蓬莱山家に産まれた   作:お腹減った

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焼きおにぎり食べたい


真澄の鏡

「神めがッ... 我らの邪魔をするでない!」

 

「ええい。金魚の糞の有象無象は邪魔だ死ね」

 

目障りな妖怪を切り捨て、そのまま何事も無かったように歩き出す。船舶に乗って近畿地方の紀伊国へと上陸して下船したのはいいが、余波のせいか頻発に妖怪と出会っている。で、人間の振りをしながらこの辺に住んでいる漁師などの民を助けた。山本五郎左衛門や神野悪五郎などが備後国から諏訪国へと動き出しているそうだが、海路では無く陸路を進んでいるので、その途中に大和や山城国など色んな国を通る事になる。だが神道の神が動き始めて殺されることはまずない。昔から少々の事を妖怪がしたとしても妖怪は基本的に殺さないようにしているが、見逃せないほど度が過ぎた事をした際に限り殺している。それはそれぞれの国にある神社に鎮座している神道の神もだ。それぞれの国にいる神道の神などが妖怪を捉えて地獄に連れて行くか、もしくは殺しているので、あんまり問題は無いのだ。理性があるのは基本的に生かすが、本能だけで動く妖怪は殺している。

依姫が助けた漁師から話を聞いているので、俺はお礼として酒を貰って飲んでいる。

 

「最近。京、平安京にいる躰仁皇子を病の身にした妖怪がいるそうですよ」

 

「そ、そうか」

 

「はい。なんでも見る人によって姿を変える妖怪だそうで、虎、蛇、猿。他にもありますが、このように一定の姿をしていないようです」

 

天皇には近江朝廷から山城国の平安京へと移ってもらった。だから京にいる。躰仁皇子が病か、しかも一定の姿をしていない。山城国には小野篁がいる。それで小野篁は妖怪のスペシャリストで何でも屋でもあるが、実際の小野篁はスペシャリストだが、妖怪を退治していない。実際は地獄の人手不足が問題で、退治したと見せかけ妖怪を無理矢理地獄に連れて行き、神綺などに従わせてこき使わさせる為にそんな事をしているそうだ。だからあいつも殺される事は無いだろうが、心配だな。あ、輝夜と咲夜、妹紅や幽々子などは天皇同様、京にいる。

 

 

そのまま紀伊国の北に進んで、山を登っては下ってを繰り返しをしてやっとこさ。

大和にある平城京の西に位置する 竜田山 の麓へと到着した。

今は秋なので 竜田山 は山一面、紅葉で彩っている。地面に落ちている紅葉や木の枝を踏みつけながら先に進んで行くと、目の前には姉妹の竜田姫が現れたので、そのまま姉の静葉とハイタッチ。妹の穣子にもしようと右手を挙げたが、足を踏まれた。ちなみに穣子は裸足だ。仕方ないので何事も無かったように挨拶。

 

「元気か秋姉妹」

 

「帰れ」

 

「そうつれない事を言うなよ穣子。とりあえず芋くれ、焼き芋にするから」

 

「帰れって言ってるでしょ! お姉ちゃんもご丁寧に籠一杯のお芋をそいつにあげなくていいから」

 

「で、でもお芋欲しいって言ってるし...」

 

静葉は妹の穣子に注意されながらも、籠一杯のお芋を俺に渡す。所々土塗れなので、取れたばかりなのだろうか。籠を受け取り、そのまま芋を一つ取り、隣にいる依姫には水神の 弥都波能売神 を使役してもらい、土汚れを水で洗い流す。洗い終えたので別の籠を

静葉から貰い、そこに洗い終えた芋を入れる。この際全部のお芋を洗おうと考え、他の芋を一つ一つ洗っていたら、穣子が依姫に苦言を呈す。

 

「依姫、よくこんなのと夫婦になって結婚したわね。大変でしょ?」

 

「もう慣れましたよ」

 

俺がすぐ傍にいるのに穣子は依姫に言うが、依姫は笑って返した。いや依姫よ、それはそれで酷くないか。全部の芋を洗い終えたので、お芋のお礼を渡そうと静葉と穣子を読んで、懐からお礼の品を右手の掌に乗せて渡す。

 

「芋をくれた礼に、二人にはこれを進呈しよう」

 

「綺麗...」

 

「ワイロね!? そうやって私達を手籠めにする気でしょうけどそうはいかないわよ!」

 

二つのペンダントを 静葉 と 穣子 に渡した。静葉はガーネットが嵌めこまれたペンダントに見惚れ、穣子は嫌がったが無理矢理だ。ガーネットの象徴は 豊穣 多産 とかだったので永遠の神になった秋姉妹にはぴったりだろう。ガーネットは火とも関連づけられ、ガーネットはザクロの象徴でもあり、ギリシャ神話で ザクロ は 永遠 の意味もある。

左手に6発の弾を込めた二挺のM29リボルバーと、もう2発の弾を左手に出して二人に差し出す。本当はグロック17かベレッタp-36マグナムかマスケット銃にしたかったんだがやめた。

 

「この弾はドイツの民話伝承に伝わる魔弾の フライクーゲル だ。念の為に渡して置く、余程の時に使え。リボルバーに弾は込めてあるから撃てばいいだけだ。後はフライクーゲルが勝手にしてくれる」

 

「そんな物騒な物いらない!」

 

「叙情的に言わず受け取れ、護身用としてはかなり使えるぞ。グルカナイフもある、いや護身用だからスペツナズナイフの方が... いいか、スペツナズナイフはこのレバーを押すとだな」

 

「いらないって言って… 待った。なら今がその時ね。さっさと寄越しなさい。あんたにその弾丸、撃ってやるわよ」

 

「やめておけ、弾の無駄だ。それで俺を殺せない事は知っているだろう。それに、お前達が 忽然と客の消えるブティック の様になっては困る。いいから黙って受け取れ」

 

7発中の内6発は射手の望む所に命中する。そうだな、一発一発の弾に意思がありつつ追尾機能がある感じと考えればいい。執拗に相手を追いかけ、必ず相手に命中する百発百中な魔法の弾丸。魔弾の フライクーゲル 弾はそれぞれ7発と少ないが、一発でも撃てば相手を殺すまで追い続ける魔弾だぞ、銃を扱った事が無い者でも一度引き金を引けば相手を確実に殺せる代物だ。ただし、リスクがある。問題は7発めだ、この最後の7発目を撃つとあれなのが玉に瑕だが、永遠の存在だから問題ないだろう。しかし銃を撃つ際に反動が起きるが、静葉 と 穣子 は輝夜のお蔭で俺と同じ永遠の存在になっている。つまり物理法則などは適用されないのだ。周りは紅葉が風に乗って舞っていて、視界に入っているのは焚火の火が風に揺られている。芋を焼き芋にする為に枯れ葉を集め、依姫に頼んで火の神である 甕速日神 を呼び出してもらい、枯れ葉に火を付けてもらった。枯れ葉で火が燃え始め、徐々に大きくなっていくのを見ながら二姉妹の神の神である竜田姫に問う。

 

「静葉に穣子。ここは、夾雑物が多いな」

 

「そうかな? 私は美味しい物を食べたり、いいお天気の時はお昼寝したりして満足してるよ」

 

「そう、ね。でも、夾雑物がどんなに多くても、私もこの世界が好きよ」

 

変わらない、お前達も変わらないな。右手を仰向けにして、魔方陣を展開する。すると右手の手の掌には一つの葉が右手に乗っているが、これはパルスィが持つ 顕明連 と同様 回帰前の記憶を戻す為の一つ。

インド神話に出てくる聖仙の アガスティヤ が残した アガスティアの葉 だ。これが、これが必要だった。だからこそ天竺にいる 魅魔 と くるみ は、これを探す為に天竺に行っていた。そして、天竺にいた アリス が記憶が戻っていたのも、この アガスティアの葉 が原因かもしれん。他に記憶を戻す為の方法は アカシックレコード がある。

 

生きる上で必要なのは、食べる事、飲む事、最後に寝る事だ。これは、動物である以上必要な行為であり、体の機能を動かす為に必要な行い。後は子を残す為の性欲か。しかしそれだけで満足しないのが出て来た、そう、だな。今から言うのは飽く迄、あくまでも例え話であり比喩表現だ。分かりやすく言うと知識の実、または知恵の実だ。知恵の実を食べた事で、アダムとイヴは裸でいる、この事実に恥ずかしさを覚えた。例えば、犬や猫は常に裸だ、毛は纏っているが衣類を纏っていない。裸でいる事に恥ずかしさなんて猫や犬には感じないだろう。だが人間は違う、人間だけ裸でいる事を恥ずかしいと感じる生き物。つまりだ、人間はこの時に最初から持っていた本能だけでなく、意思と自我を持ち始める事になった。だから神はアダムとイヴの二人をエデンから追い出したのだ。しかし人間がアダムとイブの子孫と言う事を言いたいのではない、実際は子孫でもないし。

 

俺が言いたいのは観測者効果だ。誰か1人、1人でもいいからそれを観測、認識、理解。確定すると全体に影響を与えるのが観測者効果。本能はともかく一部を除いて、人間が自我や意思を持ち始めたのは神が原因ではないのだよ。まあ、これはあくまでも例え話であり比喩表現。実際は別の事でそれは起きているので、アダムとイヴが原因ではないし 

ミトコンドリア・イヴ が原因じゃない。ぬう、話の単純化は大事な事を見落とす事になるな。

 

「ほんと、昔にあんたと知り合ったのは忸怩たる思いよ」

 

「穣子ちゃんそんなこと言ったら駄目だよ。私は知り会えて、嬉しいよ~」

 

「そうか、穣子は辛辣だが静葉は優しいな。

               Why is there something rather than nothing?」

 

「ふん。あんた相変わらずその言葉好きね。木を見て森を見ず、この言葉をあんたに送るわ」

 

「中々どうして、言い得て妙だ」

 

記憶、戻ってないくせに。人間は、昔から自然の奴隷であり、自然は人間の軛だ。だからこそ、日本に住む人間は自然を神格化し、神として崇め祀った。それは人間が自然現象に対して無知だったからだ。だから自然を神として接して来た。だがな、言い方を変えれば自然現象を全て神のせいにして来たと言えるんだよ。人間は昔から変わらない、人間は昔から何か不都合が起きると誰かのせいにして押し付けて来た。疫病が流行ると疫病神が、天然痘が流行ると疱瘡神が原因だと言い始めたりな。人間が消えたら神隠し、富士山が噴火したら コノハノサクヤ に 浅間大神 地震が起きるとその原因は なゐの神 もしくは 龍か大鯰 と言った感じに挙げればキリがない。俺は未来を知っているから言える事だが、確かに人間の科学や医療は進歩しただろう。昔に比べて色々便利になり、確かに生きやすくなった。平均寿命も昔に比べて伸びたし、昔に比べて医療も進歩して治せなくて難病だった 結核 も治せるようになった。日本以外の国へと行き、世界は広いと思っただろう。でもな、どれだけ科学が進歩しても。変わって無いのがある。

それは 人の心のベクトル だ。今も、何かの出来事を誰かのせいにしている。つまり、人間の医療、科学などが進歩しても、人間の本質が進歩していない。何も変わって無いんだよ。ずっと、同じ所をぐるぐる回っているだけ。前進もしなければ後退もしていない。そしてもう一つ、ある人間は知ら無い事に恐怖する。だからこそ人間は貪欲に知恵を付け、その恐怖の原因を突き止めて来た。そんな人間でも、未だに知ってない事がある。それは、死だ。死ぬ事が判らないんじゃない、死んだ後、どうなってしまうのかという事だ。だから人間は死に対し怯える、死んだらどうなるかが、生きている人間には誰にも分かってないからだ。いくら科学が進歩してもこれだけは死ななければ判明しない。

 

今は当たり前の様に神が実在するが、本来の神は形が無い存在、そんな相手なら人間にとって絶好の捌け口だったから、病、地震、噴火。自然現象を神のせいにした。勿論、それは人間が自然に対する無知が招いた事。無知は罪と言うが、無知は罪ではない、無知は幸福だ。知らない事は幸せなのだ。何かを知り、知識を蓄えるのは悪い事ではない反面、いい事であるとは限らない。法に無知な人間を利用して金を儲ける人間もいるがね、まあそういう意味ではやはり知識は必要だろう。昔は、天動説が信じられていた。空は神が住んでいると考えられていた。それは、人間が何も知らなかったからだろう。そしてその時の常識がそうであった。その時代の人間が持つ常識がそうだったんだ。本当に空を飛べるなんて大半は考えてなかっただろうし、地球が天動説では無かったとは思わなかっただろう。

 

話を戻そう、時間が経つにつれて医療、科学は発展し、完全とまでは言わないがある程度、人間は自然の舵を取る事が出来始め。その自然現象の原因を人間達が解明、理解すると、自然現象とは、人間が食べる事や水を飲む事や寝る事。台風、地震、疫病。これらの自然現象はそんな当たり前の事なのだと理解し始めて人間達は神などいないと言い始めた。それは神を見た事が無いから、というのもいる。それを言ったら歴史の人物はどうなんだと思うが。まあ、こんな連中だ。人間はそんな生き物だ。何かの出来事を誰かのせいにして、心の平穏を保つ生き物で、臭い物に蓋をする。

 

そして大事な部分、水と食料が神の手により必要最低限だが、補われていると言うのが肝心だ。勿論、今も人間たちは作物を育てたり、家畜を殺して生きている。それは諏訪国の民も同様だ。だが、水と食料。これら全てを人間の手でしていないと言う事は、人間はペットの様に飼われている事を意味する。前に、これに気付いていた人間は、武力や兵器で神を殺そうとした事も回帰前以前の世界で起きた。人間は自分達の可能性を信じ、人間だけで地に足を付けて歩いて行けるはずだと考え、そう信じて戦争が勃発。結果は言うまでも無いが、人間は負けたがね。そもそも、自然に勝とうとする考えがおかしいのだ。人間同士なら相手を殺せばそれで終わりだろう。喧嘩なら相手の戦意を無くせば勝ちだろう。なら、相手が水だったらどうだ、火は、風は、雷は、病は、地震は、隕石は。これらにどうやって勝つ発想が出来るのか。地球にいる限り、人間が動物である限りどう足掻いても無理だ。人間、つまり動物が老化するのは活性酸素のせいでもあるし。

 

人間にとって、イデアとは何だろうか。天に順う者は存し天に逆らう者は亡ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何故か若返りましたが、この巴御前。永琳様の命により、粉骨砕身働きます」

 

「お前さんは相変わらず堅い。子供の頃はじゃじゃ馬だったのに悲しいね」

 

「勇儀様。私はとうの昔に元服をしています。いい加減子供扱いはやめていただきたい」

 

「それは一度でも私に勝ってから言い。来なよ、この杯に入っている鬼ころしを一滴でも零したらお前さんの勝ちだ。その薙刀は飾りじゃないだろう?」

 

勇儀と巴御前が庭で遊んでいる。衝撃のせいかウメが風に揺られて空に散り、立ちながらウメの木に体重を預け、それを見ていた紫と鬼ころしを飲んでいる華扇と萃香が二人を見ていたが、巴御前が心配になった紫は萃香の肩を人差指でトントン叩く。

 

「萃香。あれ、放っておいていいの?」

 

「昔から子供達としてるじゃない、あんなのじゃれ合いだよじゃれ合い。中々粘っていた金太郎の奴が源頼光とかいう気に入らない奴に仕えて諏訪国にいないしさ」

 

何だかんだ言って皆が生き返ったのは勇儀も嬉しいのだ。萃香の言葉を肩に雷獣を乗せた華扇もそれに同調しながら頷く。紫は恍けないで。そう思いながら両手で萃香と華扇の片頬を引っ張りながら続ける。今は、西の妖怪が諏訪国に攻め寄せてるので美鈴とルーミア。八ヶ岳で従わせた妖怪に萃香、勇儀、華扇、ヤマメ、パルスィを除いた百鬼夜行が応戦している。

 

「そうだけど、そうじゃなくてね。西の妖怪が諏訪国に押し寄せて来てるじゃない」

 

「諏訪国の守りは美鈴の御株、その御株を奪ったら駄目だ。それに美鈴だけじゃなくて他の鬼達にも任せてる。安心しな、危なくなったら華扇や勇儀が出る上に私の能力使うから。それより何かつまみ作ってよ」

 

「それに紫様と幽香様は諏訪国に住む妖怪の纏め役、言わば私達の大将なのです。だからどっしり構えていてください。とりあえず私もお腹が空きました。紫様に何か作って欲しいと私は所望します」

 

「それが大将という肩書の纏め役に対し貴方達の中にある私の扱いなのかしら」

 

「そんなこたあないよ。でも、私達鬼と対等の力を持つあの幽香まで出てるからね、幽香も私達の大将なのに最前線に出て応戦してどうすんのさと言いたいよ。まあ幽香の気持ちも分かるけど」

 

紫は萃香に巴御前と命を懸けた遊びをしている勇儀を見ながら聞いたが、鬼ころしを飲みながらいつもの事だと言いながら、紫や幽香が永琳から料理学んだと聞いてる萃香と華扇は鬼ころしに合うつまみを紫に要求。これに紫は渋々応え、台所に作り置きして置いたつまみをスキマ経由で取り出し、隣にいる萃香と華扇に差し出す。抑々。美鈴やルーミア、百鬼夜行が永遠になった時点で西の妖怪に勝ち目はないのだ。立て続けに連戦しても疲れる事は無いし、何より死ぬ事が確実にない。これは大きい。ただでさえ強力な妖怪の鬼が、疲労しない上に死なないのだ。これには西の妖怪も堪ったものではない。

 

 

 

 

「甲賀流忍者筆頭、くノ一 望月千代女 見参。お懐かしい。諏訪子様と神奈子様はお変わり無いようですが、紫様と幽香様は大きくなられましたね」

 

「同じく甲賀忍者、甲賀三郎も恥ずかしながら帰って参りました」

 

「あー うん。久しぶり。早速だが、母さん。比売大神から二人に特命だ」

 

「甲賀三郎は高坂甚内と共に筑後国にいる 果心居士 そして 甕依姫 を捕らえ、諏訪国に引き込め。ああ、手段は問わないと母さんから言伝を預かっている」

 

「望月千代女、お前は日本各地に草として忍ばせた歩き巫女がいるだろう。それでだ、備前国にお前が歩き巫女として忍ばせた女達を使い、ある人物を探して欲しい。あのコンガラだ」

 

望月千代女、甲賀三郎の両名は諏訪子が預かっていた永琳からの言伝を最後まで聞いてから頷き、霧の様に姿を消した。二人には光学迷彩を持たせている。そして諏訪子が 望月千代女 に言った草とはスパイ、つまりくノ一の事だ。昔、一度だけだが コンガラ は諏訪国にいた。その時 望月千代女 はまだ存命していたのでコンガラの顔や容姿、種族は鬼女という事も承知している。

 

諏訪子の言伝は終わり、次に 神奈子 が懐から一枚の紙切れを取り出して前に出し、残りの者に見せながら言う。

 

「平安京にいる 弘文天皇 から直々の勅諭だ。名馬に兵に一騎当千の武将。最後に水や食料などを大和と平安京へ届けろ、序でに諏訪国の東にいる 征夷大将軍 の所にもだ。朝廷同様、援軍要請が来ているのでな」

 

現在、大和に限らず西一帯では病が流行り、蔓延している。そして今は秋だ。秋の作物も殆どが何故か育たずまるで 養和の飢饉 の様になり、九州中央部にある 阿蘇山 は噴火した上に、四国地方の伊予国にいる 藤原純友 が海賊を率いて朝廷に叛乱。更に東では平将門や蝦夷が神国を造り上げ逆族として見られ、合戦が起きている。しかも、何故か 平将門 が 捲土重来 の動きを見せているそうで。もうこれだけの事が一遍に起きてしまい、流石に朝廷だけの手では手が追いつかないので、実際は朝廷や天皇の支配者だが、大和、平安京の朝廷と同盟関係である諏訪国の力を天皇は求めた。これに諏訪国は受諾し、必要な物資を大和へ譲渡する為に源義仲、通称 木曾次郎 と呼ばれる武将に今井兼平、樋口兼光、根井行親、楯親忠の義仲四天王と呼ばれる者達に任せる事となった。戦国時代ほどではないが今は 群雄割拠 そして諏訪国は 富国強兵 だ。それに加えて、諏訪国には鬼などの妖怪がいる。よく民は勇儀達と命懸けの手合せしたりと実力と実戦経験は並々ならぬものがあるからだ。それぞれの役目を聞き終え、さっそく取り掛かろうと動き出し始めたその時。

けたたましい足音が耳に入り、その人物であろう張本人は走って乱れた息をふすまの前で整え、そのまま静かにふすまを開けて、中に入る。足音の原因はてゐが原因だった様だ。

中にいた皆は黙りつつ、てゐを見ながら、てゐは神妙な顔つきで、皆に報告する。

 

「ついに産まれたよ。祭神様と藍の子が!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この後、山城国に行って輝夜たちに会いに行ったり、山城国にいるあいつを諏訪国に引き込む。その時するが分からんがいずれ輝夜に手を出す気でいる、輝夜は実妹だが、本来は母、姉、妹、娘。これら、つまり身内に対する性的感情は抱く事が無いとされていて、確かそれを ウェスターマーク効果 と言うんだったな。特に母に対する ウェスターマーク効果 は大きいらしい。しかしこれはあくまでも仮説の話だ。信じるに値しない。誰かが言ったとしてもあっさり信じてはいかん。そもそも近親相姦を異様に排斥されているのは、一種の情報操作であり、洗脳ともいえる。

 

焚火を消して、奥にある芋を取り出す。取り出した芋は湯気も出ていてかなりの熱さだが、俺は永遠の存在なので熱さは感じない。そのまま芋を口に入れ、噛んで飲み込む。肩に乗っているお燐にも芋をやったがまだ熱いので、冷めるのを待ってから食べるそうだ。ついでにそのまま二人を勧誘しておくことにした。

 

「じゃあ帰るが。その前に、諏訪国には八ヶ岳があるがあそこに咲く紅葉が綺麗でな。秋になると紅葉狩りをよくするんだ、もし、ここに住める状況では無くなったら来るといい」

 

「そんな状況になる訳ないしなったとしても行く訳ないでしょ」

 

「またね~ あ、これさっき作っておいた鬼饅頭。お芋一杯取れたから沢山作ったの、作りすぎちゃったし良かったら途中で食べて」

 

「静葉はいい子だなあ。サンキュー」

 

静葉から中に鬼饅頭と綺麗な布が入った籠を受け取り、二人に見送られながら京に向かう。下山している最中、ふと思った。夏に西の妖怪が諏訪国を落とそうと東に向かっている、止まる事は無い。その影響でこの辺りの妖怪も活性化して暴れている。

 

時間の矢 は既に放たれている。今回は、いつ終わるだろう。この世界でも黙示録のラッパ吹き 天使の喇叭 は起きるのだろうか。人間は 自然主義的誤謬 をどう捉え、選択するのだろう。一度立ち止まり、依姫に頼むとしよう。

 

「依姫、一つ頼みがある」

 

「任せて下さい」

 

「内容はまだ言ってないんだが」

 

「私が、弘さんの頼みを断る訳がありませんよ。お姉様もそうです」

 

「ふむ、では言うが。ある人物に3つの質問をして来てほしい。もし一つでも間違えたら」

 

俺の足元に拷問道具であり、処刑道具を出す。依姫には浅間大神を使役して 阿蘇山 を噴火させ、伊予国にいる 藤原純友 には朝廷に反旗を翻するよう動いて貰った。一応諏訪国と大和は同盟を結んでいるので、朝廷から援軍要請を受けた諏訪国は諏訪国の兵と武将と馬を大和に送りつけたりはしている。そして今は秋だ。西の作物は育たない様にした上に、西では厄病が蔓延している。これがどれだけ異常か、自然とは昔から人間に災いを齎し、また自然は人間に恵みを与えて来た。つまり 禍を転じて福と為す。今まで、ぬるま湯につかって来た人間は昔に逆戻りしている事に耐えきれるだろうか。人間が神に対して畏敬の念を抱かせるには必要な行為、まあ人間が家畜や畜生を躾ける様に昔から神も人間を躾て調教している。今まで当たり前だったことがこれから先も当たり前なのだと考えられるのは困るのだよ。

 

「この、ファラリスの雄牛を使ってそいつを処刑してくれ」

 

「ファラリスの雄牛、ですか。懐かしいですね、昔はこの中に入れられた人間がよく炙られたものです...」

 

 

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ある国に祟り神が鎮座しておった。その祟り神は、祟り神故に氏子達からは畏敬の念を抱かれ。時に氏子達へと恩恵を与え、時に、祟り神として氏子達を祟り、そのまま祟り殺した時もあった。全ては役目、ただ筋書き通りに動く塊として。そんな時、祟り神が鎮座していた国に二人の神、1人の男性と2人の女性が祟り神に会いたいと氏子達から知らせを受けたが、特に断る理由も無く、ほんの気紛れで祟り神は二人に会う事にした。会って話をしてみたら、その者らは西一帯を治める国から来た使者で、祟り神が鎮座している国と同盟を結びたいと言った内容だ。男の方はパッとしないが、女の方は赤と青の服装でかなりインパクトがある。もう一人の女も 注連縄 を背負っていて印象深い。注連縄の象徴の一つは蛇だ、脱皮を繰り返す蛇は

ウロボロスの様に 永劫回帰 や 不老不死  永遠 の象徴でもある。

 

「ああ。同盟、対等な関係であれば私に是非は無い」

 

「それは上々。序でと言っては何ですが、真澄の鏡を一度見せて頂きたいのと。私達はこのまま東に行きたいので通行許可を貰えるでしょうか」

 

「東の神にも同盟を結びに行くのか。まあいい、どちらも許可しよう。監視はさせてもらうがな」

 

それは助かりますと、仮にも西を治める国の使者だと言うのにこいつは頭を下げた、馬鹿かこいつは。大国が小国に頭を下げてどうする、自分の国が堕ちる事になるぞ。

男の使者は、勾玉が付いていて首にかけるような連珠の首飾りを頸に掛けている。

珠と珠が 由羅迦志 で 母由良邇 

男は話を終えたのか、そのまま喋らず私をじっと見ていたので睨み返すとバツが悪そうな表情をする。

 

「気分を害されたのなら申し訳ない。実は私の隣に座っている赤と青の服装をした女性は妻の一人でして。昔、私と妻の娘がいたのです。それで、私達の娘が、貴方とあまりにも似すぎておりまして」

 

「気にしていない。失礼を承知で聞かせてもらうが、昔いたという事は、その娘は亡くなったのか」

 

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「いいえ、生きております。ですが、死んだも同然です。私達の事は覚えてないでしょうから」

 

「そうか。失礼な事を聞いた」

 

「とんでもない。元は私の落ち度ですので。所で、諏訪湖は綺麗ですな。湖の底には何があるのでしょう、世界には何があるのでしょう。分からない、見えない部分。と言うのは神秘に満ちています」

 

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「民達は貴方に畏敬の念を抱いてはいますが、それは当然の事。祟り神とはそうあるべきだ、でなければ祟り神ではない、祟り神とは呼べない」

 

「諏訪国はいい国。諏訪国の北と南に住む民の仲は相変わらず悪いようですがね。変な事を言わせてもらいますが。貴方は、祟り神をやめたいですか。それともやめたくないですか」

 

まるで昔から知っている言い方が気になったので聞こうとしたが、その先は見る事も出来ずに

 

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目を覚ます。またか。布団から起き上がり、深呼吸をして深い息を吐く。最近、この夢に悩まされて安眠できない。しかも、いつもここで夢から覚める。その先を見た事が無い、だがあの夢は酷く懐かしい気がする様で、しない。こんな場面は今までの記憶にないし、何故かこの夢に出てくる父さんと母さん、神奈子までもが私と他人行儀だった。右手でおでこを押さえ数回頭を横に振る。しかも同盟を結んだのでその証として神奈子が人質? 意味が判らない。

 

「一体何なのさ」

 

『私の名は 蓬莱山 諏訪子 お前は誰だ』

 

私は私だ。そうだ、お前は 蓬莱山 諏訪子 私じゃない。それはお前の名に 蓬莱山 がある事や髪色が 銀 である事から見て取れる。私は嘗ての疲れたお前だ。

 

既にお前は祟り神じゃないんだ。だから神の一人でも、1人の女として自由に生きろ。

永琳も、似た様な事を言ってただろう。

 

あの世界はまだ回帰が一桁の世界で起きた事だ。あいつは、記憶が欠けている。あいつの記憶が復元するのはまだまだかかるぞ。あの時、私に言った言葉が記憶に無いんだ。

 

...おや。

 

 

 

 

 

 

 

 

また 夢幻世界 に入ったか。都合がいい、悪いが一方的に話すぞ。

これはそうだな。分かりやすく言うと 量子テレポーテーション 状態と思えばいい。

 

早速だが回帰前は人間があいつを殺した、しかしあれは人間だったのだろうか。本当にイレギュラーだった、何故そんな事が起きたのかが未だに分からない。しかし私は違うと踏んでいる。可能性があるとすれば地球だ。地球の奴が我らの邪魔をしたのだ。

 

1回目、私やあいつが本当に初対面だった最初の世界でもあいつは死に、しかもあいつは回帰前同様に蘇生できなくてな。それでお前の母 永琳。回帰前の永琳は最初の世界みたいにまた壊れたよ。だから自分の記憶を消去、そして永琳は 超越者 になった。

記憶を自分の手で消したのは永琳だけではないがな。

 

ドイツの哲学者 フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ の思想 永劫回帰 に近い、かもしれない。だが違う。あれはそんな生易しいものじゃない。もっとえげつないものだ。昔の永琳はあいつにべったりではなく、今の永琳ほど依存していなかった。もっと自立していたんだ。それほどまでにあいつの事が好きだったんだな。

神綺も、サリエルも... 皆、まともに見えるが昔に比べてイカレテしまったよ。

回帰が苦痛なのではない、回帰のせいで心が壊れた訳じゃ無いんだ。

回帰は人間には耐えられないだろう、そう。人間にはまず無理。

 

お前も必要だが。まず第一に、永琳はあいつがいなきゃダメなんだ。だから永琳はあいつの肯定者。永琳があいつとの娘を産んだ時は本当に幸せそうだったよ。

産んだ時代。あれは、昭和時代か平成時代だったか。早い時は鎌倉時代の時もあった。

娘の名は、名は確か 夢美 だったか。そうだな永琳。夢は美しい。私もそう思う。

見たく無い事は誰だって見たくはない、だから夢なのだ。自分の都合のいい世界を夢は創れるから。でもこの世界は夢じゃない。この世界が夢だったらどれだけよかったか。

いや、しかしだ。抑々の元凶は永琳だろう。もしも世界を終わらせたいなら永琳を止めるしかない。あいつは月の王子だが、それに付き合ってるに過ぎないのだから。

 

 

ドイツの哲学者 ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル がナポレオンを見て 

世界精神 と言ったが。他に ナポレオン がピラミッドの中で 未来を見た そんな話がある。もし神の身でありながら 先見の明 を持つ立場になったら、お前はどうする。アガスティアの葉 や アカシックレコード に記録されてる通りの流れに身を任せるのか、逆らうのか。それとも第三の選択を選ぶのか。

 

嘗て戦国時代に一人いたよ。人の身で 先見の明 を持つ女が。アガスティアの葉、もしくはアカシックレコードを使ったのかは知らないが、その女は世界に逆らう事を選び

日本の西一帯を平らげて統一。東一帯は別の人物が統一した。天下二分の計とは言えない。何せその女は人間でありながらただの人間では無く、あいつの関係者でもあった。

本来なら、本能寺で消えた存在だったのに。

 

 

私はお前だ、だが別の私だ。私はあいつに一つ頼まれ事をされている。暇があればという条件だったが。頼まれ事とは即ち、穢れについてだ。

私はな 穢れ についてはあいつに初めて聞いた言葉だ。穢れ という言葉が初めてだったんじゃない穢れと言う言葉は人間も使っていたから。穢れの内容が初めて聞いたんだ。お前は、信仰の塊で出来ているが月人かもしれん。だが私は地上で生まれた祟り神、天津神でも月人でもない。

私はあいつに穢れについて聞かされた時、正直言って驚いたよ。穢れ穢れって言うのは地上じゃ人間だけだったから。

ここで気になったのは、月人や天津神達がこの世界もそうなのかは知らないが

冥王代 や 始生代 または カンブリア紀 に元は地球、つまり地上にいたという点だ。

 

 

 

穢れとは何だ? 確かに 日本の宗教 神道 には 穢れ の観念はある。

だがそれは死体から生まれる産物だ。妖怪は関係ない。身も蓋も無い言い方をするなら、死体の 腐臭 や 腐敗 を 穢れ と呼んでいたのだろう。人間の腐敗は同じ人間が見たら悍ましく

腐臭は酷いなんて言える所の匂いでは無い。だから人間は死ぬと言う当たり前の自然の摂理の死を

特別視始めた。これは人間特有だ。

それに死体を放置していたら病の元である病原菌が蔓延する。つまり疫病神のせいにされ。更に言うなら、昔の人間は自然現象に対して無知だった、無知すぎた。

自然現象を含めた全ての出来事を神や妖怪や幽霊や動物、他にも様々な者のせいにして誰かのせいにして来た。神道の 穢れ もこれに当て嵌る。

 

日本神話のイザナギが、死んで黄泉にいるイザナミを迎えに行き、黄泉にいるイザナミは酷い身体であった。これは腐敗だ。次にイザナギが黄泉から逃げ禊をしている。禊とは、身に罪や穢れのある者が川や海の水でからだを洗い清める事。

 

神道において、死とは穢れだ。穢れ、つまり死体は腐臭や腐敗にまみれ、あちこちに蛆は湧いて所々の肉体は爛れて皮膚や肉が破れながら崩れて行き、最後には原型は無くなり、骨となる。だからこそ、人間は火葬をした。穢れを神の手で燃やす為に。

炎とは太陽同様、昔から日本に限らず神の恩恵とされ、神格化されやすい自然物だ。

 

と言う事は月人は最初から死んでいたのか? 生きていたのか? 

それとも 白人至上主義 が 黒人 を差別する人種差別に近いか? もしそうなら強ち間違いではない。何故なら、白人と黒人の見た目は違えど同じ人間である様に、神と妖怪も同じ存在だ。しかしそれなら神は人間となんら変わり無いではないか。神が人間と変わり無いとしたらそれは最早、神ではない、神じゃない別の存在に成り下がる。

とは言え 神道の神は自然の擬人化 であり 人格神 だ。まだ早計。邪魔ばかりされてデータが足りなさすぎるのだ。

 

月人は穢れを嫌っている、しかし先程 神道 における 穢れ を説明したのは人間の場合であり、神の場合ではない。なら、穢れとはこの世から消滅するものなのか。それとも存在を肯定するものなのか。それに信仰とはなんだ、信仰が無くなれば神は消えるのか。それじゃあまるで観測者効果ではないか。信仰は人間が神を観測する為の媒体、なのだろうか。

ならば、何故 カミムスビ 以外の 造化の三神 が身を隠した。

 

あいつの好きな言葉で Why is there something rather than nothing? があるが。

この究極の問いに答えられる者はいる。

 

この世界は合わせ鏡なのだろうか。時間の矢は放たれている。そして時間の矢の役目が終えた時、また世界は回帰するだろう。時間の矢の役目を担っている人物、それは

 

299792458 299792458 299792458 299792458 299792458 299792458 299792458 299792458 299792458 299792458 299792458 299792458 299792458 299792458 299792458 299792458 299792458 299792458 

 

バレてしまったか。邪魔が入ったので時間だ。間もなく我らの重なり合いは解かれる。相も変わらず性格が悪い。

 

いいか、今から言う事は 諏訪子自身 が選べ。するかどうかはお前に任せる。もうお前は自由なのだから。

肯定するか否定するか、否定して肯定するか、肯定した上で否定するか。

 

真澄の鏡だ、真澄の鏡を見るのだ。真澄の鏡、あれには嘗ての世界、先程お前に見せた夢の世界。その世界は 夢幻世界 にいる ドレミー・スイート の力を借りて見せた。その世界でお前の父であるあいつは真澄の鏡に細工をしている。

言ってしまえば。あれは今までの世界で蓄積されたバックアップやセーブデータの様な物。そして永遠の鏡。だから世界から消える事は絶対に無い。あれを無くすにはあいつかあいつの妹じゃなければ消す事は出来ない。だが、あいつとあいつの妹は今回は関与していないのだ。

 

本来なら 真澄の鏡 は神奈子が持っている筈なのだが 神奈子 は記憶が消滅している。お蔭で面倒事が増え、神奈子 が担当する筈だった所が空白なのだ。まさかとは思うが、記憶が消えたのではなく、消されたのかもしれん。

 

真澄の鏡は諏訪国か大和のどこかにある筈。いいか私よ。

しこりを清算したいなら天魔は神綺同様、昔からあいつ側だ。あいつに、天魔に聞け。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「子子子子子子子子子子子子。来たぞ。最近、平安京で妖怪が蔓延ってるそうだな」

 

「ねこのここねこ、ししのここじし。お久しぶりです、ではなく久しぶり」

 

「実はお前を引き抜きに来た。お前は平安京に収まる あだたん ではない」

 

「そう言われるのは悪い気はしないよ。ならば。私と平将門の正体、思い出したと考えてもいいのかな?」

 

「ああ… お前達 シンギョク だったんだな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




知恵の実を食べていない状態の人間が本能だけを持ち合わせ、知恵の実を食べた人間は本能だけでなく自我や意思も持ち始めたと言った感じですかね。ですが知恵の実は飽く迄も比喩表現であり例え話ですので実際は関係ありません。
私が言いたいのはある意味 ミトコンドリア・イヴ に近いかもしれません。

忽然と客の消えるブティックと言うのは都市伝説の一つですね、まあ人が消えると言った話です。神隠しに近い。ドイツの民話伝承で魔法の弾丸 フライクーゲル をアリス達の魔女に渡そうかなと最初は考えましたがやめました。アリス達魔女はフライクーゲルを最初から持っている事にします。

甲賀三郎は伝説通り承平の乱で使おうかと思いましたが、やめます。折角甲賀の名があるので望月千代女と同じく甲賀忍者にします。この先を考えると風魔や伊賀忍者も欲しいです。本当は神子がいるので大伴細人も捕らえようとしたんですが…
甕依姫は卑弥呼説がある人物です。だからと言って卑弥呼にするかどうかは不明。多分しない。それと歴史上で見ると、豊姫と依姫の名は結構あります。依姫はまだ分かるんですがね。巫女なので。

そして私は基本的にオリキャラは出しません。出したとしてもちゃんと神社で祀られてる神、妖怪、歴史上の人物だけです。
とりあえず。シンギョクを出すのにだいぶかかりましたが無事に出せてよかったです。

ナポレオンがピラミッドの中で未来を見たと言う話は、一応あります。本当かどうかはナポレオンしか知り得ません。その話はそれだけでなく、その先もあるんですが。
ナポレオンを操り、あらかじめ決められた通りにナポレオンは動かされた、とか。

信仰が無くなると言う事は忘れられると言う事、つまり誰もその信仰相手を観測する人間がいなくなる、だから神は死ぬんですかね。忘れられる事は死ぬ事と同義と言えなくもないですが、何か違います。それは人間の物差しで考えた事であって、神が人間と同じとは限りません。もし、日本のどこかの樹海で木が倒れてしまったとして、周りに誰もいなければそれは倒れなかったと言ってもいいでしょう。誰も倒れた音や、倒れている木を見た訳ではありません、つまり観測者がいないんです。観測する人がいないのに樹海にある木や倒れた木は存在してると言えるのか。私は馬鹿なので分かんない。

一応、神道で穢れという観念はあります。仏教にもです。神道と仏教では穢れに対する考えは違いますが。大本の原因は蘇我稲目のせいです。本当に蘇我稲目が仏教を上表したのかは知りませんが。私はその時代を自分の目で見た訳では無いので。

ここからは前回の話で後書きを書き忘れたので書いて置きます。

前回のダイダラボッチですが、ダイダラボッチで有名なのは近江国で穴を掘って富士山を造り、穴が掘って出来たのが琵琶湖という伝説が有名です。ですが他にも伝説があります。何故淡路島の近くで出したかと言うと。昔から淡路島と琵琶湖って色々言われています、淡路島と琵琶湖の形が似ているせいですね。それでダイダラボッチの仕業で淡路島が出来た、そんな話があります。次にダイダラボッチを淡路島付近の海中から出したのは、海坊主とだいだらぼっちが同一視する地域もあるからです。これもどちらも巨体という点で似てるからでしょうね。

最後に、お燐に血の池地獄へ連れて行かれた幽霊はあの人です。



あ。椛とはたてですが、書いてはいませんが多分懐妊しました。しちゃいました…多分。下手な鉄砲も数撃ちゃ当たると言いますが、この命中率は百発百中のフライクーゲルか何かですかね。oh... 依姫… 本当に妖夢どうしよう。

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