ハイスクールD×D 日常謳歌のファントム   作:二重世界

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第70話 宣戦布告

夏休みも終わりが迫ったある日の夜、宿題を終えた俺はイッセーの家の方の自室でのんびりしている。

 

「なぁ、ルフェイにレイヴェル。学校に通うつもりはないか?」

 

「学校ですか?」

 

ルフェイは俺の背中に抱き付いてるので必然的に耳元から声が聞こえてくる。つまり、かなりくすぐったい。

イッセーを禁手させた時から背中も気に入ったらしく、よく抱き付いてくる。更に甘噛してきたり舐めてきたり、その他色々してきたりするので俺の理性が毎回のようにヤバくなる。

ちなみにオーフィスは膝の上に座らせて頭を撫でている。後でレイヴェルも交替で撫でるつもりだ。

小猫は悪魔稼業に行っているのでいない。

レイナーレは昨日、発売したエロゲーを自室でプレイしている。

 

「そう。学校が始まったら一緒にいられる時間が減るだろ?だから一緒に学校に通おうと思ってな」

 

「まぁ、私としては霧識さんと一緒に学校に通えるのは嬉しいですが。でも年齢の問題が……」

 

「それは問題ない。駒王学園のスポンサーはグレモリー家だからな。つまり飛び級させる」

 

サーゼクスに話せば父親に口を利いてくれるだろう。それが無理なら別の手を使うだけだ。

 

「……職権乱用ですわ」

 

俺が薦めた漫画を読みながらレイヴェルが呆れたように言ってきた。

 

「失礼だな。俺は使えるものは何でも使う主義なだけだ。ところでレイヴェルはどうする?」

 

「私も別に構いませんわよ。前から誘われて考えていましたし。それに学校が原因で会えなかったら何のためにこっちに来たのか分かりませんわ」

 

よし、これで問題ないな。

明日の朝にでもサーゼクスに連絡するか。

 

「じゃあ、俺は初等部に教育実習生として行かせてくれ!」

 

いきなり扉が開けられたかと思うと訳の分からないことを言いながらヴァーリが現れた。

 

「オーフィス、頼む」

 

「ヴァーリ、キモい」

 

「グハッ!」

 

オーフィスに罵倒されてショックを受けたヴァーリがおぼつかない足取りで帰っていく。

オーフィスに変な言葉は教えたくないが、これは変態対策として例外的に覚えさせた。

これがヴァーリにとって快楽になる前に次の手を考えないといけない。

 

「……今のは何なんですの?」

 

レイヴェルが不審者を見るような顔をしている。

 

「気にするな。ここにはロリコンとおっぱい好きの二天龍が出没するだけだ」

 

「……話には聞いていましたけど今回の二天龍は本当に変態ですのね」

 

まぁ、変態は二天龍だけじゃないけどな。

 

「私も学校に行くにゃ。そして白音と学園生活を送るにゃ」

 

次はベッドにゴロゴロと転がっている黒歌が言ってきた。着物がはだけて大事なところが見えている。まぁ、いつものことなので、どうでもいい。

 

「別にいいけど小猫とは別の学年だぞ」

 

「何でにゃ!?」

 

「いや、何でって言われても……」

 

黒歌の体型で高一は無理があるだろ。まぁ、留年という設定もあるけど。

 

「それに毎朝ちゃんと起きて真面目に授業を受けられるか?」

 

「うーん……」

 

迷い込む黒歌。

 

「無理にゃ」

 

「だろうな」

 

黒歌は自由気ままな野良猫だ。規則正しい生活なんて出来るとは思えない。

 

「我も行く」

 

今度はオーフィスか。

オーフィスの場合は見た目を変えれば何とかなるか。いや、無理だな。黒歌以上にマトモに学園生活を送れるとは思えない。

それに駒王学園には悪い奴はいないけど変態は多いからな。そんなところに純粋なオーフィスをつれていく訳にはいかない。

 

「明日、オーフィスの好きなものを買ってやるから我慢してくれ」

 

「デート?」

 

「まぁ、そうだな」

 

「分かった」

 

オーフィスが納得してくれたみたいだ。オーフィスは素直で助かる。

 

「ところで学年はどうするつもりなんですか?」

 

「ルフェイが俺と同じクラスで二年生、レイヴェルが小猫と同じクラスで一年生にする予定だ」

 

「何でルフェイさんが二年生で私が一年生ですの!?」

 

レイヴェルが漫画を読むのをやめて文句を言ってきた。

 

「特に理由はない。レイヴェルは年齢通り。ルフェイは飛び級させるんだから、ついでに二年生にするだけだ」

 

ルフェイは頭が良いし勉強に困るということはないだろう。仮に困ったとしても俺が教えれば良いだけだ。

そういや、俺って人に教えることが出来たっけ?確かに俺は学年一位だけど、興味のない範囲はテストの時だけ覚えてすぐに忘れるし。

まぁ、ルフェイのためなら何とかなるだろ。

 

「それじゃあ私だけ一緒にいられる時間が減るじゃありませんの!」

 

オーフィスは学校に行かないからレイヴェルよりも更に少ないけど。

 

「じゃあ、別の何かで埋め合わせするから我慢してくれ」

 

「何か、って何ですの?」

 

「レイヴェルが考えてくれ」

 

「……適当ですわね」

 

そんなこと言われても急には思い付かない。

 

「まぁ、いいですわ。考えておきます。その代わり、絶対に守ってくださいね」

 

「OK。俺は約束を守る男だからな」

 

他人の決めたルールなら一切気にしないが自分で決めたルールは出来るだけ守るようにしている。

 

「何もすることなくて暇だし皆でエロいことでもしないかにゃ?」

 

「却下。オーフィスがいるからな」

 

まぁ、オーフィスがいなかったらそれでも良いけど。

 

「じゃあ、何するにゃ?」

 

「適当にゲームでいいだろ。先に言っておくがエロゲーじゃないぞ」

 

それにエロゲーは一人用だから複数で出来ないし。

 

「だったら、この前買ってきたレースゲームで勝負にゃ」

 

買ってきたって。また俺の金を勝手に使ったのかよ。

どいつもこいつも俺の金を使いすぎだろ。堕天使連中からギャンブルで毟り取っているから金に困ってないけど。使うなら先に許可を取れ。

 

「でも、それって四人用だろ?今は五人いるぞ」

 

「私はこのまま霧識さんに抱き付いてるので皆さんでやってください」

 

「ズルいですわ!そろそろ交替の時間ですわよ!」

 

普通、皆でゲームする時ってあまりになるのを嫌がるんじゃないか?

 

「だったら勝った人が抜けて、その間、霧識にエロいことし放題ってどうかにゃ?」

 

「俺が勝った場合はどうするんだ?」

 

「霧識が抜けて好きな相手にエロいことをし放題にゃ」

 

結局、十八禁の匂いしかしないんだが。オーフィスに悪影響だな。

まぁ、黒歌以外なら常識の範囲内でやってくれるだろ。

 

「他の三人もこれで良いか?」

 

「良いですよ」

 

「私もそれで良いですわ」

 

「我も構わない」

 

物凄くノリノリだな。特にルフェイとレイヴェル。

 

「じゃあ、俺は飲み物を取ってくるから四人で先にやっといてくれ。他に飲み物がほしい奴がいたら聞くぞ」

 

そして俺は皆のほしい飲み物を聞いて冷蔵庫に向かう。

一階に下りたところで手紙を持って悩んでいるリアス・グレモリーを見付けた。

 

「帰ってきていたのか」

 

「ええ。今、帰ってきたところよ」

 

だったら小猫ももうすぐ帰ってくるかな。

 

「ところで、その手紙は?」

 

「これ?これはラブレターよ」

 

へぇ、リアス・グレモリーにラブレターか。リアス・グレモリーは二大お姉さまとか呼ばれて距離を置かれているイメージがあったからラブレターとか意外だな。

 

「ああ、私じゃなくてアーシアによ」

 

「アーシア?」

 

まぁ、アーシアも可愛いからラブレターの一つや二つもらってもおかしくないか。て言うか、ラブレターって古風な奴だな。

 

「で、相手は誰なんだ?」

 

「アスタロト家の次期当主、ディオドラ・アスタロトよ」

 

「ワッツ!?」

 

驚きのあまり英語になってしまった。

ディオドラ・アスタロトだと。いやいや、そんな訳がない。きっと聞き間違いだ。

 

「だからディオドラ・アスタロトよ。若手悪魔の会合の時に見たでしょ?」

 

どうやら聞き間違いではないようだ。

どういうことだ?あいつは心身共に破壊して俺の周りに近付くな、と脅したはずだ。更にディオドラの悶絶するほど恥ずかしい映像を俺は持っている。俺に逆らえる訳がない。

それにディオドラが何かしたら眷属達が俺に言ってくるはず。

誰かがバックにいるのか?真っ先に思い付くのはシャルバ・ベルゼブブだが奴は違うだろう。そんな回りくどいことをする性格ではないし、そんなことをするメリットが分からない。

ディオドラのバックは誰で目的は何だ?

 

「そう言えば私達が冥界から戻ってくる時にアーシアが求婚されたのだけど、その時に霧識くんはいなかったわね」

 

確かに俺は帰る時はリアス・グレモリー達と別だった。『おっぱいドラゴン』関連で仕事が残っていたから一日遅れて帰ったのだ。

にしても俺がいない時を見計らってアーシアに求婚か。

これは面倒くさい……もとい面白いことになりそうだ。

 

その後、俺はリアス・グレモリーと分かれて冷蔵庫に辿り着いた。

まずはペットボトルとコップの準備だな。後、ついでにお菓子も持っていくか。

 

「ん?」

 

冷蔵庫からジュースのペットボトルを取り出したところで誰かに裾を引っ張られた。

 

「……霧識先輩」

 

俺の服の裾を引っ張ったのは小猫みたいだ。ディオドラのバックのことを考えていて気付かなかった。

何度、見ても猫又モードの小猫は物凄く可愛い。まぁ、通常モードでも充分すぎるほどに可愛いけど。

にしても何か覚悟を決めたみたいな顔をしていて様子がおかしい。

 

「どうかしたか?」

 

「……ちょっとしゃがんでください」

 

よく分からないが言われるがままにしゃがむ。

 

「んっ!?」

 

いきなりキスされた。それも頬っぺたではなく口だ。

驚きのあまりペットボトルを落としてしまった。

 

「え~と」

 

「……諦めるつもりはありませんから」

 

俺が軽く混乱していると、小猫はそれだけ言って顔を赤くしながらどこかに行ってしまった。




他のメンバーも転校させる案もあったけど迷った結果、ルフェイとレイヴェルだけになりました。
現在、レイヴェルをヒロインに追加するかどうかで迷っています。と言うか追加するしかないような気がしています。

では感想待ってます。

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