八幡「765プロ?」   作:N@NO

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だから彼は働かざるを得ない。

クールデイイネー

ハイ,オッケーデース

アリガトウゴザイマシター

 

カメラマンとのやり取りが聞こえてくる。

どうやら如月も無事とり終わったようだな。

如月の方を眺めていると背中を平手で叩かれたような痛みが走った。

 

八幡「痛っ。って、水瀬。どした?」

 

伊織「ねぇ、この服…どう?」

 

振り返ると先程とは見違えるような格好をした水瀬がウサギを抱えて立っていた。

 

八幡「お、おう。その、悪くないんじゃ、ないですか?」

 

伊織「ふふっ。……あっ、い、良いのはいつも通りよ」

 

八幡「…さいですか」

 

◇ ◇ ◇

 

律子「やよいー、どうするか決めたー?」

 

やよい「服がいつもとおんなじだとダメかなーって」

 

あずさ「まぁ、やよいちゃんその服じゃ嫌なの?」

 

やよい「い、嫌なんかじゃないです。この服お母さんがアップリケつけてくれて。お気に入りなんです!」

 

あずさ「ならいいんじゃないかしら?それにそのパーカーのオレンジ、やよいちゃんによく似合ってるわよ」

 

やよい「本当ですか!うっうー。嬉しいですぅ!」

 

更衣室の方から高槻の声が聞こえてきていた。

 

八幡「…高槻も決まったみたいだな」

 

伊織「そうね」

 

 

伊織「…いつも通り、いい感じ」ボソッ

 

こうして今回の写真撮影はなんとか無事に終わったのだった。

 

◇ ◇ ◇

 

八幡「はぁ、やっと事務所に帰ってこられた…」

 

小鳥「お疲れ様です、プロデューサー。コーヒーです」

 

音無さんがコーヒーをワークデスクに置いてくれる。

なんかワークデスクって響き働けと言われているみたいで嫌だな。いや、言われてるんだけど。

 

八幡「あ、ありがとうございます。なんとか写真撮れて良かったですよ」

 

ワイワイ ガヤガヤ

フーン

ナ,ナニヨ

ウウン,ベツニ

 

律子「うん。写真、まずまずでしょ」

 

小鳥「まずまずどころか見違えるくらいイメージアップですよ!」

 

律子「ふっふっふ。これなら次のオーディション」

 

小鳥律子「「いけるっ!」」

 

この金の亡者たちめ…。

 

やよい「プロデューサーさーん」

 

金の亡者二人を呆れてみていると突然高槻に声をかけられた。

 

八幡「ん?どした?」

 

やよい「善沢さんにみんなの写真ほめられちゃいましたー!」

 

因みに善沢さんはライターさんだ。

 

八幡「まぁ、頑張って撮ったからな」

 

やよい「楽しかったね!伊織ちゃん!」

 

伊織「そうね」

 

やよい「あの、プロデューサー」

 

八幡「ん?」

 

やよい「手をあげてもらっていいですか?」

 

八幡「え、ああ。こうか?」

 

やよい「ほら、伊織ちゃんも」

 

伊織「う、うん」

 

やよい「うっうー。いきますよぉー!ハイターッチ!」

パシッ

イエイッ

 

事務所に三人の手のひらを合わさる音が響く。

 

なんだよ。

…恥ずかしいじゃねーか。

 

でも、まぁ、こういうのも悪くは…ないか。

 

◇ ◇ ◇

 

あれから数日たった。写真の効果があったのか竜宮以外のメンバーの仕事も段々と入るようになり、765プロ全体が次第に忙しくなってきた。アイドルたちはこれから更に忙しくなるだろう。

 

そして、俺はと言うと…

 

 

仕事、マジで辛い。

 

アイドル達を仕事場につれていったり現場の監督らに挨拶にまわったりとここ数日忙しくなっていた。

仕事がこなかったとはいえこれを一人でやっていた秋月さん、すげぇな。俺と年大して変わらないのに。

戸部風にいうと、秋月さんマジリスペクト。

 

んで、このあとはなにするんだったっけな。

 

八幡「…午後から天海と我那覇のレッスンか」

 

昼までいくらか時間もあるし少し休憩でもするか。

冷蔵庫にちゃんと奴を入れておいたからな。えーっと、マックスコーヒーっと。

 

カシュッ ゴクッ

 

この喉に絡み付く甘さが何とも言えないよな。そーいえば、最近スチール缶からアルミ缶になったのには驚いたな。

 

ガチャッ

 

春香「あ、プロデューサーさん、おはようございます!」

 

八幡「おう」

 

春香「プロデューサーさん、なに飲んでるんですか?」

 

八幡「これか?マックスコーヒーだよ」

 

春香「コーヒーって大人って感じがしますよねっ」

 

八幡「これは甘いやつだけどな。飲んでみるか?」

 

春香「え、あ、えぇと、」///

 

八幡「冷蔵庫にまだ何本か入ってるぞ?」

 

春香「…なんだ。それじゃあ1ついただきますねっ」

 

あっぶねー。これ、俺じゃなかったら天海√突入してたとこだよ。

てか、アイドルと間接キスとか事務所的にアウトだろ。

 

 

春香「うわっ、あっまーい」

 

八幡「だろ?」

 

春香「あ、そうだ。プロデューサーさんスマホでしたよね?」

 

天海が突然思い付いたようにそう訊いてきた。

 

八幡「ん?そうだけど」

 

春香「でしたらLINE教えてくれませんか?」

 

八幡「…俺LINEやってないぞ」

 

春香「…え。それじゃあどうやって友達と連絡とるんですか?」キョトン

 

天海の悪意のない純粋な質問なだけに辛いな。

LINEか。

連絡先登録するだけでともだちになれるって聞いて一度わくわくしていれたんだが、あれ電話帳に電話番号入ってないとともだちかも、がでてこないらしく、結局ともだち二人(内企業2)しかできなかったから消したんだよな…。

 

 

八幡「…連絡をとる友達がいないもんでな」

 

春香「あ…。…なんか、すみません」

 

八幡「いや、謝るな。余計むなしくなる。普通に連絡先でいいか?」

 

春香「はいっ。えっと赤外線は…使えないですね」

 

八幡「悪いが直接打ってくれ。」

 

春香「わかりました。えっと…。よしっ。ありがとうございました」

 

八幡「おー」

 

響「はいさーい」

 

春香「響ちゃん、おはよう」

 

八幡「我那覇も来たようだし、そろそろ出たほうがいいな」

 

春香「そうですね。私、準備してきますね」

 

◇ ◇ ◇

 

ということで天海と我那覇のレッスンに同行しているんだが…

 

正直、見ててもよくわからんな。俺からダンスについて言うことなんて出来ないし、歌もよくわからん。

 

音無さんが言うにはレッスンのときにはトレーナーの人とどういうイメージで練習をしたり表現をしたりするかを話し合ったりするとは言われたが…。

 

 

今日見た限りだと、天海はダンスは標準、歌は少し苦手な感じだな。我那覇はダンスが得意、歌は標準、といったところか。

やはりこういうのは得意なものを伸ばしつつ、苦手も埋めていく、ってのが定石なんだろうな。

 

二人を見ながら色々と考えているとレッスンは終わったようで二人とも帰る用意を始めていた。

 

八幡「おつかれさん」

 

春香「ありがとうございます。あの、私どうでしたか?」

 

響「自分もどうだった??」

 

八幡「あー。天海は歌をもう少し頑張ったらいいんじゃないか?我那覇はダンスがいい感じだな」

 

とりあえず先程思っていたことを告げる

 

春香「うぅ、がんばります」

 

響「自分ももっと上手くなるよう頑張るぞ!」

 

八幡「んじゃ、帰るか」

 

春香 響「「はーい」」

 

二人を無事事務所に送り届け、今日の仕事は終わった。

 

小鳥「お疲れ様です。プロデューサー」

 

八幡「お疲れ様です」

 

小鳥「どうです?慣れてきましたか?」

 

八幡「まぁ、何となく。だけどまだレッスンに対する意見とかアドバイスとかはよくわからないですね」

 

小鳥「ふふっ。そのうち慣れてきますよ」

 

八幡「仕事をするのが慣れてくるってのは俺的にはあまり好ましく無いですけどね」

 

小鳥「そんなこといってプロデューサー真面目じゃないですか。皆のことよく見てるし」

 

八幡「任された仕事はやらないといけないですからね。それに、あいつらの未来もかかってると思うと真面目にやらざるを得ませんよ」

 

小鳥「頑張ってください。あ、プロデューサー。このあと仕事入ってないですよね?」

 

八幡「ないですけど、」

 

小鳥「それじゃあ、ご飯食べに行きましょう。奢りますよ!」

 

八幡「いいですけど、奢って貰うのはちょっと…」

 

小鳥「大丈夫ですよ。私年上ですし」

 

八幡「いえ、俺は養われる気はあるけど施しを受ける気はないんで」

 

小鳥「わ、私には違いが分からないわ…」

 

八幡「そういう訳で自分の分は自分で払います。今、お金には困ってませんし」

 

小鳥「そうですか。それじゃあ、どこに行きましょうか」

 

八幡「俺はどこでもいいですよ」

 

小鳥「なら、私いいお店知ってるんですよ!」

 

◇ ◇ ◇

 

八幡「ここですか」

 

小鳥「はい。ここです!」

 

音無さんに連れられ中野に到着。しばらく歩いて着いたのがラーメン屋。

なるほど、ここか。

 

小鳥「やっぱり混んでますねー」

 

八幡「まぁ、名店ですしね」

 

小鳥「あら?プロデューサーはここに来たことはあるんですか?」

 

八幡「ここのじゃなくて、千葉の所ですけどね」

 

小鳥「そういえば千葉にも店舗出てましたね」

 

ここのラーメンは脂こってり系じゃなくあっさり系で魚介和風ラーメンで有名だ。最近ミシュランにも登録されたらしいな。

べ、別に重巡洋艦じゃないんだからね。

 

八幡「でも、意外でした。音無さんラーメン屋とか行くんですね」

 

小鳥「ピヨッ!?わ、私だってラーメン位食べにいきますよ」

 

八幡「やはり、どこか平塚先生に似てるな…。…独身なとことか」ボソッ

 

平塚「ほぅ?比企谷、言うようになったじゃないか」

 

小鳥「プロデューサー、言ってはいけないことはあるんですよ?」

 

八幡「ご、ごめんなさい。…って、え?平塚先生どうしてここに?」

 

平塚「音無さんにお呼ばれしてな。ちょうど私もラーメンが食べたかった所だったので来させてもらったのだよ」

 

小鳥「平塚先生とは連絡取り合ってるんですよ」

 

平塚「比企谷が迷惑をかけてないか気になるものでな」

 

八幡「先生はおれのかーちゃんかよ…」

 

平塚「わ、私はまだそんな年齢じゃないっ。これからなんだっ」

 

小鳥「そうですよっ。まだまだこれからですっ!」

 

八幡「そ、そうですね。頑張ってください」

 

誰か早くこの二人を貰ってやってくれ。

 




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