「ユート!!大丈夫か?」
荒廃したビルの谷間で膝間付き息を切らすユート。その目は充血し焦点が合っていないというような状態であった。
「ユートどうした?」
「黒咲さんあれ!!」
黒咲が他のメンバーが指差す方向を見る。そこにいたのは白いバイクにまたがるあのドラゴン使いであった。
「貴様!!ユートに何をした。」
「知らねえよ。こっちだってなんか気持ちが悪いんだからお互い様だっての。」
「この融合の手先め。」
「そうだそうだ消えろ融合使い!!」
「だあああああ!!黙って聞いてりゃ好き勝手言いやがって!!
俺は融合じゃねえ!!ユーゴだ!!」
そう言うと白いバイク乗りはどこかに消えていった。
よくはわからないがある程度まで走り去ると光になって自然消滅したのだ。
黒咲はユートの肩に手をかけるとホテルに向かって歩き出した。その時彼らは謎の青服の集団に囲まれてしまった。
青服の集団は突然整列するとその奥から一人の男が歩いてくる。金髪で華奢な長身、そして高い鼻、まさに外国人という風貌である。
「お前ら大丈夫か!?」
遠くの方から声が聞こえる。振り返ると走ってくる人影が見えた。
「英斗さん、どうして?」
「ユートの調子が悪いって聞いて心配できた。」
「あなたがこの地域のリーダーという訳ですか。」
外国人風の男に話しかけられると英斗は一瞬動きを止めた。ただならぬ2人のにらみ合いにとてつもない威圧を感じる。
「私はデュエルアカデミアオベリスクフォース所属の強襲部隊隊長のマルス・フォン・ベルヌーイです。今日はそちらと和解協定を結ぶためにやってきました。」
「和解だと?テメェら俺たちの仲間をさらっておいて偉そうじゃねえのか?」
「そちらの言い分もわかりますが私達も貴方たちのために多くの仲間を失いました。先日もあなた方の地雷によって仲間の一人が目を怪我しました。」
「それって昨日のあいつか?」
昨日そういえば目に包帯を巻いた大男と戦った。
「だが俺たちは地雷など仕掛けぬ。」
「隼のいう通りだ、あくまで俺たちは防衛戦だ。」
「お黙りなさい。結果として怪我は負っている。そこで、3時間後ハートランドコロシアムで正式にデュエルを申し込みます。そちらが勝利した場合は黒咲 瑠璃を解放しこの世界から兵を撤退させます。ですが………。」
「負けた場合は軍門に下れと。いいだろう勝負だマルス!!」
3時間後 ハートランドコロシアム
そこには大勢の青服の人々がおりきちんと列をなして並んでいる。だが負けじとレジスタンスの面々もその数の多さを見せつけた。
しばらくすると敵の大将とレジスタンスのリーダーが中心のバトルフィールドに立つ。
「用意はいいですか?」
「いいぜ、行くぞ!!」
「「デュエル!!」」
【先攻】マルス LP4000 H5
【後攻】英斗 LP4000 H5
「私のターン!!私はフィールド魔法《
その瞬間バトルフィールドの周りから高層ビルがぐんぐんとはえてくる。その壁や床には大きな歯車が設置されている。
「私は《
《古代の機械兵士》
地属性 機械族 レベル4
ATK1300 DEF1300
「カードを1枚伏せてターンエンドです。」
「俺のターンドロー!!」
英斗はフィールドを確認する。相手は攻撃の的としか言えないようなモンスターを表側攻撃表示で出している。となるとあの伏せているカードは攻撃で反応する罠の可能性が大きい。
ここは通常召喚権を残しておくのが得策である。
「俺は自分フィールドにモンスターが存在しないので手札から《フォトンスラッシャー》を特殊召喚。」
フィールドに青い光沢を輝かせる巨大な剣を持った騎士が現れる。
《フォトンスラッシャー》
光属性 戦士族 レベル4
ATK2100 DEF0
「《フォトンスラッシャー》で《古代の機械兵士》を攻撃!!」
青い光の剣士が剣を振り上げたその時
「ダメージステップ伏せカードオープン、速攻魔法《ピアノ線の命綱》。
このカードは自分フィールドの表側表示の魔法罠を選択する。選択した魔法罠を自分フィールドに存在する表側表示モンスターに攻守0アップの装備カードとして装備し装備モンスターが破壊された時選択した魔法罠を破壊する!!
私は《古代の機械兵士》に《歯車街》を装備させる。」
2100ー1300=800
4000ー800=3200
剣士の一閃は機械兵士の体を真っ二つに引き裂きそのまま破壊される。それと同時にフィールド魔法も破壊され元の景色に戻る。
「あんたも大したことねえな。」
「ふっ、所詮あなたはエクシーズ次元でのお山の大将。
融合次元にはかないません。
《歯車街》の破壊時効果発動!!デッキから『アンティーク』と名のついたモンスターを特殊召喚する。現れよ《
今度は地面が割れそこから巨大な竜が現れる。だがその体は生物の体ではなく機械の残骸でできたような恐ろしい外見であった。
《古代の機械巨竜》
地属性 機械族 レベル8
ATK3000 DEF2000
「だったらこうしてやる。俺は手札から《
レベル4の光属性モンスター2体でオーバーレイネットワークを構築、現れよ《輝光士パラディオス》!!」
2体のモンスターが合わさると光をまとった白騎士が現れる。その騎士が体の周りを光となって飛び回るオーバーレイユニット2つを剣に吸収するとそのまま機械の竜に向かって強烈な真空波を放つ。そうすると《古代の機械巨竜》の攻撃力が0になった。
「《輝光士パラディオス》はオーバーレイユニット2つを使うことで相手フィールドのモンスター1体の攻撃力を0にする。」
「中々やりますね。」
マルスが不敵に笑った。
今日のオリカ
ピアノ線の命綱
速攻魔法
自分フィールドに表側表示で存在する魔法罠を選択。そのカードを自分フィールドに表側表示で存在するモンスター1体に攻守0アップの装備カードとして装備する。装備モンスターが破壊された時装備されたカードを破壊する。