蓬莱山家に産まれた   作:お腹減った

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今回は後書きを見た方がいいと思います。ですが無茶苦茶長い、ドン引きするほどですのでやっぱり見ない方がいいと思います

この話は長くなるだろうなー


赫奕

山城国に着いた、山城国に入ったら人がいっぱいだが諏訪の国の民とは違う。当たり前だがな、諏訪の国の民はどちらかと言うと騒がしい方だが、山城国は静かだ。上品な国なのかもしれん、着いたのはいいが例の人物はどこにいるのか。ナズーリンを連れてぶらぶらしようと思ったら声をかけられた

 

「もし、そこのお方。 蓬莱山 弘天 様ではありませんか」

 

俺の名を呼ばれたので振り返ったら女性がいた、赤髪でロングヘアー髪の横から角みたいなのが左右2本ずつあって合わせると4本ある。あれは角なのか、それとも髪飾り的なものなのかは不明だ。白い服に紺色のマントに似た物を羽織り、太陽と雷の模様が入った赤い袴みたいなのをもしくはスカートみたいなのを穿き、右手に杖を持っていて、両目は赤い。

 

「いかにも俺は 蓬莱山 弘天 だ、どちら様だ。あんたを見るのは初めてなんだが」

 

「私の名は 小野 篁 と申す者。須佐之男様から便りが届きお迎えに参りました」

 

あー、須佐之男が一筆認めると言い八咫烏にその手紙を送ってもらったんだっけ。忘れてた、え、見た感じ女性なんだが。小野 篁の名を聞いて男だと思ってたんだが女なのか、女に付ける名じゃないと思うぞ篁は。この女は美人系ではなく可愛い系だ

 

「そうか、じゃあ案内を頼む。それとその口調何とかならんのか、俺は堅苦しいのは嫌いなんだ、もっと崩して話せ」

 

「 蓬莱山 様は諏訪の国の王ですから、私のような者が下々の者がその様に喋るのは恐れ多い事です。本来ならちゃんとした手続きの元、案内に相応しい人物を送るのですが急でしたので私の様な者が来ました次第です」

 

申し訳ありません、と頭を下げてきたが固い固い、固すぎるし真面目過ぎる。これでは肩が凝るし疲れる、俺はかぐやを見に来たのもあるが観光しに来てる訳でもあるのだ。だからもっと気楽にしてもらいたいんだが、こんな言葉遣いを民に聞かれたら俺が偉い人と感づく奴も出てくる。それは不味い、俺は諏訪の国の王で神なのだ。お忍びで来てるのにばれたら大騒ぎになる。何とかしなくてはばれてしまう

 

「失礼ですが、隣の女性は妖怪ですね。須佐之男様からの便りに書いてありました、神使とは言え妖怪。山城国の民は妖怪を怖がっている人が多いです、気を付けてくださいね」

 

「申し訳ない、ご主人様の傍にいるのが神使の役目でもあるんでね。人間にばれない様、気を付けるよ」

 

ナズーリンは優雅に頭を下げた、顔は笑顔だがどこか腹黒さを感じる。須佐之男が手紙にナズーリンの事を書いて置いてくれたようだ、根回ししてくれて説明の手間が省けた。確か小野 篁 は妖怪専門をしてるんだったな、強いのだろうか。観光したい所だが徹夜で大和から山城国に来てるので眠い。今日はどこかの宿に泊まろう

 

「すまない、俺とナズーリンは1日かけて大和から来たから眠いんだ。今日は案内しなくてもいいから、どこかで寝れる場所に連れて行ってくれないか」

 

「須佐之男様の便りからも蓬莱山様が来たら宿に止めて、明日案内しろと言われているのでお任せ下さい。こちらです」

 

俺とナズーリンは篁の背の後を追いながら歩いていく。周りは綺麗だし、服装も皆上品なものだ。この国の民は裕福なのだろうか、いい事だ。と思うかもしれないがこんなの表面上だけだろう、他の場所では違うだろうな。山城国は見た感じ広い、だからどこか別の場所で裕福じゃない家が集まってる場所もあるだろう。山城国の入り口に裕福じゃない家を置いたら山城国の品格が問われるとかなんとかいいそうだ、それとこの時代に宿なんて無い。寝床を提供して商売すると言う考えが無いのだ、だから寝床を探さなくてはいけない

結構歩いたら目の前にはどこにでもある普通の屋敷だ、地位が高い人間はそれ相応の屋敷に住むものじゃないんだろうか。篁は大きい屋では落ち着かない人種なのか

 

「篁、地位が高いと聞いていたがなぜ屋敷はありふれた物なんだ」

 

「私は何でも屋、万事屋をしていますから。こんな屋敷の方が皆さん入りやすいんですよ」

 

そんな理由があったのか、まあ、豪華な屋敷があって中に入ろうとしたら気後れする人もいるだろうからな。万事屋をするならこれくらいがいいのかもしれん、周りを見てみると井戸があった、一見、普通の井戸だが何か、気になる。俺の何かのセンサーが反応してる。まあ、いいか。屋敷にナズーリンと入って行って寝床まで案内してもらった、仕事があるそうなので篁は屋敷を出て行って仕事場に向かった様だ。布団は二つあるのでナズーリンとはそれぞれの布団に入って寝た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なぜか夜中に目が覚めて起きてしまった、俺はあの井戸が気になって仕方ない、もう一度見に行こう。俺は立ち上がりふすまを開けて部屋から出た。ナズーリンはまだ寝てる。縁側を歩いて井戸の場所まで行く。屋敷の入り口の傍に井戸があるので入り口まで歩かなくてはいけない、考えながら歩いていると井戸を見つけた、だがよく見ると人影が見える。少し暗いから見にくいがどうやら男だ、男がこの屋敷に何の用だろう。その男は気でも狂ったか井戸の中に入って行った、俺は驚き裸足だが急いで井戸に向かって走った。井戸の中を覗き込むと井戸の中は水があるのではなく、赤い地面があり近くには赤い湖が見える、大きい釜があって沸騰して湯気が立ってる、熱そう。針の山もあって他の場所には火が集まってる場所もある、火の反対の場所には辺り一面白い世界で極寒の世界の様だ。後は色んな場所に子鬼や餓鬼がいるな。それと臭気が漂ってきて臭い、これは血の匂いか。まさか俺が見てるのは八大地獄か。もしかしなくてもこの井戸は地獄に通じてるみたいだ、さっきの男は誰だったんだろう。気になるが答えは出ない、しかし地獄を作ったのは神綺だ。さっきの男は神綺に関係してるのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

久しぶりに良く寝た、目を開けたら朝の様だ。日差しが眩しいし気温が冷えてる、ナズーリンを見たらまだ寝てるようだ。日差しを浴びようと思いふすまを開けて部屋から出た、朝日が眩しい。ぼーっとしてたら厠に行きたくなった、厠に行こうと思ったが場所を知らないので屋敷を歩いてる。縁側の道を歩いて厠を探していたら縁側に座って屋敷の庭を眺めてる女性がいた、丁度いいので厠の場所を聞こう

 

「すまない縁側に座ってる赤い髪色の女子さん、厠に行きたいんだが場所はどこだろうか」

 

赤い髪色の女性は庭を見て座っていたが首を動かして見上げた状態で俺を見て来た

 

「んー?誰だいあんた。この屋敷に勝手に入っちゃだめだよ」

 

「あれ、篁は屋敷の人に言ってないのか。俺の名は 蓬莱山 弘天 って名だが聞いていないか」

 

女性は俺に向けてた視線をまた庭に戻し顎に手を当て考え込んだが、思い出したのか俺を見上げて来た

 

「あー、思い出した。聞いてる聞いてる。忘れてたよ」

 

女性は頭を右手で掻いてばつが悪そうな表情だ、良かった篁は言うのを忘れてたわけじゃないのか。不審者扱いで捕まる所だった

 

「それで厠に行きたいんだが場所を教えてくれ」

 

「いいよ、着いてきな。案内するから」

 

俺は女性に着いていきながら話始めた、この女性は髪色は赤髪でくせ毛の髪をツインテールにしていて、瞳の色は赤い。服装は長袖のロングスカートの着物を着ていてお腹辺りに腰巻みたいなのを巻いている。身長はかなり高い

 

「そう言えば私、あたいの名を教えて無かったね。あたいの名は 小野 小町 だよ、よろしくね」

 

「小野 小町って篁の娘なのか。篁も髪色は赤髪だったし」

 

「違う違う。確かにお互い赤髪だから娘かと思うかもしれないけど違う、養子としているから娘だけど本当の娘じゃないよ」

 

俺の前を歩きながら首を後ろにいる俺に向けて小町は右手で違う違うとひらひら動かして否定してきた。髪色が同じなのは偶然だったようだ、なぜ娘になってるのかは知らないが理由があるんだろう。この時代知らない子供を養子にするのは別におかしくない。代々受け継いできた血も大事だが有能な人材なら拾った子供を養子にしたり婿養子にしたりとよくある事だ。厠に着いたので小町とは別れた

 

 

 

部屋に戻ったらナズーリンは起きていて篁が部屋の中にいた、朝食が出来ているそうなので呼びに来たらしいのでついて行ってナズーリンと篁で朝食を食べてる。

 

「篁、小町も一緒に食べないのか」

 

「もう小町と知り合ったのですか、小町はいいのです。たるんでいる娘でして今の時間は朝餉を取りません、あれでは嫁の貰い手がいないでしょうね」

 

「嫁の貰い手が出てきたら嫁に出すのか」

 

「はい。ですが怠け癖があるので困った娘です。家事も出来ない娘ですから物好きな殿方しか貰い手がいないでしょう」

 

ふっ。言質は取った、俺はその物好きな男だ。全て終わったら迎えに来るのもいいかもしれない。もう少し先の話だが、それといい加減篁の喋り方を何とかしなくてはいけない。ここは強引に行こう

 

「おい、篁。俺は諏訪の国の王で神だよな、そして篁は人間な訳だ」

 

「はい、蓬莱山様は諏訪の国の王で神です、私も人で間違いないですね。それがどうかしましたか」

 

「じゃあ神として王として命令する、その喋り方何とかしろ。疲れるんでな」

 

篁は俺の言葉を聞いて戸惑ってる、諏訪の国の王としてと神としての命令、だが篁は下々の者だから崩した喋り方は出来ない板挟み状態だ。だが会話をして疲れるのは御免だ、俺の為に俺の立場を使い命令してやる

 

「ご容赦ください、私にはその命令を聞くことが」

 

「駄目だ、篁よ。聞いて貰うぞ」

 

篁は箸を使う動きが止まって考え込んでる。悩んでいるんだろう、悩んだ所で俺の命令は聞いて貰うが。篁は考え付いたのか茶碗を机に置き箸を茶碗の上に2本置いて首を動かして来た

 

「わ、分かりました。ですが時と場合によって使い分けると言う事にしてください、これ以上はご容赦を」

 

「分かった、それでいい。それと篁、今日は頼みがある」

 

「私で出来る事なら喜んで従います、ではなく。従いますよ」

 

「そうか、かぐやと言う女性に会いに来たんだが。会いたいんだどこにいる」

 

篁は俺の方に体を向け頭を下げて来たのでこれ以上は無理だと悟り頷いた。これでましにはなるだろう、後は最大の理由かぐやに会わねばならん

 

「須佐之男様からの便りにかぐや姫に会いたいと書いてありましたので、昨日のうちに取り計らってます、じゃなかった取り計らっておいたわ」

 

「うむ、良きに計らえ」

 

「ついでに私にもその話し方で」

 

「嫌です」

 

ナズーリンが提案をしてきたが篁に却下された。まだ慣れないのか篁は俺に対し話し方がぎこちない、だがいつか慣れるだろう。それに見てるのが楽しいし、朝餉を食べ終え屋敷を出て行こうとしたが今日中に会えるかもしれないそうだ。今日はかぐやを妻にしようと五人の公達が行くそうなのでそれに乗っかるかもしれないと言う話だ、だからナズーリンと屋敷で寛いでいる。ナズーリンと部屋で過ごしてたらふすまが開いた

 

「おー、ここにいたかい。探したよ」

 

「小町か、どうしたんだ」

 

「おっとその前にその子に名乗らせておくれ。私の名は 小野 小町 よろしく」

 

「私の名はナズーリンだ。こちらこそよろしく」

 

ナズーリンと小町を交えて話し始めた、どうやら暇だったそうだ。する事はあるんだが面倒らしいのでサボってる、小町を見てると誰かの事を思い出す。俺もその事については人の事は言えないので注意はしないしする気もないが

 

「それで、かぐや姫って女を見に行くんだろう。妻にでもする気かい」

 

「妻にするかは未定だが。俺が知ってる女なら攫っていく予定だ」

 

「攫う!?あっはっはっはっはっ!馬鹿だねあんた!」

 

酷いな、実際馬鹿だから否定はできないが。ナズーリンは机にあった煎餅をばりぼり食っている、ナズーリンはあまり気になってないようだ

 

「ナズーリン、あんたも大変だねぇ。神使、だっけ?ご主人に従わなくちゃいけないんだからさ」

 

「これくらいの人じゃないと退屈するから丁度いいよ」

 

ナズーリンは机にあった急須を掴み湯呑にお茶を注いでいる。懐が大きいな、ナズーリンは本来暇潰しする為に神使になったみたいだし退屈するのは嫌なんだろう、話に花を咲かせていたらふすまが開き篁が入って来た

 

「お、お待たせ弘天。かぐやに会う準備は済ませたよ、早速行こう」

 

篁はふすまを開けながら台詞を吐いたので小町の存在に気付かなかったようだ、小町は呆気に取られた表情だったが小町は体を小町の背中にいる篁に向き、篁を見て篁が何を言ったか理解してお腹を押さえ捩って大笑いしてる

 

「あははははははははははははは!!!!あんたそんな性格じゃないのにどうしたんだいその言葉遣いは!?お、お腹痛い!!」

 

篁は小町がいるのが想定外だったようだ。俺とナズーリンを無理矢理立たせて連れていかれた。部屋から出たが笑い声がするし、まだ小町は笑っている、よっぽど面白かったらしい。屋敷を出るまで引っ張られたが屋敷から出ると、着いてきてください。と言い歩いて行った。あまり遠くないらしいので歩きで行くそうだ

 

「着いたよ、いや、着きましたよ 蓬莱山様」

 

「そうか、ここにいるのか」

 

着いたが普通の家だ、その家の周りには蓬莱竹が家を覆い茂ってる。ここにかぐやがいるのか。篁が先に入って行って案内してくれたので俺とナズーリンも着いていき奥に進む、客間らしき部屋にに着いたのはいいが5人の男が先に入っていたようでそれぞれかぐやについて話し始めてるようだ。俺たちが入ったから見てきたがすぐに興味を無くしまた話し始めた、ナズーリンと篁と一緒に待ってたら客間の奥にあるふすまが開き女性が入って来た

 

「お待たせしました、では話を始めましょう、誰がこの赫奕姫と呼ばれた私を妻にするか。そして」

 

この女、髪色が永琳や諏訪子、それに神綺とサリエルや依姫と同じだ。神や妖怪ならまだ分かるがこの女は人間。なぜ永琳と諏訪子と同じ髪色をしてるんだ、地上人の髪色は黒と決まってるんだぞ、海の向こうの大陸の人間は金髪がいるそうだがこの大陸にはいない。女は左手に持ってた扇子で女の口元を隠してから女は少し声を高めに出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「誰がこの私、咲夜を妻にするかについて」

 




咲夜はもちろんあの咲夜です。次は説明回になるでしょう、次の話で説明してもいいんですが面倒なので説明します

まず咲夜がなぜかぐや姫として出てくるのかについて、かぐや姫の内容についてはご存知の方も多いでしょうが、かぐや姫のモデルは迦具夜比売命ではないかと言われています。後は、かぐや姫は、木花之佐久夜毘売、木花咲耶姫ではないかと言われて同一視されています。咲夜の咲と夜の字が入ってますね、儚月抄には咲耶姫と言う名の神が出てきています、それと十六夜咲夜という名はレミリアが付けた名です。紅美鈴と同じです

次は小町です。小町はあの有名な小野小町ですが、本来、小野小町の小町は本名ではなく小町とは役職や官位を表す記号の様なものらしいです。その時代は女性を実名で呼ぶことは少なかったそうです、だから実名は不明です、別の説ですが小野小町の正体は、小野吉子ではないかとも言われていますね。だから最初は小町を吉子で出そうと思いましたが読んでる人が分かりにくいでしょうし没。小野小町の名は有名ですがどんな女性だったのかは不明だそうです。それで小野塚小町ですが塚が無いですね、今は

最後に今ではかぐや姫と言うのが主流ですが、かぐや姫は赫奕姫とも書きます。赫奕は光り輝くという意味があります。ですが眩しいとかそんな意味ではなく、神々しい、尊いなどの意味があります。名を体で表すって事です。光り輝く美しさ、絶世の美女で姫の様って意味で呼ばれていたんですね、ので、ここのかぐやは実名じゃなかったと言う訳です、だから数話前から輝夜をかぐやとひらがなで書いてました、あれは意図的です。竜宮城で輝夜を出したのもこの話をする為ですし、竜宮城から諏訪の国に連れて行けなかったのもこの為です

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