コジマ汚染レベルで脳が駄目な男のインフィニット・ストラトス   作:刃狐(旧アーマードこれ)

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どうも、最近お気に入りの作品がグロいタイプのシリアスに入ってトラウマになったアーマードこれです。
あと食中毒になりました、心当たりしかないです。

本当困ります。お金が無いってのにドンドン新しいゲームが発表されるじゃないですか。
BF4とかMGS5(GZとPP)とか本当困ります!
あとちょっと久しぶりにCoDやったんですけどグレネードが思ったより飛ばないのと走りながらリロードできないの、あとは近距離でおもむろにグレネードを構えるのが問題でヒドイ戦績でした。
最終的には「戦車! MBTを持てい!」とか言い出す始末。
あーBF3楽しいなー!(チラッ でもソロプレイは少し寂しいなー!(チラッ PS3コンシューマの人いないかなー!(チラッ

そういえば私の前書きって前書きの意味成してませんよね。
いらないわよねぇ! 前書きなんか! それで勝てるって言うんならさぁ!!


何コレ、ふざけたターゲットがナニカシテえっちぃのはいけないと思います!><

どうもコンニチハ、現在私、カラード次期社長兼カラード最強単機戦力の籐ヶ崎信一郎ですが…

とても嬉しい状況に陥っております、ハイ。

そうですね、ヒントがあるとすれば(ロシア国家)代表、貴様の望みどおりだ!

でしょうか?

 

「はい……あーん……」

「とっても嬉しいんだけどな、簪。俺右腕は使えるからな」

「あーん……」

「右腕…」

 

どうだぁ? たっしー(更識楯無)、悔しいかぁ? んん?

マハハハハハ!! たっしーが半泣きで地団駄踏んでるのが目に浮かぶわぁ!!

でもね、衆目の場でね、コレは流石に恥ずかしい気もするんだよ、いやだって正面で座ってご飯食べてる娘なんて見てみろよ。

 

「もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐmgmgmgmgmgmgmgmgmgmg」

 

俺らをガン見しながら延々無限と米だけ食ってるよ、おかずが俺達も食べてくれって号泣してるよ。

 

「……はむ、んむんむ……」

 

簪がようやっと諦めたのか自分の口に米を入れて咀嚼を始めた、正面の娘が微妙に眉間に皺を寄せてこちらもようやっと漬物に箸を伸ばして口に放り込んだ。

良かったな、漬物…お前が嬉しいと俺も嬉しいよ。

 

「ん……んむ―――」

「んむ?!」

 

簪が俺の首に腕を回してキスと同時に俺の口を舌でこじ開けて食べ物を俺に流し込む。

 

「んちゅ、ちゅ……ぷぁ……」

「ハムッ ハフハフ、ハフッ!! そうよ! ハムッ、それでいい! ガツガツ! 最高よあなた達ィィ!!!」

「えぇいっ!! 喧しいぞお前達!! 食事時ぐらい静かに出来ないのか?! でもその案は戴きだ! 一夏! お姉ちゃんとアレやろう! アレ!!」

「えっ、ハムハフ?」

「そっちじゃなぁい!!」

 

遂に正面の娘が茶碗からどんぶりの過程を飛ばして御櫃で米を食べ始めた。

なんか簪俺が死んでからかなりぶっ飛んできてない?

何か俺心配だよ、タグに「R-18」付けなきゃ駄目になったらどうすんのよ…

 

「あ、籐ヶ崎君 ちょっと聞きたい事があるんだけどいい?」

「あげない……信一郎は私の……絶対……あげないから……」

「いや、要らないし」

 

簪が若干ヤンデレ気味てるのと真顔で要らないと言われた俺の気持ちを述べよ(20点)

 

「特種任務…だっけ? アレなんだったの? 籐ヶ崎君の手足が今無いのもソレが原因だったりする?」

「あぁ、アレな…うーむ……俺が三回死んだ…らしい、俺自身では2回までしか知らんのだがな」

「へー、社会的に?」

「生物的に」

「ハハ、ワロス」

 

一回目が腕が千切れ飛んだのによる出血死…かな? んでその次がいっちーに心臓ぶち抜かれて…三回目は鈴音曰く「魂が口からはみ出てた」らしい。

心臓ぶち抜かれた時ってホントきつかったんだぜ、何か喋ったら血が逆流してくるし喋らなくても一定感覚で血が噴くし、オイ心臓穴開いてんだから動こうとするなよ。

 

「結局誰も教えてくれないのかぁ、まぁ仕方ないけどさ」

「シンにー、怪我無かったの~?」

 

俺の隣に座る本音ちゃんが首を傾げつつ問いかけてきた。さて、正直に話すべきか否か迷う所である。

 

「あー…んー…まあ一応怪我したかな? 腕と胸をちょっぴり怪我した」

「よしよ~し、痛いの痛いの飛んでいけ~」

 

「ぐぁああああああああ!!」

 

割と離れたところで腕と胸を押さえて痛がり始めたのは3組の人間、多分大阪出身。

周りの垂れ目の子が「大袈裟だよー」とか言ってるけど俺の惨状を見たらたぶん失神するなあの垂れ目の子。

本音ちゃんはいけない事をしてしまったかのようにワタワタと慌てている。

 

「わぁ~、わぁ~、どうしよぉ~」

「痛いの痛いの戻ってこーい」

 

「ぐぁぁ――………」

 

直ぐ真顔に戻り黙々と大阪出身(仮)の子が食事を再開する。

 

「シンにー大丈夫~? 大丈夫なの~?」

「大丈夫だ、問題無い」

「ほんとぉ~? 痛かったら我慢しちゃ駄目だよ~?」

 

んふーふ、ほんと本音ちゃんは可愛いなぁ、マジいい子。

と、本音ちゃんを撫でてたら簪がしがみ付いてくる、ほほぉん、嫉妬か、嫉妬なんだな?

 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

部屋から見える満月を眺めながらふと思う。

これの後に起こるイベントが俺が知っている範囲で最後のイベントだ。

正確に言うと危うく俺が殺しかけた福音のパイロット、ナターシャがバスに乗り込んでくるのが最後なのだが、まぁ時間にして5分も無いだろうから実質この後のイベントが最後といっても差し支えないだろう。

福音で死んでしまったわけだし以後に出てくる「敵」は途轍もなく苦戦するんだろう。

それに多分福音は魔改造がなされていた、誰にされたのかは言うまでも無いが。

もしかするとその「彼女」が原作のラスボス役割なのかもしれない、だとしたら以後いっちー達ではなく「俺個人」へと向けられる敵は魔改造がなされている可能性が大きい。

 

そうなれば俺だけじゃなく簪も狙われる可能性もある。

社は言ってしまえば世界で一番安全だろう、防御システムは理論上現在全てのISによる総攻撃を受けてもこちらは人的被害を一切受けることなく完全撃破できる。

それにハッキングの成功も無い、何故かは知らないが母さんが組んだプログラムはIBISでさえ突破不可能らしい。

IBISは母さんが組んだAIでそれに俺が手を加え「感情」を創り出した物だ。

その対電子戦性能は篠ノ之束を超える。根拠は他でもない、実際に防御して見せたのだから。

今回の作戦開始前ブリーフィングでブリーフィングルームで彼女が侵入してきた際、部屋内全ての映像システムをハッキングした、俺の使用したシステム以外を。

そしてそのプログラムの防衛統括システムはIBISだ、つまり恐らくIBISの電子戦性能は篠ノ之束を超えるだろう。

そのISでさえ母さんの防衛プログラムを突破どころか理解する糸口さえ掴めない、それに実際の直接戦闘ならば万を越えるナインボールが、無数のISをも破壊する防衛兵器がISを尽く破壊するし最悪、俺が創った対IS用電子パルスでシステムダウンを起こさせる事が出来る。

 

「なぁ簪?」

「なぁに……?」

「この臨海学校が終わったら、一度家に来てみるか?」

「え……、その……ご、ご実家に……ご挨拶……?」

「まぁな」

 

主な理由は簪に対する危害から簪を守るためのカラードのシステム登録のためなんだが、まぁ間違いでもあるまい。

四六時中俺が付いていれば恐らく守り切れるんだろうがそういう訳にも行かない、俺はカラードの特殊技術総合リーダーでカラードの次期社長、そして簪は日本の代表候補生。

双方とも近付きすぎるのは問題でしかない、今はまだ…な。

 

まぁそれは今置いといて、とりあえずいっちー達を覗きに行くかな。

 

「よし、ちょっと遊びに行って来る、なぁに心配無いさ、直ぐに戻ってくる」

「待って……待って信一郎……! まって……!!」

「なぁに泣きそうな顔してんだ、大丈夫だって……じゃあ、行って来る。チェンジ、アーマードコア……ナインボールセラフ」

「行かないでぇ……!!」

 

突 然 の 最 終 決 戦 !

 

「簪……愛してる」

「しんいちろぉ!!」

 

ステルスを起動して海岸沿いの岩場周辺を飛び、ENVG(Enhanced Night Vision Goggle)を起動すると二つの赤い反応、そして離れた所に四つの反応。

そして……かなり離れた所に2つ、いや、3つの反応だ。

後者は違うだろう、何かは知らんが…

 

お、移動を始めた。

んふーふ、追っかけてる追っかけてる、そーら逃げろ逃げろ、鬼に捕まっちまうぞー。

 

よし行け! 押し倒せ! ヤっちまえ! 

 

「ん……」

 

なにモジモジしてんだよ、さぁ殺せ(羞恥心を)……殺してみろぉッ(羞恥心を)!!

お、おぉ? ブルー・ティアーズのビットがフヨフヨ飛んできたぞ?

おい、邪魔するなよ、いまいい所だろうが。

取り合えず進行地点の前に立って身体で止めてみようか。

 

ガシャン

 

あ、いっけね、着地音なっちまったいな。

 

ガンッ

 

いっけね、ブルー・ティアーズとの接触音がなったわ、あー駄目だコレ…いっちーがこっちに向きかけてるわ。

ステルス解除、んで両手の平を二人に向けて……

 

「何の音―――」

「い、一夏…一体どうしたと―――」

『ターゲット確認、排除開始』

 

「い」「ひ」

「「ぎゃあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」」

『キヒャハハハハハハハハハハ!!』

 

ひー馬鹿みてぇ、二人ともビックリするぐらい近付いて、てか抱きしめあって叫んでるんだもんな、最高に馬鹿馬鹿しい。

なんでそこまで出来るのにそこからができねぇんだよ。

ん、お? 通信だ、対象は…母さんか。

 

『ひー、キッヒ、母さん? なに?』

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

―籐ヶ崎 麗羅―

 

反応の通り、ここに居るみたいね。

邪魔をする気はないし、しばらくは待っててあげる、でも二人きりになれそうなら絶対に逃がさないわ。

……会話が聞こえてくる、ベストポジションかしら?

 

「―る天才が、大事な妹を晴れ舞台でデビューさせたいと考える。そこで用意するのは専用機と、そしてどこかのISの暴走事件だ」

 

…そんな、そんなくだらないことの所為で、シン君は…死ななきゃならなかったの、苦しまなきゃならなかったの?

ふざけないで、いま直ぐにでも頬を引っ叩いてやりたいわ。

 

「暴走事件に際して、新型の高性能機を作戦に加える。そこで天才の妹は華々しく専用機持ちとしてデビューと言うわけだ」

「へえ、不思議な例え話だね――」

「そして、ソレと同時にその天才にとって邪魔な存在を消す。それで天才の描くシナリオを邪魔する物は居なくなる…筈だった」

「イレギュラー、居てはいけない存在、楽園(ファンタズマゴリア)…理想郷(メタファリカ)を消しかねない存在」

「だが、私の生徒だ。私が守るべき生徒だ、それが例え世界にとって、天災を越えるイレギュラーであったとしても」

「ちーちゃんは…その天災の敵なの?」

「私の生徒を傷つける物は天災であっても敵だ…だが――」

 

「――束、お前は、私の大事な親友だぞ。お前にとって私はどうだ?」

「うん、うん……そうだよちーちゃん、束さんにとってちーちゃんは大事な親友だよ」

 

「なぁ束、お前にとってこの世界はつまらない物なのか」

「――――――――」

 

聞こえなかった、まぁいいわ、私には関係のない話だもの。

 

「そうか…わたしはそこそこ楽しんでいる」

「そうなんだ、じゃ、行くね」

 

どこかに消えたみたいね、でも視覚的でしかない、レーダーにはゆっくりと歩いているのが分かるもの。

 

「こんばんわ、織斑先生」

「! …なぜ」

「まずは…シン君の良き教師で居てくれた事に感謝します。ありがとうございます」

「…えぇ、私は教師ですので」

「それと、世界を変えれるイレギュラーはシン君と篠ノ之束だけじゃないんですよ、では…失礼します」

 

ビジョンステルス起動、サウンドステルス起動、サーマルステルス起動、さて…篠ノ之束は…あら、結構近いのね…先回りできるぐらいには。

 

 

 

 

「こんばんわ、篠ノ之束さん?」

「…どうやって束さんを見つけたのかは知らないけど、ううん、キミが誰なのかも知らないや」

「私はあなたが殺そうとした子のママ」

「ああ、あのイレギュラーの―――」

「黙りなさい小娘、自分が世界で一番偉いと勘違いして、全てを拒絶して、狭い世界で満足しているあなたが、シン君をイレギュラーだなんて甚だ可笑しいわ。あなたの方が、可哀想でちっぽけなイレギュラーよ」

「うるさいよ、勘違い? それこそ可笑しいね、もしそうなら、束さんは……」

「ちっぽけな世界じゃなかった? 馬鹿みたい」

「……もういいよ消えなよ」

 

あら、レーザーライフルなんて出して、どうする気かしら?

 

 

私のエネルギーシールドには効かないのに…ねぇ?

 

「…なんで、どうして? 束さんが、私が作った最高の…」

「だから言ったでしょ、世界で一番偉いなんて、勘違いして」

「どうして…」

「……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうして、どうしてどうしてどうして?! どうして今なの!! なんで今さらなの?! もっと、もっと早く!! もっと早く居てくれれば!! もっと早く…………!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…やっぱり、まだまだ子供ね。ねぇ?」

「…………」

 

あーあ、シン君育ててた時の方が楽……まぁシン君は特別だったしね、それとは比べるべくもなしね。

 

「お名前は?」

「…知ってるでしょ」

「お名前は?」

「篠ノ之…束」

「ねぇ、束ちゃん? 頼れる人が、分かってくれる人が居なかったのよね」

「……」

 

あら、捻くれちゃって…ほんと、小学生、ううん。幼稚園児みたいね。

 

「束ちゃん、今から頼ってみてもいいんじゃない?」

「もう、もう遅いよ……」

「なんで? 諦めるのは早いわ、その天災って言われた思考がもう遅いって結果を出しちゃったの? それなら貴女の目の前に居る人を見なさい。その人はまだ諦めるには早いって考えてるに違いないわ」

 

あぁ、私も母親になったから分かるのね、この子、縋りつくような目をしてる…

 

「いいの? 頼っていいの? 分かってくれるの?」

「もちろん、もう子供を一人生んでるのよ? その上何万人の人を抱えてるの、今更一人頼ってくる人が増えても問題なんて無いわ」

「でも、束さんは……」

「別に何時でもいいわ、どんな風に頼ってくれてもいい、なんなら私をあなたの目標にしてもいいのよ? まぁ……越えられないけど、ね」

 

そ、絶対に越えられない…何があっても越える事は出来ない、だから目標にしてもいいのよ?

 

「うん…うん、うん! ねぇ! 名前は?」

「私? 籐ヶ崎麗羅よ」

「麗羅…れいら、れーら…うん、れーちゃんって―――」

「麗羅さんって、呼びなさい」

「え? だって――」

「呼びなさい」

「れ、れーら…さん」

「よろしい」

 

あ、それと…コレを忘れちゃ駄目ね、絶対に!

 

「束ちゃん、こっち向きなさい?」

「なーに? れーらさヘブゥ?!」

 

うん、いいわ。シン君ってあんまり、と言うかほぼ全然悪い事しなかったから怒る機会って無かったのよね、それにしてもほっぺ、スベスベね。

 

「にゃ、なんで…? なんで束さんを叩くの?」

「悪い事したら、怒らなきゃ駄目でしょ? 束ちゃんはシン君を殺そうとしたじゃない? と言うか、殺したじゃない? だったら……ねぇ?」

「ひぅ!」

「ごめんなさい、は?」

「え、え…え?」

「ご め ん な さ い は ?」

「ご、ごめんなひゃい?!」

「はい、よろしい」

 

お姉さんは賢い子が好きです。でも馬鹿な子でも大好きです。

 

「じゃあね、束ちゃん? あんまりおイタしちゃ……」

 

 

 

 

 

「ダ メ ヨ ?」

「ひゃいいいいいいいいいい!!!!」

 

転移装置起動、座標LPNX-7749・OBSL-0154確定、経由、特殊エネルギー増幅衛星INF-PHIRA、転移開始。

 

私の頭脳を越える事は誰であろうと不可能。だって私はそう言う能力(チカラ)なんだから…

そういえば…束ちゃんのでっち上げた暴走機、あれ欲しいわね。

1から作るのは手間だけど、私なら改良できる。暴走させずに、扱える。

私には時間もあるし、束ちゃんよりも上の頭脳がある。

シン君に連絡して、ついでだし暴走機のパイロットも貰っちゃおうかな。

 

だって面白そうじゃない、コアを5つ積んだIS、無理やりとも言える過負荷を常にモニターし続けて抑制して、漸く扱えた物を、改良して常に安定した強力な戦闘能力なんて。

 

「有言実行ってね。IBIS、シン君に繋いでちょーだい」

『了解しました……あの』

「大丈夫よ、今は貴女とシン君を直接繋ぐリンクは切れてるみたいだけど、元気よ」

『……はい、繋ぎます』

「シン君?」

 

『ひー、キッヒ、母さん? なに?』

「良かった、元気そうね……IBISも心配してたわよ」

『ふむ…うおっと、おいモッピー落ち着けって、今母さんと電話中だから、後にしてくれ』

「うふふ、元気そうね、カラードの皆が聞いたら喜ぶわ、でね?」

『あぁ、なに? 母(バチン)さん、こん(バチン)な時間(バチン)に……(バチン)だから落ち着けって言ってるでしょう! プライベートシステムを搭載してる左腕を接続してないからこれ普通に電話状態なの! PAの干渉音普通に入るの!』

 

うふふ、楽しそう。良かった、本当に大丈夫みたいね。

 

「あのね、シン君。あの暴走機だっけ? アレ、カラード(うち)が貰う事にしたわ」

『あぁ銀の福音? 難しい事言うねぇ』

「大丈夫よ、アメリカもイスラエルもカラード(うち)の兵器を使ってるのよ?」

『ヒドイな、ハハッ』

「時間が空いたら操縦者さんに言っといて、貴女と貴女のISはカラードが身柄を預かるって……あ、そういえば…動けないんだったっけ」

『大丈夫大丈夫、やっとく、あぁ母さん。社に帰ったときにさ、会わせたい人が居る』

「ん、誰?」

『んー……恋人?』

「あら、あらあらあら! うふふふ、うん。 楽しみにしてるわ」

 

さぁて、どう言って貰っちゃおうかな、そうね。

もし断られたら、5分間アメリカとイスラエルで使われてる、うちの兵器をロックして、次断られたら、またロックして、全世界にアメリカ・イスラエルのカラード産兵器が全て使えなくなったって、全世界に放送しちゃうかも、でいいわね。

うふふ、さぁ有言実行!

 

 

―籐ヶ崎 麗羅視点End―

 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

「誰か…み、水……水を……」

 

この第1話のケンちゃんよろしく水を所望するいっちーをちっふーに頼みに頼み込んで特例で展開したアリーヤパーツで身体を補った状態で眺める。

んで最終的には長兄…長姉? を倒してその姉だか兄だかも倒すんだな。

ハハ、無い無い、もしあってもクローンとかじゃねぇともうポツポツ新しいのなんざ出ねぇって。

 

簪は別のバスだ、そりゃクラスが違うんだからバスも違うだろう、かなり駄々をこねると言うか、兎に角抗っていたが。

なんかいざ違うバスに乗る時になると今生の別れみたいに悲痛な泣き方をしてた、フランが居なかったら多分簪は俺の隣で俺の世話してたと思う。

 

「一夏! お姉ちゃん! お姉ちゃん水分持ってる!」

「な、なに……」

「お姉ちゃんの唾液―――」

「遠慮しときます」

 

それを えんりょするなんて とんでもない!

 

「こんにちわ、織斑一夏君っているかしら?」

「え? あ、俺ですけど……」

 

ここで乱入者だぁぁぁぁっ!! そう! 彼女はかの暴走機『銀の福音』の操縦者! その名も…!!

 

「へぇ…君がそうなんだ」

 

その名も……!!

 

「あ、あの貴女は?」

 

長い! 思ってたより名前を名乗るまでが長い! 長いよナターシャさん!

 

「私はナターシャ・ファイルス、銀の福音の操縦者よ」

 

ここでナターシャがいっちーにちゅーをしようとするが、ソレを断固として許さない人が! ここに居る!!

 

「それは許さんぞ、ナターシャ。一夏は私のものだ、私だけのものだ!」

「あら残念、どうしたら許してくれる?」

「どうあっても許さん」

「アメリカでは普通よ」

「だがココは日本だぞ」

 

そう! 極度のブラコンであるちっふーだぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!

 

「ナターシャ、少し外に出るぞ。お前達はバスで待っておけ」

「はいはい」

 

あぁそういえばカラードの正式な任務として福音の操縦者に伝えないと駄目なんだったっけ。

ちっふーとの会話が終わるまで、もしくはある程度進行するまで待っておくとしますかね。

あー…暇だなぁオイ、いっちーは500mlのペットボトル投げつけられてるし、楽しそうで羨ましい。

 

 

 

そろそろかね? さて、と…ちょいと俺も外に出ますかね。

 

「よっこらセックス」

「セッ…お前なぁ…はぁ、何処行くんだよ」

「あぁちょっとカラード関係で話があるんだ、少し出るわ」

 

 

「――飛ぶことが好きだったあの子が、翼を奪われた。相手が何であろうと許しはしない…!」

「あー、ちょいとよろしいかね」

「…あなたは?」

「バスで待っておけと言った筈だぞ」

「暴走状態の福音を撃破し、また福音に一度殺されたカラードの籐ヶ崎信一郎だ、カラードの特殊技術総合リーダーとしてナターシャ・ファイルス、話がある」

「あなたが……そうなのね…」

「回収し、分解、及び初期化される筈だった『銀の福音』そして操縦者であるナターシャ・ファイルス、貴女の身柄はカラードが預かる。いや……アメリカではなくカラードの所属となってもらう」

「うそ、そんな……!!」

「既にアメリカ、イスラエルには通達済み、及び許可取得済みだ。心配は無用、福音の分解初期化は行わないし望むならアメリカで住み続けても構わない、ただ所属はカラードだが」

「どういうこと…?」

「なにやら母さ……社長が福音に無理やり搭載された5つのコアを安定化させ暴走せず扱えるよう改良するだとか、その為最も相性がいいであろう貴女もうちの所属となった。それに聞いた話ではネットワークとの遮断も修正し元のようにするそうだ」

「5つのコア?! それにコアに手を加えるなんて…!!」

「言っちゃえばアレだがカラードは…てか母さんならISコアなら普通に量産できる、らしい」

 

正直本当かどうか怪しいけど、出来るって言うんなら、まぁ出来るんじゃないかな?

 

「詳細は後ほどカラードの護送部隊がココに来るので彼らに聞いて欲しい、アメリカも首を縦に振った、イスラエルもだ。そして福音は俺の右腕を見事に吹き飛ばして俺を殺してくれた、NOと…言って欲しくは無いな」

 

これは頼み事ではない、命令だ。ってな!

 

「では後日会おう」

「待て、籐ヶ崎」

「なんぞ、ちっふー」

「お前達は何だ」

「…………さぁ?」

 

ではバスに戻ろうかっと…さてさて、いっちーはどんな事になってるのかな?

 

「ほら飲め、直ぐ飲め、ドンドン飲め」

「疲れてるんでしょ、ほら飲みなよ」

「一気に飲み干して下さいな、ほらほら」

「農民のーちょっとイイとこ見て見たい、そーれ一揆! 一揆! 一揆! 一揆! いーっき一揆農民一揆! いーっき一揆農民一揆!」

「おごぼぼぼぼぼbbbbbbb」

 

やだこのヒロイン達怖ぁい…

……確か俺の鞄の中に1.5リッターのカルピスが入っていたはず。

 

「3.5リットルも水分摂取とかいっちー何になりたいの」

「くらげとかじゃないかなぁ~」

 

クラゲ:体の95~99%が水分で出来ている。

重要項目※脳が無い。

 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

「ではこれで校外特別実習期間は終了です! お疲れ様でした! 土日を挟んで月曜日が次の授業の日ですので、それまで皆さんしっかりと休んでくださいね。特に! 専用機持ちの生徒はじっくりと休んでください! それでは解散です」

 

真耶たんが1組の面々を集めて遠足の最後のアレをする。

帰りの会? いや、名称とか覚えてねぇ、てかそもそも俺今生は幼稚園も小学校も中学校も行ってねぇ…もし俺IS学園中退したら糞学歴だな。

まぁ何はともあれこれで社に戻れる訳だ、早いとこ自分で歩きたいもんだな。

 

「籐ヶ崎」

「あい? なんスか?」

「ISの……いや、ACの展開をやめろ、流石にこれ以上は許容範囲外だ」

「あー…まぁ、そうだよなぁ…」

 

その場で地面に座り込んで展開を止める。そうしなければ脚の長さ分の高さから地面に落とされるからな。

右腕で身体を支えつつ倒れないように維持、でもまぁかなりきついね、フラフラする。

……アレ? 今ちっふーACって言い直さなかった?

 

「信一郎……! 大丈夫……? 怪我してない……? お腹空いてない……?」

「よぉ、何だ簪、俺はアレか、赤子か」

「丁度いい更識、お前もこれ以降籐ヶ崎のサポートであってもISの展開を止めろ」

「で、でも……」

「あー、大丈夫大丈夫。今からカラードに行って義肢直して貰うから。フランが出来るのはあくまで整備だからな、データエラーは直せんし」

 

来いよ、とか言いながら移動を始めようとしたら簪が俺を持ち上げようとする。

 

「んっ……! っく……! あ、んっ……!!」

「簪、簪…素の筋力で俺を持ち上げるのは難しいぞ、この状態でも体重50オーバーだからな。あと声がエロイ」

 

あの「簪」が俺を持ち上げようとしたところで不意に漏らした「声」…あれ……初めて聞いた時…

なんていうか……その…下品なんですが…フフ…………

勃起……しちゃいましてね…………

 

「シン、ほら、コレ使いなよ。保健室から車椅子借りてきたよ」

「すまねぇなぁ、シャルりん……」

 

よっこらs……はい無理ー!

 

「悪いが誰か俺を車椅子に乗せてくれ、届かん」

「あ、じゃあ俺が…よっ…!! おっもいな!!」

 

結果的には簪シャルりんいっちーの三人に手伝ってもらってようやっと車椅子に乗れた。

あとは簪に車椅子を押してもらって目的地まで進むだけ。

 

 

 

 

一般用電車なう。

カラードの移動手段を得ることの出来る場所まで電車で移動中。だって奈良県だし、遠いし。

それとまぁ仕方ないっちゃあ仕方ないんだけど目立つよね、車椅子。

しかも右腕しかないから誰かのサポートがないと動けないし、場所とるし。

なんか面倒臭そうな女性が俺の方へと歩いてくるぞ、見覚えも無いぞ。

 

「邪魔だし目障りよ、他の車両に移りなさい」

「なっ……!! あなた……!!」

「あら、コレ貴女の? 障害者の男なんて価値無いじゃない、捨てれば?」

「ッ!! ふざけない―――」

「まぁ落ち着け、簪。心配すんな、慣れてる」

 

いかにもーって感じだ、まぁこんな事何度かあったし別に大丈夫ですけどー?

するとなにやら車内が何とも言えない暗い雰囲気になってくる。

 

※この私アーマードこれですが、障害者の方を差別等する気はありません。何より私の家族に所謂身体障害者と呼ばれる人が居ますし、私は家族が大好きです。ですので今回の描写で障害者の差別を好んでしているという訳ではないと言う事をご理解下さい※

 

「だって……!」

「心配なさんなお嬢さん、どうせ次の駅で降りる、故にもうしばし容赦して頂けないか」

「最悪、同じ駅で降りなきゃ駄目だなんて、ツいてないわ」

 

なにやら前方の方がザワザワしてきた、そして皆一様に窓の外を見てる、一体何があったのだろうか

 

「なんだアレ…」

「デカっ」

「あんな物あったっけ?」

「あれ、カラードエンブレム?」

 

やだ不吉な単語聞いちゃった、いったい何をやらかしてくれたんだろう。

 

「OH……スティグロ……」

 

それは 船というにはあまりにも大きすぎた

大きく 鋭く 重く そして存在感が凄過ぎた

それは 正にアームズフォートだった

 

『え、えー○○駅ー○○駅でございます。お出口は右側です』

 

プシューと右側のドアが開いたらなにやら見覚えのある女性が待っていた。

 

「簪、電車を出るぞ」

「う、うん……」

 

技術の進歩のお陰か車椅子でも問題ないほど段差も隙間も無いバリアフリーな電車を簪に押してもらって出る。

 

「お待ちしておりました、次期社長。カラードリンクスランク2、アンジェ、道中の護衛のため参上致しました」

「すまんね、忙しかったんじゃ?」

「えぇ、ですが…リンクスのトップから空いている者がとの事だったので…もし、もし私が普通に任務を請け負っていたら……オールドキングが、来る手筈になっていましたので、何としても、と」

「あぁ、気に入らなかったらショットガンぶっ放すもんね…」

「はい、下手なテロ屋よりも厄介です……次期社長、そちらの青い髪のお嬢さんが?」

「あぁ、そうだ」

「すまない、挨拶が遅れたな。私はカラード、レイレナード部署のテストパイロット、及びカラード私兵部隊のアンジェだ。失礼だが事前に調べさせて貰った、日本代表候補、更識簪さん」

 

ふと気付いたがここ電車を降りたホームです。

んでさっき俺に散々言ってくれた女性がアンジェの少し後で信じられない物を見たような顔でこっち見てるし、物凄い汗かいてるし、顔色なんて青通り越してコジマカラー。

まぁ暴言吐いた相手が会話から分かるだけでもカラードの次期社長、んで言い合い仕掛けた相手が日本の代表候補生、ついでに言うとカラード私兵部隊の護衛つき、そりゃコジマ汚染もされるわ。

女性の方を見てニッコリ笑うと何か目尻に涙を溜め始めた。

 

「その……えと、更識簪です……。よろしくお願いします……信一郎の……彼女、です……」

「いや、未来の嫁さんだ」

「ふふふ、それはそれは、では行きましょうか。皆待っています」

「まさかとは思うがスティグロでか」

「はい、スティグロまでは有澤製リムジンです」

 

あぁ、もし砲塔をつけると戦車(MBT)以上の性能になるアレか。

人はソレをリムジン型特種装甲車両と言う。

 

 

移動中なう。

 

「それにしてもご無事で何よりです。先日は戦力総動員で大虐殺が開始されん勢いでした、結局2割で済みましたが」

「なにそれ俺知らない」

「聞いていなかったのですか? 次期社長のバイタルサインが消えかけた時にカラードが大混乱に陥りましてね、かく言う私も銀の福音をバラバラに切り裂いてやらんと意気込んでいましたが」

「へぇ、簪知ってる?」

「フランが……言ってたから……知って、ます……」

「何故敬語なのか、まぁ緊張するなよ」

 

簪が涙目で俺の服の裾をつまみながらフルフルと首を横に降る。

この装甲車両の前後にガチ装甲車両が前に2機、後ろに1機、しかも上空にはガンチョッパーも5機飛んでる。ついでに多連装ミサイル装備型輸送ヘリが4機。

 

『ボース、後一本道だけどどうするー? トばしちまうか?』

「落ち着けジャック、ココはレース会場じゃないぞ」

『ちぇー、わぁーったよ、仰せのままにー』

 

このリムジンにミグラントランカー10位以内が一人、リンクスランク2位が一人、そして各乗り物に一人づつどれかのランク10位以内が一人乗っている。戦争でも始めるつもりなのかしら。

 

「特にIBISなんて酷かった、銀の福音に衛星砲を叩きつけようとしたり、格納庫内の無人兵器を総動員させようとしてましたから」

「母さんと父さんは?」

「主任は怒り狂っていましたね、静かに。対して社長は冷静でした、少なくとも戦力を2割に押さえるぐらいには」

「2割って…1割で全世界と大戦争できるのに」

「まぁ一度次期社長のバイタルサインが消えてから昨日の夜、次期社長から連絡が来るまで自己進化型の兵器を作ろうとしてましたが」

「俺が案だけ出したパルヴァライザー?」

「そうです」

「いかん! そいつには手を出すな! って言ったのになぁ」

『あーあー、聞こえるかー? ………偉そうにしやがって、マジで強いのかよ? 今日で後進に道をゆz――』

「ジャック!」

『やっべ、アンジェ聞こえてたのかよ! あー、お三方、スティグロに到着したぜ。じゃあ少し揺れまーす、ご注意下さいってな』

 

輸送ヘリが下部マニュピレーターで装甲車とリムジンを持ち上げスティグロの上部ハッチへと輸送する。

余り人には優しくない浮遊感であるがまぁ仕方ない、ヘリ内部ならまだしも荷物の中身なのだから。

 

『よーし、いいぞーもう大丈夫だ、全員降りてくれ、んでアンジェの指示に従ってくれればいいぜ』

「はぁ、全く……多少腕はあってもあれではなぁ…」

「いいって、俺はアレでも全く問題ないんだから」

 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

紆余(大阪でスティグロを降り)曲折(ヘリで奈良まで飛ぶ)あって漸くカラード本社に辿り着いた、俺は慣れてるけど簪が相当グロッキー。

 

「うぼぉぉぉええ゛え゛え゛え゛ぇぇぇぇぇ………お、俺は…俺は面倒が………うぼろろろろろろろ!!」

 

簪よりもグロッキーなのがいたわ、しかも相当参ってるわ。

簪の耳を塞ぎつつ顔を逸らせるアンジェ、そうだよな、貰いゲロなんて誰だってしたくないし見たくも無いよな。

後のアレが見えないようになるカラードのフロントまで簪を連れてくる。

さて、ではお決まりのセリフを。

 

「カラードへようこそ! 歓迎しよう、盛大にな!! …まぁ車椅子の上からで失礼するが」

『あーあー! 聞こえるー? ゲストの子ー?』

「?! ?!」

「心配しないでくれ、この声は次期社長のお父上、主任の声だ」

『あ、アンジェー、護衛あんがとねー!』

「はい、コレで任務を完了します。じゃあ簪さん、好きに会社を見回ってくれていい、禁止区域以外はな」

 

アンジェが凄く綺麗に歩いてフロントエレベーターへと向かう。エレベーターが開くと一度中の人物に礼をし、入れ違いで消えた。

入れ違いで出てきた人物は…白銀の長髪、紛れた二本の長い三つ編み、そして少女と言えるほど低い身長にスレンダーな身体。

まだ十代にしか見えない上に日本人と大きくかけ離れた容姿、だが先祖代々純粋に日本人なんだそうだ。

 

「いらっしゃいお嬢さん、そしておかえりなさい、シン君」

「ただいま、母さん」

「お、おっ……おじゃましまひゅ!!」

「ふふ、大丈夫よ、緊張しないで。ね?」

 

我が母の籐ヶ崎麗羅だ、ふと思ったが俺父さんの名前知らない。籐ヶ崎…なんだ?

それとその後ろでこちらへと歩いてくる四脚AC。

 

『おかえりなさいませ、信一郎様。とても心配致しました』

「ッ……?!」

「IBIS、ただいま。心配かけてごめんなさい」

『本当です。危うく国家解体戦争が始まる所でした』

 

武器は装備していないが一度武器を持てば間違いなく無慈悲に相手を虐殺する凶悪な性能のACが目の前に出てきたためか簪が凄まじい勢いで驚いている。

いやまぁ、簪コレがそんな狂キャラだと知らないから多分普通にACが社内を徘徊している事にビビッたんだろうな。

 

「始めまして、私はシン君…信一郎の母、籐ヶ崎麗羅です。貴女の名前は?」

「さ、更識簪……です……」

「知っていると思うけどカラードの社長もやってるわ」

『カラードの軍事衛星兼総合統括AIのIBISです。この機体は、そうですね境界のラ・ピュセルとでも言っておきましょう』

「に、日本の代表候補生で……信一郎の……その……恋人をさせて……頂いてます……」

「違う違う、未来のお嫁さんだ」

「あらあら」

 

 

 

『私は反対です』

 

 

 

「何故ですか?」

『更識と言えば幾度と無くハッキングを仕掛けてきた組織ではありませんか』

「ッ……」

『具体的な数字を示しましょうか、現在1076回です』

「その程度何の問題も無いでしょう。それに簪自体は一切関与してない」

『ですが』

「静かになさい、IBIS。あなた、心配しすぎよ?」

『心配もします。私にとって信一郎様は父であり、弟でもあるのです。私は信一郎様が生まれた時より見守り、話し相手にもなってきました。そして私に感情を与えて下さったのは信一郎様です』

「故に弟であり、父であると?」

『はい、ですので不穏分子は――』

「あー、その……じゃあさ、IBIS……いや、お願いだよ、『姉さん』。簪との交際を認めてくれよ、『姉さん』」

 

『そ、そんな……ですが、その…………し、仕方がありませんねっ! 他でもない大事な弟の頼みですから! わ、わかりました! み、認め……認め、ま…しょう…!!』

 

やだ、IBISちょろい。ちょっと弟として、父として凄く心配になってきた。悪い人に引っ掛からなければいいけど。

 

「じゃあIBIS? 私はシン君とお話があるから、簪ちゃんを案内してあげて、禁止区域も解放していいわ。出来るわよね? シン君のお姉ちゃんなんだから」

『も、勿論です! 弟の為ですから! 私の大事な、おとう…と……うぅ。シンがぁ…私のシンがぁ……お婿に行っちゃうよぉ……』

 

凄まじいブラコンだった、俺の回りの姉キャラにはブラコンシスコンしか居ないのか。

四脚のACがガションガションと歩きながら簪を連れて行く、シュール。

 

「じゃあ部屋に行こうか、シン君」

「うぃ」

「押してあげるね」

「ありがと、母さん」

 

あぁ、嬉しいけど…けど、母さん顔真っ赤やん、メッチャ必死やん、母さん非力やねんからもうちょい他の人に頼るとか…

10キロを持ち上げれないもんね、一昔前の車椅子ならきっと微動だにしないだろうね、高性能ってか良素材で出来てるから動かせるんだろうね。

……待てよ? 別にカラード社内だったらAC展開できね?

 

 

 

 

むしろ母さんを乗せて俺が押してきました。社長室です。

 

「じゃあお話だけど、まずは……ううん、コレは帰って来てくれたんだから、言う必要は無いかな。じゃあそうね、義肢の事だけど、どんな状態なの?」

「うーん、ピクリとも動かんね」

「見せて頂戴。…………あれ? 別に何処もおかしくないよ?」

「え、早くない?」

「でも何で動かないんだろ…」

「あー……もしかして」

 

IS適性がないと動かせない義肢なんだよな、そう言えば……一度死んで構成が変わったか?

よっし、俺の作り変えー………完了。

 

「お、おぉ…やっぱりか、動く動く」

「そ、なら良かったわ。で、次のお話だけど……シン君今何歳?」

「……16だけど?」

「んー……シン君、この会社のデータシステムは、私のボイスパスコードで、制御が可能です。ですが、言葉ではなく、歌がパスコードです。今から歌を歌います」

「ん、うむ」

 

「では行きます。 鮮やかに 萌える緑 新しい 小さき生命 永え―――」

「ストップストップ!! なんでスリープ?!」

「シン君、何でスリープだって分かったの?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この世界に、アルトネリコは無いのに」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ッ!!!」

「やっぱりね、ねぇシン君、もう一度聞くけど、今幾つ? ママは足したら54歳かな」

「そんな、馬鹿な……母さんも…?」

「ママが神様に頼んだ3つの能力(チカラ)はまず『世界最高の頭脳』そして『見た物の理論の完全理解』最後に『波動科学の完全理解』の3つ、容姿はデフォルトサービスだったし、せっかくだからシュレリア様にして貰ったの、シン君は?」

「……能力は2つ『理論無視で物質の創造変化』、『根性』歳は……105」

「なるほど……だからシン君の作ったACの理論が分からなかったんだ、理論が無いんだもんね」

「俺は…俺は何て言えば……」

「何言ってるのシン君、あのね? たとえママと同じ転生者であろうが、あり得ないイレギュラーであろうが、シン君は籐ヶ崎信一郎なの、ママの大事な子供なの、だから心配なんて必要ないわ」

「母さん……」

「まぁ、ママの二倍近く生きてたなんて驚きだけどね。じゃ、改めて……コレからよろしくね、シン君?」

「うん……これからよろしくお願いします。母さん」

 

 

 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

…ふむ、身体の調子は頗る良い。腕も脚も良い具合に動いてくれる。

あとは車椅子を学園に返して……面倒だなぁ、持って行くの。俺は面倒が嫌いなんだ。

 

『信一郎様、一通り簪様をご案内いたしました』

「あぁ、ありがとう。姉さん、呼び方はシンでいいよ」

『し、シ…シンっ! 案内してきたよっ!』

「その……戻ったよ……信一郎……」

「おかえり簪、どこか面白いところはあった?」

 

丁度簪とIBISが戻ってきたのでそろそろ………っと、忘れてた、IBISに用があるんだった。

 

「MSACが……面白かった……、あとね……! 有澤重工の人がね……! ヒーロー物が好きだってね……!」

「あぁ、MSACはミサイル系統と電子工学に強いからな、有澤は古き良き日本を体現してる感じだし、てか大艦巨砲主義だし」

 

俺も有澤好きだよ、アルゼブラも好きだよ、インテリオルもオーメルもGAもBFFも、言っちゃえば全部好き。

 

「簪、俺は俺で少しやりたい仕事があるんだが……なんなら見てみるか?」

「だ、駄目だと思うよ……? 私一応……倉持技研だし……」

「じゃあ私と話をしましょ? 簪ちゃん、シン君の学園の事とか、色々聞きたいしね」

「姉さん、ちょっと約束してた事で来て欲しい」

『予想より早くて驚きです』

 

 

 

と歩いて歩いて俺の部屋、取り合えずベッドの上を片付けてベッドの横に椅子を持ってくる。

 

「約束どおりに身体を創るけど、オーダーはある?」

『性別が女性であるなら何でも構いません』

「難しい事言うねぇ…」

 

前に俺が女装したときベースでいいかな、髪は黒、身長は俺より少し高め……は止めておこう、180超えてるし。

170にして、おっぱいは大きいよりも美しいだから、Eぐらいでいいかな、俺の胸囲をそのままおっぱいにしたらGとかHとか、もしかしたらもうちょい大きいし。

筋肉で引き締まっているけど脂肪で柔らかい女性の肉感を大事にして……なんかふぇちぃな。

鎖骨と骨盤はしっかりと、ふぇてぃずむ凄いもの。

顔はヨーロッパ系の美人でクール、大丈夫だろ、母さん見た目が日本人じゃないし。

 

「よーしいっくぞー3、2、1」

 

練成!

 

「ハイできたぁ!」

『早いですね』

「所謂サイボーグ、質感とか感覚とかは普通に人間だから、筋力や性能が兵器染みてるけど。もう動かせるよ」

『では…』

 

ゆっくりと目が開いて手を顔の前に持ってきたIBISが握ったり開いたりを繰り返している。

 

「まだオーダーがあったら言ってくれればいいよ」

「そうですね、では……その、とりあえず…き、着る物を……」

 

人間と同じように顔を紅くして恥ずかしそうに伝える。OH、全裸だったわ、全然気にしてなかったわ。

 

「取り合えずビジネススーツ一式で、今作ったけどサイズはピッタリな筈」

「し、シン……あっちを向いて、は…恥ずかしい…」

「ごめーん」

 

俺が創ったし俺の想像の産物(読んで字の如く)だから別に俺が見ても興奮とかしないんだけどねぇ。

後ろから布擦れの音が聞こえるけどビックリするほど何も感じない「あー、服着てるんだなー」としか思えない。

でも大丈夫、俺は別に不能じゃない。簪で普通に勃つ………簪凄く積極的だから押せばヤらせてくれるんじゃ無いだろうか。

いや、いかん、いかんぞ。それは18歳になってからだな……

 

「着終えました」

「…うぃ、じゃあ戻るかね」

「了解しました」

 

後ろをぎこちない様子で付いてくるIBIS、まだ慣れてないんだろうな、ACとは構造が違うし。

 

 

 

 

 

 

5分もしたら慣れたのか俺よりも遥かに綺麗に歩いている。学習能力パネェ。

 

「ビーットビットビットアクアビットマンッ!! とぉうっ!!」

「アクアビットの リーダー(バイで変態な美女)が あらわれた」

「おぉ?! おぉぉぉ?! 信一郎君! 信一郎君じゃぁないですかぁ!! 無事だったんですねぇ! よかったですねぇ!! ところで見学に来た青い髪の女の子知りません?! オドオドしてて可愛い子なんですよぉ! きっとトロトログチャグチャに蕩けさせたらもっともっともぉぉぉぉっと!! 可愛くなると思うんですよねぇ! でも先ほどIBISに邪魔をされちゃったのですぅ! だからだからだから今度こそぉ!」

「簪は俺のものだ、俺のものだ!!」

「んー、ん~~~~~~~~~??? もしかして信一郎君の彼女ってぇ、あの子だったんですかぁ? はぁ~~、残念ですねぇ……そうだぁ! ね、ね、信一郎君! あの子とファックした時はトロトロの表情をぉ、写真で撮って送って下さいよぉ! そしたらもう一日中部屋に篭ってぇ、オナニー出来ますぅ!」

「やだこの人、普通にピー音入りそうな言葉使ってくる」

「シン、ここはお姉ちゃんに…」

「んぅぉ?! おやおや!! これまた美人ですねぇ! うふふぅ、青い子の埋め合わせはぁ、貴女にして見ましょぉ~~!! そのお堅そうな表情をぉ、バイブ両方に突っ込ンで潮吹かせながらアヘアヘ言わせて崩してあげますよぉぉぉぉ~~~~~!!!!」

「消えなさい、イレギュラー!!」

「あひぃぃぃぃぃ! アイアンクローらめぇ! らめなのぉぉぉぉぉ!! 逝く! 逝っちゃうぅぅぅぅぅぅ!!! んほぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

身体をビクンビクン揺らしながら舌をでろんと出して喘ぐアクアビットリーダー、世間一般でアヘ顔と言われる物を晒している。だが処女だ。

 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

なんとか寮の外出禁止時間までに戻れたので一安心、簪には早めに戻ってもらって俺はヘイロー降下とか何これ、ふざけてるの?

なんかIS纏った教師が銃突きつけてきたけどそりゃ普通そうするわ、ちっふーが来なかったら蜂の巣だっただろうケド。

 

「あ゛ー疲れた…おおぅ、ベッドって気持ちいいんだなぁ…」

 

全社員に簪を紹介して、IBISの新ボディを紹介して、溜まった仕事消化して、全員に無事だったお祝いパーティして貰って、なんかプレゼント貰って、量子変換して、入りきらなかったから量子変換粋拡張して、時間掛かりそうだったから簪には最新警護車両他で先帰ってもらって、んで俺はギリギリだから高速機からのヘイロー降下って……

 

「死にそう、あ゛ーパルス起動……あれ? ドアのキー閉めたっけ? あー、メンドクセェ、もういいやぁ、おやすm……」

 

がちゃりとか今鳴った気がするけど気のせいだろう、モルダーあなた疲れてるのよ………

 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

「ん、ぅ……ふ…ぁん…」

「ん゛ー? っく、あ゛ー……良く寝たぁ……んだぁ?」

 

【認めたくない物だな】緊急速報、超薄着(殆ど全裸、しかも透けてる)の簪が俺の隣で寝てる【若さゆえの過ちを】

 

しかも俺昨日上半身だけベッドに乗っけた状態で寝てたはずなのにちゃんとした状態で寝てるし、半裸だし。

俺の腕にしがみ付いてこうね、上腕三頭筋が、てか二の腕がおっぱいに挟まってるの、しかも手首より先が視認不可能なの、簪が股に挟んでるの。

ワタシハ、ナニカ、マチガイヲ、オカシテシマッタ、ヨウダ……

 

「ん、んん……ふ、ぅ……くぁ、しん…ちろぉ……」

「お、おはようございます」

 

もぞもぞと動いて俺の上にのしかかってそのまま首に手を回す簪、おっぱいが俺の胸の上で形を変えてすっごくエロイです。

 

「昨日……凄かった……よ?」

「わー、やっぱなんかしてたのかー、きおくが、きおくがgggggggggggggg」




今回少しだけえっちぃのがあります。注意してくださいね!
詳しい事は個人のフロム脳で保管してください。
出来ない? 何のための妄想力だ、バカバカしい!(CV:スミちゃん

今回一万八千文字、何か平均がドンドン長くなってる気がする。

批評、ご意見、質問、お待ちしております。

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