ネタバレ注意。ゲームプレイ済み推奨。
「もちろんもっと一緒に旅をしたい。だが……」
「――駄目だ」
「……え?」
彼――導師と呼ばれる存在となったスレイという名の少年が、目の前にいる少女アリーシャに向かってはっきりとそう断言した。その言葉を聞いた彼女は伏せていた顔を上げ目を見開いて驚き、周りにいる仲間たちも反応は似たような様なものであった。
何故なら彼は人当たりのいい優しい性格をしており、今まで誰かの意見に対してここまでハッキリと頭から否定した事はほとんどなかったからだ。
しかし普段は温厚な彼も今回ばかりは黙ってはいられなかった。
「アリーシャ……国の事が気になるから残るって言ったよね」
「あ、ああ、王女の私がいつまでも不在では……」
「それって嘘だよな。この前のオレの目が見えない話を聞いてたからそう言ったんだろ?」
「それ、は……」
スレイの指摘にアリーシャは何も言えず口籠る。何故ならそれが全て当たっていたからだ。
――導師となったスレイは、世界を混乱に陥れている穢れを払う浄化の力を手に入れ、旅をしながらその力を使うことによって各地の困る人たちを助けていた。先日も今滞在している街マーリンドの疫病問題を解決したばかりであった。
そしてアリーシャも彼の従者――従士となって共に戦っていたのだが、これには問題があり、この従士契約はスレイと同等の素質を持つもので無ければ従士として力不足でスレイに負担がかかってしまうと、先日の戦闘の際にわかったのだ。
その時アリーシャは右目が見えなくなっていたスレイを庇って気絶していたはずなのだが、どうやら微かな意識の中でその話を聞いていたようであった。
そのため、心優しい彼女はこれ以上スレイの負担になりたくないと考えた故に、当たり障りのない理由をつけてパーティーから外れると言いだしたのが今回の発端であった。
「確かに俺の右目は見えてないけど、それとこれとは話は別だよ」
「別って! だけ「なぁ、ミクリオ。例えばもし誰かが仲間を庇って怪我をしたら、その庇われた人はその人ともう一緒にいちゃいけないのかな?」」
「それは……」
アリーシャの言葉を遮ってスレイは横にいた少年ミクリオへと問いかける。彼はスレイの幼馴染で天族と呼ばれる種族の少年だ。ミクリオはスレイに聞かれ、何を言えばいいのかと思わず口籠っていた。
先日の戦闘後の会話で、彼はてっきりスレイがアリーシャとの契約を破棄すると思っていたために、まさかこのようなことを言い出すとは思ってもいなかったのだ。
そしてそのスレイの発言を聞いて、今まで黙って話を聞いていた髪の長い女性が慌ててスレイの前に立つ。
「ですがあの時スレイさんは、『わかったよ』と!?」
「別にそれ以外何も言ってないよライラ。そもそもオレが旅をしてる目的は穢れを払うだけじゃなくて、天族と人間が共存できる世界にしたいからだ。それなのに少し天族と意思を通わせる力が足りないからって一緒にいるのを諦めるのはおかしいだろ?」
「…………っ」
スレイの問い詰めるような言葉に、先ほどのミクリオの時と同じようにライラが言葉に詰まる。話の内容もそうであったが、何よりもスレイの言葉と視線が鋭く胸に突き刺さったからだ。
彼女はスレイと契約した天族――主神として何よりも穢れを払う事を重視している為に、どちらかと言えば導師のスレイの負担となるような従士契約には反対の立場であった。だから出来るならアリーシャとの契約は解除するべきだと今も言いたかったのだが、スレイの言葉に何もいえずにいた。
そんな黙り込む彼女に変わって、今いる仲間の中で一番小さい少女が口を開く。
「でも今のままならスレイは目が見えないままだけど?」
「だったらどうにかする方法を見つけるさ。絶対になにかあるはずだ!」
「……契約をやめれば済む話なのに?」
「俺とアリーシャは仲間だ。こんなことなんかで仲間を見捨てない。だって何か困難が起きればそれを一緒に超えるのが仲間だろ。エドナだってそう思わないか?」
「スレイ……」
「……ふぅん」
スレイの言葉に目を見開くアリーシャに触れず、それだけ聞くと小さな少女エドナは一歩下がり、手に持った傘を開いて顔を隠すように皆に向かって背中を向けた。まるで好きにすれば良いんじゃないかというように。いや、もしかしたら今のスレイの言葉に彼女自身何か考えることがあったのかもしれない。
その様子を見てからスレイは背中を向けていたアリーシャに今一度向き合う。
「アリーシャ……アリーシャはもし俺が導師じゃなくなったらどうする? 役に立たないからってもう口も聞いてくれないのか?」
「そ、そんなことはないっ! スレイは私にとって……その……だ、大事な仲間だ!」
「うん、ありがとう」
一瞬逡巡したアリーシャだったが、それだけは間違えないとばかりにはっきりと告げると、満足したようにスレイは頷く。
そしてそれを見ていた三人。傘をさして背中を向けているエドナの表情は見えないが、残りの二人、ミクリオとライラは共に複雑な顔をしていた。
確かに二人ともアリーシャをこのメンバーから抜けさせることを考えていたが、別にそれはお互いにどうしても優先すべき物があったためであり、アリーシャを嫌っていての事ではない。
ミクリオは幼馴染のスレイ。ライラは自分の使命。どちらも大事な物を天秤にかけた故の苦渋を迫られての決断だったのだ。しかし今はどうしたらいいのかと迷っていた。
そしてそんな悩む彼らをおいてスレイは話を続ける。
「だからさ、これからも一緒に来てくれないかアリーシャ」
「あっ…………そ、それに! わ、私は国の民を放っては置けない……」
「そうだね、そっちも大事だ。だけど厳しく言うけどアリーシャがこのまま一人で戻っても何もできないと思う。きっとあの大臣たちに良いようにされるだけだ。だからアリーシャの夢を叶えるのは俺たちと一緒にこの騒動の元凶の穢れをどうにかしてからでも遅くはないと思うんだ。俺の夢もアリーシャの夢もその先はきっと繋がっているはずだから」
「スレイ……」
スレイがこの手を取ってほしいと言わんばかりに手を伸ばすと、その手と彼の顔を何度も交互に見ながらアリーシャが戸惑う。
スレイが自分を必要としてくれているのは嬉しい。きっと彼の言う通り自分が国に帰っても出来ることなどたかが知れているだろう。だが、やはりこの先の旅を思うと自分は足手まといになってしまうのではないかと彼女は悩んでいた。そこへ――
「はぁ……いいんじゃないかな」
「ミクリオ様……」
そんな緊張感を打ち破るように、疲れた声を出しながらミクリオが前に進み出る。
「問題はスレイの目だからね。それじゃあスレイの目が見えないんだったらアリーシャがスレイの目になればいいんじゃない?」
「私が……スレイの……」
「まぁ、スレイ一人だと僕たちと話してたら独り言を言ってるようで周りから引かれるし、やっぱり僕たちじゃなく人間の仲間がいた方が良いからね…………それに僕も、結局運よく器を見つけられただけで、そうじゃなかったら旅にすらついていけなかっただろうから……」
素直に言うのは恥ずかしいのか、そっぽを向きながら尤もらしいことを言う。そしてその後ボソっと誰にも聞こえない様に内心の思いを口にした。
実際に今の彼は陪神といい、主神であるライラと契約をしていなければスレイと一緒に戦うことが出来ない存在であった。ゆえに以前その契約のことでスレイとも一度もめたこともあり、同じような立場であるアリーシャの気持ちは誰よりもわかっていたのだ。
そして契約当時スレイに負担をかけたのは彼も一緒だった故に、だから彼はスレイ本人が言うならもう何も言うまいと決めた。それに先ほど言った通り、簡単にあきらめるのは自分の夢でもある天族と人間の共存からは程遠いと改めて分かったから。
そう決意を固めるミクリオに続き、隣にいたライラも自分の思いを告げる。
「スレイさんが今よりも導師としての力を使えるようになればもしかしたら大丈夫かもしれません……」
「ライラ様……」
「ごめんなさい。その……従士の契約は、あ……それ自体あまり行われておらず、え、っと……私も不明確な所が多いのですっ」
後ろでそれを聞いていたライラも一歩前に出て、頭を下げてアリーシャに向かって謝る。普段は誓約によって話せない内容が多い彼女が言葉を選びながらもうまく伝えようと必死であった。
そんな様子を見たアリーシャが慌てだす。
「あ、頭を上げてくださいライラ様っ! 元々は私が「はい、ストップ」エドナ様……」
「あんまり自分を卑下しない。従士がそんなだったら導師が恥ずかしいでしょ。ほら、胸張る」
「す、すみませ「すぐに謝らない」う……」
二人の間に傘を広げて割り込んだエドナがそれ以上やったら怒るよという鋭い視線を向けて、アリーシャも言葉を詰まらせる。不器用かもしれないが、これはエドナなりのエールである。
エドナにとってアリーシャはまだ数日行動を共にした程度の人間であったが、それでも簡単に割り切れるほど心は冷えていないのだ。
そんなエドナの視線にアリーシャはすぐに持ち直して一度ミクリオ達を見渡した後、再びスレイと向き合う。
「……私は……君達と一緒にいてもいいのだろうか」
「当たり前さ、さっきも言ったけど俺達仲間だし友達だろ」
「スレイ……ッ!」
その言葉に改まって感極まり、アリーシャはその思いを言葉に出来なくなる。
幼いころに母を亡くし、今まで彼女の周りには敵ばかりだった。師匠であるマルトランや自分を気にかけてくれるメイドや騎士たちもいるのだが、みなやはり立場が違うために心の内を曝け出せるような者はいなかった。
ゆえに彼女にとってはその言葉は何よりも嬉しく、何よりも欲していた物の一つであったのだ。
「わ、たし、は……」
「アリーシャさん!」
そしてついにそれ以上言葉が出ずに嗚咽を漏らしながらしゃがみ込んでしまい。それを見た女性二人が駆け寄り、ライラが彼女の背中を撫でながら落ち着かせ、エドナがスレイとミクリオの間に入り傘を広げて泣いている所を見せないとばかりに遮った。
この場では男性であり、この状況を作ったスレイが彼女を抱きしめるなりして慰めるのが正解なのだろうが、今まで天族以外の年頃の女性と触れ合ってこなかったスレイには到底無理な話である。実際に先ほどまでの毅然とした姿はなく、傘の向こうでアタフタとしているだけであった。
それからアリーシャが落ち着くまで男達は向こうで案山子のように立ちつくして待っているだけの存在となっていた。
「すまない……みっともない所を見せてしまって」
「い、いいよ。それでアリーシャ……」
「ああ、スレイ……良ければ、その……これからも一緒にいさせて欲しい……」
「勿論さ!」
「……ッ! ……ありがとうっ!」
その言葉にアリーシャは満面の笑みを浮かべる。その笑顔にスレイは思わず顔を赤くし、まともに彼女の顔が見られなくなってしまうが、すぐにその表情を変える
何故なら突如アリーシャが地面に片膝をつき、そして右手を握って心臓に重ねるような姿勢をとってスレイに頭を垂れたからだ。
「ア、アリーシャ?」
勿論いきなりそのようなことをされたスレイは驚き慌てるが、アリーシャは微動だにせず、続けて口を開く。
「――私、アリーシャは今後我が命燃え尽きるまで導師スレイの目となり、この先如何なる困難が立ちふさがろうとも、その全てを振り払う槍となることをここに誓おう!」
これが今自分にできる全てだと言わんばかりと声をあげて、騎士としての誓いをアリーシャがたてる。そのことにスレイは勿論のこと、普段は何事にも澄ました目を向けるエドナでさえ目を見開いて驚いていた。
「それって……」
「これは私の勝手な誓いだ……君は何も気にしなくていい」
「…………わかった。でもオレたちは上下なんてない対等な仲間だ。だから一緒に戦ってくれるのはいいけど、決してオレを助ける為に命を張るとか考えないでほしい」
「だけど…………いや、わかったよ。スレイ」
言いたい事もあったが、なによりもアリーシャの気持ちを慮りスレイはその誓いを受け入れ、彼女も彼の気持ちを理解してそれを飲み込む。
そして膝をついていた彼女が立ち上がると、お互いに右手を出して手を重ね合わせて握手をし、両者とも照れくさい表情をしながらも改めて仲間であることの誓いを立てる。
そんな中それを見守る目が六つ――
「全く……いい雰囲気作っちゃって」
「まあまあ、いいではありませんか」
「子供ね……」
「あ、あわわわわわっ! そうだ、天族の皆さんもこれから一緒に旅を……って痛っ!」
見られていたことを思い出したのか恥ずかしがるアリーシャ。出来るなら穴にでも入っていたかったのだが、それよりもスレイだけでなく彼らにも了承を得ねばと、ミクリオ達に頭を下げて懇願をしようとする。
しかしエドナが先んじて軽く出した傘に激突した。
「直ぐに謝らない」
「そうだね、仲間ならそんなことしないね」
「ええ」
「皆さん……」
自分たちは対等だと言いたいエドナにミクリオが同意し、ライラが呪文を唱えながら軽く痣になったところを癒す。その様子にアリーシャは思わず感動していたが――
「折角だし、呼び方も変えようか。いつまでも様付って変だし」
「それは良い案ですわ!」
「え……ええっ!?」
名案だとばかりに言いだすミクリオ達に、先ほどの感動よりも驚きが勝った。
彼女――いや、人間にとってはその神秘性から天族は恐れ多い存在であって、様付以外の呼び方など考えられないのだ。それは王族で普段民から敬われているアリーシャも例外ではなかった。
とはいえ彼らも今までのような他人行儀な言葉遣いはあまり好ましく思っていなく、良い機会だと考えていた。
「それじゃあ僕はミクリオで」
「私もライラでお願いしますわ」
「……エドナでいい」
「えええええええええっっっ!!!!!???」
そして追い打ちをかける様に呼び捨てをしろとの言葉に大声を上げて仰天する。あまりの事にアリーシャが体をよろめかすと、その様子を見ていたスレイが笑いながら彼女の体を支えて間に入る。
「ハハッ、あんまりアリーシャを苛めるなって。でもアリーシャ、やっぱり呼び方一つで変わることもあるだろうから頑張ってみない?」
「…………わかった。ただ、その……呼び捨ては少し……」
「確かにいきなりは難しいね。だったらさん付けならどうかな? ほら、ミクリオさんとかライラさん、エドナさんって。それで慣れてきたら呼び捨てを目指そうよ。良いよね皆も」
「勿論構いませんわ」
「良い案だね」
ライラ達もアリーシャの生真面目な性格を知っている為に無理強いはしない。今まで培った価値観を変えるのはなかなか難しく、彼女の呼び方もそれに基づいたものだからしばし時間がかかるだろう。
「でもエドナさんって……ぶふっ」
「うるさいよミボ」
「こらっ! やめろって!」
「ハハハッ」
スレイの案に肯定しつつも噴出したミクリオにエドナが眉間に皺を寄せ、怒りながら傘で突く。見た目は年若い少女だがエドナは何百年と生きている天族なので、子供のミクリオにからかわれるのは業腹なのだ。
そんな様子を見ていたスレイとアリーシャが思わず顔を見合わせて笑いだす。
「とりあえず二人は置いといて、これからどうしようか」
「そ、そうだな。私の誓いは変わることはないけど、やはりスレイの目をどうにかしないと……」
「だったらこういう時は……」
そういってスレイが視線を向けるのはこの中で一番事情に詳しいライラだ。エドナも長く生きた天族として物知りではあるが、それでも穢れの事については今一つである。
とはいえ誓約によりライラは導師について話せることは少ないのでこのような時には困る。そんな中ミクリオが手を顎に当て、何か考えていたと思ったら突如――
「…………ライラ、北はどうだ?」
「え? えーと……」
ミクリオの言葉に困ったように眉をひそめるライラを見て、そこで何かに気付いたスレイが後に続く。
「なら東はどうかな?」
「ど、どうなんでしょう?」
「えっと……南は?」
「さ、さあ?」
「西」
「あっー! 今日はマーボーカレーが食べたいですねー!」
「「「「西か」」」」
「う、ううぅ~~~はぁ……」
物事の本質を話せず誤魔化すしかないという性質を逆手にとっての全員からの見事な連携の尋問であった。そのことに思わず涙目になるライラだったが、仕方ないと諦める。
自分が肝心なことを言えない周りからすれば嫌な女であるのはわかっていたし、出来るなら少しでもこのようなヒントは教えたいと思っていたのだ。とはいえ流石にこのような扱いは年甲斐もなくへこんだ。
そしてそんなライラに気付かずに、全員が今の情報から早速今後の予定を相談し始めていた。
「西って……確かローランス帝国がある方だよな?」
「ああ、途中グレイブガント盆地やヴァーグラン森林があるけど、そこを抜けた先が大陸一の都市ペンドラゴがある国ローランスだ。ただ向こうに行くとなると……」
「難しいよね。今は戦争も起こりそうなほど緊迫してるし、アリーシャは王女だから」
「まぁ、導師の連れなら向こうもそこまで気にしないんじゃない。それにもし行くなら一回あっちまで帰るの?」
「確かに周りにも報告しておかなければいけませんが、レディレイクまで戻るとなると時間もかかりますし……いいのでしょうか?」
「気にしない気にしない。目的はあるけど急ぐ旅じゃないんだし、一つずつゆっくりやって行こう。それに向こうでも何かわかるかもしれないしね」
「スレイ……」
「はい! 戦争が起こる原因はローランスの穢れもあると思いますので、その案には賛成ですっ!!」
「よし! ライラもこう言ってることだし、今後の予定は昨日話した通りローランス帝国で決定だなっ!」
自分が完全に放置されていることに気付いたライラが勢いよく手を上げて発言して存在をアピールするが、思い込んだら一直線のスレイはそのことだけ聞いて、自分たちの考えが間違っていないと確信して力強く拳を握り決意を固めており、全く気付いていなかった。
「…………」
無言でライラの肩に手を置くエドナ。アリーシャも気の毒そうにそれを見ていた。
ちなみにミクリオは早速地図を広げて今後の最短ルートを探っていた。性格は違えども幼馴染。こういった時の反応は一緒であった。
ともあれライラも直ぐに立ち直り、皆で輪作って話を詰める。そして――
「それじゃあ早速行こうか。まず目指すはレディレイクだ!」
「おお!」「ああ!」「はい!」「おー」
力強く号令をあげて歩き出すスレイに続いて、ミクリオ、アリーシャ、ライラ、エドナの四人が後に続いて歩き始める。
そしてすぐにアリーシャはスレイの右隣へと並ぶ。自分が言った言葉を真にするために。
――こうして導師スレイと人間アリーシャ。そして天族ミクリオ達の冒険が今度こそ幕を上げたのであった。
ちなみに――
「ええ、話やったなぁ……」
「ああ……」
「でもうちら完全に忘れられてたなぁ……」
「ああ……」
すぐ近くにいたのに忘れ去られたこの地の加護天族二人が色んな意味で泣いていた。
これ以上は長期になってしまうのでこれで終わりです。とりあえずそのうち契約もどうにかなる方法が見つかって最後にはハッピーエンドじゃないっすかね。しかしこういう時上手く書けない自分の文才のなさが悔やまれます。
ちなみに私は別にアリーシャ贔屓ではなく、デゼルもアレでしたし、誰が同じような扱いをされても同じ感情を持ったでしょう。序盤の下水道で一時抜けたミクリオがアリーシャと同じ扱いをされていたらそっちで書いていました。
ゲームについてはこれ以上言えば荒れそうなので何も言いません。最初は楽しかった。それだけです。