オレ、変態を駆逐します。【凍結】   作:篠崎 葵

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今回なんかキャラ崩壊してるかもしれません
ちなみにこれ書いていたら、テスト勉強しろ!と親に怒られました

期末テストってめんどくせえ


5話 戦線布告!

もう日が沈もうという時間。

トゥアールが持つ、認識撹乱装置のおかげで誰にも見つかることなく現場から帰ってこれた。

 

だが、問題はこれからだ。

 

「裏口からそっとな。母さんが帰って来てるから」

普段なら気兼ねせず喫茶店の入り口から帰宅するが、今回に限っては普段通りにはいかない。

 

帰ってきた俺は家の裏口に回り、そんなに?と思うほど慎重に鍵を開けた。

「おっじゃましま〜・・・・・おぐぅッッッ!!」

友達の家に遊びに来たようなノリのトゥアールの鳩尾に、愛香の手刀が叩き込まれた。 日本語が達者だったのだから『そっと』という言葉を知ってると思ったが、俺の勘違いだったのかもしれない。

「あら、総ちゃん?」

台所から母さんの声が聞こえた。別に裏口から帰って来ても流石に怪しみはしないだろうが、知らない女の子を連れてきた為か身体が強張る。

「あ、ああ、ただいま!」

なんとか何時もの様に返せたのは奇跡なのではないのか?と一瞬思ってしまった。大袈裟か?

「おばさん、愛香です!お邪魔します!」

名前を告げた為かいつもの調子で返事が帰ってきた。

 

 

 

 

母さんが気付かない様に、トゥアールを俺の自室へと連れて行った。

そのあと、紅茶を淹れてきた愛香も合流する。

そして、何故かトゥアールはそわそわしながら俺の部屋を眺めている。

何をするつもりなのだろうか?

 

俺は腕のブレスレットを見て、トゥアールに視線を移し、話しかける。

「説明してもらえるか?このブレスレットの力とあの変態たちが何者なのか」

おっと、これを言い忘れていた。

「あと、何で俺は女になっちまうんだ?そこは特にしっかり説明してもらうぞ!?」

「勿論です。その前に」

トゥアールは愛香を見ると微笑みながらこう言った。

「愛香さんはお疲れでしょう?ご自宅に戻ってお休みください」

微笑んでいると言うのに何なのだろうか。黒いオーラが見える。

「いーえ。あたしだってちゃんと聞かせてもらうわ!」

愛香はこめかみに青筋を浮かべながら反論する。

なんか、急に寒気が・・・。

「愛香も当事者なんだから聞かなくちゃ駄目だろ」

当然事を言ったというのに何でトゥアールは不満そうなんだ?

「愛香さんには書面にしてお渡ししますので今日は家に帰ってゆっくりお休みください」

「あ!この国では空気読めないってのをKYと略すんでしたね、勉強になります」

「黙って話さんかい!」

「ひいいいいいい矛盾してますううううううう!!」

トゥアールの胸倉を掴み揺さぶる。

まるで首が据わってない赤ん坊の様に首がガックンガックンしており危険な状態である。ちょっと待て、危ないなこれ。

「わ、分かりました、説明しますので」

苦しそうにゴホッと咳をするトゥアール。本当に危なかった。

「それでは、まずはそのブレスレット–––テイルギアについてからお話しします。」

「そうだな、まずはそれからだ。なんで女になるんだ?」

トゥアールのポケットから取り出された紙片は広げると折り目が消え大きな液晶画面になった。

何だよこのオーバーテクノロジー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ、大体これでわかりましたか?」

色々と端折ったが説明が長すぎたのだ。ん?なんでエクセリオンショウツの部分が空欄なんだ?

そんな事を考えていると、愛香がトゥアールを背負い上げ、俺でさえ見たことのない技で背骨を極めていた。

 

て言うかこれってガールズトーク何だよな?何でこんなに激しいんだ?

俺としては女の子がひっそりと話し合う物だと思っていたんが・・・。

 

 

エクセリオンショウツは空欄にしといた方が良い物だった事は言っておこう。

 

 

 

テイルギアを纏うと俺が女の子、もとい幼女になるのはトゥアールの趣味らしい。見事に開き直ってくれた。

そして、トゥアールは異世界から来たということ。あの怪ぶ・・・、変態たちは何かを愛する心–––属性力を糧として生きる精神生命体–––エレメリアンと言うらしい。そして、エレメリアンの集まりがアルティメギルと言うとの事だ。

「あの怪物は属性力を狙ってるわけね。あいつらもトゥアールと同じように異世界から来たの?」

「はい、そうです。彼らは––––––––」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「リザドギルディが倒されただと!?人間にか!」

「馬鹿な!あり得ぬ!!」

「油断していたと言うだけでは説明つかんぞ!どういうことだ!!」

一面鈍色のホール。しかもかなり大きなホールだ。まるで企業の会議室の様な丸テーブルが置かれ、個性豊かな姿の怪物一同が集っていた。

ここは、アルティメギル秘密基地。

基地であり、移動母艦でもある。

 

斬り込み隊長として出撃したリザドギルディが、戦闘員と共に倒された。

その報は大き衝撃となり、同胞達に波紋を広げた。

「むううう、どういうことだ?この世界は文明レベルは低いが属性レベルは高数値、理想的な環境!そう結論づけた筈だろう!?」

次々と怒号が上がり、収拾がつかなくなってきた時だった。竜の姿に似たエレメリアンが騒乱を一喝の下に叩き伏せたのである。

「静まれい!!」

途端に静かになるホール内。

「リザドギルディの力は師である我がよく知っておる。それを倒すほどの戦士が密かに存在していた、という事だ」

他のエレメリアンとは格が違う存在–––––ドラグギルディはそう言ったあと、部屋の前方の大型モニターに変身した総二と雪花の姿が大写しになる。

すると、一斉に、おおおお!と感嘆の声が上がる。

それからと言うもの、いつの間にかリザドギルディを悼んでいたホール内はツインテールの品評会と化していた。

 

アルティメギル、姿は怪物だがツインテールの事となるとこうである。

 

 

 

 

総二たちが説明を受け、アルティメギルがリザドギルディを悼む会、いやなんと言うかもうツインテールの品評会をしている間、雪花は寝ていた。

こうして、彼らはそれぞれの夜を過ごしていった。

 

 

ちなみに総二たちの方は親に話を聞かれ、地下に秘密基地造るとかになっていた事を記しておこう。

 

 

 

 

次の日、陽月学園は、1時間目の授業を中止し、体育館に全校生徒が集められていた。勿論、昨日の事件についてだ。

 

物音など全くせず、欠伸をする生徒すらも居ないと言う空間の中1人の少女が登壇した。

生徒会長 神堂慧理那。

彼女は壇の前に立つと、生徒全員を視界に収めるように見回した。

一方生徒達は彼女の口が開くのを待ち、押し黙っていた。

「皆さん 知っての通り昨日、謎の怪物たちが暴れ回り、街は未曾有の危機に直面しました」

 

確かに未曾有である。ツインテールを求めて襲来する怪物が居るなんて誰も考えはしないだろう。

「実は、わたくしも現場に居合わせ、そして狙われた一人です」

「なっ・・・!」

「何だって!?」

彼女の一言により生徒達はざわめきだした。

「許せねえ!」

「この身に代えても倒してみせる!」

「おい!誰か俺の身体にダイナマイトを巻け!今すぐだよ!早くしろ!」

 

自分の事のように騒ぎ、怒る生徒達。

しかも、男女共だ。

全くもってノリのいいったらありゃしない。

「皆さんのその怒り、とても嬉しく思いますわ。他人のために心を痛め、怒れるのは素晴らしい事です」

「しかし、狙われたのはわたくしだけではありません。この中にも何人かいらっしゃるでしょう。それに、学校の外に目を向ければさらに多くの女性が襲われています」

ざわめきが増したが、会長はそれを遮る様に強く言った。

「今こうしてわたくしが無事で居られるのはあの場に颯爽と現れた正義の戦士達に助けて頂いたからです」

途中から声が甘くなっていた。まるで憧れの人に心を焦がす姫君がごとし。

その言葉を聞いて、観束総二は、ん?と思っていた。

 

 

正義の戦士達?嫌な予感がした総二は背筋に冷や汗が伝うのが分かった。

「–––わたくしはあの少女達に心を奪われましたわ!!」

途端にうおおおおおおお!!と生徒達から喝采が巻き起こる。

 

事態の収拾がつかなくなりそうだ。

あれ?待てよ、会長に好きになってもらえたのか!?

いや、会長が好きなのはテイルレッドとテイルエクシアであって、俺はテイルレッドだ。だけど、それは会長は知らないから・・・・。あれえ?

 

 

「これをご覧あれ!」

会長が右手を掲げると、後ろに控えていたメイドの一人がスクリーンを準備した。

そこに大きく映し出される少女達。

「「「「ウオオオオオオオオオオオ!!!!」」」」

「オア–––––––––––––!!」

俺は周囲の歓声と真逆の叫びを上げる。

スクリーンには変身した俺ともう一人の少女が映し出されていた。

どの画像も完璧なアングルで撮られていた。ムダに完璧に。

こんな完璧に撮れるなら別の物を撮れよ!と言いたくなるほど完璧だった。

「神堂家は、あの方達を全力で支援すると決定しました!皆さんもどうか、わたくしと共にあの戦士達を応援していきましょう!!」

会長の一言により歓声はより強くなっていった。

 

目眩がしそうだ・・・。と言うか目眩がするんですけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

歓声が飛び交う中あたしはそーじの方を見た。

そーじはなんとも言えない表情だった。まぁ、分からなくもない。

男からするなら幼女になった自分が大衆の面前で大々的に発表されている。本人からすればとても恥ずかしいだろう。

あ、そーじフラついてる。まさかそのまま倒れる気!? ちょっと倒れないで!多分この歓声の中じゃスルーされれかもしれないから!

 

 

 

いざとなったらあたしが助けてあげようかな・・・・?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高校生となって間もないと言うのに授業に全く集中出来ない。授業中にも関わらずひそひそと話しているのはおそらく全てがテイルレッドについて何だろう。

 

胃の痛くなる時間が過ぎていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昼休みの事

 

弁当の入ってる包みを持って愛香が俺の元へとやって来た。

「ねえ、そーじ 今日の放課後に・・・」

「悪い、今日は帰ったらテイルギアの説明聞いたり、基地見たりしなきゃならないから」

周りに聞こえないように小声で話す。

もし、周りに俺がテイルレッドだとバレればきっともう二度と学校へ来れなくなる。それだけは絶対に嫌だ!!

 

「そ、それってトゥアールと二人きりで!?」

何を言ってるんだ愛香は、当たり前だろうに。

 

「他に誰かいるのか?」

まさかとは思うが母さんも、とか言うのか?カオスに拍車がかかりそうだ。

「あたしも」

「一緒に聞くからね?」

マグボトルを机に叩きつけながら言う愛香。

迫力がぱないです。ええ、ハイ。

 

 

中学の頃からの知り合いの居ない俺は愛香と食べていた。

そして、口にフルーツオレを含んだ時、窓際に居た男子グループの会話が耳に入ってきた。

「決ーめた!俺が今日からテイルレッドたんのお兄ちゃんだ!」

その一言に口内のフルーツオレが勢いよく口から噴き出し、宙を舞い(美しくも何ともないモノであるが)愛香の顔にかかる。

 

「ちょっとそーじ、顔にかけないでよ・・・。ベタベタする・・・・。」

「わ、悪い、つい・・・・」

何故か周りの女子達がニヤニヤしているがそんなことよりも男子の方が問題だ。

 

テイルレッドの写真がネットに拡散しているようだった。

なんかコンピュータウイルスを拡散させたくなって来たが、俺にはそんな事など出来ない。

 

「かわいいなぁ!かわいいなぁ!やっべえかわいいなぁ!!」

ヒートアップしていく男子。そのままヒートアップし続けて燃えてしまえ。

 

沢山の応援は嬉しいけど、個々を見ればこんなのばっかだ。

 

「俺、巨乳が好きだったけど目覚めちゃったぜ!」

何に目覚めたと言うのか。て言うかこれこそ目を覚ませ。

「剣持ってかわいいなぁ!俺も斬って欲しい・・・」

望み通りにズタズタに切り裂いてやりたい。誰かー、カッターナイフ持ってませんかー?

 

「たまらん!こうなったら・・・」

そう言い、テイルレッドの画像が出ているタブレットに口を尖らせ近づいていく男子。

 

 

 

これが条件反射という奴か!

俺は咄嗟に愛香のマグボトルを引っ掴み名前の知らないクラスメイトの側頭部めがけてぶん投げる。

その際、蓋がちょっと開いてたらしく中身を撒きながら飛んでいく。

 

「痛え!そして冷え!何すんだ観束!!」

こちらを見て文句を言ってくる。ああ、名前、覚えられてる・・・。

 

「恥を知れ!そんな小さい女の子に!」

「知ってる!俺は恥を受け入れた!そして、俺はここにいる!」

帰れ。どんな境地に辿り着いてんだよ。

 

 

「ん?そう言えば初日にツインテール部を作りたいとか言ってたなぁ・・・。そうか!テイルレッドたんを独占したいのか!」

「違ええええええええ!!!」

誰か、世界を止めて。もはや巻き戻してくれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帰り道、無駄に疲れた身体を引きずりながら愛香と歩いていた。もう、俺は元気とは、西遊記の歩きはじめから天竺くらいに程遠くなっていた。これ以上疲れたくないと思いつつ角を曲がって、

 

『この世界に住まう全ての人類に告ぐ!我らは異世界より参った選ばれし神の徒アルティメギル!』

 

空に巨大なスクリーンが浮かび上がっていた。

どうして、こんな事が次々と起こるんだろうか。

 

そして、

「今テレビ良いところだったんだけどおおおおお!!」

よく聴きなれな声が聞こえてきた。

あの、そのとっても大きいです。

声が。

 

 

『我らは危害を加えるつもりはない!ただ諸君らの持つ心の輝きを欲しているだけなのだ!抵抗は無意味である!抵抗しなければ命を保障しよう!』

 

竜の様な怪物が玉座に座り、足を組み演説をしていた。

 

こんなところでやったって・・・。

「まさか、これ全世界に配信してるのか!?」

『だが、我らに弓引く者が居るようだが、抵抗は無駄である!それでも来るというなら全力で相手しよう!』

 

「分かったから早く終われよおおおおおおおお!!!」

うん、もう言わせてください。雪花さんうるさいですよ。

 

そして、画面が切り替わるとそこには亀のような怪人がいた。

 

『ふはは、我が名はタトルギルディ!体操服(ブルマ)の属性力を頂く!』

そう言った後に後ろから現れた戦闘員が耳打ちすると怪人は絶叫し始めた。

『なああにいいいいいい!?この世界では殆ど存在せぬと言うのか!?おのれ!愚かな人類よ!自ら滅びの道を歩むのかあああああああ!!』

 

何だこれ?絶叫する怪人と絶句する俺たち(人類)

 

なんか書けそうだ。

 

そんな時、トゥアールから通信が来た。

『総二様、今のご覧になりましたか!?』

「ああ、見てたよ」

もう帰りたいです。切実に。

『隣町の高校に襲撃です!』

俺が休めるのはまだ先のようだ。

「テ、テイルオン・・・」

昨日決めた変身の時のワードを口にし愛香に鞄を預け変身する。

行くとするか

変態達の世界規模の侵略(残念なくらいにスケールの小さい)を潰しに

 

「大事なとこ見逃しちまったじゃねええええええか!!」

あと雪花さんほんとうるさい。




主人公が入れ替わりつつあるだと!?
そんな事は無い!

あとお気に入り75件 ありがとうございます!

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次回は3月の4日くらいになります
期末テストの卒業式の為

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