蓬莱山家に産まれた   作:お腹減った

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幼馴染

次の日友達を呼んで公園で皆で集まった銀はいるか探した所ブランコに座ってこっちを見ている

今日こそは成功させてみせるぞ!という意気込みを新たに銀の元へ向かう銀は俺を見つめたままで動こうとしない

銀の目の前まで行くと俺は右手を差し出し自己紹介をする

 

「俺の名は弘天。蓬莱山 弘天だ、弘って呼んでくれ。良かったら俺たちと遊ばないか?」

 

銀は俺の顔を見つめていたが俯いた。が、顔を上げ何かを決心したような目になっている何を覚悟したのかは

知らないが銀は変わろうとしているのかもしれない。視野を広げ自分が知らない事を知りに行こうとしてるのかもしれない。そして初めて知った気持ちを育むのかもしれない、だから俺は銀の目を見て右手を差し出すいつか銀と笑顔で遊ぶ日が来るように祈るのではなく。実現できるように俺は銀に嫌われようとも何度でも挨拶もするし自己紹介もするし友達になろうと遊ぼうと誘う

 

銀が重たい口を上げる。まだぎこちない笑顔だ。まだ慣れていないのだろう、でもこれからは俺が笑顔にする

俺は馬鹿だから馬鹿をやって、笑わせることしかできないけど。何もしないよりはいいだろう、だから笑わせる

その何重にも被ってる仮面を脱がせてやる俺の前では仮面なんて被せないありのままのお前が見たいんだ

 

「ねえ、弘天、いいえ、弘。私、知らないことを知りたい。友達を作って遊んで楽しいって気持ちを知りたい。友達と美味しいものを食べたいわ。」

 

「私の名前は八意、八意 永琳よ私と友達になって。弘」

 

さっきはぎこちなかったが今度は自然に笑えている・・・・・と思う銀の笑顔を見たことがなかったから。だから嫌ってなるくらい笑顔を見せてもらわなきゃな!美少女なんだから笑わなきゃ勿体ないぜ。

いつか女を侍らすんだから美少女は助けないとな! 銀、いや永琳の右手が俺の右手に絡み合うあまりの嬉しさに

右手に力を籠めかけたが永琳が痛がるだろうから、我慢した。

 

「じゃあ来い!お前が今まで楽しくなかった人生を俺が塗り替えてやる!永琳が年を取っておばあちゃんになっていい人生だったって思わせてやる!これからは楽しいことが一杯だぞー!永琳ー!」

 

俺は永琳の右手を強く握る。もう寂しい思いをさせないようにしなきゃな。まずは皆に永琳のことを紹介しないと、永琳はやっと最初の一歩を弘に引きずられながらだが踏み出すことができた。太陽がいつにも増して熱く輝いていたような気がする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから数十年俺は一人暮らしを始めた。思ったのだが母さんに甘え過ぎていた掃除してくれるしご飯作ってくれるしとまさに至れり尽くせり。ものすごく楽なのだがこれはやばいと思って一人暮らしをすることにした。

父さんと母さんに反対されたが、仕方ない、仕方ないんだ。このままでは母さんなしではいられなくなる!

ということで一人暮らしだ!合鍵は一応親に預けてある。そうそう知らなかったが蓬莱山て名門

なんだってさ後、綿月という所も名門らしいあと他にも名門があったような気がするが興味ないね。

なぜ、綿月の事を覚えてるかというと綿月の娘さんたちが永琳みたいに綺麗じゃないけど可愛いかったからですはい

話を戻すが蓬莱山は名門なのに実家は質素な家。欲がないのかね?と、父さんに聞いたらもう欲しいものは手に入れてるだってさ、母さんを見て言うんじゃねぇよいまだにラブラブ夫婦なのでそれが1人暮らしの原因の一つだったりする。仲良きことは美しきかな。

それで蓬莱山の長男だから楽できるわけもなく、妖怪から町の人を守る守護隊に入らされて毎日毎日、しごかれている、ちなみに師匠がいてその人が綿月現当主。名前は、綿月 守 妖怪から人々を守ってほしいからと、名付けられたらしい。しかも前に言った父さんの親友の結婚式は綿月 守師匠の結婚式だったそうである意味父さんと母さんをくっつけたキューピッドだね。キューピッドにしては厳ついが

最初は父さんに妖怪の戦い方を教わろうとしたけど戦いに関しては全く才能がないらしいそのかわり頭を使うことが得意なのでそっち専門だね。だが俺は頭は良くないので守さんに戦い方を学んでる最中。

毎日毎日しごかれて、帰って飯作るのめんどくせー。と最初思ってたら永琳が押しかけて来た同棲するから来ただとさ。しかも親に預けたはずの合鍵を持ってる。その後俺の部屋のカギまで取りやがった。認めてない、合鍵や俺の部屋の鍵を持つのを認めてないですよ俺は!

 

「何やってんの?」

 

「ねえ、最初に会った時の事覚えてる?」

 

台所でエプロンを着けた状態で聞いてくるちなみにエプロンはハートマークだ。永琳が持ってきた

食材を包丁で切る音が響く、まずい!非常にまずい!

しかしどうする?逃げ道はない、ならば突き進むまで!

 

「おっ、覚えてるよ。永琳に嫌われまくってたなー俺」

 

「嫌ってはいないわ。ただ自分に素直じゃなかったのよ」

 

懐かしい思い出だが今は思い出したくない俺は女を侍らすのだこんなところで死ぬわけにはいかない

実は永琳が綺麗になってまな板からナイスボディに成長したからよし!俺の女にしようと思って告白したんだ

俺の女になれ!ってそしたら永琳、嫌!って嫌がったんだよえー、と思ったねここは、はいでしょ

女を侍らす第一歩がこんな一歩から始まるなんて

小さいころから言ってるんだから女を侍らすのを認めてくれてもいいじゃないか!

いや、永琳が言うには本当は付き合うのはOKなんだけど女を侍らすのは駄目なんだってさ、俺の夢を否定しやがった!!このままでは外堀を埋められ既成事実を作る羽目になってしまう!阻止だ、断固阻止!

だがしかしエプロン姿が似合う女が台所で料理を作ってるのを後ろから見る、男の夢だが

あれは禁断の果実、食べてはいけない。食べたらGAME OVER、試合終了、レッドカードだぞ!レッドカード!

一か八かやるか。俺は立ち上がり永琳の後ろに立つ非常に腹立たしいがいい匂いがする料理と雌の匂いだ

後ろから抱き付き永琳についてる2つの無駄にデカい脂肪をモミしだく。でかい、でかいが永琳はくすぐったそうにするだけで何もしてこない

強いて言うなら、包丁持ってるから危ないだとさ。くそ、グッとくるようなセリフをどこで覚えたのだ

仕方ないから二つの脂肪の塊をもむのをやめ尻を撫でる。が永琳が食材を包丁で切る作業を止めこちらを見る

なんだか目がうるうるしてる欲情してるのかこいつは心なしか顔が赤いし。小さい声でいいよって言うし生殺しじゃないか!そこは嫌って言ってください。俺は夢に向かって進むんだー!そしていつか永琳を説得するんだ・・・・・・

 

とりあえず自分の部屋に戻ろう、永琳がしょんぼりしてたけど仕方ない夢のためだ。

俺は自分の部屋に入り服を脱ぎ捨てたそしてここからがお楽しみだベットの下に置いておいた例の物を探す

ん?ない、ないぞ!俺のお友達がいない!夜の親友たちが綺麗になくなっている。あ、あの野郎捨てやがったな。野郎じゃないが

これだから俺の部屋の鍵渡すのは嫌だったんだよ!返せ!あれ1冊自体は大した額じゃないが30冊もあったら話は別だぞ!

クソ俺の女気取りやがっていや、俺の女だが。見てくれがいいから強く言えないし

 

もういいや飯食おう。最近気が付いたんだが人間諦めが肝心だと思うんだよね俺は。

テーブルに並ぶのはご飯に味噌汁サバに納豆。うーんなんか落ち着く

せっかく一人暮らししたのに永琳が家事を全部している何のために1人暮らししているのかわからんな

 

「ねえ、結婚しましょう」

 

「い、嫌だ」

 

同棲し始めてから毎日のように言ってくる同棲しだして10年くらい経ってからだけどなそれでも何十年も言い続けているしつこい、しつこすぎる、結婚は一人だけしかできない。納得がいかないので抗議したが受け入れてもらえなかった。なぜだ!?今は少子化なんだから認めてくれてもいいだろうに。永琳は社会の常識を俺が変える前にあの手この手で結婚しようとしてくる。据え膳食わぬは男の恥というが味はうまいかもしれん、しかし食べたらもう、戻って、来れない・・・・・・・

 

「小さい頃」

 

またこの話か何度も何度も言いやがって永琳が女を侍らすのを認めてくれたら話は終わりなのにどうしてこうなる

同じ時間を永遠に繰り返しているようだ・・・・・・・

 

「小さい頃俺の女になれって言ったわよね」

 

「言ったが嫌と言ったじゃないか」

 

「言った。確かに言った。だけど弘、今私はあなたが好きなの、あなたが欲しいの、あなただけを異性として見てるのよ」

 

「だから女を侍らすことを認めてくれたら永琳を俺の女にするって言ってるじゃないか」

 

「女を侍らせるなんて私は嫌よ」

 

「俺も一人だけを愛すなんてできない」

 

堂堂巡り、平行線、どっちも妥協できない毎日毎日何十年も聞いてきて耳にタコができた。

永琳を諦めきれればいいが出来ない。俺は永琳を愛している、ただ永琳だけを愛すことはできん

永琳にごちそうさま今日も旨かったといい。皿を集めるが永琳が私がするからいいと言ってきたので

後は任せた、不味い。いや、料理は美味しかったが、この状況は不味い

ていうか俺ただのダメ男じゃん!仕事はしてるとはいえ付き合ってもいない女に家事やらすとかまずいと思う。

 

 

駄菓子屋から買って来たシャーベットペロの袋を斜めに開け、中にある飴を取り出し口に入れて噛み砕き、飴を食べ終えたら袋の中にある粉を全部口の中に入れる為に斜めに開けて置いた袋を口の中に入る様に、袋を上に上げ、それに合わせて俺の首も上に上げたら口の中に粉が全部入って来た。シャーベットペロはこの食い方が一番だな。

 

俺がベッドに寝ころんだら部屋の窓からノックをする音がしたので、ベットから降りて窓に向かいカギを開け、スライドさせて開いたが窓の奥からいつも通りスタンバイしていたのか窓を開けた直後に神綺が飛び込んで俺に抱き着いて来た。俺に首に両手を回し、抱き着きながら神綺の頬を俺の頬に擦り付けているがこれは匂いを擦り付けている為だそうだ。神綺は赤色のローブみたいなのを着ていて、髪型は銀髪のロングヘアーでサイドテールにしている。

 

「 ひろ ひろ ひろ ひろー!会いたかったよー!!」

 

「神綺、いきなり抱き着くとびっくりするじゃないか。静かに入れといつも言ってるだろう」

 

「だってだって!子供の時と違って今じゃ仕事しなきゃいけないしひろに会う時間が少ないんだもん。ひろだけじゃなく永琳はひろと住んでるからいいとしても、サリエルに会う時間は減って昔みたいに遊べないし大人になるって面倒よね」

 

神綺は首元に手を回しながら愚痴を零す、もう成熟してるんだが子供みたいに拗ねるので困ったものだ。だからいつも通り相槌を打ちながら神綺の話を聞いて頭を撫でる。神綺は昔 俺が永琳に平手打ちされて永琳を怖がってたのに今ではすっかり仲良しだ。本当は玄関から入れてやるべきなのだが神綺はドラマとかでやる不倫関係をしてみたい願望が強い、だから玄関から入らず窓から入る訳だ。永琳に内緒で会うのが興奮すると神綺が言ってた。と言ってもこんなに神綺が大声を上げて入ってきてたから永琳に気付かれていそうだけど。

 

「私 不倫相手ってやりたかったんだよね~。だから今は絶好の機会、今の内に不倫ポジションに収まらなくちゃ。三角関係で面白いわよね。んー、三角関係じゃなくて四角関係だったわね間違えちゃった」

 

「俺、神綺とサリエルに俺の女になれって言った事無いんだが」

 

「いいじゃない。私とサリエルがひろの事を好きなんだから。それに子供の頃から、俺の夢は女を侍らす事だ。って言ってたでしょ、これで三人の妻が出来た訳なんだからもっと喜びなさいよね」

 

神綺は首に回していた右手の人差指で俺の鼻を数回叩いた。だが永琳は俺の夢を認めてないから実際は二人だな 困った。神綺とサリエルは背中に三対六枚の翼があり空を飛ぶ事が出来る。サリエルの翼は天使に近い白い翼だが神綺は、どう例えればいいのか。ふむ、悪魔の翼に近い、かな。色的に。翼があると言っても二人共は生やす事も出来れば無くす事も出来るから。必要な時だけ翼を生やすといった感じだ。人差指で俺の鼻を突いていたが、神綺が首を右に思い切り捻って神綺の左頭にあるサイドテールが俺の右頬に鞭に打たれたかと錯覚を覚え、凄まじい音と威力を出した。

 

「痛いじゃないか!」

 

「ゴメンね。何だか知らないけど意地悪したくなっちゃってさ。私ね、ひろの事は好きだし愛してるけど。殺されたいほど愛してるって気持ちなんだよね」

 

こいつ、愛の形は色々あるが殺されたいほどだと来た、だが俺はそれに屈しない。言いなりになるなんて御免こうむる、しかも殺しなんてしたらせっかくの美女がこの世から一人消えてしまうじゃないか!!神綺は俺の右頬に頬擦りしながら奥にあるベッドに目を向け、妖艶な表情で俺の左頬をねっとりと舐めて顔を俺の耳に近づけて囁いた

 

「このままベッドインしちゃったら、永琳は何て言うかな」

 

「俺が引っ叩かれて泣かれるのが落ちだな。と言うか頬を舐めるな」

 

「あー!何で服の袖で拭くのよ!折角私の匂いを付けたのに!!!」

 

「付けんでいい。それと耳元で叫ぶな。全く、永琳を泣かせる気か」

 

「そんな気は無いけど、そう取られても仕方ないわね」

 

神綺は俺の耳から顔を離して、いつも通りの笑顔の表情に戻し首に回していた両手を離して窓に近づき窓際に手を置いた

 

「じゃあ今日はやめとこっか。永琳を泣かせる気は無いからね。でも昔から見ていて思ったけど、永琳は駄目男に嵌るダメ女ね、私も人の事は言えないけど」

 

俺はどうやら駄目男だったようだ。自覚してるからそこまでショックじゃないが、自覚してるとはいえクルものがある

 

「明日からはまた表向きは友達、実際は不倫相手だからその辺り忘れないでよ。私がひろの夢を叶える手伝いをするから、創って見せるから、それまで待っててね。」

 

「手伝い? 創るって何をするんだ」

 

俺の質問を無視して、ばいば~い。と翼を背中から出して羽搏かせて窓から出て行った。寝ようとしたら俺の部屋のドアをゆっくりと、静かに永琳が開けて入って来た。oh...今の状況を客観的に見たら、さしずめ今の状況は浮気現場を見られた旦那って所かな

 

「は、Hello 永琳さん。本日はお日柄もよく」

 

「今は夜よ」

 

そりゃそうだ。仕事から帰って来て風呂入って晩御飯も食べてたら日なんてとっくに落ちてるからな。こんな状況下だが、俺と永琳は結婚もしてなければ恋人同士でもない。ただ一緒に住んでるだけだ。俺は右手を腰に当てながら笑った

 

「まあ冗談はやめてだ。俺の夢を知ってるだろ永琳」

 

「知ってる。だけど私は認めない、しかも相手が私達の幼馴染、神綺だなんて、話を聞いていたらサリエルもそうみたいだし」

 

「全てを知られていても不倫関係をやめないのも悪く無いかもしれんな。不倫相手は幼馴染、昼ドラでも始まりそうだ」

 

永琳は無表情で俺を見ているが、永琳に触れれば壊れてしまいそうで、脆く、ガラス細工のように見える。だがそれでも俺は譲れないのだ、夢を諦めると言うのは、生きる意味を奪われると言う事じゃないだろうか。生きる意味が無ければ何の為に生きればいいのか分からない、他人から見て俺の夢は酷くて下らない物かもしれない。だが俺はどう思われても何を言われても、この夢を諦める気は無いんだ。他に夢を見つければいいかもしれないが、この夢だけは絶対に譲らない。永琳が泣いたとしてもだ、俺は自分勝手だからな。自分さえよければいいと思ってる屑なのだ

 

「なあ、永琳。俺の夢を認めないなら、俺の事を嫌いになればいい、もしくは愛想を尽かせばいいんじゃないか。昔からそうだが俺はこんな男なんだぞ」

 

「それが出来るならもう とうの昔にしてるわよ。そうじゃなかったら同棲なんかしないし 料理 洗濯 掃除。家事全般なんて絶対にしない」

 

俺と永琳の距離は数歩、6~7歩くらいの距離だ。永琳は扉から一歩ずつゆっくりとしずしずと近づき手を伸ばせば届く距離まで来た、だが俺は手を伸ばさない、永琳が手を伸ばさなければならんのだ。

 

「ねえ、弘。私、弘の事を愛してる。弘だけを愛してるのよ」

 

「俺も永琳を愛してる。だが、俺は永琳だけを愛さない」

 

済まない永琳。永琳が望む言葉を俺は言えないんだ、それを言ったら俺は夢を諦める事と同義なのだから。例えば、男が1人女が1人いたとする。男は女を愛し、女は男だけを愛した。男は、ただ君だけを愛してる、他の女性なんて微塵も興味もないよ。と言い数年経ったら浮気がバレ、もしくは浮気現場を見られ離婚したなんて事が良くある。だからこそ俺は最初から夢は女を侍らせることだと子供の頃から皆に言ってるのだ。最初にお前を愛すがお前以外も愛すと言っておいた方が、お互いの事を考えると嘘を付かず本当の事を言っておいた方がいい。最初にお前以外の女性、他にも妻を娶ると言っておいた方が喧嘩も少ないし、離婚するなんて事もないからだ。嘘は駄目だ、後で自分の首を絞めるからな。嘘も方便って事もあるがこの場合での方便、男女の中では碌な事が無い。過去の歴史が証明している

 

永琳は我慢できないといった顔で俺に抱き着いて来た。永琳の顔は俺のお腹辺りにある、膝を床に付いて抱き着いているからだ。永琳から啜り泣き鼻をすする音がしてきた、だが俺には何も言葉にできず永琳の頭を撫でる事しかできなかった

 

「どうして、最初で最後の愛した男性がこうなるのかしら」

 

「運が無かったんだよ永琳は。男運が」

 

「いいえ、男運は悪く無かった。この私が他人を愛する事が出来る人に出会えたんだから」

 

永琳は抱き着いて顔を上げたが、涙で俺の服が濡れている。右手で永琳の目の端に溜まってる水を拭いつつ左手で頭を撫でる。俺はあの時、永琳に関わるのをやめておいた方が良かったのだろうか。泣かせてしまった、泣かせる気は無かった、だが誰にだって譲れない物はある。それが俺の場合は夢だっただけの事だ

 

「今日は、一緒に寝かせて頂戴。朝まで一緒にいて」

 

「分かったよ、銀」

 

「馬鹿、もう銀じゃないでしょ、名前をあの時教えたんだからちゃんと永琳って呼んで」

 

「すまんすまん。お詫びとして一緒に風呂に入るか」

 

永琳はがばっと勢いよく立ち上がり、俺の右手を掴んで無理矢理引っ張られ連れて行かれた。永琳が早歩きで歩くので俺も何とか合わせて歩く

 

「早く行くわよ弘、背中を流してあげる」

 

「待て待て、焦りすぎだろ」

 

「初めて一緒にお風呂に入るのよ。早く愛しい夫の広い背中を流してみたいのよ」

 

「分かったからそう急ぐな。風呂は逃げないぞ」

 

「お風呂は逃げないけど、弘が逃げるかもしれないでしょ。気まぐれな夫なんだから妻の私は苦労するわね」

 

夫とか妻とか言ってるが、さっきも言った通り俺と永琳は結婚していない。結婚してなくても夫婦とは言えるかもしれないが

 

「あ、勿論私はタオルで体を隠して入らないわよ。裸で入るから」

 

「ですよねー 分かってたけど」

 

歩きながら話していたら脱衣所に着いた。後は脱いで風呂場に直行するだけだ。永琳はあの赤青服に手をかけ、背中を向けて脱ぎ始めながら嬉々として言葉にする

 

「さあ。夫婦水入らず、誰にも邪魔されない。お風呂に入りましょう」

 

俺も脱いで俺と永琳は風呂に入った。入り終えたら自室に戻りベッドに横たわる。

 

 

 

 

 

 

今日は疲れた寝る夢の中だけでも俺に都合のいい世界をどうか、神よ・・・・・・・!

 

 

 

 

 

気が付くと家の中にいたソファーに父さん台所に母さんと永琳がいる。おかしいよね親は同棲に大賛成だったけども何で実家にいるんだ。記憶がない、ふと足元を見ると子供がいた満面の笑みだ、どことなく母さんに似てる。

前髪おかっぱのロングヘアー。風呂上りなのか子供の体から湯気が出ている。パジャマ姿で両腕を後ろに回し

俺を見上げる。すると、とんでもない事を言った

 

「おとーさん!」

 

 

 

 

ナ、ナイスジョーク

永琳がこっちに気づいて台所からエプロン姿で来たあのハートマークがでかでかと載ってるやつだ

 

「輝夜、アイスがあるから食べなさい」

 

「うん!おかーさん!」

 

「あなた、お風呂に入っちゃって」

 

俺がおとーさんで永琳がおかーさん、なんてことでしょう。俺はいつの間にか娘ができていたようです

笑うしかないね、笑うしか。しかもあなたってすっかり若奥様ですね。

俺の女を侍らす夢が消えた、神はいなかった。

 




徹夜明けは辛い、大体このくらいの文字を3~4時間くらいでできます
だからって更新しませんエタルんで



本当は永琳の自己紹介の時に永琳に八意××って入れたかったけど泣く泣く削ることに
しょうがないね

て言うか俺たちの戦いはこれからだー!って感じで終わってるしこの2話だけで終わるかもあんまり長く続いても面倒くさい

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