暗雲から現れた巨大な影。異なる5つの首を持つそれは最強最悪の融合竜《F・G・D》である。
その恐ろしい瞳が英斗とユートをゆっくりと睨みつける。
【先攻】 ユート LP4000 H1 R2
【中功】 ユーリ LP750 H2 R2
【後攻】 英斗 LP4000 H2 R1
「僕は《F・G・D》で《幻影騎士団 ホークアイスナイパー》を攻撃。」
「《ホークアイスナイパー》は攻撃対象にされた時守備表示になる。さらに破壊された時墓地の『幻影騎士団』2体につき1枚ドローできる。
よって2枚ドロー。」
「僕はターンエンドだよ。」
ヘラヘラと不敵な笑みを浮かべ余裕をかましている融合次元の男。光属性以外のモンスターとの戦闘では破壊されない《F・G・D》。
(戦闘で破壊できない以上取るべき手段はこれしかない。)
「俺のターンドロー!!
俺は罠発動《
俺は墓地より《幻影騎士団 ブラッドマスク》2体を特殊召喚する。レベル4のモンスター2体でオーバーレイ。」
「来ましたね。」
2体のモンスターが黒い渦に吸い込まれると中心から《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》が翼を広げて飛んでくる。すると《ダーク・リベリオン》の翼の中心が縦に開きそこから紫色の稲妻が発生し《F・G・D》を包み込む。
「面白い技を使うねえ。」
「オーバーレイユニットを1つ払い相手フィールドのレベル5以上のモンスターの攻撃力を半分にしその数値分攻撃力を奪う。
トリーズンディスチャージ!!」
「おっと2回使ったところでこのモンスターは破壊されないよ。」
「だが戦闘ダメージは受けることになる。これで俺の《ダーク・リベリオン》の攻撃力は6250でお前のモンスターは1250、半分になったところでお前は終わりだ。
行け!!《ダーク・リベリオン》!!」
《ダーク・リベリオン》の巨大な牙が青白いオーラをまとい巨大な竜に向かって飛んでいく。
「あまいねえ。
永続罠を同時発動《王宮の門前払い》、《無常なる横暴》
《王宮の門前払い》は戦闘破壊されないモンスターとの戦闘でダメージが発生しなくなる。
そして《無情なる横暴》は自分フィールドのモンスターが戦闘破壊されなかった時攻撃してきたモンスターを破壊する。これにより……。」
黒い竜は巨大な怪物に牙を突き刺すがその体から放たれたオーラにより空中で爆散した。
「くっ……カードを1枚伏せてターンエンド。」
「僕のターンドロー。僕は先にゴミを片付けよう《F・G・D》よ《装甲竜 ガルネリウス》を攻撃!!
《F・G・D》 ATK5000
《装甲竜 ガルネリウス》 ATK3000
5000ー2000=3000
LP4000ー2000=3000
「ぐああああっ!!」
「カードを1枚伏せてエンド。」
「俺のターンドロー!!
俺は《限界竜 シュバルツシルト》を特殊召喚。更にフィールドにレベル8モンスターがいるので《星間竜 パーセク》をリリース無しで召喚。
2体のレベル8モンスターでオーバーレイ!!
エクシーズ召喚!!
《No.107 銀河眼の時空竜》!!
更に伏せカードオープン、速攻魔法《RUMークイックカオス》。
顕現せよ《CNo.107 超銀河眼の時空竜》!!」
黄金の鱗を持つ三首の巨龍が再びユート達の元に現れた。
しかしそれでも攻撃力は4500。
《F・G・D》には及ばない。
「俺は装備魔法《銀河の楔》を発動。
装備モンスターの攻撃力は800ポイントダウンする。
そして《超銀河眼の時空竜》の効果発動。
フィールドの表側表示のカード効果を全て無効にして相手は伏せカードを発動できない。」
「意味ないねえ。それじゃあ僕のドラゴンは……。」
ユーリがデュエルディスクの画面を見る。
そこには《F・G・D》攻撃力4200と表示されていた。
「装備魔法《銀河の楔》は『ギャラクシー』モンスターの効果によって向こうにはされない。」
「まさか!!」
「アルティメットタキオンスパイラル!!」
「ぐああああああああ。」
4500ー4200=300
LP750ー300=450
「ターンエンド。」
「ふふっ。ふふふふふふ………
あははははアーーーッハッハッハ!!」
「何がおかしい!!」
「僕のターンドロー。
さあて。終わりにしようか。
僕は罠カードオープン《邪竜巫女の生贄儀式》。
このカードは墓地のドラゴン族融合モンスターの召喚条件を無視して特殊召喚する。
だがこの効果で特殊召喚されたモンスターの攻守は0になる。更に」
「無意味な事を。」
「でも様子がおかしいです。」
「僕は手札より《高等邪竜復活千霊術》を発動。
自分フィールドに『F・G・D』が存在しドラゴン族モンスターが5体以上除外されている時発動可能。自分フィールドの《F・G・D》と表側表示の魔法罠を全て墓地に送ることで手札よりこいつを召喚する。
冥界の神よ、今ここに千の怒りと千の恨みを復活させ我が最強の下僕を復活させよ！！
いでよ《
フィールドの《F・G・D》の体がみるみるうちに膨張していくと身体中から竜の首と思われる骨格が体を食い破り現れる。そして原形をとどめないほどの首の骨に覆われたドラゴンが降臨した。
《
闇属性 ドラゴン族 レベル12
ATK？？？ DEF？？？
「このモンスターの攻撃力は全ての墓地に存在するドラゴン族モンスター1隊につき800ポイントアップする。よって攻撃力は8800!!
さあ止めだ。
怨念のサザンクロスフレイム。」
8800ー4500=4300
LP2000ー4300=0
「がああああああああああっっ!!」
「英斗さん!!」
「ユー……ト。」
「君をカード化するのはそこにいる子を倒してから一緒にしてあげる。」
「ユー……ト、お前が……決めろ……。」
「はい!!」