八幡「765プロ?」   作:N@NO

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彼はふと立ち止まる。

 

 

八幡「おはようございます。」

 

小鳥「おはようございます。」

 

八幡「まだ、誰も来てないですか?」

 

小鳥「そうですね。プロデューサーが一番ですよ。」

 

俺が今日は一番、というかここんとのずっと一番。

 

でも、いつも音無さんがいるのに1番っておかしくね?

てか、音無さんは家に帰ることがあるの?いつもいるんですけど。

そんな疑問はきっと永遠に俺の胸のなかにしまわれ彼女に聞くことはないのだろう。

聞いたらいけない、触れてはいけない、そんな気がするんです。

 

 

小鳥「今日は雪歩ちゃんの付き添いですか?」

 

八幡「あ、はい。そうですね。」

 

小鳥「そろそろ、雪歩ちゃんの男の人が苦手なのをなおさないといけないですよね。」

 

八幡「少なくとも仕事に影響しない程度にはならないとそろそろ支障がでるかもしれないですね。」

 

小鳥「私たちもずっと何とかしようとしてきたんですけど…変わらなくて…。」

 

八幡「まぁ、そんなに簡単に変われるようなものではないでしょうし。」

 

小鳥「そうですね…。」

 

八幡「まぁこっちでも何か考えてみます。」

 

小鳥「お願いしますね。」

 

オハヨウゴザイマスゥー

 

小鳥「あ、雪歩ちゃん来たみたいですよ。」

 

八幡「それではいってきます。」

 

小鳥「はい、いってらっしゃい。」

 

ハギワラモウイケルカ?

プ,プロデューサーサン…ダイジョウブデス

 

 

 

小鳥「頑張ってくださいね…比企谷くん。」ボソッ

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

カメラマン男「もうちょっと笑顔でー」パシャパシャ

 

雪歩「はうぅ。」

 

八幡(さて、これはどうするべきか…)

 

 

 

雪歩「…おつかれさまですぅ。」

 

八幡「あぁ、おつかれ。」

 

雪歩「今日もダメでした…。」

 

八幡「なぁ、萩原。」

 

雪歩「なんですか?プロデューサーさん。」

 

八幡「萩原は、その、男が苦手なのをなおしたいのか?」

 

雪歩「…はい。私もアイドルですから…。男の人になれないと…。」

 

八幡「…そうか。」

 

雪歩「…はい。」

 

八幡「萩原明後日OFFだったよな?」

 

雪歩「えっと、そうですね。」

 

八幡「会って欲しいやつがいるんだ。その日に事務所に来てもらえるか?」

 

雪歩「?わかりました。」

 

 

ピッピッ

八幡「あ、由比ヶ浜か?ちょっと頼みたいことがあるんだが…」

 

 

 

 

他のやつらに聞いた話だと萩原の男嫌いは父親が過保護なせいで男に慣れていないってのが原因らしい。

 

全く…父親ってなんでこうも娘を溺愛するんだろうな。

 

まぁ萩原は男が嫌いなのではなく苦手であるということがわかった。

 

つまり萩原が男が苦手じゃなくせば良い訳だ。

 

そのために男と関わればいいわけなのだがその肝心の男と対面するといつもの有り様になってしまう。

 

しかし俺はそれを解決することができる男を知っている。……あいつは男でいいのかな?

 

そう。マイエンジェル

 

八幡「戸塚だ。」

 

戸塚「は、はじめまして、戸塚彩加です。」

 

小鳥「プロデューサーが言っていた子ですね。」

 

八幡「はい。」

 

伊織「そ、そのひととあんたはどんな関係なのよ。」

 

八幡「あ?」チラ

 

戸塚「?」キラキラ

 

八幡「天使だな。」

 

伊織「!?」

 

春香「ねぇ、もしかしてあの人ってプロデューサーさんの彼女とかなんじゃ…。」ヒソヒソ

 

千早「え…。で、でもプロデューサー彼女がいるみたいなことは言っていなかったし…。」ヒソヒソ

 

やよい「でも、天使っていってましたよー。」ヒソヒソ

 

八幡「じゃあ、戸塚。適当に皆と話でもしておいてくれ。」

 

雪歩「あ、あのプロデューサーさん?」

 

八幡「ん、どした?」

 

雪歩「…いえ、なんでもないですぅ。」

 

オトナシサン、レイノケンナンデスケド

ア,ハイハイ、アレデスネ エットアレハー

 

伊織「ねぇ、あなたはプロデューサーと同じ学校なの?」

 

戸塚「うん、そうだよ。八幡とは同じクラスなんだ。」

 

伊織「は、はちっ…。」

 

春香「ねえ、千早ちゃん。今戸塚さん八幡ってよんでたよ!?下の名前で!」ヒソヒソ

 

千早「こ、これはそろそろ認めざるを得なくなってきたわね。」ヒソヒソ

 

戸塚「僕、765プロの人達と会えて感激です。八幡がプロデューサーなんですよね。」

 

春香「はい、そうですよ。」

 

伊織「私のプロデューサーは律子だけどね。」

 

戸塚「なら、安心ですね。八幡はすごく頼りになるから。」

 

春香「すっごいプロデューサーのこと信頼してるよ、これはもうあれだよね!?」ヒソヒソ

 

千早「…。」

 

雪歩「あ、あの、戸塚さん。お茶です。」

 

戸塚「ありがとうございます。わぁ、このお茶おいしいですね!」

 

雪歩「はい!そうなんですよ、このお茶は~」

 

ワイワイ キャピキャピ

 

八幡「ずいぶん打ち解けたようだな。」

 

春香「ちょっと盛り上がっちゃって。」

 

八幡「そうか、それはよかった。」

 

伊織「ねぇ。」

 

八幡「ん?」

 

伊織「その、戸塚さんってあんたの彼女なの?」

 

八幡「はぁ?なにいってんだよ伊織。そんなわけあるか。」

 

伊織「あ、あら、そうなの?」

 

戸塚「あはは、僕と八幡は付き合えないよ~。」

 

伊織「そ、そうよね、こんな目が腐った男なんて誰も好んで付き合わないわよね。」

 

戸塚「はは、そんなことはないと思うけどね。」

 

八幡「おい、伊織。状況確認とみせかけて俺を貶すのやめろよ…。それからな、戸塚は男だ。」

 

千早「え?」

 

八幡「いや、だから男なんだって。」

 

やよい「何言ってるんですかープロデューサー。嘘つかなくていいですよ。」

 

戸塚「あ、あの。僕、男の子です。」

 

春香 伊織 「「えぇーー!?」」

 

雪歩「う、嘘…。」

 

八幡「はぁ、だからな、萩原の男が苦手なのをなんとかするために呼んだんだっていっただろ。」

 

雪歩「あっ…。」

 

春香「そういえば雪歩男の人だったのになんともなかったね。」

 

八幡「萩原の男が苦手なはずなのに何ともなかっただろ。戸塚はそんなに男っぽくないってのもあるがそう構えてなければ萩原は平気になってきているんだよ。だからそう深刻に考え過ぎるなよ。少しずつかもしれないけど成長してるんだ。」

 

やよい「よかったですねー!」

 

春香「やったね!雪歩!」

 

雪歩「はい!」

 

千早 伊織「…。」

 

ワーイ

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

千早「あのプロデューサー。」

 

八幡「どうした?如月に伊織。」

 

伊織「さっきのは別に雪歩が男の人が苦手じゃなくなってきたわけじゃないんじゃないの?」

 

千早「きっと戸塚さんを女の子だって思っていたからですよね。」

 

八幡「あぁ、そうだろうな。」

 

伊織「だったらっ」

 

八幡「だけどただ騙したわけじゃねーよ。」

 

千早「どういうことですか。」

 

八幡「萩原は男にたいして考えすぎているってのがあるんだよ。俺らからしたらたかが男、だけどあいつからしたら怖い男、なんだと思う。思い込みってやつもそれに加わるんだろうな。そして思い込みは考え方一つで変えることができる。」

 

千早「それがさっきの嘘ですか。」

 

八幡「あぁ。」

 

伊織「でも、そんなのは結局は解決になってないじゃない。」

 

八幡「いいんだよ、別にそれでも。俺はただきっかけを作っただけだ。そのあとはお前たちが支えていってやってくれ。」

 

伊織「でも…。」

 

八幡「別に俺は後を丸投げにするつもりはねーよ。なにかあったら俺も協力する。だから」

 

千早「プロデューサーが雪歩のことを考えてしたのはわかりました。でも…それでも、私はもっと別のきっかけがあったはずだと思います。…失礼します。」

 

伊織「あ、千早…。」

 

八幡「…。」

 

伊織「あんたの考えは分からなくもないわ。けど…これから何かするときはちゃんと誰かに相談してからのほうがいいと思うわよ。律子や小鳥さんもいるんだし。」

 

八幡「…あぁ。」

 

伊織「私も帰るわね。」

 

八幡「…」

 

バタン

 

 

小鳥「どうぞ、プロデューサーさん。」

 

八幡「…音無さん、ありがとうございます。」

 

小鳥「プロデューサーさんがしたことが悪いことだったとは私は思いませんよ。実際私達が何もできなかったことの解決のきっかけを作ったことはすごいと思います。」

 

八幡「…でも俺は…。」

 

小鳥「きっとあの子たちも頭では分かっているんです。けれども理想を求めてしまうんですよ。」

 

八幡「…俺もあいつらに言われて、もしかしたら別の方法があるのかもしれないとか考えてしまったんですよ。」

 

小鳥「…。」

 

八幡「俺が出来るのはあれしかなかった、そう思っていたんです。」

 

小鳥「ふふっ、ひとつ良いことを学べましたね。」

 

八幡「え?」

 

小鳥「誰かに相談すると何か他の案が浮かぶってことですよ。プロデューサーさんは頑張ってます、それは私が保証します。でもひとりで抱え込まないでください。私はだてに20チョメチョメ年生きてないんですよ、相談くらいのれますよ!」

 

八幡「…ありがとうございます。音無さん。」

 




遅くなってごめんなさい。

それからお気に入り登録200越えありがとうございます。
これからもよろしくおねがいします!

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