに私ISも持ってるのに…

ゆっくりと歩き出すIBISさんの後ろに付いて移動を始めた。

 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

『キサラギ、ムラクモ、アクアビット、トーラス、GAE、アスピナ辺りは避けます』

 

へ、変態だー?!

カラードの中でも突出して有名(複数の意味で)な部署の名前が勢ぞろい。

 

『有名どころという事でミラージュ、クレストから始めて信一郎様のお気に入り部署のアルゼブラで締めましょう』

 

へぇ、信一郎ってアルゼブラが好きだったんだ…頻度からレイレナードが好きなんだと思ってたんだけど…

え、あれ…? あの歩いてる人、腰に付けてるのって……ショットガン…?

あの人は…刀? え? ココって社内だよね、なんでちらほらと武器を持ってる人が…?

 

『武器持ちの彼等はカラード私兵部隊でほぼ全員ACのテストパイロットです』

「ACの……、テストパイロット……? でも男の人も……」

『信一郎様からまだ伝えられていなかったのですか、まぁ問題ないでしょう。カラードのACはISではありません。信一郎様が創ったコアを元にアセンブルされた物が彼等の所持するACなのです』

「コアを……? もしかして……能力……」

『そちらは聞いたのですか、どうかご内密に。その情報を知るのは今の所信一郎様以外では私と簪様のみです』

 

どうしてソレを私に教えてくれるのかな、普通はそんな事私には言わないのに。

 

『信一郎様が簪様を信用しました。ならば私も簪様を信用しましょう』

「ありがとう……ございます」

『ではまずこちらからどうぞ』

 

そういって案内されたゲートには青い菱形に「M」とエンブレムが描かれていた。

 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

「だーれも知らない知られちゃいけーないー、ビットマンーがだーれーなのーかー♪」

 

BFFの見学を終えてゲートを出ると、何か……目の下の隈が凄い残念美人さんが……

 

「おはようIBIS! 今日はいい天気ですねぇ、ところでその女の子はなんです? 可愛いですねぇ! 食べちゃって(性的な意味で)いいですかぁ?! ひぎぃ?!」

『さて、次は有澤重工へ行きましょうか』

 

IBISさんがおもむろに女の人を掴んで雑に壁へと投げた。なにか…壁が若干へこんでるけど……大丈夫かな…?

女の人もビクビク痙攣してるし……あの、救急車とか呼んだほうが…

 

「らめぇ、まだ……まだ逝ってるのぉ……」

「リーダーまーた変なことやってるよ、回収班!」

「またかー」

「やっぱりかぁぁぁぁぁぁ!!!」

「……笑止……」

 

お、女の人が足掴まれて雑に輸送されて行く……

刀を持った男の人が鞘で突付いたりしてるし、これってカラードでは日常茶飯事なの?

 

『こちらへ』

「は、はい……!」

 

ゲートをくぐって一番最初に目に入ったのは将棋を指してる男の人でした。

 

「ま、待った!」

「何度目かね」

「所長、お願いしますよ」

「仕方が無い、コレが最後だぞ」

「ありがとうございます!」

「王手」

「えっ」

 

あ、これがこうなって……詰みに持っていける手が二つ同時に用意されてるんだ、あれ?

 

「これって……、この時点で詰んでる……?」

「お、わかるかね、お嬢さん」

「は、はい……」

「そういう事だ有馬。さて、私は有澤重工、有澤隆文だ。話は事前に伺っているよ、更識簪殿」

 

信一郎みたいに全身が筋肉で出来ているような男の人、隆文さんが手を差し出してくる。手を取って握手をしたら優しい笑みを浮かべてくれた。

 

「え、えと……有澤製のグレネード……使わせて頂きました……」

「ほう! それはそれは!」

「所長! 変化装核ガチタンカーの限定版OVA入手しましたけど見ません?」

「それは朗報、だが後にしなさい」

 

ソレって確かISが発表される前のアニメで人型に変化する戦車に乗って異星人の攻撃から地球を守る古き良きヒーローアニメ!

しかもしかもOVAは原作を忠実に再現して声優も当時の最高メンバーで監督は今もなお大人気な人の!

それに限定版! 代表候補の私でさえ指を銜えてamaz○neの画面を見つめる事しか出来ないプレミア価格付き!!

主役、敵、量産型、その他メカニックの詳しいCGグラフィックや設定画、没機体や世界観も描かれている伝説の限定版!!

み、見たい……!!

 

「ん? 興味があるのかね?」

「は、はい……!!」

「それはそれは!」

 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

ロビーでIBISさんと待っていると信一郎が左腕をグルグルと回しながら歩いてくる……あれ?

信一郎の左手の平……丸くて光ってる? 新しい機能でも付けたのかな…

 

『信一郎様、一通り簪様をご案内いたしました』

「あぁ、ありがとう。姉さん、呼び方はシンでいいよ」

『し、シ…シンっ! 案内してきたよっ!』

「その……戻ったよ……信一郎……」

「おかえり簪、どこか面白いところはあった?」

「MSACが……面白かった……、あとね……! 有澤重工の人がね……! ヒーロー物が好きだってね……!」

 

もし倉持技研が嫌になったらカラードに来てくれれば専用機を喜んでカラードで用意させてもらうよ、その場合は総合所長(多分信一郎の事)との兄弟機になるな。

と、笑いながら言ってくれたし最新のミサイルシステムも見せてくれた。

それに隆文さんはOVAが見たくなったら御子息殿(信一郎だと思う)経由で連絡をくれれば送ろう。って言ってくれたし、凄くアットホームな職場。

 

「あぁ、MSACはミサイル系統と電子工学に強いからな、有澤は古き良き日本を体現してる感じだし、てか大艦巨砲主義だし」

 

私と信一郎で微妙にズレてるけどまぁいいかな。

そうして少し話をしてると信一郎がIBISさんと何処かへ行った、私は社長、麗羅さんに連れられて社長室へ。

 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

「さて、じゃあまず聞いちゃうけど。シン君とは何処まで行ったの?」

「え、え……?」

「最近の子は進んでるって言うじゃない。で、どうなの? A? B? C?」

「え、えと……その……まだ、キス……です」

「浅いの? 深いの?」

 

あれれ、おかしいな。学園での信一郎の事を聞くって言われてたのに…

 

「うふふふふ。いいわいいわ。シン君なまじ大人っぽいから。見た目だけじゃなくってね? だからきっと、18歳になるまで、そう言うのは自省すると思うの。だぁかぁらぁ」

 

唇に指を当てて嬉しそうに笑う麗羅さん、言ってる事はなんていうか違うけど。

 

「既成事実、作っちゃいなさい」

「え、え、あうぅ……」

「なんなら手伝ってあげちゃう!」

「でも、でもその……」

「あの子なんて言うかこう、単純な癖に責任感強いから。別に本当にえっちしなくてもいいの、ただあの子が無警戒で寝てる時にね? 適当に服脱がして、服脱いで、朝まで一緒に寝てたら、えっちしちゃったと勘違いしちゃうわ」

「あぅあぅ……」

「そして起きた時に言ってあげるの「昨日は凄かったよ」って」

 

あうぅぅ、でもでも、はぁぅぅぅぅ~~

 

「今日は簪ちゃんを早めに帰らせてシン君を引き止めて兎に角疲れさせるから、今晩。ね?」

「い、い、いいんですか……?」

「勿論、でも。もし本当に「する」ならちゃんと避妊しなさいね?」

 

そして渡された物は……Lサイズの………ッ!!!

 

「あ、そうそう。はい、コレに手の平合わせて」

「え、ひゃい?!」

 

反射的に差し出された小型のスーツケースみたいなタッチタブレットに手の平を乗せる、するとニッコリと笑顔を浮かべた麗羅さんがスーツケースを閉じて私の手を挟む。

 

「え? あぇ? す、スポンジ……? ゴム……?」

「ふんふーん♪ はい、登録完了。うんうん!」

「な、何を……?」

「カラードセキュリティへの登録よ、これで簪ちゃんは敵対勢力の攻撃から身を守れるわ。だからこの腕輪、常に身に着けててね」

 

そして開いたスーツケースの中でいつの間にか銀色のブレスレットが手首に巻かれていた。

 

「じゃ、頑張ってね!」

「えぅぅぅ……」

 

いつの間にかNとは言えない状況になってて…周りを埋められた気がする。

 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

(ゴクリ)

 

息を飲んで廊下に出ると信一郎の部屋の扉が開いてる。

だ、駄目だよね、開いたままじゃ危ないよ、私は何も変なことはしない。うん、開いてる扉を閉めるだけ。

 

パタン。

 

………なんで中に入って閉めてるの私は?!

 

「ん゛~……」

 

ちゃんとベッドに乗ってない、寝苦しそうだな……私は、私はただ信一郎をちゃんとベッドに乗せてあげるだけ、だけなんだもん。

 

「ん、しょ……んっ」

「ム゛ー……」

 

せ、制服で寝たら皺になっちゃうよね、大丈夫、大丈夫だよ、私は何も変なことはしてない。

確か、信一郎は薄着が一番楽だって言ってたよね、しゃ、シャツ……も。

……これで信一郎は大丈夫、わ、私はどうしよう。

自分の部屋には戻れないし、巡回の先生がいたら大変だし。

 

「……んしょ」

 

ぱ、パジャマだと寝苦しいだけだもん、下着は、着てるもん。

何処で眠ればいいんだろう、ベッドは一箇所しかないよね、隣の空いてるベッドなんて私には見えない、見えない。

 

「ん、暖かい……」

 

信一郎を見れば鎖骨の間の少し下に縦に大きな傷跡がある。そして右腕の根元にも火傷痕、でも怖くない。

 

「おやすみ、信一郎……」

 

頬にキスをして信一郎の腕を抱きしめながら私は目を閉じた。




ですので簪も主人公も処女&童貞です。
ところで「幕間でっせ」と「幕張メッセ」って似てません?

早いとこ亡国襲撃書きたいです。
でもその前にある幾つかのイベントも書きたいんですよね。
しかし早いところ書いてしまわないと何を書きたかったか忘れてしまう鳥頭なアーマードこれです。

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