蓬莱山家に産まれた 作:お腹減った
もし今回の話を見て納得できないなら言ってください直します。今回の話は結構大事なんですよ、だからその時は言ってください。
って20話まで来ちゃったよ!!どうしてこんなことに。前にも言いましたが本来この作品は2話で終わるはずだったんです、だったんです。
走って来たのはいいが石につまずいて、転んでうつ伏せ状態で地面を滑って俺の目の前に来て止まった。痛そうだ、顔が特に痛そうだ、思いっきり滑って来たし。今は人間みたいな姿になってる。変化でもしていたのか、外見を立派に見せて相手を脅していたのだろうか。
まずは立たせてやろう、肩を揺すってみたが反応は無い、気絶したんだろうか。実は起きてるが恥ずかしくて起き上がれないのか。
仕方ないので無理やり立たす、どうやら起きているようだ、顔が赤い。地面に転がって顔を擦ったからだろう。少し血が出てるし。
「大丈夫か」
「大丈夫なわけないだろう!?顔は痛いし、石につまずいて転ぶし、妖怪としての威厳が色々台無しだよ!!」
最初から威厳は無かったような気がするが、口に出すのはよしておこう。何をしていたのか聞くと、暇だったので俺を脅かそうとしたらしい。脅かすなら俺に向かって走ってこなくてもよかったような気もするが。脅かすにしても脅かす前に声をかけず近づいてから声をかけたらよかったんじゃないか
「暇なのか、他にすることは無いのか」
「無いよ、することなかったんだしお前を脅かそうとしただけだし。と言うか妖怪が怖くないの」
「怖くはない、今のお前はどう見ても人間にしか見えん。さっきの姿もあまり怖くなかったし。どんな生き物か理解はできなかったが」
ふーん、肝が大きいんだね。と興味がなさそうに山を見て腕を組んでる。する事無いのか、じゃあ諏訪の国に来て貰おうかな、もしくは友達になってみよう、暇つぶしにはなるだろう。紫と幽香と諏訪子の友達も増えるし。悪い子じゃないみたいだしな。
「じゃあ俺と友達になろう、それと俺の娘の友達になってほしい」
「お前とお前の娘と友達だって?嫌だよ!私は、友達なんか作んないからな!!」
嫌なのか、困ったな。しかし無理強いは出来ない。面白そうな子だったんだが。それに俺は山の頂上にいる鴉天狗に会いに行かねばならんし。一応友達になりたいなら諏訪の国に来いと言っておこうか
「じゃあもし、もしも友達になろうと思ったら、諏訪の国に来てくれないか。場所は分かるか」
「諏訪の国?あー、あの妖怪と神と人間がいる変な国ね、知ってる。でも行かないわよ!行ったとしても友達を作るんじゃなくて暇つぶしなんだから!!」
「暇つぶしでもいい、諏訪の国に来てほしいんだ。ただし人を驚かす程度ならいいが、殺しでもしたら」
「こ、殺しでもしたら?」
女の子が生唾を飲む音を鳴らせ、この話の続きのに興味があるのか食いついて来てる。だが詳しくはあえて教えず、俺は背中を向けて片手を上げて、鴉天狗がいる山に向かった。後ろで殺したらどうなるのさと大声で聞いて来るが聞かなかった事にしよう。聞けば誰もが教えてくれるわけではないのだ。それに気になるように言えば諏訪の国に来てくれるかもしれない。
山に着いたが、結構登ったぞ、さすがにキツイ、辺りは森ばっかだし、だが鴉天狗と交渉してうまく纏めて、蓬莱山の情報を聞き出さなくてはならん。俺と無関係とは正直思えない。急がねば、歩いていると、止まってください。と言われて視線を声の方に向けると鬼がいた額に勇儀みたいな角があり黒い髪で紅白の和装、右手に杯左手に鞘に入ってる刀を持ってる。なんでこんなところで鬼に出会うんだ。鴉天狗ならともかく鬼に俺を止める理由は無いと思うんだが
俺の不思議そうな表情に気付いたのか理由を教えてくれた
「一宿一飯の恩があるんですよ。恩を返そうと思って仕事が無いか聞いたら、見張ってくださいと頼まれまして」
理解した、要は見張りか。丁度いいので事情を説明して、鴉天狗の所に連れて行って貰おう。だが、いきなり来たやつを信じてくれるか分からんが。まあ物は試しだ聞いてみるとしよう。それとこの鬼、表情がムッとしている、何か気に障る事をしただろうか。してないと思うんだが、今会ったばっかだし。もしかしたら生まれつきなのかもしれない。
「実はこの山の頂上にいる鴉天狗に会いに来たんだよ、会わせてもらえないか」
「いいですよ、もし今日、神が来たら通すよう言われていますので」
神が来たら通すよう言われているって、ばれてたのか。いくらなんでも知ってるなんて早すぎないか。それとなぜ俺が神だと気付いた、あ、神気を感じ取ったのかもしれない。鴉天狗は情報が武器とは聞いてるが凄いんだな。これは 蓬莱山 についてますます聞かなければならんようだ。なぜ琵琶湖の近くにある 蓬莱山 に俺の苗字が同じなのか分かるかもしれん。
目の前にいる鬼は背を向け着いて来て下さいと言われて、後に続く。9割近くまで来た。門が見えて来た、門の前に門番なのか鴉天狗が2人がいる。一緒にいる鬼がその門番と少し喋っていたが、門番が門を開けてくれた。1人の門番が飛び、山の頂上に向かっている。開いた先は階段が見える。まだ登らなきゃならんようだ。自分に喝を入れて登り始める。
やっと着いた、さすがにしんどい。目の前には何か塔みたいな形をした建物がある。その塔の建物の外側に穴があるパッと見た感じ2階なのか知らんが一つ上の階らへんに穴があり一つ一つ上の階に上がっていく事に穴が一つある。緊急の時はあそこに入って中にいる鴉天狗に情報を共有するためだろうか。一緒にいる鬼が先へと進んでいくので俺もついて行く。山の頂上についてもまだ登るのか。気が重い。
鴉天狗は鴉みたいな翼があるので、高い所にあろうと問題は無いんだろうが、俺は地に足付けた神なんだぞ、このままでは死ぬ。
塔の建物の頂上に着いた、扉の前には扉の両脇に鴉天狗がいて、見張っているようだ。止められるかと思ったが、鬼が扉の前に来て扉を開けても何も反応しない、俺もいるのに。さっきの門番の鴉天狗が上の鴉天狗に報告したのだろうか。まあ、楽に来れていい。いちいち敵意を向けられては困るし。
鬼は扉を開き奥に行くかと思ったが中に入ってから扉の脇にいる。奥に進んでください。と言われたので進むことにする。奥に進むと目の前には机の上に何も置かず、椅子に座り、数枚の書類を手に持ち、書類に目を通している鴉天狗がいた。俺が来たのに気づいて書類を机に置き、立ち上がって俺の所に来た。
「待っていたよ、いつか来ると思ってた」
待っていただと、しかも俺が来ると分かっていたとは、両腕を広げ笑いながら俺に来ると分かっていたと言ってきた。なぜ俺が来ると思っていた、疑問の視線を向けていると両腕を腰に当て微笑んで言ってきた。
「まずはお互い自己紹介から始めよう。私だけ知ってるのもあれだしね。私の名は 天魔 だよ」
「分かった、俺の名は 蓬莱山 弘天 だ 弘 と呼んでくれ」
さて、なぜ来るのが分かっていたかって話だったね、と、にやつきながら俺の疑問に答えてくれた。
「諏訪の国の、しかも王が、前に3人の鬼を諏訪の国に引き込んだからだね。急に国の戦力を増やしてきた。わざわざあの鬼を、そしてもう1人大妖怪を引き込んだ。戦力を増やすならいつかは情報役が必要不可欠、私達は情報に関しては一流だからいつか諏訪の国に引き込むと思っていたよ」
ルーミアの事はつい最近引き込んだんだ。しかも封印を解いたのは今日だぞ。それなのにもう知ってるとは、一流と言っても過言ではないのかもしれん。
「そしてさっきも言ったが目的も分かってるよ、情報役が欲しいんだよね」
笑顔で俺に人差し指を指しながら今度は微笑みではなくドヤ顔だ。ドヤ顔で言ってくるが、不思議とイラつかない、こいつの性格の魅力なのかもしれない。
「知っているなら話は早い。そうだ鴉天狗の情報力を諏訪の国に欲しいんだよ。そのかわり俺達諏訪の国の戦力が交渉材料だ」
情報が欲しい代わりに戦力が交渉材料ね・・・・・・と顎を一指し指と親指で挟み考え込む。悪くない話だと思うんだが。もし鴉天狗が対処出来ない妖怪が出たら紫と幽香、勇儀と華扇、ルーミアを向かわせる。萃香は駄目だ、あの能力で諏訪の国を監視してもらうんだから。それに紫の能力を使えば距離なんて無いようなものだ。それにそこまで諏訪の国とこの山は遠くない。歩いても1日もかからないし。それと鴉天狗は飛べるのだ、わざわざ俺みたいに山を登ったり下りたりする必要はない。しかも飛ぶとかなり早い。緊急でもすぐに諏訪の国に飛んで助けを求める事も出来るのだ。
困った時には諏訪の国に飛んで来て貰う事になるが、鴉天狗で対処できない妖怪に会っても戦力が手に入れば問題はなくなる。俺たちは情報役が手に入り、鴉天狗は戦力が手に入る、どちらも得をするのだ。その事について喋ったら、この話を受けますと即答してきた。これで諏訪の国に情報役が手に入った。鴉天狗は戦力が手に入った。後は蓬莱山について聞いてみよう
「実は、聞きたいことがある。 蓬莱山 と言う山だ。あれについて何か知っていないか」
あー、 蓬莱山 ねと右手で頭を摩りながら天魔は困った表情をする。情報は一流と聞いていたが、なぜ困る、まさか知らないんじゃないだろうな、情報の一流集団じゃなかったのか
「じ、実はあそこについては私達も詳しくは知らないんだ。ただ一つ知ってるのはあの山に 蓬莱山 の名がついているのは 蓬莱山 の近くに村があるんだけど、そこに旅人が来てあそこにある山の名は 蓬莱山 と言ったらしいんだ」
蓬莱山 は頂上から麓までもが霧が濃く鴉天狗が空中で見ても何も見えなくて、 空から 蓬莱山 に入っても霧が濃く方向感覚を失い迷うそうだ、何回入っても 蓬莱山 の麓に戻るらしい。何度試しても駄目だったので、諦めたそうだ。しかしなぜその旅人はその山に 蓬莱山 の名を付けたのか、一体なぜだ。分からん、分からんことだらけだ。
だが、蓬莱山 が一度だけ霧が薄まって何とか見えた時があるらしい、天魔がその時の目撃者がいるらしいので今から呼ぶそうだ。詳しい話を聞くとしよう。
鴉天狗の1人が入って来た、女の鴉天狗のようだ。可愛い感じの鴉天狗だ。まずは自己紹介からしよう
「俺の名は 蓬莱山 弘天 弘と呼んでくれ。早速なんだが、蓬莱山について何か知っていると聞いた、教えてくれないだろうか」
「私の名は 射命丸 文 です好きに呼んでください。蓬莱山についてですね、知っていると言っても一つだけですが、教えます」
お互い自己紹介し握手する。鴉天狗は背中に鴉と同じ翼があるくらいで、それ以外は人間と外見は変わらんな。
「実はあの 蓬莱山 を空を飛んで見ていたんですがあの深い霧が少しの間薄まったんです。そこで質素な家があって人影を見たんです。見た事が無い服装でした。髪色は、確か・・・・・・金、金です間違いない。性別は分かりませんでした」
髪色が金か、その情報だけではまだ分からんな、とりあえず文にはお礼を言っておいた。ちなみに文を含めた3人の鴉天狗を諏訪の国に情報役として送るらしい。これで情報に困らなくなったな。一応鴉天狗が諏訪の国の情報役として仲間になったと諏訪の国の民と家族の皆には説明しておこう。文は仕事があるらしいので部屋から出た。
しかしここまで情報が無いとは。これは俺が直接出向いた方がいいのかもしれん。あ、なぜこの山に鬼がいるのか聞いておこう。この部屋の入り口のドアの脇にいる鬼が気になるし
「天魔、なぜこの山に鬼がいる。ここは天狗の住処だったんじゃないか」
「いや、この鬼さんはただ旅をしていて。昨日、自分を鍛えるためにこの山を登ったのはいいんだけど。食料が尽きて頂上付近で倒れてたんだよ。そこで私達、鴉天狗が助けた訳」
食料が尽きて倒れたのか。まあ、食料無いと生きていけないのは、神も人間も妖怪も同じだしな。しかし鬼か、何かどこかで聞いたような。そんな事を考えていたら、扉の脇にいた鬼が話しかけて来た
「天魔さんから聞いたんですけど、勇儀と萃香と華扇が諏訪の国に仕えていると聞いたのですが、本当なのでしょうか。華扇はまだ分かるんですがあの勇儀と萃香がなぜ仕えたのか分かりません」
それは勝負に勝ったからなんだが、その事については天魔は喋っていないようだ。その事を教えると口元を手で押さえ驚愕している。酒飲み勝負で神が鬼に勝ったからだろう。正々堂々とは勝負してないので何か居心地が悪い。
久しぶりに勇儀と萃香と華扇に会いたいそうなので連れていくことにした。天魔は別に連れてっていいって言ったしな。元々恩に着せる気はなかったようだ、ただ恩を返したいと言われ、丁度見張りの鴉天狗が体調不良を起こし、そこに入ってもらったようだ。名前はコンガラと言うそうだ。コンガラ・・・・・・・どこかで聞いたような気がする、あ、華扇に前聞いた鬼じゃないか。早速山を下りよう。
帰る途中コンガラと喋っていたが、1人で旅をしていたのはただの気まぐれだそうだ。勇儀と萃香とは性格が全然違うな。性格は華扇に近いかな。何か、大和撫子みたいな鬼だ。美人な鬼だな。
コンガラはもう少し後で出そうと思いましたがここで出しました。
コンガラの性別は不明にすべきか、女にするべきか悩む。そしてルーミアは封印が解けているので髪をロングヘアーにするべきかどうか悩みどころ