憑依生徒サラま!   作:怠惰なぼっち

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第33話

ーサラ・ヒューイットー

 

麻帆良祭が終わって1日経ちました。

今日は振り替え休日2日目です。

ネギ君パーティーは今頃アルビレオさんに呼ばれてお茶会をしている頃でしょう。

私はというと

 

「本当に私もついてきてよかったんですか?」

 

「いいよ、いいよ。この間はサラちゃんに奢ってもらったんだし」

 

「それ、まき絵が言うことちゃうやん…。まぁ、ウチも人のこと言えんけど」

 

「前回はヒューイットさんが奢ってくれたから、今日はゆーなが奢るんだって言い出したんだ」

 

「そう!一昨日の全体イベントで4位になって、賞金の食券300枚を獲得したこの私…、ゆーな☆キッドに任せなさい‼︎」

 

まき絵ちゃん、亜子ちゃん、大河内さん、祐奈ちゃんの運動部4人組と一緒にいます。

祐奈ちゃんが一昨日の賞金で高級学食JoJo苑の食べ放題を奢ってくれるということで、一緒に食べに行くことになりました。

仲良し運動部4人組に私が混じっていいのかなとも思ったんですが、前回私が奢ったから今度は私がお返しするんだと祐奈ちゃんが言い出したそうで。

龍宮さんはどうしても外せない用事があるからと申し訳なさそうに断りをいれてました。

裏の仕事でしょうか?

確か龍宮さんは恵まれない子供のために足長おじさん的なこともしてたはずなので、仕事を優先せざるを得なかったのでしょう。

なので、修学旅行の時のフルメンバーとはいきませんでしたが、また食事を一緒にすることになりました。

 

「後夜祭ではハルナさんや、美砂さん、美空さんに追いかけられてましたが、大丈夫だったんですか」

 

祐奈ちゃんが賞金を自慢してたところに、食券の匂いを嗅ぎつけた3人に追われてたんですよね。

 

「あの3人以外にもクラスの何人かに追われて、もう大変だったよ〜。なんとか逃げ切ったけど、また狙われるかもしれないからさ。今のうちに前回奢ってもらった分を返そうと思ってね」

 

「でも私が奢ったことは気にしなくてもいいんですよ?今日の食べ放題も私の分は自分で出しますから」

 

「いいから、いいから。ここはゆーなに任せておきなって。一昨日のイベントでも大活躍だったんだから」

 

「そうですね、学園全体で4位なんてすごいですよ」

 

気弾を撃てた豪徳寺薫さんより高得点をとってたんだから、祐奈ちゃんすごいよね。

 

「サラちゃんもそう思うやんなぁ。ウチなんてイベントの途中で寝てたらしゅーて、気付いたら後夜祭やってん」

 

「ヒューイットさんもすごかったって水泳部の友達に聞いたよ。その子は礼拝堂を守ってたらしいんだけど、失格弾を撃ってくるロボットを1人で倒して、その後に来た大きなロボットも脚を壊したんでしょ」

 

「えぇー!じゃあサラちゃんの方が私よりもポイント稼いでたんじゃないの?」

 

「いえ、私はネギ君と同じヒーローユニットだったんです。なので私はポイントとかもらってないですよ」

 

「そういえばネギ君もだけど、空飛んでる人もいたよね。あれってどうやってたの?」

 

「ヒューイットさんも飛んでたよね?あの時はCGって言ってたけど…」

 

「あの時は咄嗟にCGって言っちゃいましたが、実は麻帆工大の最新技術を使ってるんですよ。なので空を飛ぶユニットの数もそんなに多くなかったですよね」

 

「んー、そうだったかなぁ」

 

「その飛行ユニットも本当は門外不出なのを、あのイベントのために特別に借りれたんです。なのであんまりお話しないでくださいね」

 

麻帆工大の最新技術とか全くのデタラメなんですが、4人組が魔法に関わるのはまだ早いですから。

ここは誤魔化しておきましょう。

 

「大丈夫!私たち口堅いから」

 

「そうだよ、誰にも話さないから!」

 

「まき絵とゆーなは心配やなぁ」

 

「私と亜子で見張っておかないとね」

 

祐奈ちゃんとまき絵ちゃんが自信満々で任せてと言って、すぐに亜子ちゃんと大河内さんにツッコミを入れられてました。

やっぱり仲がいいなぁ。

私はまだ彼女たちに言えないことが多いからなんか負い目を感じちゃうんだけど…。

 

「ホラ、早く食べに行こうよ!」

 

「そうだよ、ボーッとしてる場合じゃないって」

 

「ウチとアキラだけやとあの2人を抑えるん大変やから、サラちゃんも手伝ってや」

 

「ヒューイットさん、大変かもだけどよろしくね」

 

こうやって機会があれば、私に気を使ってくれるんだからありがたいです。

 

「わかりました。では行きましょう」

 

これだけ仲良くしてもらってるんだから困った時は助けてあげないとね。

 

 

運動部4人組と別れて、エヴァちゃんの家へ行くとエヴァちゃん、茶々丸さん、チャチャゼロさんも戻っていました。

 

「こんにちは、エヴァさん、チャチャゼロさん、茶々丸さん」

 

「何だ、運動部4人組と食事会じゃなかったのか?」

 

「ヨク来タナ」

 

「こんにちは、サラさん」

 

「食事会行きましたよ。高級学食なだけあって美味しかったですし、楽しんできました。エヴァさんはアルビレオさんとのお茶会どうでした?」

 

「相変ワラズ、御主人ハ弄バレテタゼ。アレハ天敵ダゼ」

 

「ふん!」

 

チャチャゼロさんの言葉にエヴァちゃんが鼻息ひとつ。

 

「やっぱりイジられたんですね。ですがナギさんに会えたんですからよかったじゃないですか」

 

「会えたというが、あれは幻ではないか」

 

「幻とはいえ、あそこには間違いなく10年前のナギさんがいた、あれは『動く遺言』なんでしょう?」

 

「確かにな。そういえばアルの奴が貴様に興味を持ったみたいだぞ」

 

なんであの人が私に興味を持つんでしょう?

接点なんかないはずですが…。

 

「奴と久方ぶりに再会した時、私が然程驚かなかったのを不思議に思ったみたいでな。貴様が言ったろう?『嬉しいかどうかは別に懐かしい人物に会える』と。その言葉を聞いていたから奴のことだと思ったわけだ。その話をしたら招待したいと言っていた。まぁ、興味があるなら行ってみるといい」

 

確かに重力魔法は興味あるんですよね、応用範囲も広いと言ってたので。

でも、アルビレオさんだからなぁ。

 

「時間があれば尋ねてみようと思います。今日は別荘の書庫を漁ってもいいですか?」

 

「ああ、構わんぞ。私はあいつの相手をして疲れた。少し休ませてもらうぞ」

 

「ケケケ、アレ位デ疲レルナンザ、ホントババアダナ」

 

「うるさい、チャチャゼロ!」

 

「えーっと、じゃあ私は別荘に行きますね?」

 

「サラさん、行ってらっしゃいませ」

 

口喧嘩してるエヴァちゃん、チャチャゼロさんとお辞儀をしてる茶々丸さんを残して、別荘のある地下室へと降りて行きました。

 

別荘の書庫に着いたので早速お目当ての書物を探します。

私が探してるのは「影の転移魔法(ゲート)」に関する本、見た目と容量が違う袋のようなマジックアイテムの作り方に関する本、魔力を吸収・蓄積・放出するマジックアイテムに関する本です。

さすがに図書館島の蔵書量に比べたら圧倒的に少ないものの、それでも600年生きたエヴァちゃんの書庫。

1人で探すには多すぎる書物が本棚にズラリと並んでます。

仕方ないと気持ちを切り替えて探そうと考えたんですが、探してた本は思ったよりも簡単に見つかりました。

驚いたことに書物が、ちゃんとその内容ごとにカテゴライズ化されてたんですよね。

エヴァちゃんのことだから適当に本棚に放り込んでるかと思ってたんですが、多分茶々丸さんのお姉さん達が本の整理整頓をやってたんでしょう。

司書係っぽいお姉さんもいますし。

これでは一つの図書館ですね。

とりあえず私が探してた本を借りて解析に取り掛かります。

私が考えてるのは

1、見た目は小さいのに容量は大きいという袋状のマジックアイテムを作るまたは購入

2、そのマジックアイテムを影の転移魔法の応用で私の影の中に固定

3、マジックアイテムの口と私の影にゲートを設置

4、魔力を蓄積できるマジックアイテムを作るまたは購入

の4つです。

1〜3は4のマジックアイテムを入れるものですね。

4の方が重要度は高いんですが、これは枯渇した魔力をすぐに回復させるためのアイテムです。

いくら魔力容量が大きくても、枯渇してしまえば周囲から魔力を吸収できるとしても、致命的な事態になりかねません。

それならすぐに回復可能なアイテムを持っておこうというわけです。

幸いというか、魔力容量を拡大するために私は1度魔力の枯渇状態になるまで、魔力を放出しないといけません。

それならその放出する分を今のうちに貯蔵しておこうと思ったんです。

今まではいろんな魔法の練習で魔力を使っていましたが、ある程度魔法の熟練度は上がったので、これからは溜める方向でいきます。

そしてそのマジックアイテムをすぐ取り出せる、かつ誰にも取られないようにするとなると影の転移魔法が便利だと考えました。

影の転移魔法自体はエヴァちゃんに教えてもらったので私もできます。

それを応用したらいいんですから、なんとかなると思います。

それから容れ物ですね。

持っていけるなら大容量のものがいいですから、マジックアイテムを用意しようと考えたんです。

ネギ君が持つような杖が手に入ればそれもいれられますし。

さぁ、解析頑張りましょう。




マジックアイテムって重要ですよね。
それに回復アイテムも大事です。
魔力を捨てるように使うくらいなら
いずれ回復するための手段として取っておくべきでしょう。

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