「俺のターン!!」
目の前にいる宿命の敵。
今、ユートの心は張り裂けそうな怒りに包まれていた。目の前には涙を流し、怯えた眼差しで助けを求める瑠璃がいる。フィールドを包み込む極度の緊張感が周りの雑音をかき消す。聞こえるのは自分の息と心臓の鼓動だけ……。
「俺は手札より《幻影騎士団 ブラッドマスク》を召喚。このカードの召喚に成功した時デッキより同名カードを可能な限り特殊召喚する。」
紫色のローブを被った不気味な少年と思われるものが現れるとそれは目の前で三人に分身を始める。
《幻影騎士団 ブラッドマスク》
闇属性 戦士族 レベル3
ATK300 DEF300
「俺は三体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!!
現れよ、全てを見据える神眼、
《幻影騎士団 ホークアイスナイパー》!!」
全身を鳥の羽で作ったマントを羽織った不気味な兵士が渦の中から現れる。
《幻影騎士団 ホークアイスナイパー》
闇属性 戦士族 ランク3
ATK2000 DEF1500
「このモンスターはオーバーレイユニットが存在するときダイレクトアタックができその際は守備力分のダメージを与える。カードを2枚伏せてターンエンド。」
「僕のターンドロー……。
ふふふ。」
カードを見ながら不敵に笑い出すユーリ。
その姿は不気味で見ているだけで背筋が凍ってしまいそうだった。
「僕のデッキは借り物でね、僕のよりは劣るけど君達ごときには十分さ。
僕は手札から《
デッキより《
真紅の目をした巨大な黒竜と隕石のごとく紅蓮に燃え盛る竜が黒い渦の中で合わさる。
その体は隕石のごとくゴツゴツとしていてその目は灼熱の赤である。
「更に手札から《黒炎弾》発動。」
「それは《真紅眼の黒竜》専用の融合魔法のはずだ。」
「残念ですが《真紅眼融合》で融合召喚された融合モンスターは《真紅眼の黒竜》として扱うんですよ。
僕はギャラクシー使いの君を選択するよ。」
「いきなり3500のバーンダメージか!?」
「俺は手札より《幻影騎士団 バーンジャケット》を捨てて効果発動。このターンの味方への効果ダメージを0にする。」
「すまないユート。」
「僕はカードを2枚伏せてターンエンド。」
「俺のターンドロー!!言っておくがさっきまでの俺のデッキとは違う。俺は《神獣王 バルバロス》を召喚!!」
「レベル8の最上級モンスターをリリース無しで!?」
「《バルバロス》はリリース無しで召喚できる。だがこの方法で召喚された場合元々の攻撃力が3000から1900になる。だが問題ねえ。手札より《幻水龍》を特殊召喚。更に相手フィールドに攻撃力が2000以上のモンスターがいるので《限界竜シュバルツシルト》を特殊召喚。
レベル8のモンスター3体でオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!!
ランク8《装甲竜 ガルネリウス》!!」
《装甲竜 ガルネリウス》
地属性 ドラゴン族 ランク8
ATK3000 DEF3000
「俺はカードを1枚伏せてターンエンド。」
「俺のターンドロー。バトルだ!!《装甲竜 ガルネリウス》で《メテオブラックドラゴン》に攻撃!!
《ガルネリウス》の効果発動!!
オーバーレイユニットを一つ払い相手の攻撃力の半分の数値を攻撃力に加える。」
《メテオブラックドラゴン》ATK3500
3500÷2=1750
3000+1750=4750
4750ー3500=1250
LP4000→2750
「《幻影騎士団 ホークアイスナイパー》でダイレクトアタック!!」
LP2750→750
「カードを1枚伏せてターンエンド。」
「僕のターンドロー。僕は《紅玉の方札》を発動。
手札の《
準備は整った……。」
ユーリが再び不敵に笑う
その悪魔のような笑みに誘われるように2人の前に不気味な鏡がユートたちの前に現れる。
「何だこれは。」
「何かが映り出した……。」
そこに映り出したのはユーリの墓地に存在する5体のドラゴンである。
「あれはまさか……。」
「知っているのかマルス!?」
「えぇ、あれはドラゴン族専用の伝説の融合魔法
《
墓地に存在する融合素材を除外することでドラゴン族融合モンスターを特殊召喚する魔法です。
そして……。」
「何を怯えている!!」
「ドラゴン族5体による最強のドラゴン。
それは……。」
「僕は墓地に存在するドラゴン族5体を全てを除外し
融合召喚!!
《
目の前に現れた鏡が砕け散ると上空を不気味な黒雲が覆い始める。その黒雲が渦を巻き始めると中心から雷鳴とともに巨大な影が現れる。
5つの首を持った最強のドラゴン。
「あれが……。」
「F・G・D……だというのか。」
「さあ、楽しませて……。
ふふっ、フハハハハハ!!」