蓬莱山家に産まれた   作:お腹減った

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今回は独自解釈が強めですので私の考えを後書きで書いて置きます、ですが今回もドン引きするほどですので気を付けて下さい。今回の話は元ネタがあるので気になる人は後書きで

それと今回は少し早く進み過ぎたかも、しかしこの赫奕姫の話だけで今回を含めると7話くらい続けてますからとっとと終わらせます。今回の話を見て、ここは何とかしろ飛びすぎだ。と思ったら言ってくださいその部分を書きますんで

天子は確か地上で生まれて名を地子と言いましたがここでの天子は最初から天人です

今回の話はギャグです


十六夜

名は天子か。天界人の子供だから天子と名付けられたのだろうか

 

「天子だな、よし何して遊ぶか」

 

「う~んそうね~お兄さん達って天界の者じゃないみたいだけど、どこから来たの」

 

「地上から来たな」

 

「地上か~私天界で生まれたから天界以外の場所の事を全く知らないの。良かったら地球のお話してくれない?」

 

「ふむ、ならば地球にはどんな生き物がいてどんな場所か話そう」

 

俺は地上の事を離したが今まで諏訪の国にいたので話せることと言っても少ないが、諏訪の国の事や民。後は知りうる限りの生き物と海や山、後は美味しい食べ物について話した。天子は天界の料理は美味しくないと言っていたので料理については詳細に話した。永琳と藍の料理は絶品だから天子もその話を聞いたら興味が湧くだろう

 

「色んな料理があるのね~天界の果物は桃しかないから蜜柑も知らないし食べてみたいわね」

 

「食べたいなら地上に降り立つ事は駄目なのか、天人は空を飛べるんだろ」

 

「そうしようと思って地上に向かおうとしたら衣玖に怒られちゃってね~まだ駄目だって言われたのよ」

 

天子は照れた表情でそっぽ向いて左手で天子の頬を掻いた。まだなのか、じゃあいつかいい時が来るって事か。その日はいつ来るんだろう

 

「ならばもしその日が来たら諏訪の国って所に天界から空を飛んで来たらいい。それで第一声がこの国の王を殺しに来た!って言えば刺激的な状況になるぞ」

 

「その諏訪の国?って所の国王が治める国でそんなこと言ったら私殺されるんじゃないの?」

 

「大丈夫だ大丈夫。そこは無益な殺生はしない国だから、だからその時はその地面に刺さってる剣と要石を出しておけ目印として分かりやすいし」

 

天子の事は帰って皆に話しておこう。そしたら殺される事は無い、ただその日がいつかが分からないので皆、月日が経てば忘れそうだけど。俺からは話し終えて輝夜と天子が話し始めた、鈴仙を見たら天子を見る目がナズーリンと初めて会った時の視線だ俺は立ち上がって鈴仙の左手を掴んで天子と輝夜から離れた

 

「な、何ですか」

 

「鈴仙、隠すのが下手だな。天人を見下すなと言わんがせめてその視線は誰にも悟られないようにしろ。無用なトラブルは御免だぞ」

 

「無理です、これだけは私はやめられないです。どうしても地上の生き物は見下してしまう、月から見れば同じ地上で穢れた存在なのです」

 

これは時間がかかりそうだ、内心で見下すのはいいんだ。ただ見下した視線を相手に向けて欲しくは無い、そんな事を続けてたら確実に面倒事が起こる。鈴仙は月人や玉兎以外を見下してる感じだ、俺は両手を鈴仙の両頬に当てて両頬を引っ張った

 

「いひゃいいひゃい!ひゃにひゅるの!?」

 

「視野が狭いぞ鈴仙。見方が一面的すぎる、月人と地上人は別の存在なんだから比べてどうする。天人も別の存在だ、比べていいのは日常で使う箸とか道具だけだ」

 

道具を比べるって言っても藍とかの事じゃなく人間が使う工具とかそんな物だ。鈴仙の両頬を離して、鈴仙は両頬を両手で擦ってキッと俺を睨む。

 

「嫌、私はやめないわよ。もうこの考えが染みついてるの、今更直せないし直す気もないわよ」

 

「別に直さなくてもいいとさっき言っただろう、ただ誰にも悟られるなと言ったんだ。俺は頭の中までとやかく言う気はないんでな、頭の中なら何を言っても構わんし見下した考えでもいい」

 

そんな考えを持つなとは言う気はないがせめて頭の中だけで押さえて欲しい物である。例えば死んで欲しい奴がいて嫌な顔をしてその死んで欲しい奴にわざわざ口に出して死ねって言うのではなく、表面上は笑顔だが頭の中で死ねと死んで欲しい奴に言ってほしいのだ。胸三寸に納めるだな

 

「難しい事を言うわね。それでも嫌だと言ったらどうするの」

 

「鈴仙。お前、忘れてるか知らんが俺は月を牛耳ってる男だぞ。ここまで言えば十分だろ」

 

この考えをほったらかしにしてたら面倒だ。余計なトラブルの種を放置して芽が出て花が咲いたら非常に困るのだ、鈴仙の考えを否定だけはする気は無い。ただどんな相手でも表面上は笑顔でいて欲しい。それに天界って色究竟天と言える場所だし月の関係者が見下せる場所だろうか

 

「分かりました月の王よ。貴方の顔を立て従います。ふんだ!あっかんべー!!」

 

鈴仙は数歩下がって跪き従うと言ったがすぐに立ち上がり腹が立ったのか腕を組んでから鼻を鳴らして右手で鈴仙の右目の下瞼を下げ、口から舌を出した。子供か

 

「どうやら懲りてないようだな。じゃあ鈴仙の紐パンを奪って皆に鈴仙は下着を履かずに過ごしている痴女だと周知に知らしめてやろう!!!月人や玉兎からどんな目で見られるか楽しみだな」

 

「何て恐ろしい事を・・・・・ここは一時撤退をしなくては・・・・・!」

 

「甘いな、俺には須臾を操る妹がいるのだぞ。須臾の時間の前に逃げる事など不可能」

 

輝夜の元へ行って能力を使ってもらおうと考えたが城の中から衣玖が戻って来た。内心舌打ちしながら鈴仙に俺の両手を上げてじゃれ合うのは終わりだと示して衣玖に近づく

 

「お待たせしました旦那様。これが羽衣です」

 

「ありがとう衣玖。助かる」

 

衣玖から羽衣を受け取ってキャリーバッグに入れて置こうかと考えたが輝夜に羽衣を纏ってもらおうと考え鈴仙と衣玖と共に輝夜と天子の元へ行く。二人とも立ちながら城にもたれ掛って話してるようだ、こうして見ると女の子だな二人とも。輝夜は億歳だし天子はいきなり斬りかかって来たから女の子と言っていいのか少し迷った、輝夜と天子が俺と鈴仙に気付いて顔を向けた

 

「あ、お兄様。鈴仙とのいちゃいちゃは終わったのですか」

 

「うむ。終わったぞ、まだ続けたかったがな」

 

「輝夜様、私と弘天様はいちゃいちゃなどしておりません!!!勘違いなさっては困ります!!」

 

鈴仙は両目を瞑り両手を両足にそれぞれ合わせるようにし力を込めて大声をあげた。そこまでして否定しなくてもいいと思うんだ、照れてるだけかもしれんがな。会話をしながら輝夜が持ってた数十個の桃をキャリーバッグに入れて置く。衣玖から袋を貰ったのでその袋の中に桃を入れて置くから大丈夫だろう

 

「はいはい。そうね鈴仙、それでお兄様が持ってるのは何ですか」

 

「ああ、これは羽衣と言ってこれを纏うと空を飛べるそうだ。輝夜、空を飛びたいか」

 

「空を飛べるんですか!?やったー!!早く羽衣を私に纏わせて下さい!!!」

 

「ならば輝夜様。私にお任せ下さい」

 

「そうね。衣玖お願いするわね」

 

忘れていたが輝夜と衣玖は竜宮城でお互い知っていたな。二人とも最初は竜宮城にいたし、衣玖は羽衣を輝夜に纏わせたら輝夜が空を飛んだ。本当に飛べるんだな

 

「お兄様見て下さい!!私空を飛んでいます!!!」

 

「見てる見てる。気を付けるんだぞ輝夜、何かあったら困るからな」

 

「分かりましたお兄様。私はお城のてっぺんまで飛んで来ます!一緒に行きましょう天子!」

 

「そういう事なら私も一緒に行くわよ~!行きましょ輝夜!!」

 

輝夜と天子は空を飛んで城のてっぺんまで向かった。楽しそうで何よりだ。うーむ咲夜をどうするべきか、そうだ閃いた。龍神の所に戻るか。龍神と話し終えて城の外に戻ったら輝夜と天子も戻って来るだろう

 

「衣玖、龍神にまた会いたいんだがいいか」

 

「分かりました、それでは行きましょう旦那様」

 

「私は輝夜様を待ってるから行ってらっしゃい」

 

鈴仙は城のてっぺんに飛んでいった輝夜と天子を見ながら左手を俺に向けてひらひらさせた。行く気は無いようだ、ならば一人で行くか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

着いた、扉を開けて中に入るとさっきの状態で龍神がいる。衣玖が龍神に近づいて何か喋ると龍神は目を開けた。あれ何言って起こしてるんだろうか

 

「弘ちゃん話があるそうだけど何か用ー?」

 

「うむ、頼みがある。実は地上に姿を現してほしいんだ」

 

「地上に私が来たら騒ぎになると思うけどーどうして地上に私が必要なのー?」

 

「うむ、実はな」

 

俺は龍神に説明した。どうしても龍神は必要だ、龍神は能力は持っていないが豊姫の能力と似ていてワープして移動できるんだ。豊姫は一度行った所限定だが龍神はそれが無い。

 

「なるほどねーじゃあ私が渡した龍の首の珠に私の名を呼んでよー。そしたら超特急で向かうからさー私はワープしてるから早さなんて無いけどねー」

 

龍神はそう言い話を終えたのでまた顔を胴体に乗せて眠った。これで問題は無くなったな、後は咲夜に会いに行こう。衣玖を連れて城の外に出たら輝夜と天子が戻ってきてる、楽しかったのか二人とも笑顔だ。豊姫とナズーリンも戻ってきてるしもう天界からおさらばしよう

 

「待たせたか、じゃあ天界から地上に戻ろう。豊姫頼んだぞ」

 

「はい、任せて下さい」

 

「衣玖と天子。今日はありがとう、特に天子。輝夜とは仲良くしてやってくれ、また会おう」

 

「また皆様が天界に来るのを旦那様と豊姫様の従者、衣玖。お待ちしております」

 

「当然輝夜とはこれからも仲良くするわよ、じゃあね~楽しかったわ。また天界に来てよね~来なかったら私から向かうからね」

 

衣玖はお辞儀をして天子はウインクをした。衣玖が天子のセリフを聞いて天子を睨んだ気がするが気のせいだろう。皆で手を振ってお別れをするが鈴仙はぎこちない笑顔で右手を振ってお別れしている、悟られるなと言ったんだがまだ無理なようだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目の前には霧があって霧が濃い、背中を見たらあの質素な家がある。蓬莱山に着いた様だ。中で休もうと思い皆で家の中に入り客間で寛いでる。豊姫が神妙な顔で正座しながら俺を見てる

 

「弘さん、輝夜を連れて行くんですか」

 

「そうだが嫌か豊姫」

 

「正直に申しまして私は輝夜と一緒にいられないのは寂しいです、でも仕方ありません。ですが連れて行くなら私にも考えがあります」

 

「あ、豊姫お姉様が嫌なら私は別に行かなくても構いませんが・・・・・」

 

「今までは私と依姫が過保護過ぎた所もあるからそれはいいのよ輝夜。ですが心配ですので一月に数回は諏訪の国に顔を出します、勿論依姫と鈴仙も一緒です」

 

豊姫と依姫と鈴仙が一月に数回だが諏訪の国に顔を出すのか。別に構わないがなぜ今まで諏訪の国に来なかったんだろう、俺が生きてるのを知っていたなら来る機会があっただろうに。それと豊姫の言葉を鈴仙が聞いてから鈴仙は狼狽してる、そんなに嫌か

 

「1つ聞くがどうして今まで諏訪の国に来なかったんだ。時間はあっただろう」

 

「それは・・・・・怖かったからです。もし見に行って実は同姓同名の他人だったなら、私は立ち直れませんでしたから」

 

豊姫は顔を俯かせて少し落ち込んだ様子。ふむ、大体分かった。その人物を見て知らない人間だったらショックだから見たいけど見れなかったんだな。臆病だな豊姫、豊姫に近づいて頭を撫でながら抱きしめた

 

「じゃあ生きていたからこれからは気にせず諏訪の国に来れるな。待ってるぞ」

 

「はい、待ってくれるなら私はいつでも弘さんのお傍に行きます。邪魔だと言われても絶対に抱き着いて離さず逃がしません」

 

「うむうむ。じゃあ輝夜を連れて行く。それで悪いんだが山城国に能力で送ってくれ」

 

「今いい雰囲気だったのに台無しですよ弘さん・・・・惚れた弱みですね、じゃあ送りますから気を付けて下さいね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

疲れますわ、私は地上に興味があって来たのにどうして私を妻にする男が出てくるのでしょうか。私はただ地上を見ていたいだけなのに。ですが道端で行き倒れかけていた私を助けてくれたお爺さんとお婆さんには助けて貰った恩がありますし男共を無下には出来ません、お爺さんとお婆さんは喜んでいましたし。位が高い男性と夫婦になれば私がもう困る事は無いからです。縁起でもない話ですがお爺さんとお婆さんはお年寄りですから私より先に亡くなってしまいます、だから私の事を心残りに亡くなりたくないとおっしゃっていました。私の部屋のふすまの前でお爺さんが私の名を呼びながらふすまを開けた

 

「咲夜、5人の中の男性から好みの人はおったかい?」

 

「お爺さん、もう一人男性はいましたよ。全員で6人の男性です」

 

「おお、そうだったか。どうも年を取ると忘れてしまう。だが6人目の男性は失礼な言い方だがどこの馬の骨か分からない人だがその人が気に入ったのかい」

 

「そうですね。他の男性よりは私にとって都合がいいんですよお爺さん」

 

特にどこにも属してないのがいい、他の5人の男は山城国に住んでる男。ですがそんな男の妻になったら一生私は山城国で過ごす事になる、私はそれが嫌だ。それに私には寿命が無いのだから数十年山城国にいると面倒な事になる。それに山城国から離れて旅をしていざとなればその男を殺せばいい。私は時の支配者だから簡単に殺せる

 

「そうか、咲夜が選んだのなら何も言わない。だけど後悔の無い様にするんだよ」

 

お爺さんは聞きたい事を聞いたら部屋から出てふすまを閉めた、まき割りをするようで外に行くそうです。満月までまだ時間がありますが誰が本物を持って来れるでしょう、山城国に住んでる誰が持って来れるか分かりませんが無理でしょうね、どれも人間には取って来る事は不可能。そう、人間には。私は火鉢に近づいて体を温めていたら外から驚いた声が聞こえましたがお爺さんの声ですねこの声は、お爺さんは家に入って走って音が響いてます

 

「大変だよ咲夜!咲夜が出した難題を持って来たそうだよ!!」

 

「そんな、馬鹿な」

 

私は慌てて立ち上がりお爺さんと部屋から出て家の外にいる男を見に行きました、家から出て見たらその男は6人目の男で右手には枝を持っていて左手にはキャリーバッグらしき物の取っ手を掴んでます、なぜキャリーバッグがこの時代にあるのでしょうか。その男の隣には笠を頭に被ってる少女がいて、反対には輝夜様がいました、何故この場所に輝夜様が・・・・・輝夜様は私を見て少し驚いてましたがすぐに表情を戻して笑顔で私を見てきています。

 

「まだ満月までは時間がありますのにもう難題の物を取って来られたと聞きましたが、拝見してもよろしいでしょうか」

 

「ああ、少し待ってくれ。今取り出すからな」

 

男はキャリーバッグのチャックを掴んで中にある綺麗な宝玉を取り出して私に見せてきました、宝玉は5つあり色は赤、青、黄、白、黒。間違いありません、昔私は龍神様に見せて貰ったことがありますからこれは龍の首の珠だと断言できます。ですが、そんな簡単に認める訳にはいきません

 

「確かにこれは宝玉ですね、ですがこれが作り物じゃないと証明できる物はありませんか?龍から取って来たのなら何か龍の爪や牙など見せて下さい」

 

「ふむ、証明か。ならば実物を見せてやる」

 

男は右手に持っていた枝を隣にいる人形みたいに綺麗な女性に渡してキャリーバッグの中にあった5つの宝玉を両手に持ちそれを空に掲げて大声で言った

 

「いでよ龍神!!!・・・・・・流石にこの年でこれやるの恥ずかしいんだが」

 

男が龍神様の名を出したら宝玉が光辺りに風が吹き宝玉は光ったまま男の両手から空に浮かんで凝視出来ないほど辺り一面光ると目の前には龍神様が出てこられた。間違いないこの黒い鱗にこの大きさに過去の龍神様と瓜二つ、この私が間違える訳が無い

 

「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン。久しぶりに地上に来たよー懐かしいねーあれ?そこにいる女性は確か」

 

龍神様は口を開かずどうやらテレパシーでこの場にいる皆と喋っているみたい、龍神様が私を見てる、あれから私が成長したとは言え龍神様の目は誤魔化せないから私が誰か納得したでしょう、お爺さんは龍神様にひれ伏してる。まさか龍神様を見れる日が来るとは思ってなかったでしょうね

 

「さあ、龍神を見せてやったぞ。これで龍の首の珠が本物だと証明できたな、他に言いたい事があるなら聞こう」

 

「まさか龍神様を呼べるほどのお方だったとは・・・・・咲夜、咲夜の目にはそれほどのお方だと見抜いていたのか」

 

男は腕を組みながらほくそ笑む、認め合くはありませんが龍神様を出されては私に何か言うにも言葉は無くなりました。お爺さん、流石に私でもこれは見抜けませんでしたよ。しかしなぜ龍神様を呼べたのでしょう、この男、私が思っていたよりも大物だったのでしょうか

 

「何て日でしょう、今日は厄日ですね。ですが約束は約束です、私も一度言った言葉を撤回する気はありません」

 

男は満足そうに笑っている。早い物勝ちの様な話しでしたから一番に来たこの男の妻にならなければなりません、私は現実逃避でもしようかと考えたら龍神様が山城国の入り口方面を見て何かを考えています、どうしたのでしょうか

 

「大変だよ弘ちゃん。面倒な奴がこの山城国の近くに来てるね」

 

「面倒って何だ龍神でも倒せないような奴なのか」

 

「いや、この私が向かったら簡単に殺せるけど問題はそこじゃない。殺した後が面倒なんだよ、まずはその場所まで向かうよ」

 

「待て待て、まだ行くな。そこの爺さんは咲夜の親代わりか。話を聞いていたと思うが咲夜は貰っていくぞ。咲夜に出された難題は終えたからな」

 

「はい!龍神様を呼べるお方が我が義娘を妻にする事に不満などありません!!どうか、咲夜をよろしくお願いします」

 

お爺さんは龍神様にひれ伏したままで男に言いました、ありがとうお爺さん。今まで本当に、ですが私がこの男の妻になるのは茨の道な気がします。嫌ですけど約束ですから仕方ないです。

 

「じゃあ行くよー早くしないと大変だからねー」

 

龍神様がそう言うと私も一緒に連れて来られたのか山城国の外に出て目の前には妖怪に人が襲われていて、咄嗟に私は能力を使い時間を止めました。時間を止めたので殺されかけた人間もまだ死んではいませんがこの後が問題です。私の能力は一度起こった事態は撒き戻せません、ですが時間を加速減速は出来ます、そして空間も操れますが今はいいでしょう。龍神様がテレパシーを使い私の頭の中で会話をし始めました、これは未だに私は慣れません

 

『流石咲ちゃん。咲ちゃんの一族は時間に関係する能力を持っていて、咲ちゃんの能力は時間を操る程度の能力だったねーあのままだとあの人間が殺される所だったよー』

 

『龍神様、相変わらず私の能力が効きませんね。龍神様はまだ分かるのですが』「そこの二人がなぜ動けるのでしょうか、笠を頭にかぶってる少女は動いていないんですが」

 

「さあ、俺には分からん。そう言えば名を名乗ってなかったな。俺は 蓬莱山 弘天 だ」

 

「初めまして、私は 蓬莱山 輝夜と申します。よろしくね咲夜」

 

蓬莱山 弘天、じゃあ私が仕えるはずだった王が私の目の前にいると言う事になるのですか。一体何の巡り会わせでしょうか、まさかこんな日が来るなんて。輝夜様は少し意地悪な顔で初対面だと言ってきましたが私達は初対面じゃないですよ輝夜様。

 

「それよりーあの妖怪なんだけどー少し面倒なんだよー」

 

「ふむ、面倒と言うとどう面倒なんだ」

 

「あの妖怪はねー殺すと殺した相手がその妖怪になるんだーだから殺した後が面倒なんだよー殺さなければその妖怪になる事は無いけどねー」

 

『咲ちゃんーあの妖怪だけに能力を使う事って出来たよねー?悪いんだけどやってくれるかなー?』

 

『分かりました龍神様。では能力をあの妖怪だけに使います』

 

私の能力は周りの時間を止める事も出来ますが、一部だけ、例えば生き物だけの時間、または手や足などの時間を止める事も出来ます。その部分の、手や足の時間を止めると言う事はその手や足の場所にある空間をも止めるのでその部分を止められたら動く事は不可能。私は能力を妖怪だけに使ったので襲われてた人間や笠を被っていた女性も動き出し目の前にいる妖怪を人間は畏れ、叫び声を上げながら山城国に逃げて行きました。死なずに済んでよかったです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すげー輝夜は時間を止める能力じゃないからな、妖怪が動かずそのまま人間を喰い殺そうとしてるポーズで止まってて少し面白い。だがこの妖怪を俺が殺したら俺がその妖怪になるみたいだからなーどうするべきか。この妖怪はさっきの人間を押し倒して喰い殺そうとしていたから四つん這い状態だ

 

「もう襲われた人がいないし咲夜、能力を解いてくれ」

 

「それもそうですね、このまま放置する訳にはいかないし」

 

咲夜が右手で指を鳴らしたら妖怪は動き出した、だが目の前には人間がいないので四つん這いのまま周りを見渡すと俺に狙いを定めたのか立ち上がり走って来た。俺は焦らずキャリーバッグの中にあって袋の中に入れて置いた桃を数十個をその妖怪に渡そうと思い咲夜に妖怪の足と手の部分だけ時間を止めるように言い妖怪は走って来ていたが急に足が動かず狼狽してる。俺は袋に入ってる桃を持って行きながら妖怪に近づく

 

「まあまあ落ち着け。まずはこれを食べて話をしようじゃないか」

 

「ちょ、ちょっと何を」

 

何か言う前に俺は袋から桃を取り出し妖怪の口に入れて腹を満たせた、数十個あったのに全部の桃を食われたが仕方ない、それにこの桃は体を丈夫にするそうだし食わせて中々死なない様にする為にこの桃を食わせた

 

「初めて食べましたが美味しい果実ですね。もう無いのですか」

 

「無いな、全部食っちまったし」

 

「そうですか・・・・・ですがまだお腹が空いてます貴方を食べさせてください」

 

「飢えては食を択ばずと言うが俺は煮ても焼いても食えぬ男だぞ。お腹が空いたなら何か食わしてやろう」

 

と言っても山城国が見えてるが山城国は駄目だ、もしもの事があったらこの妖怪は殺されるだろう。あそこには篁がいる、もしこの妖怪が篁に殺されたら篁に乗っ取るかもしれない。それは非常に困るので諏訪の国に連れて行こう

 

「それで名は何て言うんだ。俺は 蓬莱山 弘天 で俺の両脇にいるのが 輝夜 とナズーリンだ」

 

「私は 寅丸 星 で虎の妖怪です。それより早く何か食べさせてください。そして私の足と手が動かないので何とかして下さい」

 

「ふむ、腹が減ってるようだし諏訪の国に連れ帰るか。龍神って確か行った所が無い場所でも一瞬で行けるんだったよな、悪いが諏訪の国に連れて行ってくれ」

 

「いいよーじゃあ行くよー」

 

 

 

(まさか弘ちゃんから聞いた妻にする女って咲ちゃんの事だったなんて、名門の御三家、八意、綿月、十六夜 が王の元に揃ったことになるねーこれも運命かなー?そうだ、十六夜は確か王のメイドで執事でもあったよねーメイド服を弘ちゃんに渡して咲ちゃんにメイド服を着せておかなくちゃー)




今回の話を見て鬼太郎の牛鬼を思い出した方もいるかもしれませんね。この話は人虎、虎憑き、ワータイガーと言われている話でこの虎人にはあの鬼太郎の牛鬼と似た話があるんです。細かい話は省きますが人が虎の姿になり夜中に人を襲い喰ったらその虎は元の人の姿に戻り、次は替わってその喰われた人が虎になると言う話ですね。今回はその話を使いました。それで寅丸 星ですが人虎と鬼太郎の牛鬼の設定が混ざっています。人虎はインドネシア・ジャワ島のmagan gadunganという虎人の伝説の話で、鬼太郎の牛鬼は殺されると殺した相手が牛鬼になる話です。

時間と永遠は同じ概念だと思ってる方がいるかもしれませんが私は時間とは物事の変化を認識するための概念、永遠は時間とは逆の概念で物事が変化しなく、不変の概念だと思ってます。永遠は変化を拒む概念だと思うんですよ。だから輝夜は咲夜に時間の干渉をうけなかったんではないか、咲夜に時間を止められるのも私は変化ではないかと思ってます、それと時間は有限で永遠は無限が私の考えでして、時間は無限だと考える方もいるかもしれませんが私は有限だと考えてます。だから有限の時間が無限の永遠を操る事は出来ないんじゃないかと、咲夜は輝夜を操る事が出来ないと思い今回の話はこうなりました。もし輝夜が須臾だけを操る能力だったら咲夜に時間を操られたはずです須臾も一瞬とは言え時間ですから。

何だか自分が何言ってるのか理解できなくなってきた、簡潔に言うと咲夜は時間を操っても輝夜に時間で干渉する事は出来ないと思ってください、それと二つ、永遠が変化を拒む概念だという事。輝夜は時間を止める能力じゃ無い事を覚えて下されば助かります


そして咲夜は絶対にメイド服を着せます決定事項です

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