八幡「765プロ?」   作:N@NO

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▼(追加)4話少し修正しました


つまり彼女は気付き始める。

律子「なるほど。確かにそれもあるかもしれませんね。だけれど事務所のお金が…」

 

小鳥「でも、長い目で見たら必要経費ですよ!」

 

律子「うーん、そうねぇ」カタタタ

 

な、なんか眼鏡がすごいことになってるぞ…。

 

律子「そうですね。プロデューサー、その件お願いしますね。明後日には出来ると思いますよ」

 

八幡「ありがとうございます」

 

律子「あなた才能あるのね、初めてのプロデュースだとは思えないわ」

 

秋月さんがそう誉めてくれる。

 

八幡「そーですかね?誰でも思い付くと思いますよ。」

 

だが、本当に大したことじゃない。

簡単なことだ。アイドルが仕事を貰うために一番大切なものは何か?それを考えただけだ。

 

 

アイドル業に大切なもの

 

 

 

 

 

 

それは… 印象だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

と言うわけでスタジオに来たわけだが。

 

 

 

響「自分、どんな服着るか迷うぞ!」

 

春香「そうだね。どんなのがいいかなー?」

 

やよい「うっうー!やっぱり目立つのがいいですよねぇー!」

 

スタジオに来たは良いもののまとまらず、各々ではしゃいでしまっていた。

 

とりあえず俺の話を聞いてくれよ…。

 

千早「プロデューサー、どうしてまた宣材写真をとるんですか?」

 

貴音「私たちは一度写真はとったのですが」

 

困っていたところに二人が質問をしてくる。えっと、たしか如月と四条だったか。

 

八幡「あぁ、それは知っている。だが、初期の宣材写真はまだイメージが決まってなかったから普通の写真になっていたからな。一部を除くが…」

 

社長に見せてもらった宣材写真のなかには半目で写ったものや着ぐるみを着て撮ったもの何かもあり、なんというか働く気あるの?コイツら?と俺ですら思ってしまうものだった。

 

亜美「洗剤?」

 

真美「写真?洗うの?」

 

如月と四条に説明していると双子のアイドル、双海真美、亜美が話に入ってきた。

ちなみに…コイツらが着ぐるみを着ていたわけだ

 

八幡「宣材写真のことだよ。アイドルの仕事は基本的に最初は書類審査だろ。そのときに重要なのが写真だ。イメージにあってるやつが欲しいだろうからな。だから各々自分のイメージにあわせて取り直すことにしたんだよ」

 

なんだかんだと説明していたらアイドルたち全員が俺の話を聞くように集まってきてくれていた。

一応プロだから働く気はあるみたいだ。

アマチュアな俺は働く気はないけどな。

 

伊織「まぁ、あんたにしてはよく考えてるじゃない。頭いいの?」

 

八幡「割とな。それじゃあ、早速自分達の個性が出せるよう考えて着替えてきてくれ」

 

そう告げるとそれぞれ衣装を見に向かっていった。

 

× × ×

 

やよい「自分の個性が出せる格好ですかー。どんな格好でしょうか?」

 

亜美「要は自分が着たい格好をすればいいんだよ!」

 

伊織「そうね。皆は何が着たいのかしら?」

 

真美「真実はー、この前はおサルさんで皆あまりビックリしなかったから、今度はくまで驚かせる!がおー」

 

亜美「亜美は天丼!おいしそーでしょ?」

 

やよい「えっと、私は、私は」

 

亜美「やよいっちはステーキにしなよ!」

 

やよい「す、ステーキ!美味しそうですぅ」

 

伊織「…もう、くまでも天丼でもステーキでもなんでも来なさいよっ!」

 

 

皆がどんなのを選んでいるのか見て回っていると恐ろしい言葉が聞こえてきた。

なんか、あいつら趣旨まちがえてねーか?

 

八幡「なぁ、お前たち、衣装はそういうのじゃなくてもっとh…」

 

不安になり声をかけようとすると双海たちが歓声をあげる

 

「「「わぁー。」」」

 

八幡「ん?」

 

やよい「あずささんきれいですぅ」

 

真美「大人ってかんじだねっ」

 

律子「んー、でももう少し明るい色の方がいいですかね?」

 

あずさ「そうですか?私太って見えませんか?」

 

律子「全然大丈夫ですよ!ねぇ?プロデューサー?」

 

急に秋月さんにそう振られる。女の人の服がどうとかは俺にはよくわからねーんだけど…

 

八幡「…えっと」

 

律子「あずささん、こっちの色もいけますよね!」

 

八幡「そ、そうですね、多分。…いいんじゃないんですか?」

 

亜美「スカートもう少し短くしようか」

 

真美「もっと胸を寄せればなぁ」

 

八幡「ちょ、おい、お前ら…」

 

亜美 真美「「きゃーーっ。」」

 

伊織「なによっ、鼻の下伸ばしちゃって。」

 

八幡「伸ばしてねーよ」

 

…伸びてなかったよね。八幡、ソンナコトシナイ。

 

 

 

 

 

やよい「でもあずささんすてきだよねー」

 

伊織「そ、そうね。…そうだわ!私たちに足りなかったのは大人の色気よ!」

 

「「「おぉー!!」」」

 

やよい「大人の色気ですかぁ?」

 

亜美 真実「「ボンッキュッボンッだよっ!やよいっち!」」

 

やよい「は、はぁ。」

 

伊織「とにかく!私たちもやるわよ!」

 

「「「おお!!」」」

 

 

秋月さんとこのあとの段取りを話して戻ってくるとまた何やら話し込んでいるのが見えた。

 

さっきの話し合いといいあいつら本当に大丈夫なんだろうか…。

 

 

 

 

暫くして天海の撮影が始まりそれを遠目から見ていると水瀬に声をかけられた。

 

伊織「待たせたわねっ」

 

八幡「お前ら……」

 

やっと来たか、と振り返ると…はぁ…。

化粧濃すぎだし何だよその胸。詰めてる感が満載すぎる。服とかなんで破れてるんだよ…。

 

伊織「あら?刺激が強すぎたかしら?」

 

亜美「うーん!兄ちゃんの気持ちも分かるよ!」

 

何やら盛大な勘違いをしているようで、その哀れとも言える格好を自慢のように振る舞っている。

 

八幡「いや、お前たちなに考えてんだよ…」

 

「「「えっ?」」」

 

八幡「時間がないんだ。遊んでる暇なんて無いぞ」

 

伊織「ちょっと、何がダメだって言うのよ!」

 

 

八幡「はぁ。とにかく色々とダメだろ…。化粧落とせ」

 

化粧落としのペーパーを全員に渡し濃い化粧を落とさせる。

 

やよい「うぅー」

 

亜美「ちぇー」

 

真美「せっかく大人の色気だしたのにー」

 

何やら不満のようだったがあれじゃあ秋月さんに何て言われてしまうのやら。

宣材写真の取り直しの意味がなくなる

 

八幡「化粧落ちたか?いいか、お前たちは個性というのを履き違えてるんだよ。」

 

伊織「じゃあ、個性ってなんなのよ?」

 

八幡「そ、それは」

 

改めて個性って聞かれると答えるのに困るな…。個性…か。

 

 

少し考えてみるか。

 

雪ノ下は氷の女王だが、その仮面の下には優しさがある。そして何より自分を曲げない強さがある。

 

 

由比ヶ浜はバカだがそのキャラで周りの空気をよくすることができる。他人の変化にも気づくことができる。

 

 

 

材木座の個性は…中二病だな。あと、うざい。

 

 

 

戸塚は…可愛いな。

あれ?俺どうして戸塚をアイドルにしなかったんだろう。今からでも間に合うかな?

 

 

 

真美「ちょっと兄ちゃん!」

 

八幡「あ、えっと。なんだっけ?」

 

亜美「個性だよっ!」

 

戸塚のことを考えていたら少し旅に出てしまった。いかんいかん。

 

八幡「あぁ、個性だったな。個性ってのはよくわかんねーけど自分らしさをだすことなんじゃねーの?誰かのを真似たところでそれは誰かの個性でしかない。自分は自分の良いところを見つけてそこをアピールする。そういうのがアイドルに必要なものなんじゃないか?」

 

やよい「自分の良さ、ですか?」

 

八幡「俺とか、ほら、イケメンだし、頭いいし、妹思いで優しいし?良いとこしかないな」

 

伊織「どこがよっ。このバカプロデューサー。目は腐ってるし、シスコンなだけじゃないっ」

 

やよい「個性ってつくるものじゃなくて見つけるものなんですね。私にも見つけられますかぁ?」

 

もうそのキャラが十分な個性だと思うんだが。

 

亜美「亜美は真美の良いところをしってるよー!」

 

真美「真美も亜美の良いところをしってるよー!」

 

八幡「なら、二人で話し合って決めたらどうだ?お互いがお互いのことをよくしってんだろ?」

 

亜美 真美「「そっか。そーだよねっ」」

 

亜美「兄ちゃん!亜美たち着替えてくるね!」

 

八幡「おう。行ってこい。」

 

伊織「…いいなぁ」ボソッ

 

息ぴったりな双海姉妹を見ながら水瀬がそう呟く

 

八幡「どした」

 

伊織「な、なんでもないわよっ。ただ…あの二人には自分をよく知っている人がいて良いなって思っただけよ」

 

 

なるほど

 

そういうことか

 

 

八幡「なぁ、水瀬。いつものウサギはどーしたんだ?」

 

やよい「あ!そういえば伊織ちゃんシャルルちゃんといつも一緒ですね!」

 

俺の問いに高槻も反応する

 

八幡「今日はシャルルは留守番なのか?」

 

俺の質問で気づいたのか、まわりを見渡しソファーにあるのに気づいた水瀬は、寝転がっているウサギのぬいぐるみを取りに行き胸にかかえながらそれに答える

 

伊織「……。そ、そうよ。ちょっと留守番してもらってただけなんだからっ。」

 

そんな話をしていると向こうから衣装をきた星井がこちらに向かってくる

 

美希「あれ?でこちゃんその衣装で撮るの?」

 

伊織「ち、ちがうわよ。それと、でこちゃん言うなっ。」

 

美希「だよねー。ミキね、その服ぜーんぜんでこちゃんに似合ってないと思うの」

 

伊織「…」

 

ツギノヒトー

 

美希「あ、いってくるのー」

 

 

 

暫く星井の撮影を見ていると水瀬が口を開いた

 

伊織「ねぇ、プロデューサー」

 

八幡「ん、なんだ?」

 

伊織「私、この子と撮るわ」

 

八幡「ん、そうか。いいんじゃねーの?そいつは水瀬のことを良く知ってくれているだろ?」

 

伊織「そうよっ。待ってなさい、とってもキュートな伊織ちゃんを見せてあげるんだからっ。にひひっ」

 

やよい「うっうー。私も着替えてきますね!」

 

そう俺に告げ二人は更衣室へと走っていった

 

 

星井の撮影が終わり、如月の撮影に入ったのだが何だか良いのが撮れないのか何度かカメラマンと如月が話し合っていた。

休憩に入ったので、少し撮影場所に近づくと如月が俺に気付きこちらに来る

 

千早「あの、プロデューサー」

 

八幡「どうした?如月」

 

千早「私、カメラマンさんに笑顔が不自然だ。って言われちゃって」

 

 

 

まじか。奇遇だな俺もよく言われるぞ、

不気味だって。

 

アイドルの如月と同じことを言われる俺、

 

アイドルになれるんじゃね。

 

いや、なってだれが得すんだよ…。てかなれねーよ。

 

 

 

八幡「あー、ちょっと笑ってみてくれるか?」

 

千早「はい」

 

あー。うん。これはまた、すごいな。

これが原因で何度も話し合っていたのか

 

八幡「如月。無理に笑う必要はないんじゃないか。普段どおりで撮るのじゃだめか?」

 

千早「それでいいんですか?出来るなら私は最善を尽くすべきだと思うのですが」

 

八幡「まぁ、一理あるな。だがな、如月」ニマァ

 

そう言って俺は如月に全力で笑って見せる

 

八幡「今のどう思う?」

 

千早「…不自然すぎる笑顔でした。いつものプロデューサーの顔の方がまだいいです」

 

と、かなりな感じで如月に引かれた。

まだって、おい。普段もダメみたいな感じかよ。

 

八幡「……だろ?つまりそういうことだよ。何も無理に笑顔をする必要なんてないんだ。猫かぶったところでそれは本当の自分じゃない、そんなのは他人同然だ。なにせ、作ってるんだからな。確かに誰かの顔を伺って態度を変えるなんてのも必要な時もある。だが、これは写真だ。偽りのない自分を撮ってもらった方がいいんじゃねーの?」

 

千早「…なるほど。そうですね。少しプロデューサーのいっていることがわかったような気がします。」

 

 

…如月を見ていると誰かとなんか被るな。

 

 

あいつほど毒舌じゃねーけどな。

 

 

 

 

 

 

 




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