蓬莱山家に産まれた   作:お腹減った

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台詞が長い




かぐや姫
人形みたいに綺麗な女


馬鹿な、月の妖怪は玉兎とキクリだけだと聞いていた。月でキクリを探していた時月の妖怪は他に見てない。それにルーミアは今では人を喰っていないが元は人食い妖怪だ、月の妖怪だったとしたら月にいた時は何を栄養に生きて来たんだ。月に生物は玉兎とキクリしかいなかったんだぞ、他に食べられる物は無かった

 

「月の妖怪はキクリと玉兎じゃなかったのか。俺は月人からキクリと玉兎以外の妖怪の話は聞いていない」

 

「私が月の妖怪は私と玉兎だけだと言ったか?言ってないはずだ、他にもいるぞ月の妖怪。その妖怪は月人が来る前にいたが今はいない」

 

豊姫と依姫から他に妖怪はいないと聞いていたからいないと考えていた、キクリは月人が来る前から月にいたと聞いている。月人が来る前にいた妖怪がいるのか、だがいたとして月からどうやって地球に行くんだ

 

「ルーミアの今の状態は何かが欠けてる、何かが邪魔していて力が出せない状態だ。だから私はその何かを埋める、何かを取り除こうと思ってな」

 

「待て、まずその妖怪の名と、その妖怪がどうやって地球に行った」

 

「その妖怪の名は桂男。そうだな、桂男がどうやって地球に行ったのかは知らん、興味もない」

 

興味が無いだと、大事な話じゃないか。だが桂男と言ったが、桂『男』っておかしくないか、ルーミアはどうみても絶世の美女だぞ、断じて男なんて話はあり得ない

 

「桂男って名からして男じゃないか、ルーミアと関係ないと思うんだが」

 

「さあな、もしかしたら桂女なんてのもいたのかもしれんが、私は桂男しか見た事が無いんでな。だが桂男が言うには絶世の美男子と言われてたそうだ」

 

「判断材料が少なすぎる、桂男がどんな妖怪か教えてくれ」

 

キクリが言うには桂男は月に立ちながら地球に向かって手招きをしているだけで、他は特に言う事もない妖怪だそうだ。だがたまに地球を見つめては一瞬でその場から消えて行くらしい、もしかしたらこの時に地球に行ってるのかもしれん。時間が経ったらまた月にひょっこり帰ってきてるらしいが

 

「何かその桂男とルーミアが結びつくような事は無いのか。例えば服装が似てるとか、桂男が持っていたのをルーミアが持っていたとか」

 

「いや、特に似た物は持っていなかった。だが容姿で似た物か、そんな物は。いや待て、桂男の髪色は確か、私とルーミアと同じ金、金髪だったぞ」

 

ここでも金髪が出てくるのか、これじゃあ 蓬莱山 の時と同じじゃないか、だが髪色が同じだけではまだルーミアは月の関係者とは言えない、髪色が金色で月の妖怪だったら、紫、藍、勇儀も同じ月の妖怪と言う事になる。それは絶対にあり得ない。

 

「そう言えば桂男が言っていたが、桂男は人の寿命を減らして魂を抜いていると前に聞いた、それはルーミア、人食い妖怪と似ていないか。人食い妖怪に出会ったら喰い殺され寿命が無くなる」

 

「人が関係してる所は似ている、だが同じじゃない。桂男は人の魂を抜いているし、ルーミアは人を喰っているぞ。人を喰うと言う事は魂をも喰うと言う事に等しいかもしれんが違うだろ」

 

「なら違うのかもしれんな。じゃあ月の力で出来た妖怪なのか、月と言う概念から生まれた妖怪か、私も似たような生まれ方をしているからそれかもしれん」

 

「概念から生まれたと言うと、否定できん。諏訪子も俺と永琳の信仰と言う概念から生まれている、だから概念から生まれた前例がある」

 

忘れているかもしれないが、諏訪子は俺と永琳がまぐわって、肉体関係を結んで出来た子じゃない、信仰と言う目に見えない概念から生まれた存在で俺と永琳の信仰を人間と同じ形になったのが諏訪子だ。だから諏訪子は信仰の塊で出来ている

 

「そうか、私も月の力、概念から生まれた存在、だがそうだとしてなぜ地球にいるのかが分からん、私と同じ生まれなら月にいるのではないか」

 

「それもそうだが、仮にそうだとしてなぜ人食い妖怪になっているのか謎だ。キクリは人を喰いたいと思う欲求はないんだろ」

 

「前にも言ったが、私は月から力、弘天の言う栄養に近い物を貰って生きていた。だが地球に来てからは月からの力が弱くてな。何かを食べないと倒れてしまう。満月の日は月の力が強いからその日は何も食べないで済むが」

 

「満月・・・・・そう言えばルーミアは満月の日は何も食べていない、その日は作らなくてもいいと言っているそうだ、あのルーミアが」

 

ルーミアは満月の日は何も食べず外で過ごしている、何をしてるんだと思ったが月から力や、栄養を貰っていたのかもしれない。それとルーミアは封印が解かれる前、解かれてからも太陽の光が苦手でルーミアの能力、闇を操る程度の能力を使い光を遮断出来るそうだ。神社の中で、もしくは外で黒色の闇の球体の中にルーミアは入って光を遮断しているので中の様子が分からないから何をしてるのかが分からない、ちなみに闇だけじゃなく光も操れるそうだが見た事が無いので本当か分からない

 

「キクリ、これ以上話すのはやめて、また日を改めて話す事にしよう。今日は色んな事がありすぎた」

 

「そうだな、分かった。ならば神社に入るか、雪も降っているからな。しかしこれが寒いと言う感情なのか」

 

「寒いってのが分かったか。これからも色んな感情が分かるといいな」

 

「そうか、これが寒いって事なのか。これからも色んな事を知って行くぞ。言い忘れていたが桂男は仙人だったそうだ」

 

仙人ね、仙人については聞いたばかりだな。ルーミアは桂男と関係があるのか、月の概念から生まれた妖怪がルーミアなのか、どっちが本当なのか、そもそもこの2つの中に正解があるのかわからない。この話は保留にしてキクリにはルーミアに何かする時は俺に声をかけるように言いキクリと神社に入っていった、どうするルーミア。もしかしたら昨日言っていた力が手に入るかもしれないぞ、力を手にいれたらルーミア、お前はどうするんだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜になった。俺の隣には、紫がいる。幽香は指定席に座っていて俺と幽香は密着している状態だ、神社の中で火鉢を傍に置き寒さから逃げていたが、美鈴が帰って来た。道場は夕方までだが掃除があるので帰りはいつも夜に帰ってくる、広いので時間がかかるのだ。美鈴は厚着をしていて寒さ対策しているようだ。寒いのか美鈴は自分の体を両手で抱きしめるようにして両手で体を擦っている

 

「寒い寒い。って弘天様!?に、逃げなきゃ」

 

「待て待て、今日は何もしない。寒いから動きたくないんでな」

 

「今日はと言う事は明日はするんですか」

 

「もちろん」

 

もう許してください、美鈴はそう言い向かい合いに座った。美鈴は向かい合いに座って寒そうにしてるのに紫は気付き紫は立ち上がって、さっきお湯を沸かして、急須の中にお湯と茶葉を入れて置いたので、急須は蒸れ、急須に入っている茶葉も蒸れて急須に入ってたお湯が熱い茶になってる。熱い茶が入った急須と湯呑を紫が持って、美鈴の前に置き湯呑に熱い茶を入れた、気が利く女だ。

 

「ありがとうございます。紫様」

 

「気にしないで、私はこれくらいしか出来ないから」

 

美鈴はもう一度紫に礼を言い目の前にある湯呑を手に取り口元に持って行った。あれで温まるだろう。美鈴には戯れをしたことが無い、まだ美鈴は俺の女じゃないから手を出せないのだ。紫は俺の隣に来て座った。座りながら机に置いてあるお茶を上品に飲んでる、

 

「美鈴、仕えるかどうかはまだいいけど、いつになったらお父様の女になるの」

 

「う」

 

美鈴は幽香の台詞を聞いて動きが止まってる、今の美鈴は湯呑に口を付けたままだ。そう言えばそんな話を前にしたな。色んな事が最近ありすぎて忘れてた、隣にいる紫は何だかそわそわして落着きが無い。落ち着かせる為に紫の背中を撫でたら紫が驚いて立ち上がった

 

「幽香と美鈴がいるのに今この場で私に手を出すの!?せめて誰もいない2人っきりの所でしてよ私初めてなんだから!お、お父さんの助平!」

 

爆弾発言をした紫はスキマを出してスキマの中に入っていった。助平って背中撫でただけなんだけど、まあ、いいか。気にしないでおこう、美鈴は止まってたがまた動き出し手に持ってた湯呑を机に置いた。どうやら紫の事は流すようだ

 

「あのー、弘天様は素敵な女性が周りにいますから私を妻にしなくてもいいんじゃないですか。私みたいな無骨者まで妻にしなくても」

 

「お父様はね、女好きな神だし。美鈴は女の私から見ても素敵な女性よ。もう少し自信を持っていいと思うのだけど。それに無骨者って美鈴は無礼じゃないし役に立たない妖怪なんて誰も思ってない」

 

「あ、ありがとうございます。幽香様」

 

幽香の素直な気持の言葉に美鈴は照れて左手の指で美鈴の頬を掻いてる。ストレートな気持ちに弱いんだな

 

「は、話を戻します。神でなくても男性なら皆そうだと思うんですが、それに私が素敵、今まで男性から女になってくれなんて弘天様を除いて言われた事ないんですが」

 

美鈴は気付いてないようだ。道場にいる男どもからは美鈴を女として見ていることに。鈍感なんだな、だが道場の男どもは見てるだけだ、高嶺の花と思ってるみたいで、花には手を出すのではなくて、ただ綺麗な花を眺めているのがいいと言ってた

 

「美鈴は鈍感だなー。今まで生きて来て気付いてないと見える」

 

「私は鈍感なんでしょうか。では今まで気付かなかっただけで実は周りからは女として見られていたんですかね」

 

「他の男は知らんが俺は美鈴を女として見てるぞ。それは最初に出会った時に言っただろう」

 

美鈴は顔を赤くして顔を俯かせた、今は冬で寒いのに顔と耳が赤くなるほど恥ずかしいとは、体温が上がって寒くなくなってよかったじゃないか。美鈴のこれは初心ではなく恋愛事とかに慣れて無い女のタイプだ。今まで男性に好意を寄せられた事が無いと言ってたし

 

「もう少し、もう少し日を置いて待ってください。私から仕えるかどうかも含めて絶対に言いますから」

 

顔を俯かせたまま美鈴は呟いた。いつかその日が来るのを待てばいい、俺はもう女になれと美鈴に告白してるんだし、後は美鈴次第だ。幽香の頭を撫でつつ、その日が来るのはいつ来るだろうかと考えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日になったが寒い、雪は降ってないが寒気が冷えてる、何かいい考えはないだろうか。大和に向かうには紫に頼んですぐに着くから問題は無いが、外に出たくない

 

「大和にそろそろ行かないと不味いな、そうだ。レティに頼もう」

 

俺は自分に部屋のふすまを開けてレティの部屋に向かった。ふすまを開けたらレティがいた。レティの服装は長襦袢で色は白一色。だがこの長襦袢は薄っぺらい浴衣のようなもので。そうだな、例えるなら下着みたいな薄いのを体全体に着けてる感じだから普通の人が着たら間違いなく風邪を引く、しかもレティの長襦袢はスカートみたいになっているので両足が生足だ。レティは雪女なのでこれくらいがいいらしい、スカートみたいなやつの長さはレティの太もも辺りまでだ。両足の生足が見れるので俺はこのままがいいが

 

「貴方様どうしましたか」

 

「レティに頼みがあってな」

 

 

 

 

 

 

大和に着いた、レティの能力で冬の寒さがあまりない。レティの寒気を操る程度の能力で寒気を操って貰っているから丁度いい気温だ、レティは少し暑いと言っていたので冷水浴で涼んでもらってる。神社に着いて神社の中に入った。顔を巫女に覚えられているのですぐに中に入れる。顔パスと言うやつだ、巫女2人が神社の前にいたが俺を見たら俺に頭を下げてる、俺は一応神様なので頭を下げてるのだろう。それに大和と諏訪の国は表向きは同盟関係だし、奥まで進みふすまを開けると須佐之男がいたので俺は中に入り座った。大和の状況報告を須佐之男から聞いて話し始めた、俺は大和の裏での支配者なので聞いてる。

話し終えた、須佐之男に聞きたい事があったので聞いておこう

 

「しかし天照、月読命、須佐之男は俺の道具で拒否権は無いとはいえ、確か鼠の妖怪だったな。その神使を貰って行ってもいいのか」

 

「何だよ気持ち悪い。お前がそんな事を気にする男な訳ないだろう。まあ大丈夫だ、玉兎がいるから人手が足りなければ月から連れてくる、兎だし」

 

「そうか、じゃあついでに聞きたい事がある、神使になれる動物であまり見ない動物を教えてくれ」

 

「神使って、おいおいまだ増やす気かよ。弘天、お前何を焦ってるのか知らんが。いや、俺が口出しする事じゃないか」

 

須佐之男に聞いたところ、狼、猫、虎、河童、狸、烏、鳳凰。これくらいか、この大陸には日本狼と言うのがいる、捕まえるか、猫は野良猫でもいいだろう。虎か、この大陸に虎はいなかった気がするが、どうするか。河童はあの山にいるし後でいいだろう、狸もこの大陸にいる。烏はどうするか、賢いからな。捕まえられるかどうか、確か天照が烏を神使にしてる、名は八咫烏。天照は太陽の神で、八咫烏は太陽の化身として知られている。後は導きの神として信仰されているな。そして鳳凰は鳳が雄で凰が雌って意味らしい、鳳凰も神使に使えるのか丁度いい

 

「そうそう、弘天。興味深い話を聞いたんだよ」

 

「うむ。どうでもいいから須佐之男の所にいる神使の子をくれ」

 

「待て待て、弘天に関係する話なんだよ。だから大事な話だ。後で神使の奴はやる。神使じゃ言いにくいし名を今の内教えておくが名はナズーリンだ」

 

俺に関係する事って何だ。大和は俺が支配してるし、月人は俺の奴隷だ。月人が逆らっても豊姫と依姫がいるから問題は無いし。ナズーリンってこの大陸の名前ではないな、向こうの大陸にある女性に付ける名、もしくは姓がナズリンだと聞いた事がある。海の向こうから来た妖怪なのだろうか、そうだとするならてゐと似てるな。てゐも海の向こうの大陸から来てるし、てゐは妖怪じゃないが

 

「弘天、妹が確かいたよな。名はかぐやだったか。月で生まれた時は全月人が騒いだもんだ、月人は子供に恵まれないからな」

 

「いるが、何だ。妻に欲しいのか、かぐやは俺の女だやらんぞ」

 

人間の常識じゃあ問題あるかもしれんが俺は神だ、近親相愛しても問題は無い。昔、妹を妻にした神がいるからな。前例はある。もし俺が神じゃなくて人間だとしても常識なんぞ知った事ではないが

 

「そうじゃねーよ、それにかぐやを妻にしようと思ったら弘天に殺されるからな。しかし実の妹を俺の女宣言とは。俺の親父と一緒だな」

 

「親父って伊邪那岐命だったな。妹を妻にした神で有名だ、それで興味深い話を早く言え」

 

「お前、男には厳しいのな。クソ、姉貴達に話をさせるべきだったか。2人とも女だし、1人は元男だが」

 

須佐之男命は面倒だと言う表情で俺を見て後悔してるようだ。いつまでも引っ張る様に話すから俺はこんな話し方をしてるだけだ、俺は女好きだが男の存在を嫌ってる訳じゃ無い、嫌ってたら俺は諏訪の国の男の民にも冷たい態度をしている

 

「まあいい、最近大和の北にある山城国で話を聞いてな。その山城国にはかぐやって女がいるらしい。顔は一部の人間しか見てないそうだが人形みたいに綺麗な女らしいぞ。これは偶然の産物か、それとも必然か。どっちだと思う弘天」




大和は奈良県で山城国は京都、山城国は大和のすぐ上にある場所ですからすごく近いですね。

桂男は妖怪で月の住人と言われて、またの名を呉剛と言われてます。桂男は有名ですね、月読命と同一視されてますから。月読命は須佐之男命とも同一神説があります、月読命は神話であまり目立ってないせいかそんな話が多いです
関係ないですが桂男と華扇って似てます、仙人で妖怪ですから。ここの華扇は鬼で仙人じゃないですし、公式で華扇は鬼で妖怪と決まった訳じゃ無いですけど


永琳を連れて行こうと思いましたが今回永琳を連れていくと困るので没

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