ー???ー
「わずかな勇気が本当の魔法
少年少女よ大志を抱け
その一歩が世界をかえる…かぁ」
呟いた言葉は「魔法先生ネギま!」最終話に書かれていた言葉である。
彼女は「ネギま!」の連載が終わったので、単行本を最初からじっくり読んでいた。
今は学園祭編のクライマックス直前のところだ。
ネギと
「言われたらわかるけどタイムマシンを戦いに利用するなんてよく思いつくよねぇ。
やっぱネギ君って頭いいんだなぁ」
しかしカシオペアによる戦闘は超が先に仕掛けたことがヒントになったはずである。
ではヒントがあれば誰でもできることか?というとそれも違うようだ。
現に葉加瀬が説明をしているが、ナノ秒以下の精密操作と跳躍後の時空間の正確な事象予測が不可欠らしい。
確かにタイムマシンを使用しました、そのタイミングなら問題ないのにナノ秒単位のズレで何が起こるかわからないこともあるだろう。
時間跳躍後の空間が海でしたならまだマシだが、山でした、宇宙空間でしたとなっていたら目も当てられない悲惨な事態になってるかもしれない。
葉加瀬達は長い時間をかけてシュミレートしたそうだが、その辺の細々とした話は彼女には理解不能だったため割愛。
対するネギの用意した答えは「小物を動かす魔法」と「
こういう基本の応用力やその応用に耐えうる基礎力がネギの天才性と努力性を表してると言えるだろう。
「要するにネギ君は頭がよくて、更に努力家ってことか。
私とは真逆ね!」
…自分で言っておきながら情けない話に少々落ち込む。
成績自体は中堅公立高校の中くらい、つまり平均的なわけだが、努力という言葉が苦手だった。
なんとなく小学校を過ごし、なんとなく中学生をこなし、高校受験でちょっと苦労しながらも高校は中堅どころに落ち着いた。
努力するということとは無縁の人生だったのである。
たぶんこれからもなんとなくで生きていくのだろう。
それに対してネギは様々な困難を乗り越えて、さらにはそれを糧として生きている。
別に彼女も困難を受けたいとかそんなMっ気があるわけではないが、彼女にはネギが眩しかった。
作中の女の子ほどネギを好いたり愛してるわけではないが憧れを抱いてたのは確かである。
「『ネギま!』の世界に行けたら、私も少しは変われるのかなぁ…」
その呟きを彼女は自覚することなく、いつの間にか眠りについていた。