オレ、変態を駆逐します。【凍結】   作:篠崎 葵

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かなり遅れた上に短いと言う

次の更新は早めにしたいと思いますので!


6話 決意

「ブルマアァァァァァァァ!!」

 

やられる時に何を言ってるんだコイツは? と思うような言葉を残し、タトルギルディは爆散した。

 

「いや、アッサリし過ぎでしょコレ」

 

タトルギルディがいたという唯一の証とも言える属性玉を拾いながらオレは呟いた。

 

あれだけ堂々と宣言したヤツがたったの一撃で沈めば誰でもそう思うだろう。

 

頭の片隅で ゴメンな と今は亡き(殺ったのはオレだけど)タトルギルディに謝りつつ、この場から立ち去ろうとした時だった。

 

すぐ後ろで何かが着地したような音がした。大体予測はつく。

 

「お、遅かったなー もう終わっちまったぜ?」

 

 

振り向きつつ後ろの人––––テイルレッドに言う。

 

「え?」

 

なんと言うべきか、呆気にとられていた。

 

まぁそうだろう。敵が現れて行ってみたら終わってましたー なんて言われたらそらなるわ。

 

何か言いたげなレッドだったが、オレは迫って来るモノを感じ、さっさと切り上げることにした。

 

「言いたいことは色々あるけど、オレはもう行くぜ?」

 

「え?ちょ…ま、待ってください!」

 

「後は頼んだ!」

 

オレはそう言うと、今回エレメリアンが現れた学校の校舎に飛び乗った。

 

戦場となったグラウンドを見ればレッドが沢山の女子高生に囲まれてるのが目に入った。

 

「……ゴメン」

 

届かないと分かっているのに、口から出た謝罪の言葉は春の風にかき消されていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

女子高生に囲まれる、と言う健全な男子高校生なら喜ぶべき事を体験した俺だったが、そんなことよりもまず

 

「疲れた………」

 

テイルレッドが人気であることは俺も知っている。でも、まさかあれほどとは思わなかった。

 

自分の部屋のベッドでゆっくり休もう。 そう思いつつ、自室のドアを開ける。

 

「おかえりなさいません 総二さまあぁん!」

 

眩暈がしそうなちかちかとした桃色の照明が俺の目を襲ってきた。

 

そして、俺のベッドは天蓋付きになっており、ネグリジェを着てくねくねしているトゥアール。

 

俺は訳も分からず立ち尽くしていた。

 

「おい、痴女」

 

「ふぇ?なんで愛香さんがここにいるんですか!」

 

ちらっと俺の方を見て

 

「総二様!約束が違いますよ!!」

 

と言ってきた。

俺が答えるより早く、愛香が

 

「あんたの約束なんて誰が守るかああああああ!!」

と言いながらトゥアールをぶん投げる。

 

トゥアールはベッドの天蓋の支柱に当たり、支柱はへし折れた。

 

疲れた俺を癒してくれるはずのベッドが可哀想になってくる。

 

「あんまりじゃないですか!ずっとこの格好で待ってたのに!」

 

「ならその格好のまま、外で朝を待ってろおおおおおおお!」

 

愛香は、愛香の家に続く窓を開けると屋根からトゥアールを落とす。

 

びたーーーーーん!! と言う音がした。

 

今度はさすがに不味いと思い、窓に駆け寄り下を見る。

 

「ひどいです!愛香さん!死んじゃうじゃないですか!」

 

結構元気だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トゥアールが戻ってきて、執拗に着替え中を見るな!と言ってきたので大人しく部屋で待つ。

 

何故か部屋に入ってきたトゥアールが残念そうにしていたが。

 

 

 

「どうするんだよ……結構カメラで撮影されちまったぞ?」

 

まさか男の身で盗撮ネット流出に怯える日が来ると誰が思っただろうか。

 

「それに、ヤツらの宣戦布告もテレビで放送されちまったし……」

 

「どうやら全世界で流れたようですね。今頃パニックでしょう」

 

「全世界?アイツら日本語で喋ってたわよ?」

 

そう言えばそうだ。日本語を理解できる人なんてそういないだろうし

 

「あれはあくまで私たちには日本語に聞こえていただけです。ヤツらの言語は鼓膜を伝って聞こえるわけではなく、直接頭に響くので」

 

 

「確かに大事になってるわね」

 

いつの間にか俺の部屋のテレビをつけた愛香がそう言った。

 

あれ?ここ俺の部屋だよね? いやテレビをつけるなとは言わないけど、せめて一言欲しかった。

 

 

「はぁ〜 NASAが動き始めてるってさ」

 

NASA?なんでそんなところが?ヤツらを宇宙人かなんかと勘違いしてるのだろうか

 

 

「できるのかな俺なんかに……」

 

そんな世界規模で来るとは思わなかった。俺なんかにできるのか? 不安になってしまった。

 

「そーじ……」

「総二様……」

 

 

「総二様!何のための秘密基地ですか!?ヤツらに……アルティメギルに対抗するためです! だ・か・ら!後で見に行きましょう!2人きりで♡」

 

「何言ってんのよ!あんたはああああああ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

そうだ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺には二人がいるじゃないか……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

愛香の鉄拳をもらい、頭から壁に突き刺さるトゥアール。

 

俺はそれを見て吹き出してしまった

 

「…ぷっ はははっ」

 

やれるところまでやってみるさ

 

戦いは、始まったばかりなんだから。

 

「そーじ?それ最終回フラグじゃ……」

 

お前の鉄拳が向かう先のトゥアールの最終回はかなり近いぞ

 

 




気づいたら評価も高いし、お気に入り100件超えてますし、皆さんには心より感謝を申し上げます!

本当にありがとうございます!!

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