ハイスクールD×D 日常謳歌のファントム   作:二重世界

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番外編のレイヴェルの話が書き終わりました。この後の十一時三十分に予約投稿しているので十八歳以上の人は読んでみてください。


第72話 妹

「お兄ちゃん、何で抵抗するの!?」

 

「いやいや、人前でズボンを脱がされそうになったら誰でも抵抗するだろ!」

 

妹が俺が兄だと確信するやいなや手を伸ばしてズボンが脱がせようとしてきた。俺はそれに全力で抵抗している。

クラスメイトは面白そうに傍観していて止める様子がない。一人ぐらいマトモな奴はいないのか?

 

「駄目だよ、花蓮ちゃん。こんな人前で。そういうことは二人っきりの時にやりなさい」

 

イリナが止めに入ってきた。少し気になるところはあるが助かった。

 

「大丈夫。私は見られて興奮するタイプの人だから」

 

「だったら仕方ないね」

 

「仕方なくねぇよ!」

 

俺は思わず大声でツッコんだ。

そんな変態的な言い訳に納得するなよ!

 

「七瀬くんがツッコミをしている」

 

「初めて見たな」

 

クラスメイトは俺の状況よりも俺のツッコミに驚いている。そんなに俺のツッコミは珍しいか?たまにしていると思うが。

よく見たら女子の何人かは止めるどころか俺の股間部分を興味深そうに見ている。やっぱり、このクラスには変態しかいない。

 

「……お兄ちゃんは何が不満なの?せっかく可愛い妹である私が気持ち良いことをしてあげようとしているのに」

 

妹が呆れた様子でズボンから手を離した。周りのクラスメイトもガッカリ顔をしている。

え?何、この空気?俺が悪いの?

 

「私、身長はそんなに高くないけどおっぱいは大きいよ」

 

妹が自分の胸を揉みながら言う。

確かに制服の上からだと分かりづらいが結構あるな。だが、レイヴェルの方が大きい。

後、身長が高くない、って言っても平均と同じくらいはあるだろ。

 

「それにお兄ちゃんに処女を捧げる覚悟も出来ているのに」

 

「いや、知らねぇよ」

 

て言うか、処女だったのか。意外だな。慣れた手付きでズボンを脱がしにきたから経験があると思っていた。

 

「そういうことなら私も参加しよう!もちろん私も処女だ!」

 

何故かゼノヴィアまで参加宣言してきた。

これ以上、事態をややこしくするな。

 

「今度、良い男を紹介してやるから我慢しろ」

 

「本当か?それはどんな男だ?」

 

「それは会ってからの楽しみだ」

 

「では、楽しみにして今日は見て勉強するとしよう」

 

ゼノヴィアが単純馬鹿で助かった。

でも、勢いで言ったけど誰を紹介したものか。俺が紹介できる男って言ったら英雄派ぐらいだ。でも、あそこはホモばっかだし。

 

「で、話を戻すけどお兄ちゃんは何が不満なの?」

 

妹が馬乗りした状態のまま質問してきた。まずは馬乗りを止めてほしいな。

 

「じゃあ、逆に聞くぞ。何で初対面の兄に欲情しているんだ?」

 

「そりゃ、パパやママと一緒に生活していたら兄にただならぬ感情を抱くのも普通でしょ。だって毎日のように『妹という存在は世界一可愛い』とか『兄に欲情してもいいじゃない。人間だもの』とか言われてきたんだよ」

 

何か一瞬で妹が可哀想になってきた。あんな変態共と生活していたんだな。俺は捨てられて良かったよ。

 

「まぁ、一番のきっかけはアレかな。パパに薦められて読んだラノベ」

 

「ラノベ?」

 

あの父親、ラノベとか読むのか。何かキャラがよく分からない。

 

「そう。妹エンドのヤツ」

 

アレか。アニメは見たけど原作は読んでないな。

 

「ちなみにパパはエロゲーをやる時は妹系のキャラしか攻略しない」

 

「知りたくねぇよ、そんな情報」

 

親の性癖とか息子にとっては恥でしかない。て言うか、何で父親のエロゲーの趣味を知っているんだ?もしかして娘がいても普通にプレイしているのか?

……聞かなかったことにしよう。

 

「それで近親相姦に興味が出てママに私にもお兄ちゃんがいないの?って聞いたら『ああ、そういや花蓮ちゃんにもお兄ちゃんがいたわね。何年も会ってないから忘れてたわ』って言ってたから会いに来たのよ」

 

相変わらず適当だな、あの女。

 

「ん?待て。あのラノベは近親相姦まではしてなかったはずだ」

 

「そうだっけ?まぁ、作品が終わった後に兄の元恋人も混じって三人で仲良く子作りしてると思うから大丈夫でしょ」

 

そんな目線であのラノベを読んでいたのかよ。俺はそんなことないと思うぞ。多分。

 

「で、お兄ちゃんに実際に会ったら私のモロタイプじゃない。それで兄妹の禁断の愛とか欲情にするに決まっているでしょ」

 

どうしよう。妹の言っていることが理解できる俺がいる。確かに俺も禁じられるとしたくなる衝動があるからな。

妹萌えという概念も理解できる。それに妹の性格はともかく見た目は結構タイプだ。

ただ、何故かこの妹ではやる気にはなれないが。

 

「俺には彼女がいる。諦めろ」

 

「え?そうなの?性奴隷がいるとは聞いていたけど」

 

本当に意外なのか妹がポカンとしている。

て言うか、俺のことを何て説明されたんだ?

 

「誰なの?」

 

妹に聞かれて俺は無言でルフェイを指差す。

 

「ふむふむ、なるほど。名前は?」

 

妹が値踏みするかのようにルフェイを見ながら質問する。

 

「ルフェイ・ペンドラゴンです」

 

「確かに可愛い。しかも妹属性を感じる。確かにお兄ちゃんの恋人みたいだね」

 

何で一目見ただけでルフェイが妹だって分かったんだ?妹の妹に対する執念が怖い。

後、その言い方だとルフェイが妹属性だから好きになったみたいに聞こえるぞ

いや、よく考えたらレイヴェルも小猫も妹だったな。だったら俺が妹属性が好きという可能性もあるのか。まぁ、偶然だと思うが。

ん?今、気付いたがもしかして黒歌がお義姉さんでライザーがお義兄さんになるのか。普通に嫌だな。

 

「う~ん、どうしたものか……。パパとママを越えるイチャラブ兄妹になることが目的だったのに」

 

俺に馬乗りしたまま腕を組んで悩み始める妹。恐ろしいことを考えているな。

そろそろ教室の床の冷たさが気持ち良くなってきた。

 

「よし、妹よ。そのまま諦めろ。近親相姦は犯罪だぞ。普通に仲の良いの兄妹としては接してやる」

 

「何かその呼び方は嫌だから普通に名前で呼んでほしいな」

 

全く人の話を聞く気がないな。俺の一番苦手なタイプだ。

 

「OK、花蓮。これでいいか?」

 

「うん、OK」

 

本当に嬉しそうな顔で返事する花蓮。これは特殊な趣味でもない限り男なら骨抜きにされる笑顔だ。

俺はギリギリで耐えたが、クラスの男子のほとんどはやられたみたいだ。

 

「あ、そうだ。分かった」

 

花蓮がいきなり手をポンと叩いた。嫌な予感しかしない。

 

「お兄ちゃんを彼女から寝取ればいいんだ。ママも恋とは略奪だ、って言ってたし」

 

やっぱり録な意見じゃなかった。

別に略奪愛を否定するわけではないが血の繋がった兄に適応するな。

 

「というわけで今度こそ――」

 

キーンコーンカーンコン

 

「お前ら席に着け。授業を始めるぞ」

 

花蓮が本気になった瞬間にチャイムが鳴って、次の授業の数学の先生が教室に入ってきた。

 

「くっ……。もう時間か。じゃあ、次の休み時間に犯されに来るよ」

 

そう言うと花蓮は凄い勢いで教室を出ていった。意外とルールは守る性格なのか?

て言うか、何で受動態?俺はヤるつもりはないぞ。

あ、トイレに行き損ねた。

 

 

 

 

 

 

 

放課後の部室、オカルト研究部メンバー全員とアザゼル、会長が集まりイリナと花蓮と挨拶している。

本当に休み時間になるたびに花蓮がやって来て大変だった。誰もとめてくれないし。

特に昼休みは地獄だったな……。昼休みになると同時に逃げたのに見付けられた。恐ろしい嗅覚だ。更には……忘れよう。

ちなみにルフェイとレイヴェルもオカルト研究部に入部した。

 

「教会……いえ、天使様の使者として駒王学園に馳せ参じました紫藤イリナです。よろしくお願いします」

 

「同じく七瀬花蓮です。よろしくお願いします」

 

イリナはともかく花蓮まで頭を下げて普通に挨拶している。どういうことだ?

 

「お前達はミカエルの使いってことでいいんだな?」

 

アザゼルが二人に確認する。それに対してイリナは花蓮を見ながら歯切れの悪い返事をする。

 

「いやぁ、まぁ……私はそうなんですけど」

 

「私はお兄ちゃんに会うために上司に直訴して無理矢理ついてきました」

 

教会ってルールとかに厳しいイメージがあったけど違うのか?まぁ、トップのミカエルがアレだし仕方ないか。

 

「……お兄ちゃん?名前を聞いた時から、もしかしたらとは思っていましたけど彼女は霧識先輩の妹なんですか?」

 

俺の膝の上に座っている小猫が質問してきた。

 

「らしいな。詳しいことは知らないけど。……て言うか、小猫は知り合いなのか?」

 

「はい。私のクラスに転校してきたんです。そして会った瞬間に『私の妹にならない?』という謎の告白をされました」

 

「…………」

 

俺は無言で花蓮を見る。

 

「お兄ちゃんにそんなに情熱的に見られると体が火照ってきて困るな。もう、これは子作りするしかないね」

 

「「「…………」」」

 

花蓮の発言で事情を知らないメンバーがポカンとしている。

 

「するか。今の話について説明しろ」

 

「だって小猫ちゃんが妹属性がある上に物凄く可愛いんだもの。これは妹にしたくなっても仕方ないでしょ?」

 

だから何で一目で妹だって分かるんだ?

 

「それは仕方ないな」

 

「納得しないでください」

 

「痛い痛い!」

 

いきなり小猫が太股を捻ってきた。小猫の怪力でやられると物凄く痛いんだが。

 

「仕方ないだろ。小猫が物凄く可愛いのは本当なんだから」

 

「……そういうことをストレートに言わないでください。照れます……」

 

小猫が太股から手を離すと顔を赤くしながら俺から視線を外した。やっぱり可愛い。花蓮も目をハートの形にして見ている。

何か視線を感じるが後回しにしよう。

 

「そういやレイヴェルには告白してないのか?」

 

俺はレイヴェルを指差しながら花蓮に質問する。レイヴェルも物凄く可愛いし妹だ。花蓮が告白していてもおかしくない。

 

「……してない。だって私よりもおっぱいが大きいんだもん」

 

花蓮が頬を膨らませて不機嫌そうに返事する。

どうやら妙なプライドがあるようだ。




現在、妹の今後の扱いをどうするか考えています。ハーレムに入れるかハーレムを作るか、もしくはその他か。

では感想待ってます。

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