「で、何の話だっけ?」
俺はお菓子を食べながら、オカルト研究部の悪魔達とテーブルを囲んで座っている。
「貴方のことでしょ。何で堕天使のことを知っていたの?」
「あ、小猫。そっちのお菓子を取ってくれ」
「分かりました、霧識先輩」
何故かゲームが終わってから小猫は俺のことを名前で呼ぶようになった。ルフェイと言いオーフィスと言い俺は年下になつかれやすいのかね。いや、オーフィスは見た目は幼女だけど実際は物凄い歳上だったな。
「どうも」
俺は小猫からお菓子を受け取り食べる。
「えーと、貴方の話を聞かせてもらっていいかしら?」
「カリカリしては駄目ですよ。お菓子でも食べて落ち着いてください。あ、姫島先輩。喉が渇いたんでお茶をもらっていいですか?」
「はい、分かりました」
そう言うと姫島先輩は立ち上がってお茶を淹れに行った。
「……何で朱乃まで言うことを聞いているのよ」
「同化しました、グレモリー先輩」
「……字がおかしいわよ」
ツッコむ言葉に元気がない。
「部長、これはふざけた発言をして精神的優位に立つ作戦です。マトモに相手しない方がいいですよ」
「正解だ、イケメン。よく分かったな」
これはキングよりもナイトの方が有能そうだな。だが半分不正解だ。俺は相手にされなかったら適当にお菓子を食べて帰って終わりだからな。
「イッセー、霧識くんはいつもこんな感じなの?」
「いつもよりふざけています」
失礼だな。これは相手を計るための作戦なのに。
「じゃあ、ふざけるのはやめて少しだけ真面目にするか」
「……じゃあ、何で貴方は堕天使のことを知っていたの?」
「前に堕天使に襲われたことがあるから」
ここから言うことは作り話だ。事前に設定を考えておいた。さすがに本当のことを言うわけにはいかない。
「どういうことなんだ、霧識」
「俺もイッセーと同じだ。神器を持っているから堕天使に襲われた。それだけの話だ」
これは本当だな。まぁ、正確には襲われたのではなく拉致だが。
「で、その堕天使が俺を殺そうとする前に色々と喋ってたんだよ。そいつは相手を殺す前に色々と教えるのが趣味らしい。何も知らない相手を殺してもつまらない、だそうだ。で、俺は話を聞き終わった後に神器の能力で逃げた」
めんどうくさいので嘘の説明を適当に流す。
「霧識くんの神器は何?」
「俺の神器は『
「認識を操る?どういう能力なの?」
「こういう能力です」
そう言うと俺は能力を発動する。
「あれ?霧識先輩が見えなくなりました」
「これが俺の神器の能力の一つだ。俺の姿を認識できなくした」
「おおー!それなら女子風呂だろうと女子更衣室だろうと覗き放題じゃねぇか!まさに夢の能力だな!」
予想通りのリアクションだ。相変わらす単純な思考回路だな。
「……最低です」
「こいつが覗きをしてたら殴り殺してやってくれ」
「分かりました」
て言うか、変態三人組はよく覗きをしているのに学園から処罰を受けてないのは何故だろう?
「殺されないといけないほど悪いことなのか!?」
「……覗きは犯罪です」
「罪には罰だ」
やっぱり姉よりも気が合うな。
「じゃあ、他にどんな使い方があるんだよ!」
「授業中にお菓子を食べたり」
「授業中に寝たり」
「小猫ちゃんはともかく霧識は何を言ってんだ!男なら透明人間になったら、まずするのは覗きだろ!それを授業中の居眠りだと!ありえない!お前はそれでも男か!」
何を熱く語ってんだ?気持ち悪い。それに認識できないだけで透明人間じゃないし。
「なぁ、そうだよな、イケメン!」
「いや、僕に振られても困るな」
確かにどうリアクションしていいか分からないな。
「そうだ、木場はホモだからな。女じゃなくて男を覗くんだよ」
「何!?……そんな趣味だったのか」
イッセーが自分の体を隠すようにしながら言った。
「いや、違うけど」
実際のところは分からないけどな。
「……そろそろ話を戻してもらえるかしら?」
リアス・グレモリーがキレかけてる。
「何の話だっけ?」
「貴方がどうやって堕天使から逃げたというのか、という話よ」
えーと、どういう設定だっけ?話してる内に忘れてしまった。……ああ、思い出した。
「近くにいた犬を俺だと誤認させたんです。で、俺を殺したと勘違いした馬鹿でマヌケな堕天使は帰っていった、というわけです」
「……凄く軽いわね」
「そりゃ、そうですよ。堕天使なんて敵じゃないですから」
いや本当、堕天使なんて大したことないな。堕天使勢揃いで俺を捉えられなかったんだから。
「……多分だけどそれだけじゃないよね?」
「本当に勘が良いな。軽くビックリだ。賞品として、このお菓子を進呈しよう」
そう言って俺は木場に食べかけのお菓子を渡す。
「……霧識先輩。それ、私が持ってきたお菓子です」
都合の悪いことは聞かない。
「お茶をお持ちしました」
姫島先輩がお茶を持ってきた。
「ありがとうございます」
俺はお茶を飲む。
「おいしいです」
「あらあら、ありがとうございます」
「さて、このお茶に免じて今回はボケなしでいくか」
これ以上、ボケるとリアス・グレモリーがキレる可能性がある。さすがにそれは困る。
「俺は暇な時にリアス・グレモリーとソーナ・シトリーについて調べていた。実際、オカルト研究部の部室と生徒会室には何度も侵入している」
「え?ソーナのことも知ってるの?て言うか、それって不法侵入じゃないの」
「て言うか、知らなかったんですか?たまにチェスで勝負してるんですけど。まぁ、俺の正体は話してないですけど。後、悪魔って人間の法律に適応されるんですか?」
俺は暇な時に生徒会の仕事を手伝ったり会長とチェスをしたりしている。まぁ、これは悪魔関係なくチェスの相手を探していただけだが。
「おい、それって部長達が着替えてるところを覗いてるってことじゃねぇのか!羨ましいぞ、この野郎!」
「……お前は一旦、覗きから離れようか」
さすがの俺も呆れてきた。
「まぁ、変態は無視するとして話はこれで終わりですか?」
「ええ。まだ聞きたいことはあるけど今日は、これで終わりにしましょう」
「じゃあ、これを。俺は帰ります」
そう言うと、俺はリアス・グレモリーに一枚の紙を渡した。
「これは……入部届け?」
「そう。眷属にはならないけど、よろしく」
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