ハイスクールD×D 日常謳歌のファントム   作:二重世界

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第87話 テレビ鑑賞

俺は今、皆でイッセーの家の地下一階の大広間に集まって巨大モニターでヴァーリとイッセーを主人公とした特撮番組を見ている。

番組自体は非常に好調なのだが俺には一つ悩みがる。それは俺とレイナーレが協力して未だにイッセーとアーシアがヤれていない事実だ。

後少しというところで何故か邪魔が入る。主にリアス・グレモリーとゼノヴィア。

リアス・グレモリーは本能で動いている感じだ。一応、邪魔をしてはいけないと頭では分かっているらしい。でも気付いたら邪魔をしているようだ。

とりあえずリアス・グレモリーのトレーニングメニューに精神力強化を入れることを薦めよう。

ゼノヴィアは何とも言えない。明らかに便乗する気満々なのだから。

こっちは三人でヤる方向で進めるかゼノヴィアを力ずくで排除する方向で進めよう。

にしても昨日のことは特にムカつく。何とか努力して邪魔も入らずあと一歩だったのに。途中までヤったところでイッセーが鼻血で倒れやがった。あの時は思わず乗り込んでイッセーを全力で殴ってしまった。

こうなったら意地でも二人をヤらせてやる。

 

「……おい」

 

俺が番組を見ながら考え事をしているとヴァーリが不機嫌そうに話かけてきた。

まぁ、俺がオーフィスを膝の上に座らせて頭を撫でているので番組が始まる前から不機嫌そうにしていたけど。

 

「何だ?」

 

「……何で主人公である俺よりもお前の出番が多いんだ?」

 

「俺の方が人気あるから」

 

一話に何となくゲスト(役者ではなく俺が直接出演した)で出てみたら主人公を食う勢いで人気が出た。というより主人公を完全に食っていた。

最初の目的とは違うけど人気があるので良いか、ということになりレギュラーとして番組に出ている。

ちなみにヴァーリのキャラは人気がない。特に女の子に。

本人が演じている訳じゃないなのに何でだろうな?

 

「……私も聞いていいかしら?」

 

今度はリアス・グレモリーが不機嫌そうに話かけてきた。

 

「何だ?」

 

「……何で私の役がスイッチ姫なのかしら?」

 

「それは俺は無関係だ。アザゼルに文句を言え」

 

俺の言葉を聞くとリアス・グレモリーが顔を真っ赤にしてアザゼルに文句を言い始めた。

おっぱいドラゴンがスイッチ姫の胸を触ることでパワーアップできる。

ちなみにヴァーリの方にはパワーアップアイテムみたいなものは存在しない。

そう言えば、いつもならドライグとアルビオンが泣き出したりするんだが今日は静かだな。

 

「イッセー、ドライグはどうしたんだ?」

 

「……ドライグなら神器の中に完全に引き込もってしまったよ。番組が終わるまで話かけるな、だとさ」

 

じゃあ、アルビオンも同じか。

そろそろドライグとアルビオンのカウンセリングも考えないといけないかもしれない。

 

「何か幼馴染みがこうやって有名になるって、鼻高々でもあるわよね」

 

イリナがテンション高げに言う。

イリナはいつも楽しそうだな。

俺は自由にやっている代わりに苦労も多いのに。主に変態の相手で。

 

「だったらイリナも出てみるか?」

 

「え?そんなこと出来るの?」

 

「俺から監督に言えば何とかなるだろ」

 

あの監督、かなり適当だからな。

まぁ、その分、俺が自由にやれるから良いけど。

 

「それに和平を結んでも悪魔の中には天使に苦手意識を持っている奴もいるからな。この番組を利用して認識を変えるのも面白いかもしれない」

 

今のところ天使の知り合いはミカエルとイリナとデュリオくんだけだ。天界の方にはあまりコネがない。

特撮に天界の連中を上手く引き込めば俺の人脈を更に広げることが出来るかもしれない。

 

「へぇ、霧識くんって遊んでいるイメージしかなかったけど意外と人のためになることも考えているね」

 

「いえ、アレは間違いなく何か企んでいる顔です」

 

おい、小猫。折角イリナが感心していたのに余計なことを言うな。

 

「何かこの番組、どんどん凄いことになっていくな」

 

「そうだな、イッセー。この番組は開始早々に視聴率が六十パーセント近くのお化け番組だ。おかげで俺の懐も温まる」

 

経済効果が億超えを予想されている番組の分け前だ。更にグッズ展開も考えている。

物凄く儲かるだろう。一般人なら働くのが嫌になるほどに。

それに番組が社会現象になればやり方次第では世界を変えることが出来るかもしれない。

今から想像が膨らんで楽しみだ。

 

「何でそんなにお金がいるんだ?前に先生が霧識にギャンブルで金を毟り取られたって泣いてたぜ」

 

泣いていたのか。自分から挑んできておいて情けない話だ。

 

「単純に金儲けが好きなだけだ。金はなくて困ることはあっても持っていて困ることはないからな。それに最近はどこぞの馬鹿が勝手に俺の金を使い込んでいるからな」

 

「「ぐっ……」」

 

レイナーレと黒歌が同時に気まずそうな顔をする。自覚はあったのか。意外だな。

後は毎日のようにデートしているから、それの費用も馬鹿にならない。具体的に言うと小猫の食事代とか。

 

「怜奈はまだ家事をしたりして役に立っているから良いけど黒歌はいつも寝ているだけ。たまには働いてほしいものだ」

 

レイナーレに関しては役に立ち過ぎている気もするが。俺が教えた以上のスキルを持っている。

その分、迷惑もかけてくるが。暗証番号を変えても何故か意味がないし。

 

「だから、ちゃんと体で払ってるにゃ」

 

「それ、お前がヤりたいだけだろ。一切、損をしてねぇじゃえか。たまには働け」

 

「でも何をすればいいにゃ?」

 

う~ん、黒歌に出来る仕事か。どう考えても普通の仕事は無理だよな。て言うか、俺が斡旋できる仕事に一般的なものはない。

 

「後で紹介する」

 

「今、言えないようなことかにゃ?」

 

「まぁ、そうだな」

 

俺がそう言うと黒歌が手で自分の胸を隠すようにしながら後退りする。

一部の人から蔑むような視線が向けられる。

何故?

 

「私に人に言えないようなことを酷いことをする気かにゃ?それを撮影して売り出したり」

 

「AV撮影か!そんなことするわけないだろ!」

 

確かに売れそうではあるがそんなことはしない。

 

「私はご主人様のお役に立てるなら何でもしますよ」

 

「だったら黙ってろ」

 

マジでもう少しだけ変態発言や行動を自重してくれたら文句の付けようがない有能な美人メイドなんだが。

 

「……AV?」

 

オーフィスが言葉の意味を理解できないのか可愛らしく首を傾げた。

 

「オーフィスは知らなくて良いことだ」

 

オーフィスにAVの説明をするとか俺には出来ない。それは犯罪だ。

 

「そんなの気にしなくて霧識はいつも犯罪を犯してるにゃ」

 

まぁ、そうだな。

でも犯罪はバレなければ犯罪じゃないんだ。それにバレたヤツは色々と手を回して揉み消しているから大丈夫。

後、しつこいようだが俺の心を読むな。

 

「お、そろそろ番組も終わりそうだな」

 

不自然な感じでアザゼルはそう言うとリモコンを取ってモニターを消そうとする。

だが、そんなことは俺がさせない。

俺はロケットパンチでアザゼルからリモコンを取り上げる。

 

「げっ!何しやがるんだ!?」

 

「それはこっちの台詞ですよ、アザゼル総督。お楽しみはこれからでしょう?」

 

俺は良い笑顔を浮かべながら丁寧な口調で言う。

 

「これから何があるんですか?」

 

「よくぞ聞いてくれた、アーシア。これからアザゼルが原作の特撮番組があるんだよ」

 

こっちはこっちで人気がある。まぁ、原作の本当に重要な部分以外は原型がないけど。

どいつもこいつも悪ノリし過ぎだ。

 

「……いや、俺としては霧識の手の方が気になるんだけど」

 

イッセーが戻ってきた俺を手を見ながら興味深そうに言う。

イッセーはロケットパンチのことを知らないのか。そういや最初にフリードと戦った時以来の使用だからな。

 

「何ならレーザーとかも出せるけど」

 

「マジでか!?何で使わないんだ!?」

 

予想以上の食い付きだ。イッセーっていつもはエロのイメージしかないけど、こういうのも好きだったな。

俺の隣では小猫も目を輝かせている。

 

「凄い疲れるんだよ。威力はあるけど、実戦には使いづらいんだ」

 

アザゼルが俺に付けた機能のほとんどはエネルギー効率が悪すぎて実戦では使えない。それに日常生活でも使えない。

アザゼルが趣味全開で作ったせいだ。

使えるのは身体能力と五感の強化。後は透視ぐらいだ。透視だけは何故かエネルギー効率が良い。

 

「七瀬くんの体も気になりますが、私としては約束の方が気になりますわ」

 

姫島朱乃がイッセーの肩に顔を乗せると耳元で囁いた。

約束って何だ?そんな話は聞いてないんだが。

 

「約束?」

 

イッセーも覚えがないのか聞き返している。

 

「デートの約束ですわ」

 

デートの約束?アーシアと付き合っているのにそんな約束をしていたのか。まぁ、ハーレム的には正しいけど。でも忘れたりしたら駄目だろ。

俺がそんなことを思っていると小猫が説明してくれた。

 

「ディオドラ・アスタロトと戦った時に朱乃先輩をやる気にさせるために私が言わせたんです」

 

へぇ、そんなことがあったのか。ディオドラ・アスタロトの時だったらアーシアとまだ付き合っていない頃だな。

俺がどうしようかと考えている間にイッセーと姫島朱乃がデートすることに決まったみたいだ。

アーシアが頬を膨らませて不機嫌にしている。リアス・グレモリーは……放置でいいだろ。

 

「おい、イッセー。彼女を放置して別の女とデートするんだから、ちゃんと後で埋め合わせはしてやれよ」

 

「え?いや、いきなりそんなこと言われても」

 

イッセーがテンパっている。やっぱりイッセーには甲斐性が足りない。

甲斐性がないとハーレムは無理だ。

 

「後でアーシアとデートしてやればいいだけの話だろ。それとも何だ?アーシアとデートするのが嫌なのか?」

 

「イッセーさん……」

 

俺の言葉を聞いたアーシアが涙目になる。アーシアは純粋すぎて心配になるな。

俺がいつも言っている、ただの煽りなのに。

 

「いやいや、そんなことはないぞ!後でちゃんとアーシアともデートするからな!」

 

イッセーが焦ってフォローするとアーシアはすぐに笑顔になった。

さて、俺はどう動こうかな。




主人公の活躍により原作よりもおっぱいドラゴンの視聴率が上がっています。

では感想待ってます。

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