蓬莱山家に産まれた   作:お腹減った

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掌握

豊姫が住んでる豪邸に着いたようだ、周りを見ると高そうな家具がある、豊姫から聞いたがこの都市は注連縄によって月にいる妖怪から守られてるらしい。注連縄は厄や禍を祓う結界の意味を持っていてそれで都市に結界が出来て妖怪は都市に入れないようだ。そして月に玉兎がいて玉兎は月にいた妖怪だそうだ。鈴仙もその玉兎と言う妖怪だそうだ、それと玉兎は月人から奴隷のような扱いを受けているみたいだな、月にある都市の労働力と言う事みたいだ。それについては俺はとやかく言う気はない。俺はそんな事に興味が無い。奴隷と言っても酷い扱いではなく、基本的には気楽に過ごして労働も地球のに比べたら軽いみたいだが。それでも奴隷は奴隷だ、ならば俺が考え付いたのを月人を脅迫して飲ませてやろう。そういえば昔、天照は岩戸に隠れた時があったが、注連縄を俺が持ち、天照が岩戸から出てきたときに、もう岩戸に入らない様、俺と永琳が縛った事があったな。それと注連縄を使われて建御名方神が封印されたっけ、封印したのは俺と永琳じゃないぞ。どこだったかな、覚えてないな。大国主も封印されたな。永琳が言ってたが注連縄で神様を封印する事も出来るらしいぞ。まあいい、永琳には大仕事をしてもらおう。豊姫にあれがあるか聞いてみるか

 

「豊姫、この豪邸にパソコン数台とネット環境はあるか」

 

「あ、はい。ありますけど、なぜそんな事を?」

 

あるのか、ならば好都合だ。永琳には月人が使ってるネットワークを掌握してもらおう。月人が困るように仕向けなければならん。俺の目的は月人の交渉をするのでない、月人全員の首に刃物を突き付ける状態、要は脅迫なのだ。まずはネットワークを掌握し、次は戦力だ。俺と永琳と豊姫だけでも出来るかもしれんが、月人の頭を逃げられない、断れないような状況にする必要がある、あいつがいたら鬼に金棒だ。俺と永琳と豊姫とあいつがいたら敵なしだろう。7割から10割になるんだ。だからあいつを豊姫に呼んでもらわねばならん、神綺とサリエルが月にいたら分からなかったが、神綺は地獄作ってるし、サリエルは冥界を今作ってて月には来れないし、そもそも神綺とサリエルは俺に敵対はしないだろう。永琳と似た存在だし

 

「永琳、ネットワークを掌握する日時はどれだけかかる」

 

「そうね、1日か2日あれば出来るでしょう」

 

「そうか、なら頼んだぞ。次に豊姫、依姫はいつ帰ってくる。仕事でいないんだろう」

 

俺の言葉を聞いて、豊姫が少し悩んでる、だが少し考えて納得したようだ。必要なんだ、俺と永琳と豊姫でも成功するだろう。だがもしもの事がある、そのもしもの事を潰すためには必要なんだ。常に最悪の展開を考え行動しなければならない。今回俺がしでかしていることは、それだけの事だ。それに失敗したら俺と永琳は月に捕まり、豊姫もただでは済まないだろう。だからこそ、確実に物事を進めるんだ。

 

「確かに依姫がいたら戦力は増えます、なにせ依姫の能力は強力です。ですが、あの依姫を説得できるんですか」

 

「説得できなければ、無理矢理でも聞いてもらう。四の五の言っていられる状況じゃない」

 

依姫の能力は神霊の依代となる程度の能力だこの能力は八百万の神々を依姫に宿し力を借りて使役する事が出来ると言うものだ。つまり依姫を味方にすると、俺たちの戦力は俺と永琳と豊姫と依姫と八百万の神々の戦力になる。しかも依姫も月人の会議に出るほど偉くなってるらしいし、引き込んだら月人はさらに追い込まれるだろう。月人全員の首に八百万以上の刃物が向けられる状況になるわけだ。月人をどうにかするには依姫は非常に厄介だ。だから引き込んでしまえばいい。引き込めなければ豊姫の能力を使って地球に移す。依姫は豊姫のように月に一瞬で来れる能力ではないからだ。依姫を引き込めばよし。断れば地球で身動きが取れなくして俺たちの邪魔を出来ないようにさせるだけだ

 

「そう、ですか。分かりました。依姫は夜遅くまで仕事をする真面目な妹ですから、夜までには帰ってきませんよ」

 

「そうか、なら永琳をそのパソコンがある場所に案内してやってくれ」

 

「分かりました、使用人に八意様を見られ露見してしまう可能性がありますので。私が八意様の料理を作って持って行きます」

 

確かに、永琳は有名だったしな。しかも服装も赤青で目立つ奴で、使用人が見たら露見してしまう可能性があるな。ここは豊姫に頼むか

 

「ああ、頼んだぞ。そして永琳、ネットワークは任せたぞ」

 

「ええ、任せて」

 

永琳は豊姫に案内されて、豊姫の背に永琳が着いていった。俺の仕事は依姫を説得することだ。帰って来るまで月人について考えよう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

窓の外を見たら、もう夜だ。そろそろ来るかと考えたら、ドアをノックする音がした。俺は、入ってくれ、と言って入ってもらった。豊姫が来た、依姫が帰って来たのだろう

 

「弘さん、依姫が帰ってきました」

 

「そうか、依姫をここに呼んでくれないか」

 

「呼んでも構いませんが、覚悟していてください」

 

覚悟、覚悟って何の覚悟だ。まさか殺される覚悟でもしろと言うんじゃないだろうな。依姫に殺されるわけにはいかんのだぞ

 

「弘さん、あの月に行く日私と依姫に何をしたか覚えてないんですか?」

 

「月に行く日にしたことと言えば、豊姫と依姫をロケットに入れたくらいだろ」

 

あの日は確か、月人の皆をロケットに入れて、最後に豊姫と依姫をロケットに入れたくらいだが。他に何かしただろうか。俺が分かってない様子に気付いた豊姫はため息をついた

 

「弘さん、あの日私と依姫はいきなり弘さんにロケットまで連れていかれ、さらには愛した人がロケットに乗らず私達だけ月に行きました」

 

そういう事か。俺が何も言わず勝手に地球に残って依姫は怒ったのかもしれんな。だが2人に地球に残られると面倒だったのだ。月人に俺と永琳が生きてると思われる可能性は潰す必要があったからな

 

「私もですが依姫も悲しんでいました。私は能力で地球に来て弘さんと八意様が生きてるのが分かりましたが、依姫は違うんです。未だにお二人は亡くなっていると思っています」

 

「待て、なぜ豊姫は依姫に俺と永琳が生きてると依姫に教えなかったんだ」

 

「教えましたが、信じてくれないんです。なにせロケットの窓から核で都市が消える瞬間を依姫が見てましたから」

 

なるほど、都市が核で消えて俺と永琳が生きてる訳ないと思ったんだな。都市が核で滅ばず、何億年も生きていたら信じたかもしれんな。寿命が無いんだし、しかしあの依姫が見ていたとは、俺も依姫の立場で永琳が都市に残り核で消えたら同じ反応をするだろうな

 

「話は分かった。覚悟はできてる、呼んで来てくれ」

 

「そうですね、分かりました、じゃあ呼んできますね」

 

数分経ったらドアの向こうから話し声が聞こえてきた。どうやら来たようだ

 

「ほら、依姫。早く入って」

 

「お姉さま、私は帰ったばかりで食事をしていないんですよ。一体この部屋に何があるんですか」

 

「とっても大事な事なの、数億年もかけてやっとここまで来た、依姫はあれ以来全く笑わなくなったんだから、いい加減笑ってほしいの」

 

ドアが開いて2人が入ってきた。見たら豊姫が依姫の背を押しながら来たようだ。依姫は背を押された状態で顔を依姫の背にいる豊姫に向けていたが、俺に気付いたのか顔を前に向けてきた

 

「よう、依姫。久しぶりだな」

 

「ひ、弘さん。弘さんなんですか・・・・・・?」

 

依姫を久しぶりに見たがますます綺麗になってる。豊姫も綺麗になってたがな、服装は変わってないが、都市にいたころから変わらず、髪型はポニーテールで俺がプレゼントした赤いリボンで止めている。腰には月に行く前にベルトを巻いているな。俺がプレゼントした奴だ。ベルトのバックルに剣の紋章がある。豊姫にもベルトをプレゼントして豊姫もベルトを腰に巻いてる。豊姫のベルトのバックルには鏡と思ってた紋章があるんだが、豊姫が言うには鏡ではなく満月なようだ。

依姫はおぼつかない足取りで向かってきたが、何とか俺の目の前に来た。豊姫は扉の近くで立ってる。もしもの時は頼んでいる。依姫を殺すわけではないので頼みは聞いてくれた。依姫の両手で俺の両頬を手のひらで包んできた

 

「暖かいです、生きていたんですね。じゃあ歯を食いしばってください」

 

「え、依姫何を」

 

依姫が両手を俺の両頬から離し、右手を思いっきり振りかぶって俺の頬に平手打ちをしてきた。俺は急に平手打ちをされた事が呑み込めず、仰向けで倒れた、スゲー痛いんだが。久しぶりにいい物を貰ったよ。依姫が俺の体に馬乗り状態で乗って来て仰向けの俺に抱き着いて来た。頬に生暖かい何かが落ちたと思ったら依姫が泣いているようだ。

 

「弘、さん。良かった、生きてて、本当に。良かった。お姉さまの言っていた事は本当だったんですね。ごめんなさい、お姉さま。信じる事が出来ずにいて」

 

「いいのよ、依姫。今は私の事を気にせず弘さんに甘えなさい。数億年経ってやっと愛した人と会えたんだから」

 

「はい、はい。弘さん。今だけ、今だけは何も、言わず、このまま泣きながら抱きしめさせてください」

 

まさか泣かれるとは、俺は仰向けのままの状態で依姫を抱きしめながら頭を撫でて過ごした。まだ時間はある永琳がネットワークを掌握してからが始まりだ。だからそれまでに依姫を引き込むんだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だから引き込みに来たんだ、俺と来い依姫。お前が欲しいんだ」

 

「意味が分かりません。数億年かけての再会の後にする話が月人を服従させる話なんて」

 

どうやって俺と永琳が生きてたかは依姫に説明した、理解したようだ。しかし、やはり依姫を説得するには骨が折れるな。どうしたらいい、豊姫はすんなり引き込めたが、依姫は駄目なようだ。どうするべきかな、真面目な所を上手く使えたらいいんだが、そうだ愛の言葉でも言ってみよう

 

「依姫、愛してる。俺の為に力を貸せ」

 

「い、嫌です。どうして私がそんな事を・・・・・それにこんな時に愛してると言われても嬉しくないです」

 

今、俺と豊姫と依姫はソファーに座ってる。真ん中が俺で左隣には豊姫で、右隣が依姫だ、さっきから依姫の表情はクールだが甘えまくって俺にべたべたくっ付いてる。豊姫はマイペースで俺と依姫を見てニコニコしてる。説得するのは俺の役目で手伝う気はないようだ。仕方ないここは無理矢理に行こう

依姫の顎を右手で持ち、俺と依姫は目を合わせ、逃げられないようにする

 

「手を貸せ、依姫」

 

「い、や、です」

 

真面目な性格の為か、こういうのに弱いようだ。だから顔が真っ赤で白い所が無いし耳までもが赤い。ここまでしても駄目なのか・・・・・じゃあ豊姫とやった似たような事をしてみよう。これで駄目なら依姫は地球にある山 蓬莱山 に移す事になってる。俺の顔を依姫の顔に近づけ接吻した。依姫は急だったので驚いて逃げようとするが依姫の顎にあった俺の右手を依姫の腰に回し、俺の左手で依姫の後頭部を抑え逃げれないようにする。逃げれないし口を塞がれてるので、

 

「んー!!んー!!!!」

 

と唸ってるが、気にせず接吻をし続ける。依姫は逃げようと依姫は両手を使って俺の体を押して逃げようとしているが俺が力づくで逃げられないようにしてるので逃げれない。あ、ついでに胸も揉んでおこう。うーん、依姫も成長したようだ。手のひらにギリギリ収まらないほどの大きさだな。依姫は自分が何をされてるのか理解してるが、逃げられないので諦めたのか俺に身を任せてきた。依姫落ちたか。

数十分してたら依姫の体から力が抜けて俺に倒れこんできた。依姫の脳の捌ける容量をオーバーしてしまったようだ。だがこれで行けるだろう、依姫にもう一度同じ質問したらまた断って来たので、さっきと同じことをもう一度した。数時間かけてやっと了承したので、これで丸く収まっただろう。後は永琳を待つだけだ。豊姫が俺の肩を豊姫の、多分人差指でトントンと叩いて来た、振り返ると豊姫が目を瞑って唇を差し出してきている。

 

「私にも同じことをしてください」

 

「疲れたから寝る」

 

寝てから次の日になった、依姫が条件があると言ってきたので今から聞いてる最中だ

 

「局長、いえ、弘さん。弘さんの目的は分かりました。ですが条件があります」

 

「聞こう」

 

「月人を殺す事はやめてください。弘さんは敵には容赦ないですからね」

 

豊姫と同じことを言ってきたか、殺しはしない、殺す以外はする予定だが

 

「分かった、月人は殺さない。誓おう」

 

「分かりました、ならば私の力をお貸しします」

 

「それと、依姫に聞きたいんだが。月人の頭が揃う時ってあるか」

 

「え、ええ。2日後に会議があります」

 

2日後に会議か、ならばその日に永琳にはネットワークを8割ほど掌握してもらって、会議に攻め込む直前に完全掌握してもらってから月の頭が揃う会議に向かうか。これで依姫は引き込んだ。後は頭を支配するだけだ、失敗は許されない。永琳と豊姫と依姫がいるからって慢心はしてはいけない、油断だけは絶対にしないようにしなければ




最初依姫はあっさり仲間になる予定でしたが、豊姫ばかりキャラが立ってこれはいかんと思いこうなりました。 

注連縄は有名ですねあのでっかい縄みたいなやつです

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