蓬莱山家に産まれた   作:お腹減った

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名門の十六夜が急に出て来たと思うかもしれませんが私は2話でそれっぽい事を地の文で書いてます。皆さん忘れてるかもしれませんがね。その十六夜を最初に出すとかぐや姫の話をする時気付かれそうだったので出しませんでしたが


戯れa

これくらいなら大丈夫ったら大丈夫

しかしこれ以上書いたらこの作品は消されてしまう!!


人格神
蓮の花


やっと諏訪の国に帰って来れた、数週間諏訪の国に俺はいなかったが変わってない様で良かった。流石の民も龍神を見て驚いてるが数秒経つとみんなそれぞれの仕事に戻った。たくましい事だ

 

「やっと帰って来れた、早く星を連れて行かねば喰い殺せれてしまう急ごう」

 

「弘ちゃんー星ちゃんと咲ちゃんを先に神社に連れて行くねー」

 

「え、おい待て」

 

背中にいた龍神は消え、咲夜と星も一緒に消えてしまった。待てと言ったのにもう連れて行くとは

 

「仕方ない、輝夜とナズーリン。行くぞー」

 

「はい、ご主人様」

 

「これが国ですかー。私は月の都市だけしか見た事は無いですが、聞いてた通り文明は月と違うんですねー」

 

ナズーリンは俺の隣で並んで歩いてる、ちなみに笠は取ってるから鼠耳も出てる状態だ。ここは諏訪の国のだし大丈夫だろう、俺も傍にいるし。輝夜はあちこち歩き回り民を眺めてる、眺められても平然と仕事をしてる、流石は我が民、屈強な民だ。

 

「お帰りー弘。今回は帰って来るの遅かったね。それとまた女の子を連れてるし」

 

「ああ、萃香か。ただいま。俺はこういう男だからな仕方ない」

 

「別にいいけどね、じゃあ私はまた霧になるよ」

 

萃香が手を振って霧になった。先に進もう

参道を歩き鳥居の下に着くと神社の裏辺りに龍神がいる。多分あそこで何かしてるのだろう、輝夜は走り出して桜の下まで行く

 

「お兄様ー!これは桜と言う木ですねー!!竜宮城でも見ましたが綺麗ですー!」

 

「風流だねご主人様。でも今は冬の季節で本来桜は咲かないはずなんだけど」

 

「気にするなナズーリン」

 

輝夜とナズーリンを連れて一緒に神社に入りてゐとぬえが奥から来た。ぬえは左手に肉まんを持ちてゐは人参を右手に持ちながら出迎えた。食事中だったようだ

 

「お帰りー祭神様」

 

「ただいま。ぬえも食べてたんだな」

 

「ご飯は今日も頂いてるわよ!」

 

ぬえが左手を突き出し持ってた肉まんを俺に見せてまた確認をしてきた。しかし食事中なら早く戻さなくては

 

「分かった分かった。ほら、早く戻れ。まだ食べてるんだろう」

 

「そうね、早くご飯食べなくちゃ無くなっちゃうわよ!」

 

ぬえは背中を翻し奥に走って行った、てゐも後に続こうとしたが止まって振り返る

 

「そうそう、星ってのが奥で料理を食べてるよ。藍は忙しそうにしてるけど。じゃあね~」

 

てゐは片手を上げて奥に入って行った、星はもう食べてるのか料理を。それなら腹も膨れて人間を襲わないだろう。龍神の所に行くか

 

「輝夜とナズーリンはどうする、神社の中を探検してきてもいいぞ」

 

「ナズーリン早速行くわよ!!」

 

「お待ちください妹様!そんな急がなくても神社は逃げません!!」

 

輝夜は言うが早いかナズーリンの腕を掴み奥に走って行った。元気でよろしい、俺は神社を出て神社の裏に向かう、着いたら白い花のウメに赤色に近いピンク色な花のウメの木がある。ウメの傍には龍神と咲夜がいた。咲夜は元は着物を着ていたが今はメイド服を着てる

 

「何やってるんだ」

 

「あ、弘ちゃんー実はねー咲ちゃんにメイド服を着せてたんだよー」

 

「なぜこんな事に・・・・・」

 

咲夜は左手で右腕の二の腕辺りを掴んで恨めしそうな顔で龍神を見上げている、龍神はその視線を流して咲夜が来てたメイド服が一瞬で着替えられた。どうやら龍神の力で一瞬で着替えられるようだ

 

「バカな、ここはお色気シーンだろう龍神!?」

 

「咲ちゃんはー弘ちゃんの妻なんだからわざわざここでお色気も何もないでしょうー見たいなら閨でねー」

 

龍神は悩んだ声を出しながら咲夜のメイド服を色んなメイド服に取っ替え引っ替えしてる、だが決まらないようだ。目を凝らしても胸が見えない、一瞬で変わるのだから見える時があるはずなんだ多分

 

「決めたーこれでいいやー」

 

咲夜は銀髪で両方のもみあげから三つ編みにして三つ編みの先端を黒のリボンで結っている。メイド服は黒と白を基調としてる、頭にはホワイトブリムがありお腹辺りに前掛けみたいな白いエプロンがある。腰には白くて大きなリボンがある

 

「永ちゃんは赤と青ー豊姫ちゃんは青、依姫ちゃんは赤だしここは黒と白でいいでしょー」

 

「なぜその三人の名が出るんだ龍神」

 

「んーまあ気にしないでー」

 

そうか、ならば気にせず行こう。咲夜を見たらスカートを両手で押さえて困ってる、このスカート極端に短い大腿四頭筋の上辺りにスカートの先端がある

 

「これは、いくらなんでも短すぎるのでは」

 

「大丈夫だよー咲ちゃんのお母さんもこんな感じだったしー」

 

「し、しかし恥ずかしいです。それと足が寒い・・・・・」

 

「いいからいいからーこれも天の巡り会わせだよーじゃあ私は帰るねー」

 

龍神が消えて俺と咲夜だけが残された、気まずい。何を話していいかと思ったが咲夜がウメを数秒眺めながら、ため息を出して片膝を付けこうべを垂れる。ウメって花言葉あったよな、確か、艶やかさ、高潔、忍耐、そして忠実だったか。白の花のウメは気品だったな。他にも意味があった気がするが忘れた

 

「王よ、私は貴方に仕えたくはありませんが仕方ありません。自分の運命を呪い生きていきます、どうかこれからもお願いします貴方」

 

「結構ズバズバ言うんだな。何だか良く分からんが仕えるって事と妻になる事でいいんだな。よろしく」

 

「ええ、仕えますし妻になりますとも。私は誰の物になりたくは無いけど難題を出した時に妻になると約束した死ね、一言既に出ずれば駟馬も追い難しって言葉もある死ね」

 

「気のせいか今俺に2回も死ねって言わなかったか」

 

「気のせいですわダーリン」

 

咲夜は片膝付け跪いた状態で顔を上げて、右手を口元にやり、おほほと笑った。微妙にしねのニュアンスが違ったような気がするが、まあ、いいだろう。

 

「じゃあ私は行くわね、それと貴方かダーリンどっちがお好みかしら」

 

「どっちも好きだが」

 

「そう、ああ、忘れていたわね。この神社狭いから私が拡張しておくわねダーリン」

 

咲夜は神社の中に入って奥に消えた。拡張ってどういう事だろうか、神社の裏にあるウメを眺める、あのウメも一年中咲いてるがどういう事だろうか。まあいいや。ちょうど神社の裏にいるから近くにある蔵に入る、周りは酒樽や色んな物が置いてある、この蔵に地下を永琳が作ってる。奥に永琳がいるので迎えに行こう

 

 

奥まで来たがいつの間にか研究施設みたいになってるんだけど、色んな資材や器具がある。あと薬品臭い。どこから調達したんだ・・・・・奥に進むと永琳がいた、なんか眼鏡をかけて山のように積んでるカルテを一枚ずつとり紙を見て考え込んでる。一体何のカルテだ、俺の背にある壁を数回叩いて気付いて貰おうとするが気付いた様子は無い、仕方ないので永琳の後ろから抱き着いて首に思い切り噛みつく。今回は甘噛みじゃない

 

「いっ、もっと痛くして頂戴。弘の物だと証を私の体に刻み付けて。首輪でもいいわよ」

 

俺は噛みつくのをやめて永琳の首筋を見るが思いっきり噛んだから俺の歯形が永琳の首筋にくっきりと痕が残ってる。噛み痕を見てから俺の顔を永琳の左肩に置く

 

「何を言ってるんだ永琳、気付いていたのに無視するとは」

 

「押してダメなら引いてみろって言葉があるじゃない。それを実践したのよ」

 

俺は永琳に抱き着いていて俺の顔が永琳の左肩にある状態、永琳は首を動かし永琳の左手で俺の後頭部を押さえて口吸いしてきた、口吸いしてからすぐに俺の口の中に舌を入れて来て俺の舌と絡め、数秒だけ俺も永琳の舌に絡めながら両手を使い永琳の胸を揉みしだく、揉みながら口吸いしてると永琳の鼻息が荒くなる、この部屋は静かで部屋にはジュルジュルとお互いの唾液と舌が混ざり合う音が響いてる。永琳は俺の唾液を喉を鳴らして呑み込みながら俺の舌と永琳の舌を絡めつつ俺の前歯を舌で歯ブラシの様に歯を磨く様 舐め取り、後歯にも永琳は舌を動かして俺の歯を舐め取って来た。数秒経ったので俺は左手で俺の後頭部を押さえていた永琳の左手を退かして離れる。離れる際に俺と永琳の口から唾液の橋が出来た。

 

「あん、もっとしたいのに。ご馳走様、美味しかったわよ。だからもっとしましょう」

 

永琳は口の中に残ってた俺と永琳の混ざった唾液を呑み込む音を出して永琳の口の周りに付いてた唾液を舌で舐め取り、眼鏡を外して机の上に置いた

 

「駄目だ、ほら永琳。散歩に行くぞ」

 

「仕方ないわね。じゃあ行きましょうか」

 

俺と永琳は蔵から出て参道を歩き、参道の途中にある木材の橋の上に立って橋の周りにある花を見てる。その花は橋の周りにある池の上に咲いていて花の色は白だ

 

「永琳。あの花は何だ」

 

「あれは蓮の花ね。だけど今は冬なのにどうして咲いてるのかしら、蓮の花は夏に咲く花なのに」

 

夏に咲く花なのか、幽香が咲かせたのだろうか。蓮という花は白いのもあればピンク色の花を咲かせてるのもある。風流だな、参道の途中に蓮の花が生えていたとは気付かなかったが咲いてから気付いてよかった、綺麗だし。蓮の花の咲き方が気になったので永琳に聞こう

 

「どうやって蓮の花は咲くんだ永琳」

 

「蓮は変わった花でね。蓮は綺麗な水だと小さな花しか咲かないけど、とっても汚い泥水だったら大輪の花を咲かせる少し変わった花なのよ」

 

俺と永琳は橋の欄干に両手を置いてもたれ掛り蓮の花を眺めた。汚い泥水から綺麗な花を咲かせるのか、屈強や困難な環境ほど綺麗な花を咲かせるのはいいな。そういうのは一際輝いて見える、花でも人間でも

 

「永琳との子供が出来たら蓮の花を使った名を考えるか」

 

「あら、私は今すぐにでも子供を作ってもいいわよ。私はいつでも準備は出来てるんだから」

 

「そうだな、じゃあ今日の夜にでも子供でも作るか」

 

俺は橋の手すりに両手を置き橋に体を橋にもたれ掛りながら蓮の花を見てる。永琳は隣にいる俺を見て開いた口が塞がらないのか放心してる。いい加減永琳に手を出すべきだ、元々永琳に手を出さなかったのは俺の女を侍らす夢を認めなかったからだし。だから月人が地球にいた時は手を出さなかった、そして地球に残って最初は女がまだ永琳しかいなかったしこの時も手を出せなかった。だが今では両手の指では足りなくなる所まで来てる、だからもう手を出していいだろう

 

「本当に、嘘じゃないわよね?嘘だったら許さないわよ」

 

「俺は昔から今まで包み隠さず喋って来ただろう。だから本当だ」

 

「私、まだ弘の夢を認めてないわよ」

 

「知ってる、だから無理矢理する。嫌がっても泣き喚いても知らん。無理矢理抱く」

 

「嫌がる女性を無理矢理だなんて、まるで鬼畜ね」

 

永琳は両手を永琳の両頬に当てて蓮の花を見ながら笑顔だ。今日の夜に強姦されるはずなのに笑顔だとは、待たせすぎたんだな。永琳が隣にいるので俺の右手を動かし永琳の左頬に当て撫でる。永琳が顔を俺に向けて来たので俺の右手が永琳の唇に当たった。そのまま永琳が俺の右手の小指と薬指を口に入れてぴちゃぴちゃと音を立てながら舐めてる

 

「何をしている永琳」

 

「え、弘が右手の指を舐めろと私に右手を差し出したんじゃないの。手を舐めたけど塩味が強いわね」

 

「当たり前だろう。そんなに待たせたか」

 

「当たり前よ、今までずっと数億年も待ってたんだから。明日から股が痛い日々が続くわね、でもその痛みが私には嬉しい」

 

永琳は右手で永琳のお腹を撫で始めた、お腹の方はまだ気が早いと思うんだが。俺たち月人は子供に恵まれないから出来る可能性は低い、一回で当てるのは無理だろうな

 

「覚悟するんだな永琳、一回じゃ終わらせんぞ」

 

「そうね、覚悟はとっくの昔に出来てるけどいざとなると緊張するわね。それと弘の部屋にあった本は全部燃やしたからね」

 

馬鹿な!?あれは俺が月から持って来た大事なエロ本なのに!なぜばれた、厳重にして天井裏に保管したはずなんだが

 

「お前、凌辱されながら犯されたい様だな永琳」

 

「どうぞ」

 

永琳は両手を広げて待ってる。する訳ないだろうこんな参道で、誰かに見られたらどうする気だ永琳がいる方向は神社があるんだが奥から誰かが走って来た、スゲー早い。そいつは近くまで来ると両手を前に出しながら飛びつき襲って来たので

 

「いただきまーす!!」

 

「神使の者が神を喰い殺すなんて前代未聞だぞ」

 

俺は体を横にずらして避けた、俺が避けたせいで橋の周りにある池に落ちて沈んだ。生きてるだろうか、永琳と池を見てたら浮かんで、犬かきしながら顔を揺らして水気を飛ばし顔を橋に立ってる俺と永琳に見上げた状態になってる

 

「冷たい冷たい冷たい寒い寒い寒い!!神様どうして避けるのさー!?私の愛の抱擁を抱き留めてよー!!」

 

「いただきますって言ったじゃないか。あれは抱擁に使う言葉じゃないぞ影狼」

 

「私達二ホンオオカミはいただきますを愛してますって言うんだよー!だから私が噛みついても喰われても気にせず抱き留めてよねー!!」

 

「影狼、俺を殺すのは神奈子と決まってるんだぞ。俺を殺す前に神奈子と話し合え、噛みつくにしてもせめて殺さない程度に噛みついてくれよ」

 

「うーん、善処するよー!!」

 

善処するとは曖昧な返事をしやがって、善処は了承といった意味ではなく努力しますと言った言葉だぞ。俺は影狼を池から出そうと思い橋の上で右手を差し出す。今は冬だからこのままだと凍え死んでしまう。影狼も右手を差し出して俺の右手と絡めてきたので引っ張るが影狼の服に水が蓄えられて重い。渾身の力を振り絞って引っ張り影狼を橋の上まで上げたが影狼は両手で影狼の体を抱きしめるようにして震えて縮こまる

 

「ありがとう神様。でも寒いよ寒いよ!!鮭を食べたいよ!」

 

「仕方ないな、神社に戻るか。行くぞ永琳」

 

「そうね、風邪を引かれたら困るからね」

 

俺と永琳と影狼は神社に向かって歩き出す、影狼は長いストレートの黒髪、狼の耳が頭に生えて両手の爪は長めで赤い爪がある。服装はロングドレスを重ねて着てる感じで、下から着てる順に言うと黒、赤、白だ。それと鎖骨辺りに黒いドレスを纏める為かトパーズみたいな装飾品を付けてる。ドレスに水気をたっぷり吸ってるので重そうにして歩いてる、流石にここで脱がせるわけにはいかないし神社に向かおう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神社に着いたので影狼の服を永琳が脱がして客間にある火鉢に影狼は温まって貰う事にした、影狼の傍には永琳がついてるし大丈夫だろう。それとこの神社は広くなってる、龍神が言うには咲夜は空間も操る事が出来るそうなので空間を操り神社を拡張したそうだ。外から神社を見ても前と変わってないんだが、中に入ってうろつくと広くなって部屋も増えてる。凄い便利な能力だ、前にリフォームでもしようかと考えたがこれなら問題は無くなった。しかし時間を操れて空間をも操るとは時間の神クロノスとギリシア神話のカオスが合わさった能力だな。カオスは厳密に言えば違う意味かもしれないが

 

台所に向かったらまだ藍が料理を作ってるようで忙しそうだ

 

「星はまだご飯を食べてるのか」

 

「はい、凄い食べっぷりですね。作ってる私としては美味しそうに食べてくれるのでうれしい限りです」

 

藍は無駄のない動きで、てきぱきと料理を作りながら俺の質問に答えてる、星を見ようかと隣の部屋に行くと星はお椀に白米をてんこ盛りにして右手にある箸を使いおかずを取りながら白米を口に入れて食べてる。凄い速さで食ってる、俺が星の向かいに座ると星は一旦食べるのをやめた

 

「食事中に済まない。少し聞きたい事があってな」

 

「いえ、私は食べさせて貰ってる身ですからお気になさらず。それで聞きたい事とは何でしょう」

 

「二つ聞きたい事がある。星は虎の妖怪なんだよな、この大陸に虎っていなかった気がするんだがどうやって生まれたんだ」

 

「そうですね、この大陸には虎がいませんが海の向こうの大陸には虎が有名でして。海を越えて虎の話がこの大陸の人間に伝わり、人間が虎をどんな生き物か考えて生まれたのが私です。ですから私は虎の妖怪ですが虎の妖怪ではありませんね」

 

成程、だから星は藍やてゐ、ナズーリンと影狼みたいに頭に獣耳が無いのか。藍、てゐ、ナズーリン、影狼は獣から変化した生き物、妖獣と言う存在で人間みたいな姿になり妖怪化した生き物だ。てゐは妖怪じゃないけど、だが星は髪色が金色と黒が所々にあり髪をメッシュしてる感じ、背中には羽衣みたいな白い輪があり背中に纏ってる。これは天衣かもしれない、羽衣に似てるし。腰には虎柄の腰巻をしてるが虎柄の腰巻なんてヒンドゥー教のシヴァみたいだな、あの神は破壊を司る神だったか

 

「じゃあ最後に、星が殺されたら殺した相手の体に乗り移ると聞いたが、詳細を差し支えなければ聞かせてくれないか」

 

星は机に乗ってるお椀を眺め、間を置いてから俺の顔を見て口を開く

 

「私ははっきり言って脆弱な妖怪です、この国にいる妖怪ですが私では勝ち目はないです。その代りに私は殺した相手に乗り移りますが、正確に言えば乗り移るのではないのです」

 

「だが殺した相手の体の主導権を握るんだよな?だったら乗り移るんじゃないのか」

 

「いいえ、乗り移るとは相手の体を奪う事だけの意味ですが。私はその先、乗り移ったその体を作り変える、つまり今の私の様な姿になります。どんなに抵抗しても無駄ですね」

 

つまり、俺が星を殺したとして星は俺の体の主導権を握るが握った後は体が作り変えられて、俺の体が目の前にいる星の姿に作り変わるって事だろうか。何だかややこしいな、だが力は弱くてもそんな力があるなら弱くは無いと思うんだが。弱いけど厄介な妖怪って事か

 

「私は殺されることはあっても魂だけはこの世に残りますし黄泉に行くことはまずあり得ません。魂と言いましたがこれを魂と言っていいのか微妙な所ですが。私の名 寅丸星も今までに乗っ取った人間の名を貰ってますから本当の名でもありませんね」

 

「何だか弱いのか強いのか分からないな星は。まあ、いいや。これからは神使としていてもらうし気にするのはやめる。だから名が本名じゃないとか気にしないぞ」

 

「自分で言うのもなんですが私は神も妖怪も相手の体を乗っ取るような物なんです。もう少し考えてはいかがですか、ある意味私は不老不死の存在なんですよもっと考えて下さい」

 

「と言ってもそんな口から涎が出てる妖怪に言われても怖くないな」

 

星は机にあるハンカチで口から垂れてた涎を拭き、机に並んでる料理を凝視してる。長話しすぎたか

 

「食事中に済まなかった、もう話は終わりだ。気にせず食べてくれ」

 

「申し訳ないです、ではいただきます」

 

星は机に乗ってたお椀を左手で掴み白米を口に入れて、机に並んであるおかずに右手に持ってる箸で掴み。口に入れて噛んで呑み込んだら箸を持ちながら、湯呑を掴み口に持って行って飲んでる。餓死寸前の者にはお粥がいいそうだ、急いで食べると胃が破裂し死ぬと聞いた、だが最初に桃を食わしたし大丈夫だろう多分。星の食べっぷりを眺めていたらふすまを開けて、てゐが来た

 

「祭神様ー民が祭神様にお目にかかりたいってさー」

 

「珍しいな、民が来るとは。よし向かうか」

 

立ち上がり民の元へ向かおうとしたら壁に飾ってた喜怒哀楽の仮面が光る。光り終わると壁に飾ってた喜怒哀楽の仮面の床には女の子が寝ころんでいた、緊急事態、どうやら生まれた様だ。付喪神が

 

「何てタイミング。悪いがてゐ、永琳を呼んで来てこの女の子を診て置いてくれと永琳に伝えておいてくれ

 

「分かったー確か客間にいたよね。じゃあお師匠様に言って来るね祭神様ー!」

 

てゐは駆け出し客間に向かった、星は食べる事に夢中で気付いていない。この女の子ピンクのロングヘアーで睫毛もピンクだ、服は青のチェック柄の上着にバルーンスカートを履いてる。胸元にピンクのリボンがあり。このスカート見てるとかぼちゃパンツを思い出す。それと女の子の周りに色んな仮面がオーラみたいなのを纏い浮かんで幽霊みたいに飛んでるので怖い。だが今は民に会いに行くのが優先なので今は置いて行こう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

民がいる部屋に向かいふすまを開けて中に入り民と向かい合いになる。民はひれ伏したままで俺は座る。

 

「珍しいじゃないか、神社に来るとはどうした」

 

「お忙しい所恐縮です、まずは会って下さりありがとうございます」

 

「ええい、やめろやめろ。そんな堅苦しいのはやめろとお前が子供のころに何度も言ってるだろう」

 

「いいえ、弘天様はこの国の神、そして君主様であらせられます。ですからこれこそが私達民が王に接する態度なのです。昔の私は愚かでした」

 

どうして俺の周りには堅苦しい奴が多いんだ。もっと気楽にしてほしい物だ。そもそもこいつはやんちゃな悪戯小僧だったはず、俺にもタメ口で話すいい子供だったのに大人になってからはこんな口調だ。時間とは悲しい物だな

 

「石頭め、それで何の用だ」

 

「実は私に子が、娘が生まれました、名を付けたいのですが私が付けるより、この国の王で神の弘天様が名付け親だと縁起がよく、無病息災な娘になると考えまして」

 

「そうか、娘か。美人な娘になったら妻に貰おうか」

 

「弘天様になら私めは構いません。むしろ貰って下さい」

 

「おいおい、嫌がってくれなきゃ困るぞ。それに娘が嫌がるだろうからやめて置け」

 

「そうでしょうか、ですが子供の頃に洗脳、もとい言っておけばすんなり行きそうですが・・・・・」

 

聖はひれ伏したまま小声でぶつぶつと何か言って考えてる、恐ろしい奴だ。そう言えば娘の名だったな、ちなみにこの民の名は聖と言う。苗字じゃなく名は聖だ

 

「それで、聖よ。娘の名だったな」

 

「おお、そうでした。では弘天様。何かいい名は無いでしょうか」

 

丁度いいのを考えてたしそれを使うか

 

「蓮という花は泥の中から綺麗な花を咲かせると聞く、だからどんな環境でも汚い泥の中、世の中でも清らかな心を持って綺麗な女性になって欲しい。だから白蓮、白蓮だ」




この白蓮が諏訪国(長野県)に生まれた話ですが信貴山縁起を参考にして、蓮の花の花言葉は、清らかな心、神聖、沈着があり白蓮の名はその意味も含め名付けました。

付喪神は「神」の名がありますが妖怪扱いですからね。どうした物か、神にするべきか妖怪にするべきか

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