コジマ汚染レベルで脳が駄目な男のインフィニット・ストラトス   作:刃狐(旧アーマードこれ)

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マウスハナニカ…サレタヨウダ…
…マトモニ…ウゴカナクナッテシマッタ…

コジマオセンヲ…シンサクヲ…トウコウシタイ…
コレイジョウ…コウシンテイタイヲ…

トウコウ…シタイ…
キョウリョクシテクレ…


デキタ……

シンサク……トウコウスル…

コレデカイホウ……サレル……

前回の続きからで6対2から始まります。
その後水着を買いに外出。
今話はそんなお話です。

以下本編



お互い好きにやってそのお願いは聞けないが水着は買いに行くお話

「さて諸君、ガチ機のお披露目だ、派手に行こう!!」

 

直後上へと、相手よりも高く飛び、まずいっちーをロックする。

 

「さて、一応天敵だからな。騙して悪いが勝ちたいのでな、墜ちてもらおう」

「げっ、マジかよ!!」

『信一郎……、どうする……?』

『お互い、IS・AC乗りだ、連携も無いだろう?好きにやれ…俺もそうする…』

『頑張ってね……』

 

ガトリングとグレ腕をロックしている限りトリガーハッピーよろしく撃ち続ける。

 

「ぎゃぁ?! ちょっ、あぶな!!」

「い、一夏ッ! こっちに来るな! 流れ弾にあt」

「あぁっ! 箒さんが!!」

「クッ…仇は取るぞ…!!」

「まだ落ちてないっ!!」

 

お互い連携も何もないが流石にコレは酷い…散々じゃねぇか…!

簪はシャルりんと鈴音を相手にしているな、少しきつそうだ、鈴音はともかくとしてシャルりんが合わせるの巧いんだよ、だから自然に鈴音に合わせて連携を取るからキツイ。

 

「4人相手だとアサルトアーマー使いたくねぇなぁ…」

「食らえッ籐ヶ崎!!」

 

ガキュイーンっと軽快な音を出してレールカノンの弾が明後日の方へ飛んでいった。

対ネクスト戦なんて想定できるわけ無いからPAをぶち抜くには技術のすれ違いがある、だからよしんば抜けたとしても減衰が凄まじい上単純にバカみたいに硬いガチタンに弾かれるのだ。

 

「そんな?!」

「くっ、ならば行きなさいブルー・ティアーズ!」

 

EN兵器はいい選択だ、PAをぶち抜くのに適している、が! ビットではPAを抜いても減衰がやはり凄まじいし、なにより制波装置でPAを強化しているんだからな!

ガトリングでいっちーを狙い続けながらノーロックで腕グレをせっしーに向け、発射!

 

「っくぅぅ!!」

「ほう! ビットを操作しながら回避できるようになったのか!」

「あまりわたくしを見くびらないで欲しいですわね!」

「だっ駄目だぁぁぁぁぁぁぁ!!! もうエネルギーがぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

そりゃクイックブースト紛いにイグニッションブーストの小規模版を何度も使ってりゃENなくなるわ。

 

「ちっくしょぉぉぉぉ!! こうなりゃ自棄だ!! くたばれっ! シィィィィィィン!!!」

「乙」

 

半泣きでブレード(非零落白夜)を構えて突っ込んでくるいっちーの顔面に腕グレを命中させて叩き落す。

 

「やっぱりかぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

「一機落とした、これで二千万は死んだ」

「あぁっ、一夏さんがやられましたわ!」

「くっ、よくも嫁を!」

「食らえェェェェェェ!!」

 

モッピーがマシンガンを乱射しながら刺突を行ってこようとするのでとりあえず引きつけて右にクイックブーストで回避。

 

「あっ…」

 

即座にクイックターンでモッピーの背中にガトとグレをありったけ叩きつける。

 

「くっ、くそぉっ!」

「流石打鉄、実弾防御力が高いな」

「来るなっ! 離れろ!」

 

クイックブーストでモッピーを追いかけつつグレで止めを刺す。

 

「イヤん!」

「四千万」

 

「仕方ない、オルコット! 私が前衛になる! 後衛は任せた!」

「分かりましたわ! 籐ヶ崎さんに目に物を見せてやりましょう!」

「マハハハハ! あまり俺を…舐めない方がいい!!」

 

直後にオーバードブーストで時速千キロオーバーへ、らうりーをクイックブーストで避けせっしーの目の前で急停止、せっしーが回避を始めるよりも早く自爆覚悟でグレガトを一斉掃射、軽量機の宿命をたっぷりと味あわせて落としてやった。

 

「六千万…!」

「そんなバカな?!」

 

さてさて、前々から疑問だったんだがらうりーのAIC、限界停止数は幾つかな? 限界処理能力はどれだけかな?

 

「EKLAKH-ARMS(腕マシ)右背部GAN01-SS-GC(ガトキャ)」

「なにっ?!」

「見せてみな、お前のチカラ(限界)をさ…」

 

俺の前方への視界がマズルフラッシュでほとんど何も見えない程の狂連射性能でらうりーを狙う。

勿論競技用ISなぞ5秒と持たないだろう。

 

「う、ぐぅ……ぅぁ…だ、めだっ…!!」

「ハッハァーッ!! こんだけ近いのが運の尽きだなぁ!!」

「ぁ……」

 

オープンチャネルで聞こえたか細い声と共にロックオン不可になる、ふむ、5秒マイナスしたら12秒か、中々耐えたな。

 

「八千万!」

 

直後両肩にコジマキャノンを出しチャージを開始する。

威力をかなり制限しているのでほんの数秒でフルチャージ完了、威力は所詮競技用だ。

ロックオンせずマニュアル操作で簪と戦っているシャルりんを狙う。

 

オーバードブースト・クイックブーストで自分(発射台)を加速しコジマキャノンを発射、スナイパーライフルと謙遜ない速度で緑の光が走った。(ゲームはミサイル以外で発射台加速は出来ません、たぶん)

シャルりんが気づいたときには時既にお寿司、人間の反応可能速度及び距離ではなかった。

 

「え? あれ? そんな…ロックオン警告が…無かった?」

「一億!!」

「んうぇ?! もしかして…1対2…?」

「そうさね」

「覚悟して……ね?」

「お手柔らかに、お願いします」

 

にっこりと笑う鈴音を見て簪と顔をあわせ、二人で笑顔を作り話し始める。

 

「そのお願いは……!」

 

簪の山嵐一斉発射で鈴音が涙目になり。

 

「聞けないねぇ!!」

 

俺のすれ違いAAでシールドを引っぺがし、鈴音が「ふにゃっ!」と鳴く。

直後ミサイルが着弾し…

 

「にゃあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!」

 

鈴音が泣いた。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「何故だ、何故勝てない! 6対2、3対1……いや、4対1だったんだぞ?!」

「生身の人間が4人タバになった所でISを落とせないのと一緒、単純なスペック不足だよ」

「一発も当てれなかった…当てれなかった…」

「いい気味……」

「ふぐぉぁ?!」

 

食堂で反省会という名の愚痴り大会が行われている。

俺の反省かー、機体が強すぎる事かな! それに対して俺があんまり強くない事かな!

ちらりと横を見ると本音ちゃんとらうりーが並んでもきゅもきゅと夕食を頬張っている。実に癒される光景だ。

らうりーの頭に手を伸ばし撫でてみると一瞬ビクリと震えたが徐々に目を細めて気持ち良さそうに俺の攻撃(撫で撫で)を受け入れている。無論食事は続けたままで。

 

「シンにー、私も~」

「ぁっ……」

「こ、困ったぞ…」

 

俺が手を離すとらうりーが何とも言えない声を出した、生前お爺ちゃん子な孫娘がもっと撫でて欲しいけどおじいちゃんを困らせちゃ駄目だから言い出せない時の残念そうな声。

片腕はゴツゴツの鉄塊だからとてもじゃないが撫でる事なんて出来ない、右腕でしか…撫でれないから…二人を相手に出来ない…!

 

「は、初めてだ…! 俺の左腕が義手である事をこれほど悔やんだのは…!」

「シンって腕のことに関してあんまり悩み無かったんだね…」

「なぁシャルりん…」

「何かな?」

「らうりーの事お願いするわ」

「な、撫でろと…?」

 

そうだ、同室であるお前が…お前がなすべき事なのだ。

理解できんと見える…ならば教えてやる、決定的な違いと言う物を!

 

「うりうり」

「ぅゆゆ~、はふぅ~」

「な、なーでなーで…?」

「ん、む……何か…違う」

「え?!」

「何と言うのか…籐ヶ崎のほうが落ち着くし、安心する」

「そんな……」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ねくすとでぃ

 

俺が自室に篭っているとノックの音が部屋内に響いた、ラフな格好のままドアを開けると簪が部屋の前に立っている。

始まりはこの一言から始まった。

「信一郎……、付き合って……欲しいの……、いい……?」

本人同士の勝手な約束だが婚約しただろう、今更付き合ってとは何事…まで考えて理解する。

 

「あー、買い物か」

「うん……いい……、かな……?」

 

やだー、僕ちんったら自意識過剰ネっ☆

おぉ、デートだデート、婚約してから初めてのデートだ、そういや日曜だったっけか?

いかんな、義手に無駄機能を追加するのが楽しくて忘れてた、ちなみに今回追加したのはフリーブースターと言う物である、ググっても多分出てこない、なぜなら俺の創った言葉だから。能力で言葉も創れる!

 

「説明しよう! フリーブースターとは左腕肩部から発せられるブーストで右に進むだけではなく謎技術により左に進む事も出来るのだ! むしろ上下左右どこへでも進めるのだ!」

「どう……したの……?」

「生身でもクイックブーストが出来るように義手を改造した」

「なに……その……、謎技術……」

 

簪げんなり、俺の意味不明行動は今に始まった事ではないだろう、まぁそんな事より早く行こうじゃないか!

多分場所はショッピングモールだな、うふふ、楽しみだ。

 

「よし簪、動きやすい服をして行ったほうがいい、ズボンが一番好ましいな、あと長袖だ、通気性が高い方が今はいいかな?」

「……? わかった……、じゃあ……部屋で待ってるね……」

 

と、部屋から遠ざかって行く簪を温かい目のつもりで眺めながら扉を閉める。

さて、着替えるとするか、生憎量子変換にお目当ての服は入っていないので一々自分で着替えなければならんが、まぁ仕方ない。

 

簪に選んで貰った革のライダージャケット、それに合わせて黒のライダーパンツ、ライダーブーツを装着。

シンプソンのヘルメット、型式SB13とライダーグローブを持ってイザァ☆

簪用のOGKのジェットヘルメットも忘れないようにっと…

んでこの一式装備を量子変換で一時的に収納しておく、量子変換で収納してあった別の私服を呼び出して部屋を出る。

 

「こんにちわ、籐ヶ崎君。少しいいかしら?」

 

部屋を出て目の前に生徒会長が立ってたでござるの巻。

 

「よくない、俺に用を作る前に簪と仲直りすればいいのに」

「うぐぅ…!! じ、実はその簪ちゃんの事で少し話が…!」

「簪が会長の事を「更識先輩」と呼んでいたわけだが」

「しゃらしきしぇんぱいィ?! 完全に他人?!」

「ん、急がなきゃな。じゃあ俺はコレで、お義姉さん」

 

「あげない……あげないわ、あなたに簪ちゃんはあげない!!」

 

殺してやる、殺してやるぞ! と言い出しそうな雰囲気で佇む楯無…たてなし…たってー、否、否。

たっしー、うむ、たっしーを置き去りにして全力ステップ+ブースト、その速度は時速100キロを越えるのだ!!

 

「ぅおぇ…、ぎぼぢわるい…」

『当たり前です。生身で時速136キロまで一瞬で加速すれば普通の人なら気絶するか死に至ります』

「ぁぃ…」

『では、今日はもうデートは中止と言う事でよろしいですね』

「治った、治した、行くぞ俺は」

『……何故です。どうしてそこまでして更識簪とのデートを楽しみにしているのです』

「美人の涙が、最優先さ」

『では、私が仮定として涙を流してデートして欲しいと頼むとします。そうすれば信一郎様は私とデートを致しますか?』

「はい、そのつもりです」

 

そう答えるとIBISはただ一言「わかりました」とだけ言って通信を切断した。

それにしても今回のIBISは何か変だったいつもだったら「お言葉ですが更識簪様は今回のデートに関して涙を流していません」って返ってくるかそんな感じで返してくるのにな。

 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

簪と合流、かわゆいデザインの長袖のシャツとふんわりした感じの短いワンピースみたいなやつ、そしてジーンズでした。

IS学園から通じるモノレールに乗っているが乗っている人数はそれなりだが俺以外女ばかり、当たり前だが。

いざゲートに来るとまるで飛行場のアレみたいな探知機やら数多くのスタッフが待機している、学生証を提示してその後危険物を所持していないか金属探知機を当てられる。

 

『ピーッ ピーッ ピーッ』

「その場で動かないで下さい」

「はは、やっぱりだ、やっぱり引っ掛かった」

「し、信一郎……?」

 

続いてピンポイント探知機みたいなので調べられる。やはり左腕、両足で作動。

 

「なるほど、義手と義足でしたか、もうしわけありません、どうぞ」

「ここまでテンプレ」

「そういえば……前にも……、あったね……」

 

毎度毎度ここで止められて身体検査をされる、そろそろカラードの手を回した方がいいかもしれない。俺の☆学園★ライフ☆のためにも。

 

「そうだ、簪」

「何……?」

「会長が俺に話があるって言ってたんだけど、まぁそれは別として」

 

たっしーの事を話しに出した途端物凄く不機嫌そうになる簪、ふむんむ。

 

「仲直りしないのか? そもそも最初は何で避けてたんだ?」

「最初は……、ただの劣等感で……更識先輩と比べて……、自分が……、惨めに思えるから……避けてた」

「ほぅ」

「でも……、私は私……。教えてくれたのは……、信一郎だから……、今はもう……、大丈夫……」

「ならばもういいんじゃないか?」

「だけど……、更識先輩は私と信一郎を……、利用しようとしたから……信一郎に謝るまでは……、絶対に許さない……!」

 

だそうです、あぁいや、別に俺がそう言った所で何も変わることは無いんだけどな。

 

「んー、まぁいいや。じゃあレゾナンス行くか、HUD(ヘッドアップディスプレイ)起動」

「どうしたの……? 早く駅に……」

 

量子変換で入れておいた俺のバイクを呼び出し、ライダースタイル一式を纏う。

 

「え、えぇ……、バイク……?」

「ほれ、簪のヘルメット」

「う、運転……、出来るの……?」

 

自慢じゃないが生前は大学へ行っている5年の間ほぼ毎日走ってたりそれ以外は趣味でツーリング行ったり、今生では学園に来るまでカラードの敷地内で好き放題走っていた。

だからこの運転でこの籐ヶ崎信一郎に精神的動揺による操作(コントロール)ミスは決してない!と思っていただこうッ!

 

自分のメットを装着し、グローブを着ける、まわりの人間が珍妙不可思議な物を見ているような表情をしている、無理は無い。

いきなり何も無い空間からバイクが出てきたり一瞬で服装が変わったり、カラードと俺の関連性が分からない人間にとっては最早魔法だ。

 

「うーん、我が愛しのフルノーマルホーネット250。二人乗り用のステップを下ろして跨ってくれ」

「ステップって……、これ……?」

「そう、それ。メット被った?」

「うん……」

「ちゃんと締めた?」

「締めたよ……?」

 

先に俺が跨ってエンジンを掛ける、ふぃーんふぃーん、うむ、安っぽくて特徴的な懐かしい音だ。

 

「そこに左足乗っけて、俺の肩を掴んで跨るんだ。よし、そう」

「た、高いね……、足が届かない……」

 

ホーネット、愛称「骨or蜂」はシートの位置から地面まで中型バイクでは低い方だ、まぁ後は少し上に上がってるから多少高くは感じるだろうが…それでも大型に比べて低い…と思う。

まぁ考えてみれば簪がちっちゃいだけなんだけどな!

 

「ふぃぃぃぃぃん、いいぞ…冴えてきた。しっかり掴まっとけよ?!」

「あ、あのあの……、えと……」

「世に平穏のあらんことを! ハッハー! まだまだ行けるぜ、メルツェェェェェェェェェルッ!!!!!」

「ひゃ、ひゃ……!」

 

あぁ、ご心配なく。ちゃんとウィンカー出して後方確認して道路に入りましたんで、速度も法定速度しか出してないし道路交通法はたった一つ以外守ってます。

 

「……んい………!! め…きょ………く……!!」

『わりぃ、走ってる時は全然聞こえないからプライベートチャネル使ってくれ、ただの音声通信で未展開なら大丈夫だろ、きっと』

『え、えと……、信一郎……、確か二人乗りって……、免許取得してから……、何年か経たなきゃ駄目だって……』

『あぁ、一年だな。無論まだ免許取得からそんな時間は経ってない』

『じゃ、じゃあ……!!』

『簪、権力ってのは使う為にあるんだぜ』

『セリフが……、そのまま悪役だよ……!!』

 

だが力なんて持ってるだけじゃ意味が無い、方法はなんにせよ使わなければ無駄でしかないのだから、だから使うのだ。

 

『あ~、やっぱ感覚がおかしいなぁ…』

『どう……したの……?』

『うむ、左腕と両足機械じゃん? クラッチ握る感覚もシフトチェンジも後輪ブレーキもなーんかおかしい』

『信一郎が……、そうなったのって……確か……、10歳頃って……、聞いたんだけど……?』

『まぁそれ以前からバイクで走ってたしな』

 

ほんの50年ほどだけどな!

 

『ん、曲がるぞ。しっかり掴まっとけ』

『んぅ……』

 

簪が俺の腰に手を回して抱きついてくる、柔らかい女の子の身体がgggggg。

(ロシア国家)代表、見ているか! 貴様の望みどおりだ! だがそれでも…勝ったのは、我々だ!!

 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

「よし、到着だ!」

「安全運転……だったね……」

「そりゃあな、それと簪、何買いに来たんだ?」

 

エンジンを切って簪が降りた後俺も降りてバイクを収納する。

ヘルメットとグローブも外して拡張領域に収納、世界広しと言えども拡張領域にバイクやら服やら突っ込むのは俺ぐらいだろう。

 

「えっと……水着……、買いに来たの……、えと、その……信一郎に……見て欲しいな、って……」

「あぁ、そうか、そういやそうだったな。全然ちっふーの話聞いてなかったわ」

 

臨海学校だったっけ? あれ? なんかもっと長くてクソ面倒な名前だった気がする。

 

「信一郎も……、買う……?」

「ん、そうだな。俺も探すかな」

「じゃあ……、決めたら……、連絡する……」

「おう」

 

簪が女性用水着売り場に消えたのを確認して男用水着売り場へと脚を踏み入れる、女性用の場所と比べて実に肩身が狭そうだ、まぁ元々男が水着を選ぶのにこだわりなど多く持つ事が無いからこれぐらいで丁度いい。

さて、どの褌にしようかなぁ…んぉ、クソ地味な紺色海パンを手に持つアレはハーレム野郎のいっちーではないか!

 

「よう、首輪付きィ、信一郎だ。クレイドル03(女性水着売り場)を襲撃する、付き合わないか。変態の連中ヌル過ぎる。視姦など、結局は(羞恥心を)殺すしかないのさ…だろう?」

「おぉ?! っと、なんだ…シンかよ。驚かせんなって」

「なんだ、今日は誰とデートだ? シャルりんか?」

「シャルと来たけど、別にデートじゃねぇよ」

「世間一般ではそれをデートと言うんだ。ところでいっちー、赤フンと白フン、それか黒フン、どれが似合うと思う?」

「褌オンリー…新しい、惹かれはしないな。無難に普通の海パンにしとけよ」

「そうだな、オリーブの海パンにトップレスで行くか」

「逆に男でトップレスじゃなかったら特殊な競泳水着じゃない限りキモイわ」

「アンダーレス……」

「おいばかやめろ」

 

やったねいちか! 変態が増えるよ!

 

「じゃあ俺はもうこれ買って行く、じゃあなシン」

「見事な引き際だな」

『追撃しますか?』

「慌てるな…次も敵とは限らんだろう」

 

オリーブカラーのスィー(海)ペェンツ(パン)を手に持ちつつIBISとふざけ合う。

さてさて、俺も早いところお支払いを済ませて店を出るかな。

 

「カードで」

「はい、畏まりました」

 

ここの店員は別に驚いたりしないのな。驚かれても困るんだけどさ。

店を出てHUDを起動、バイク運転時に使用していたナビゲートモードからターゲットサーマルモードにする。特徴を指定したデータを入力すれば80%以上の一致率からその人間が視界内に入ったとき熱源反応としてディスプレイに映される。

入力するデータは「銀色の髪」「眼帯」「小柄」の3つ、勿論らうりーを探す気満々れす。

余談だが「武器を所持」「友軍以外」で索敵も出来る、カラードの私兵部隊全員に持たせている機械でもある。

 

女性用水着売り場で熱源反応、サーマルモードを解除、スコープモードに移行、目視完了。らうりーみーっけ☆

 

「でれっでれっ、でん、でん、でんでれっでれっ」

 

ピンクパンサーのBGMで気分はコメディ映画のスパイシーン、勿論歌いながらだと一瞬でばれるので心の内にとどめて足音を立てないように移動。

義足を静穏歩行モードにしてらうりーの背後へと蛇のように静かに、獲物を仕留めるかのごとく確実に、着実に一歩ずつ。

 

「どこに行ったんだ」

「わたくしに聞かれましても困りますわ」

「あっちから一夏の気配がする…」

「…………クヒッ」

 

いきなりらうりーが振り向くと同時に鋭利な物を俺に突き刺そうとしてきた、心臓が口から出るんじゃないかってぐらい驚いて左腕で咄嗟に防御する。

 

「クッ…!! 貴様、何も…の?」

 

一跳び飛び退いて直ぐにハンドガン(P8〔USP〕)を俺に突きつける。が、直ぐ疑問符にセリフが変化し、ゆっくりと銃口が下ろされる。

 

「…驚かせるな」

「俺もその言葉を返したいよ、らうりー」

「ら、らうりゃ? にゃんでナイフと銃持ってんの…?」

「なんだ、代表候補、国家代表で専用機持ちは個人携行武器の所持及び任意使用が許可されているぞ、知らなかったのか?」

「…わたくしも、思わず構えかけましたわ」

「え? え?」

「無論俺も持っているがな」

 

そう言って両足の太股周辺を両手でポンポン叩く、この中にナイフが納まっているのだ。

 

「ナイフを返せ、籐ヶ崎」

「関節に入り込んでるな、上手いもんだ。ほら、らうりー」

「無意識でも敵の弱点に攻撃を出来なければ特殊部隊の隊長などやってられん」

「わたくしなら眉間を撃ち抜きますわね」

「こわい、こわいよぉ…このひとたちこわいよぉ、たすけていちかぁ…」

 

中国では武器の携帯を許可されていないのか?

それとも鈴音がただ単に対人戦闘を想定していなかったか。

あとどうでもいいかもしれないが駅で身体検査の際に専用機持ちであることを証明書なりなんなりで示せば武器の携帯は許可される。それでいいのか日本。

 

「信一郎……? なにしてるの……?」

「おぉ? 簪か、もう買ったんだけどな、何か集まってて面白そうだったからちょっかい出してた」

「そう……」

 

なんだか妙に不機嫌そうだ、簪の手には大人しめで明るい色の水着がハンガーに一式引っ掛かっている。

 

「じゃあの、俺は今日簪とデートだから、とっとと撤退させてもらおう」

「見事な引き際だな」

「追撃する?」

「慌てないで下さい、次も敵とは限りませんわ」

 

天丼、俺がもうやったネタだ、多分こいつらは無意識だが。

 

「あの……、信一郎……これ……、どうかな……?」

「ふむ、ふむふむふむ……いいな、実に可愛い、だが一般男性が居る所で着て欲しくはない」

「どうして……?」

「簪は俺のものだ、俺のものだ!」

 

独占欲程度は俺にだってあるんだぜ?

だが思い出して欲しい、俺の総合年齢は齢100を越えている、一世紀以上生きているおじいちゃんが高校一年生に恋をした、歳の差90近くの恋。

不思議! 感動大作!

 

「ぁぅ……、恥ずかしい……」

「じゃあ買って帰るか?」

「うん……」

 

簪に付いて行こうとしたら先に外へ出て待ってて欲しいと言われた、俺の立場が無い。

外のベンチを某やらないかさんのように占領していたら見知った顔を発見した。

 

「お、フランとレイじゃん、デート?」

 

我がカラード所属のフラン・バッティ・カーティスとこれまたカラード所属専属傭兵のレイ。

偽名だそうで本名は分からない、フランは知っているそうだが教えてくれない。肝心の本人も無口なので分からない。

 

「はい、そうなんです! 彼が久しぶりに日本に帰ってきたのでデートしていたんです!」

「…………」

 

また、レイは量産タイプのACを所持しており、ついでに言うとドミナントだ。

あとココでおまけ、量産型ACはISと1対1なら互角で戦える代物で量産タイプの見た目は俺のようなパワードスーツタイプではなく全長10メートルほど(TYPE-Ⅴは5メートルほど)の本家本元ACである。

公にはなっていないがカラードの戦闘要員は一人一機所有、俺の希望でVRアリーナがあり、ACタイプ(ネクスト・Ⅴ・旧作)により分けられ上位30ランカーには希望のチューンアップが施される。

Ⅴランキングのトップランカーがこのレイなのだ。

総合ランキングのトップが俺だがどう考えても機体性能でトップなだけだ、同じ条件で戦ったらトップ10にさえ入れないと思う。

 

「つまりはカラードに戦争を仕掛けるのは自分の首を絞めるどころかレーザーブレード振ってるのと同義だな」

「…………」

「では私達はデートに戻ります。更識さんのこと、大事にしてあげてくださいね。信一郎さん」

「おう、勿論だ。お二人さんもお互いに優しくな」

 

腕を組んで歩き去る二人を眺めながらふと思う。そういやあの二人って10歳以上年齢離れてるんだっけか。

○リコン(余談だがACVではデフォルトキーアサインの場合○ボタンでリコンを射出する)とは言わんよ、ブーメラン投げてる気しかせんからね。

 

『信一郎様、少し希望があるのですが』

「んぉ、なんです?」

『私が使用可能な外部ヒューマンユニットが欲しいのです。よろしければ製作しては頂けないでしょうか』

「あー、はいはい、いいですけど臨海学校以降でいいですか?」

『はい、構いません。では首を長くしてお待ちしております』

 

首を長く…か、実際首を長く出来るボディを創ってみても面白いかも知れん、なにせIBISはAIなのにジョークも分かるし感情も持っているからな。

 

「信一郎……、ただいま……」

「うぉ、おかえり。早かったな、言葉は不要か」

「じゃあ……帰ろっか……?」

「うっし、じゃあバイク出すz」

「電車で……」

「え、いや…バイk「電車……ね?」

 

はひ、怖いです簪さん。

どうやら簪にとってバイクはお気に召さなかったらしい、ライダーとしてはとても切ない気持ちである。

ならなぜ簪がバイクを嫌がったのか考察してみよう。ふむむむむ!

はい、免許取得1年以内での二人乗りという道路交通法違反ですね、わかります。

 

「じゃあ……、駅行こっか……?」

「hai!」





以上本編 以下後書き

驚く事に特に書くことがありません。
強いて言うならば皆さんは法律は守ってくださいね。
道路交通法違反なんてしちゃいけませんよ、自分の命は勿論周りの人の命も守るための物ですからね。

次回かその次か、もしくはその次か、そのあたりで主人公死にます。

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