普段と変わりのないいつも通りの朝を迎え事務所にいく準備をしていた。
今までの俺だったら絶対寝ている時間だ。我が社畜精神に乾杯。
そんな訳で家族を起こさないよう静かに準備、朝食を済ませなにも言わずに家を出発。やだ、俺できる男みたい。
朝早いにも関わらずアブラゼミの鳴く声が住宅街に響き夏の暑さを感じさせる。セミは一生の大半を土のなかで過ごしほんの少しだけ外へと出て一夏騒いで消えていく。
今の業界はセミのようなものでデビューまでは長く準備をしたにも関わらず少し流行ったと思ったらいつの間にかテレビで見なくなってしまう。
だから俺が、彼女達がセミとならないよう頑張らないといけないんだろうな。
そんなことを考えながら本日も比企谷八幡、出勤であります。
八幡「おはようございます。」ガチャ
小鳥「プロデューサー、おはようございます。」
伊織「全く、どーして私があんな風に扱われるのよっ。」
八幡「朝からあいつどーしたんですか?」
小鳥「昨日伊織ちゃんのお家に取材があったらしくて。その時に伊織ちゃんも出たらしいのだけれどアイドルって知られてなかったみたいなの。」
八幡「あー、水瀬財閥への取材だったのか。」
小鳥「はい。それで伊織ちゃん朝からずっとあんな感じで機嫌悪くて。」
八幡「はぁ。なぁ、水瀬。これからもっと頑張っていけばいいだろ?俺も出来る限り協力してやるから。」
伊織「竜宮小町のプロデューサーは律子でしょ。あんたなんて関係ないじゃないっ。」
八幡「うぐっ。お、俺も同じ事務所のプロデューサーとしてだな…。」
伊織「あんたのアドバイスなんていらないわよっ。もしこの伊織ちゃんに頼りにして欲しいんだったらもっと頑張りなさいよね。」
八幡「…はぁ。」
アーイマーイサンセンチッ ソリャプニッテコトカイ チョッ~♪
八幡「ん?メールか?あー、音無さん、天海が遅延で少し遅れるそうです。」
小鳥「はーい。分かりましたー。」
伊織「ねぇ、…春香とメールしてるの?」
八幡「ん?まぁ、メールと言うか業務連絡みたいなもんだがな。」
伊織「アドレス。」
八幡「は?」
伊織「メールアドレス教えなさいって言ってるのよ。」
八幡「いや、伝わんねーよ。ほれ。」
伊織「私が打つのね…。はい、登録できたわよ。この伊織ちゃんのアドレスが貰えて良かったわね。」
八幡「…お、おう。まぁ、何かあったら連絡してくれ。」
やよい「おはよーございまーす!」ガチャ
八幡「おはよう。」
小鳥「おはようございます。」
伊織「あ、やよい。おはよう。ねぇ聞いてよ。」
ナンデスカー?
コノイオリチャンノコトヲネ…
ソウナンデスカー
美希「おはようなのー。」ガチャ
真「おはようございます!」
小鳥「おはようございます。プロデューサー。」
八幡「あー、はい。二人とも来たな。じゃあ行くか。」
美希「いってくるのー。」
真「いってきます。」
小鳥「はーい。あら?やよいちゃんご機嫌ね。」
やよい「はい!今日伊織ちゃんと響ちゃんがうちに来ることになったんです!」
小鳥「あら、良かったわね。」
律子「おはようございます。」ガチャ
やよい「おはようございますー。」
律子「伊織いるわね。それじゃあ行くわよ。」
伊織「はーい。それじゃあ、二人共。あとでね。」
やよい「うっうー!いってらっしゃいですー!」
響「いってらっしゃーい!」
小鳥「さて、私も頑張るとしますか。」
美希と真を引き連れ駅へ向かっている。
今日はこの二人が雑誌の撮影が入っているためスタジオまで引率するといった感じだ。
端からみればかわいい女の子を二人連れている男に見えるらしく周りの男の目がいたい。俺も普段こんな感じなのか。もうするのは止めよう。
電車に乗ると夏休みだからかこの微妙な時間帯でも席が埋まるくらいの乗車率だ。運良く席が2人分空いていたので二人を座らせる。
事務所の最寄り駅から5駅離れたスタジオなので大して時間がかかるわけではないが席があいてるのに女の子を立たせておくってのは悪いからな。
美希「へぇー、プロデューサーって意外に気を使えるんだね。」
八幡「なんだよ、意外って。俺は超気を使えるぞ。こっちくんな、とか話しかけるな、とか言われなくても察するからな。」
美希「それは何か違うと思うの。」
真「はは…。でも、プロデューサーありがとうございます。別に立っていても良かったのに。」
八幡「まぁ、これから二人は撮影だからな。少しでも疲れていい顔が出来ないと困るしな。」
美希「そんなことしなくても、ミキはいつでもいい顔ができるの。」
八幡「念には念を、だよ。とはいっても次で降りるんだけどな。」
八幡「それではよろしくお願いします。」
美希 真「「よろしくお願いします!」」
カメラマン「はい、よろしくねー。」
ソレジャア マズハミキチャンカライコウカ
ハイナノー
真「プロデューサー。」
八幡「ん、どした?」
真「僕が撮るまでまだ時間がありそうなので。プロデューサーって学校ではどんな感じなんですか?」
八幡「基本ボッチだな。一人で登校して一人で昼飯食って一人で帰る。」
真「うわぁ…。じゃ、じゃあ部活とかは?」
八幡「部活は…一応入ってる。」
真「なんの部活ですか?」
八幡「菊地は何だと思う?」
真「え。えーと、プロデューサーは…文芸部とかですかね?」
八幡「ほう、その心は?」
真「え、えと。プロデューサーたくさん本読んでそうじゃないですか。」
八幡「はずれだ。」
真「降参です。何部ですか?」
八幡「奉仕部っつう部活。」
真「奉仕部ですか?具体的に何を?」
なんか、ここまでテンプレっつーか雪ノ下とのやり取りと全く同じだな。まぁ、意図的にやってるんですけどね。
八幡「困っているものに解決の策を与える部活だな。飢えている人に魚を与えるのではなく取り方を教える、みたいな感じだ。」
これまた雪ノ下のセリフだ。
真「なんだか深そうな部活ですね。」
八幡「別になんてことはねーよ。実際菊地のいうとおり本読んでるだけだったりするしな。」
真「部員は何人いるんですか?」
八幡「俺を入れて3人。」
真「もしかするとプロデューサー以外女の子だったりしますか?」
八幡「…まぁ。」
真「プロデューサーって事務所でも女の子にかこまれていますけど部活でもなんですね。」
八幡「おい。変な言い方するなよ。別にそういうような奴等じゃねーよ。」
真「ふぅーん。あ、プロデューサー!連絡先交換しましょうよ。」
八幡「ん、あぁ。ほれ。」
真「僕が打つんですね。プロデューサー、流石にこれからも連絡先とか交換するだろうからアプリ入れたらどうですか?」
八幡「あー、…そのうちな。」
真「その言葉言ってやってる人見ませんけどね。」
ばれたか。
美希「真ちゃーん。終わったよー!」
真「あ、うん。いまいくー!それじゃプロデューサー、いってきます。」
八幡「おう。」
オネガイシマース
ハーイ
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やよい「伊織ちゃーん。こっちですよー。」
伊織「ごめんね遅れて、取材おしちゃって。」
やよい「大丈夫ですよー!それじゃあ買い出しにいきましょー!」
響「自分も沖縄料理を振る舞いたいぞー。」
やよい「うっうー!それは楽しみですー。」
伊織「こんなにモヤシをかってどうするの?」
やよい「今日はモヤシ祭りですよー!」
伊織「なんだかパッとしないお祭りね…。」
やよい「着きましたよー。ここが私のお家です。」
響「おぉ、二階建てだそ!」
やよい「ただいまー。いい子にしてたー?」
「「「「おかえりー」」」」
長介「あれ?その人たちは?」
やよい「同じアイドルの友達だよ。」
伊織「水瀬伊織よ、よろしくね。」
響「我那覇響だぞ!よろしく!」
やよい「それじゃあ私準備してくるからー。」
~しばらくして~
やよい「皆ー、できたよー。」
伊織「本当にモヤシだけね。」
やよい「モヤシだけでもすっごく美味しいんだよー。」
「「「「うんうん。」」」」
やよい「それじゃー、モヤシ祭り開催~。」
「「「いただきまーす。」」」
モグモグパクパク
響「んまー。」
やよい「あれー?伊織ちゃん。食べないとなくなっちゃうよー?」
伊織「た、たべるわよ…。」ジッ
ハムッ
伊織「んんー、おいしい!意外といけるじゃない!」
やよい「まだあるからたくさん食べてねー!」
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オツカレサマデシター
これで今日の仕事は終わりだ。撮影は特に問題もなく星井も菊地もいい写真が撮れていたとおもう。
それにスタジオの人達に挨拶やお礼も忘れずにしたしな。
俺も段々と仕事に慣れてきたが、いいんだか悪いんだか…。
美希「今日はたくさん写真撮ったのー。」
真「そうだね。いい写真沢山とれてたと思うよ。ね?プロデューサー。」
八幡「あぁ、そうだな。良かったと思…」
アーイマーイサンセンチッ ソリャプニッテコトカイ チョッ~♪
八幡「すまん、メールだ。…水瀬?……悪い、用事ができたから先に二人で事務所にかえれるか?」
真「はい、大丈夫です。」
美希「それじゃ、プロデューサー。ばいばい」
真「お疲れさまです。」
八幡「あぁ、おつかれ。」
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From水瀬伊織
To比企谷八幡
Title緊急
今日響とやよいの家でご飯をご馳走になってたんだけれど、やよいの弟の長介くんがけんかしちゃって家出しちゃったの。
今響とやよいが探しているのだけれどまだ見つからないみたいだからプロデューサーにも手伝って欲しいのだけれど。
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少し展開が早すぎるかな…。
意見、感想よろしくお願いします。