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プロローグ
気付くと俺は『俺』ではなかった。
いや、意味わかんないこと言ってんなとか思わないでくれ。実際そうなんだから仕方がない。
普通に地球のとある街中でひっそりと学業をこなして、部活をして、ゲームして、時には馬鹿をしてを繰り返してた俺――橘純一。
いつも通りに目覚ましをセットして、いつも通りに床についたはず……だったんだがなぁ。
「おはようジュンイチ。早くしないと学校遅れるわよ」
し、知らない小奇麗なおばさんに起こされる……だと。
気付けば朝。日も窓越しに、既に山を越えて高く昇ろうとしている最中だ。
突然のことで慌てめく――なんてことはなく、自分でも驚くぐらいに冷静沈着にベッドから起きた。
俺、いつも布団敷いて寝てんだけどな。
そしてふと、光差す空へと目線を移すと――
「……オニドリル、だと」
優雅に空中をつがいで飛んでいるオニドリルを発見。
そしてここ、俺んちじゃないけど。なんか部屋の内装変わってんだけど!
何がどうなってんだよ! 誰かマジ教えてください!!