蓬莱山家に産まれた   作:お腹減った

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次の話は咲夜の話をするべきか、一旦諏訪の国に戻って満月までの3週間の間に他の話を進めるべきか悩んで困って話を書くのを躊躇ってる。


今回戯れみたいなのあり


不良天人

城の中を歩いてるがこの城は洋風だ。この城を作った技術は月人のサリエルが協力の元で作っているのだろう多分、後は神綺が協力したんだろう。神綺は何かを創る事に関しては他の追随を許さない女だったし

 

「お兄様天界のお城はこんなに広いのですね。竜宮城も広いのですがお城と言えば竜宮城でしか見た事が無いので興味が尽きません」

 

「竜宮城か、確かにあれも竜宮『城』の名があるから城と言える、だが本当にあれは城と言えるのだろうか」

 

竜宮城は海中奥深くにある、城とは色んな意味があるが、生活の場であり、住民達の拠点。という意味でも城は使われるからあってるのかもしれん。周りを注意深く見ても埃が窓際などに積もっている感じがしない手入れが行き届いている様だ、掃除する人が大変そうだな。奥に歩いていたら豊姫と鈴仙とナズーリンが立ち止まってる。どうやら衣玖と話しているようだ。

 

「衣玖、龍神様に会いたいのだけどいるかしら」

 

「はい、豊姫様。龍神様は奥に御出でですので皆さん私に着いてきてください」

 

衣玖は俺の方に体を向けて両手をお腹に辺りに重ねてお辞儀した、し終えたら衣玖は歩き出して皆衣玖の後に着いて行く、豊姫と衣玖は久しぶりに会ったから話しながら歩いて、輝夜は周りを見て目を輝かせて見てる、鈴仙は淡々として歩いてる、ナズーリンは俺の隣にいる。小声でナズーリンと会話しよう

 

「ナズーリン、数億年生きた女性として鈴仙を落とすにはどうしたらいいか教えてくれ」

 

「そうだね、彼女を落とすのは大変そうに見えるけどあれはただ臆病者だから案外簡単に落ちそうだからね。単純な方法がいいんじゃないかな」

 

単純か、単純って簡単そうに見えて難しいんだよな。どうするべきか、鈴仙を落とす為の案を考えて置こう、でも俺って月の支配者だよな、そして玉兎も支配してるようなものだが。つまり、ナズーリンと会話しながら歩いたら目の前には大きな扉がある。龍が入れるほどの大きさだ。と言っても龍神はテレポートみたいなのを使うので道とか扉とかあんまり意味はない。衣玖がその扉を触れたら扉が開いた、中には龍の姿の龍神がいる。龍神は黒一色で黒龍だ、天井には大きなシャンデリアがあって周りには何も無い、ただ龍神がその部屋にいるだけだ。邪魔だから何も置いていないのだろうか、龍神は姿が大きいし。龍神の目は閉じていたが衣玖が近づいて龍神に何か喋ってる、喋り終えたら龍神の目が開いた

 

「お久しぶりー弘ちゃんに豊姫ちゃん、弘ちゃんとは数億年ぶりだね」

 

「お久しぶりです義お父様、または義お母様」

 

龍神は豊姫の義理の親だそうだが、龍神は性別不明なのでこんな呼び方の様だ。俺に対しても龍神はちゃん付けだ。さすがにこれは見逃せない、男にちゃん付けとか俺からしたら屈辱以外の何物でもない

 

「相変わらず男か女か分からない声をしやがって、それと弘ちゃんと呼ぶなと何度言えば分かる」

 

「いいじゃないのー私達の仲じゃない」

 

「俺はそんな仲になった覚えはない。早速だが龍神の首元にある龍の首の珠を借りに来た、だから一月か二月貸してくれ」

 

「忘れてるみたいだけどー豊姫は私の義理の娘なんだよ、そして弘ちゃんは豊姫の旦那様だし弘ちゃんは私の義理の息子になるんだよ。それと龍の首の珠かー」

 

そうだった、俺、龍神と身内の関係になったって事か。何て事だ、悪夢じゃないか。もう弘ちゃんと呼ぶのをやめろと言って絶対やめないだろう。龍の首の珠について咲夜は持って来いと言ったが欲しいから持って来いとは言ってなかったし借りるのだ。貰うのではない。俺が貰っても大した事には使えないし

 

「別に貰ったままでいいよー月日が経てばまた出てくるしーじゃあ衣玖悪いけど私の首元にある宝玉取ってくれるかな」

 

「はい、龍神様」

 

龍神は首だけを動かして顔を衣玖に近づけ龍神の首元にある宝玉を取らせた、宝玉は五つあり色は赤、青、黄、白、黒だ。衣玖は丁寧に宝玉を取って小さいキャリーバッグみたいなのに入れた、龍の首の珠はよっぽどの衝撃などが無い限り割れないそうなのであのまま入れてもいいそうだ。衣玖が龍の首の珠をキャリーバッグに入れ終わり、取っ手の部分を右手で掴みながら俺に近づいて来る

 

「お待たせしました旦那様、ではどうぞ」

 

「ありがとう衣玖、助かったよ」

 

衣玖はキャリーバッグの取っ手を俺の方に向けて俺が取っ手を掴みやすい様にしてくれたので取っ手の部分を掴んでキャリーバッグを手繰り寄せた。意外に簡単だった、驪竜頷下の珠という言葉があるが問題は無かったな、驪竜頷下の珠は虎穴に入らずんば虎子を得ずと似た意味の言葉だ

 

「あのねー聞いたんだけど弘ちゃんって月の支配者なんだよね」

 

「うむ、そうだが。何か龍神に対して問題があるか、あるなら改善するが」

 

「特に無いね、それに弘ちゃんが月人の支配者になったってある意味元に戻ったと言えるしー」

 

元に戻ったってどういう事だろう、俺が知らない過去を龍神は知っているのだろうか、衣玖は龍神の傍に戻ってる

 

「弘ちゃんが生まれる前、月に行く前の月人には王様がいたんだよーでもその王様は王の立場を廃止したんだーその王は変わり者でね、王なんて必要ないと考えたみたいだよー」

 

「月人には王様がいたなんて誰にも聞いた事が無いな、豊姫はその王の名を知ってるか」

 

「いいえ、聞いた事もありませんね」

 

「当然だよー弘ちゃんと豊姫ちゃんが生まれる前でずっと大昔だからねーその王は子供達には王の息子の立場も関係なくただ友達を作って欲しいと思い子供たちはその王の息子の事については何も知らないよー」

 

気のせいかもしれないが龍神は輝夜を一瞬見た気がする、だが今の視線は俺に向いている

 

「最初は王の息子だけだったけど今は姫がいる、数億年前に王の息子は一人の女性と一緒に亡くなったと思われてたけど生きていたねー」

 

「・・・・・・もしかしてその王の息子が俺だとでも言うのかそして輝夜は月人の姫なのか」

 

「さあねー息子と姫の名を出す訳にはいかないんだよー怒られるし。でも月人は内心喜んだだろうね、王はともかく月人は王の存在を廃止した事にまだ納得してない者が多かったんだよー王は頭を抱えてそうだけどねー」

 

数億年前で死んだと思われたのは俺と永琳だけのはずだ、龍神はその人物の名を出していないが今の言葉で人物は特定できたようなものだぞ。だが衝撃の事実でもないなこれは、俺と輝夜が王と姫でも何か問題がある訳が無い。なぜなら俺はその事実を知る前に諏訪の国の王で輝夜は俺の妹だから諏訪の国の姫になる訳だし。俺と輝夜の名を出した訳じゃないから確定ではないが

 

「ふむ、どうでもいいな」

 

「そうだねーどうでもいいねーだけど古株の月人は喜んでるよ。外面は怯えた振りをしてる、月人の若い子たちは怯えてるかもしれないけどねーじゃあもう一眠りするよ、あ、今喋ったのは寝言だから気にしないでねー」

 

龍神は大きな顔を龍神の胴に置いて目を瞑り眠った。寝言なら仕方ない、嘘八百の言葉を聞いたと思っておこう

 

「つまり昔月人には王が存在していたんでしょうか」

 

「聞いた感じだとそうね鈴仙。誰が王で誰が王の息子かは大体の目星が付いたけど名は出していないから絶対じゃない」

 

豊姫と鈴仙がお互い今の話を確認してるが名を出してないから推測でしか話せない、今更誰が王で王の息子だったかはどうでもいいと思うが気になるんだろう

 

「月人は複雑な種族なようだねご主人様」

 

「そうだなナズーリン。だが昔の事だ深くは考えるな」

 

それに龍神が言ったのは本当かどうか分からんのだ、嘘を言ってる様には見えなかったがな。しかし本当なら輝夜は姫になるのか。ならば姫らしい扱いをしてやろう、輝夜に近づいて右手を輝夜の背中に当て左手で輝夜のふくらはぎを持って横抱きならぬお姫様だっこした。やはり姫と言えばこれだろう

 

「お兄様皆が見て恥ずかしいです!私これでも億は年を取っているんですよ!!」

 

「いいじゃないか、今まで構ってやれなかったんだ。少しは兄としての行動をしようとだな」

 

輝夜は今お姫様抱っこ状態だが暴れず大人しい、我が妹ながら綺麗だ。立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花の言葉がよく似合う。この言葉は元々は生薬の用い方を例えた言葉だそうだが今では美人を形容する言葉だ。

 

「後で私にもお姫様抱っこして下さい」

 

「後でな後で」

 

背中に抱き着いて豊姫が甘えてきた、しかし今日は輝夜を愛でる日だからしないけど。衣玖は龍神が寝たのを確認するとこっちに来た

 

「旦那様、この後はご予定はあるのでしょうか」

 

「いや、急ぎの予定はない」

 

「ではお食事の用意をしますので召し上がりませんか」

 

「ふむ、食べる食べる、ちなみに天界の食べ物って美味しいのか」

 

「正直に申しまして不味い事はありませんが美味しくもないです。だから地上の食材を用意しております、ですが天界のお酒は美味しいですのでお酒は天界の物です」

 

天界の食べ物は美味しいと思ったんだが。美味しくないのか、美味しくない天界の料理も食べてみたいが残しそうだしやめておいた方がいいだろう。

 

「では皆様こちらへどうぞ」

 

衣玖が扉に向かったので輝夜は俺がお姫様抱っこで連れて行く。これで龍の首の珠は手に入れた、蓬莱の玉の枝はまだ3つ光ってないのが残ってる。用は済んだ、しかし一週間も経ってないのに持って行っても本物かどうか疑われるんじゃないか。満月まであと三週間くらいあるしな。どうしようか、諏訪の国に戻るべきか咲夜の所に行くべきか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

行ってしまったようです、弘君と話そうかと思いましたが今はいいでしょう。私は龍神様の背にある扉を開けて中に入り龍神様の隣まで来たら龍神様が顔を動かし龍神様のお顔が隣にいる私に向けました

 

「良かったのー?せっかく会えたのに」

 

「いいのです。私一人だけ先に会うと神綺に怒られますから」

 

私は背中にある6枚の翼を広げ空を飛びながら龍神様と話して弘君がこの部屋から出て行った扉を眺めている。生きていて良かった。本当に。永琳、永ちゃんにも会いたいけど今はまだ駄目。もう少し後で会いましょう。まだ冥界を作り終えていないですから

 

「弘ちゃん、永ちゃん、神ちゃん。そしてサリーちゃん。いつも一緒だった4人が今ではそれぞれ別々の道を歩いてる、行き着く先は皆同じに見えるけど。どうなのー」

 

「そうですね。ですがいつかそれぞれの道が交わる時が来るでしょう。それまでは私は私の仕事をするまでです」

 

「そっかーその道は神か妖怪か人間か。それとも別の存在が。月人の元、王はどう考えてるのー?」

 

「王と言うと蓬莱山家当主 弘様 の事ですね。弘様は諦めて息子の弘天様に任せるそうです。弘天様は月の王の立場にいますから」

 

「そっかー大昔に王の立場を引退したような物だもんねー口出しは出来ないかー。そうそう気になったんだけど弘ちゃんから龍の匂いがしたよ」

 

私も弘君と永ちゃんと神綺と同じ時期に生まれたので王がいるとは知りませんでしたが、月人の事を神綺と調べて行く内に知りました。まさか弘君が次期国王だったなんて考えもしていませんでしたね。弘様が王をやめて皆と同じ存在として生きたいと言い王の存在を廃止したそうですが月人はそれは困ると王に進言し蓬莱山家は名門蓬莱山になったそうです。元々八意家、綿月は王である弘様に仕えた名門だそうです、そしてもう一つの名門もありました。その名門は時間に関係する能力を持つ一族でしたね、名門八意と綿月と肩を並べた名門だったそうです。

そして龍。弘君の治める諏訪国に龍の存在はいなかったはずですが実はいたのでしょうか

 

「龍の匂いですか。それは龍の体臭のような物ですか、それとも龍の力に似た感じですか」

 

「分かりやすく言うなら体臭かなー厳密に言うと違うけどね。これは雌の匂い、間違いないねー確か弘ちゃんって諏訪国の王だっけ、妖怪も沢山いるらしいしその中に龍に関係する子がいるのかもねー。例えば応龍とか」

 

「応龍ですか、そう言えば応龍は海の向こうの大陸にいる最初の皇帝、黄帝に仕えた過去があります、弘天様も諏訪国の最初の王ですから似た様な立場ですしある意味諏訪国は帝国とも言える国ですね。色んな種族が住んでいますから」

 

色んな種族を纏め広大な土地を統治する国の事を帝国と言われていますから間違ってはいないでしょう。ならば弘君は王の上位の観念である皇帝と言う事になり弘君は諏訪国での皇帝の存在と言えるのでしょうか

 

「サリーちゃん。弘ちゃんがいる大陸には今、霊獣が揃ってるんだよー麒麟に鳳凰。そして白澤もいる、白澤はこの天界にいるけど地上によく落ちてるからいるようなものだしーだけど応龍だけがいないねーこれっておかしくないかなー」

 

「おかしいでしょうか。霊獣は常に霊獣の傍にいる訳はありませんが、そもそもなぜあの大陸に霊獣が集まっているのでしょうか」

 

「大した理由は無いと思うけど私にも分かんないやーでも間違いなくあの匂いは龍の匂いだよー流石に龍神である私が間違えないと思うけどなー応龍の子供なのかなー」

 

「後、有名なのは虹が龍とも呼ばれてるしー虹から生まれた龍かもしれない、人間が虹を見て龍と思い生まれたのかも妖怪とは人間から生まれた産物でもあるし似た様な存在かもしれないねー」

 

「どちらかと言えば虹から生まれた方の根拠が強いですね。応龍の子供かもしれないなら少し調べてみます。諏訪国に応龍の娘、龍がいるかどうかを、では失礼します龍神様」

 

話し終えて冥界を創る仕事に戻ろうと床に降りて龍神様の背にある扉に戻り中に入った。応龍の娘なら調べが付きますけど、虹から生まれたなんて事実なら確かめようがないですね。ですが1人だけ該当する妖怪で女性がいます、その名は紅美鈴。考えても始まりませんからまずは紅美鈴が応龍の子供かどうかを調べましょうか、神綺も地獄をもうすぐで創り終えると言っていましたし私も早く冥界を作り終えなければなりません、それまで弘君と永ちゃんに会うのは我慢です。冥界は天界の下にある様な場所ですから天界から飛んで降りて行きましょうか。私には翼がありますので空を飛べますから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サリエルは行ったみたいだねー応龍の子供の線もあるけど虹から生まれた可能性もあるけどーどっちが正解なのかなー龍は神扱いされるけど妖怪扱いの龍もいるからその子が神なのか妖怪なのか判断がつかないねー。弘ちゃんのいる大陸には、九頭龍、八大竜王 、青竜 、五頭竜、そして私の名龍神くらいが有名かなーこの中の龍に関係する子の可能性もある

 

「まあ、虹から生まれた線が強いだろうけどーもし虹から生まれた龍ならどんな龍なのか。生まれたばかりならまだ弱いはず、だけど月日が経ったら強力な龍になるのかなーまずは新しい種族の龍が生まれた事を祝福だねーいやまだ新しい種族か分かんないか」

 

考えたら眠くなってきたから顔を私の胴体に置き目を瞑って寝る事にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

食事を終えてそれぞれ好きに行動してる、城の外に俺と衣玖がいて俺は城にもたれ掛りながら衣玖に天人の事を色々聞いてる、衣玖の服装は黒い帽子とフリフリの洋服を着て長いスカートだ、だがこの衣玖の周りに纏わり付いてる羽衣が非常に長い。衣玖が羽衣を纏っている感じで羽衣が傍にある、この衣玖が纏っているのが羽衣らしい。それと羽衣は着ると空を飛べるそうだ、空を飛べるのは便利だな。衣玖は羽衣が無くても空を飛べるそうだが

 

「衣玖、悪いんだが羽衣を一着くれないか。空を飛べるのは便利だ」

 

「旦那様、羽衣は女性物しかありませんので旦那様には似合わないと思います」

 

「いやなぜ俺が使う前提で話してるんだ。俺じゃなくて他の者に使ってもらうんだぞ」

 

「そうですか、分かりました。まずは龍神様に確認を取ります、それと厳重に保管されている物でして少々時間がかかります。それまでお待ちください」

 

隣にいた衣玖は礼をして城の中に入って行った。時間があるがどうするか、周りを見てもこの地面雲の上乗っかってる感じなので落ちそうで怖い。城の反対側は林に包まれて奥が見えないほどだ、奥には桃が実っているそうなので輝夜と鈴仙は取りに行ってる豊姫は城の中で龍神と話してる。ナズーリンは城の中を探索するそうでいない。林の方向を眺めてたら奥から輝夜と鈴仙が小走りで来た、輝夜は桃を両手いっぱい抱えてる

 

「お兄様ー!桃を取って来ましたー!」

 

「お待ち下さい輝夜様。輝夜様が持たなくても私めが持って行きますよ」

 

「駄目よ鈴仙、私が持って努力の結晶をお兄様に見てもらうんだから。お兄様どうぞ」

 

輝夜と鈴仙が小走りで来て目の前に来たら輝夜は両手が塞がって渡せないので抱えた状態で桃を差し出してきた。左手で一つ貰い齧って右手で輝夜の頭を撫でて置いた

 

「ありがとう輝夜、上手い桃だ」

 

「良かったですお兄様。この桃は食べると体が頑丈になると豊姫お姉様が言ってました、だからもっと食べてお体を丈夫にしてください」

 

豊姫がこの桃を食べないのは体が頑丈になるからだそうだ。昔食べ過ぎて料理をしてる時包丁で指をカスっても包丁が指に弾かれて傷が付かないほど食べたのでもう食べないそうだ。これ以上頑丈になったら怖いらしい。だから輝夜には食べさせたくなかったそうだが結局食べる羽目になってる、右手でもう一つ桃を取って輝夜の口に持って行き口の中に入れ齧らせた。両手が塞がって桃を輝夜が食べられないからだ

 

「ほれ、輝夜も食べて体を丈夫にしろ。いつか輝夜は俺の子供を産む時が来るだろうから今の内食っておけ」

 

輝夜は桃を口の中に入れてるので喋れない、両手も塞がっているので顔を袖に隠せないし輝夜は隣にいた鈴仙の後ろに隠れた。

 

「蓬莱山様、輝夜様をからかわないで下さい」

 

「俺は本気だ。冗談で言ってないぞ、それと苗字で呼ぶな紛らわしい」

 

「それもそうですね、分かりました。これからは弘天様とお呼びします」

 

まずは名前を呼ばせる事に輝夜のお蔭で成功した、ナズーリンが言うには鈴仙は難しそうに見えて案外簡単に見えると言っていたがどうなのだろうか。そうだな、一ついい考えが浮かんだので鈴仙に近づいた。鈴仙は首をかしげて俺を見上げている

 

「何でしょうか弘天様」

 

「へーい」

 

鈴仙の服装は女子高生の制服みたいなんだがスカートが非常に短い。天界は風が強いのでスカートを鈴仙は来た時から押さえていて下着が見えないようにしてたが俺が近づいてスカートを押さえていた鈴仙の右腕を俺の左手で取り空いてる右手でスカートを捲った

 

「ふむ、紐パンか。少し大胆すぎないか。しかも色は黒と来たスカート短いのに冒険してるな。だが白いスカートに黒い紐パンは合ってると言えば合ってる」

 

「何を冷静に話しているんですか!いきなり私のスカートを捲るなんて!!」

 

「お兄様・・・・・・・」

 

鈴仙は両手でスカートを押え怒声をあげる、怒っている様だ。だが鈴仙のペースに合わせてたら時間がかかるし俺のペースに持って行ってやろう。輝夜が悲しい声を出したような気がするが気のせいだ

 

「勘違いしないで下さい!これは豊姫様から無理矢理着せられた下着です!!」

 

「ああ、そうなのか。着せ替え人形みたいな扱いなんだな・・・・・・」

 

「そんな憐憫の眼差しで見ないで!!この助平!!!」

 

「はっはっはっはっはっ!!!そうだ、俺は助平だ。そして鈴仙、鈴仙はその助平の目に留まっちまったんだよ。諦めるんだな、まずはその紐パンの紐を解いてやろう」

 

俺は生まれた時から助平だし間違ってないのでここは乗って肯定しておこう、鈴仙が今素になってるしここは乗る所だ。俺は鈴仙に一歩ずつ近づいて行くが鈴仙は背中にいる輝夜を背に置き俺に合わせて輝夜と一歩ずつ下がる。鈴仙は両手をスカートを押え涙声で言った

 

「意地悪!!」

 

目の端に少し涙を溜めて涙声で言われたが女性を困らせるのもいいかもしれない。もっと鈴仙を困らせようとしたら

 

「やっと見つけたわよ!!!!」

 

林の方から大声がしたので輝夜と鈴仙が振り返ったらまた少女が来た様だ。しつこいな、俺たちは敵じゃ無い事を知らないのだろうか。ここは一時休戦だ、鈴仙と輝夜に近づいて二人の真ん中に立ち輝夜と鈴仙の肩を組んだ

 

「鈴仙、輝夜。一時休戦だ。あの少女を何とかしなければならん」

 

「・・・・・・仕方ないわ、今だけだからね」

 

「しかしどうするんですかお兄様。また私の能力で逃げますか、それだと鈴仙は置き去りですけど」

 

「えっ、輝夜様それはいくらなんでも酷いです・・・・・」

 

「いや、ここは鈴仙の出番だ。豊姫に聞いたが鈴仙は物の波長を操る能力を上手く使いこなせてると聞いたし少女の波長を長く操ってくれ」

 

「成程。分かったわ、やっておくわね」

 

物の波長を操る能力は結構便利だ。少女は波長が短いみたいだし波長を操ってもらって落ち着かせるべきだ。長ければ暢気、短ければ短気って感じだ

 

「何を喋ってるか知らないけど死ぬ覚悟は済ませたでしょ、じゃあ行くわよ!!」

 

少女は右手に剣を持って要石を出現させ空を飛んで向かって来た、天人は空を飛べるそうだ。だがあまり怖くないな、命の危機に晒されてるのに。

 

「終わったわ」

 

俺が肩を組んで顔が鈴仙の真横にある俺の顔に鈴仙の顔を向けて言ったら、少女は飛んで向かって来ていたが急に止まって地面に降り立ち近づいて来た。笑顔だが急に態度が変わって怖い

 

「御免なさいね、いきなり斬りかかって。退屈で誰でもいいから攻撃したかったのよ~」

 

この少女とんでもない性格だ。暇だから斬りかかるとは、要石が周りに浮かんでいたが少女は要石を消して右手に持ってた剣みたいなのを地面に刺した。地面は土なので剣は刺せる、鞘は持って無いようだ。

 

「過ぎた事だからいいがそんなに退屈なのか天人は」

 

「そうね、のんびりしていて退屈な所だからね。天界の料理は美味しくは無いし、精々桃くらいねいい所は」

 

「そうか、年が近い子と遊んだりはしないのか」

 

「皆真面目で私は不良みたいな立ち位置だから子供の親が私と遊ばせないようにしてるのよ。だから友達は皆無ね」

 

天人に不良がいるとは、天人は基本陽気な性格が多いのに珍しい天人な少女だ。じゃあ退屈凌ぎに付き合おう

 

「じゃあ友達になろう、俺たち時間が開いてるから一緒に時間を潰そうぜ。俺は 蓬莱山 弘天 見目麗しき女は俺の妹 輝夜 兎みたいな耳を付けた女は 鈴仙 だ」

 

「友達か~なるわなるわ。じゃあ私も名乗ろうかしら。私の名は 比那名居 天子 よ。3人共よろしくね」




応龍ですが中国神話では、帝王である黄帝に直属していた龍とありますね。
美鈴は中国神話の応龍と虹の龍の設定を混ぜてます。応龍の話は黄帝に仕える話で、虹についてはまだ何とも言えませんが

そう言えば神様って元は妖怪が多いですよね、仏教の神の話です

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