ハイスクールD×D 日常謳歌のファントム   作:二重世界

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第41話 プール

ゼノヴィアとレイナーレの子作り談義が終わった後、俺とゼノヴィアは駒王学園に向かっている。今日はオカルト研究部限定のプール開きだからだ。正確には生徒会からプールの掃除を任されて、その代わりにプールを一番最初に使えるという話だ。

 

「そうだ。プールの途中で俺がイッセーと二人っきりになるように誘導するから好きに子作りをしてくれ」

 

「そんなことが出来るのか?部長やアーシアは常にイッセーとベッタリしていると思うが」

 

「多分な」

 

どうせ、またトラブルを起こすだろうから、その隙にイッセーを誘導するくらい余裕だろ。

 

「あ、ゼノヴィアに霧識じゃねぇか」

 

学校に行く途中でイッセーとアーシア、リアス・グレモリーに会った。

 

「珍しい組み合わせですね」

 

そうか?たまに木刀で一緒に稽古したりしているんだが。一応、木場も一緒にしている。

 

「ちょっと頼み事をしていたんだ」

 

「頼み事ですか?」

 

「おい、余計なことを言うなよ」

 

俺はゼノヴィアの肩に手をおいて、神器で俺を怖いと認識させて言う。

 

「わ、分かった……」

 

ゼノヴィアが俺の言うことを理解してくれたようで助かった。

 

「……?」

 

アーシアが状況を理解できずキョトンとしている。

どうでもいいけど、これからプールに行くからかイッセーが終始ニヤケ顔なのがムカつく。

 

 

 

 

そして学校に到着。現在は男女に分かれて水着に着替えている。

 

「霧識がプール掃除を手伝うなんて珍しいな」

 

「そうか?」

 

「そうだね。こういう場合、霧識くんはサボって生徒会の方に行くことが多いからね」

 

最近、生徒会はトップ会談や授業参観の準備で忙しいからな。適当にプール掃除でもしていた方が楽だ。

 

「何か企んでいそうだね」

 

「いやいや、ただのプールで何を企むんだよ」

 

企んではいるが木場には関係のないことだ。

 

ガタッ!

 

あ、しまった。カメラを落としてしまった。しかも落とした時のショックで神器の能力も解除されてしまっている。

 

「おい、そのカメラは何だ?」

 

「俺が常に持ち歩いているカメラだ」

 

これは本当だ。いつ、どこでシャッターチャンスが待っているか分からないからな。

 

「……それは良い。問題はそれで俺と木場を撮ってなかったか?」

 

「何を根拠にそんなこと言ってんだ?俺が男なんて撮ってどうするんだよ?」

 

「俺と木場のカップリングが漫研で人気だって前に言ってたよな?」

 

ふむ、こうなったら逃げるか。俺は家で水着を着てきたから、すでに着替え終わっている。

 

「おい、逃げるな!」

 

逃げるな、と言われて待つ馬鹿はいない。

 

 

 

 

 

プール掃除が終わって今は小猫の泳ぎの練習に付き合っている。どうやら小猫は泳げないらしい。

隣ではイッセーが同じようにアーシアの泳ぎの練習に付き合っている。

ちなみに小猫とアーシアはスク水。俺は競泳水着だ。

 

「運動神経の良い小猫が泳げないとは思わなかった」

 

「……悪いですか?」

 

プールの端でバタ足の練習をしている小猫が不愉快そうに言ってきた。

 

「いや、別に。ただ、そう思っただけだ」

 

小猫の練習に付き合うのに一切の不満はないが、このまま平和に時間が過ぎていくのも退屈だ。早く問題が起きないかな。

 

「じゃあ、バタ足の練習は終わりにして次はビート板で泳いでみるか?」

 

「はい」

 

そう言うと小猫はバタ足をやめてプールサイドに上がる。

 

ザバン!

 

誰かがプールに飛び込む音が聞こえた。他のコースを見てみるとリアス・グレモリーが泳いでいる。

するとイッセーがいきなり水中に潜った。水の中で揺れるリアス・グレモリーの胸を見るつもりか。

俺は何となくイッセーを蹴りあげてプールサイドに上げる。

 

「イテッ!」

 

「スケベは駄目です」

 

そして倒れているイッセーに小猫がチョップした。

 

「うぅ、私だって私だって……」

 

アーシアが涙目だ。イッセーが自分の練習を無視してリアス・グレモリーの胸を見ようとしたのが嫌だったのだろう。

 

そして小猫が一通り練習をして休憩を始めたので、俺は思いっきり泳ぐことにした。

 

「ねぇ、僕と勝負しないかい?」

 

俺が準備運動がてらに一周泳いだところで木場が話しかけてきた。そういや、俺が小猫の練習に付き合っている間も木場は真面目に泳いでいたな。何でプールで真面目に泳ぐのか理解できない。トレーニングバカなのか?

 

「ああ、いいぜ。五十メートルでやるか」

 

「いいよ」

 

そして木場との勝負が開始した。スピードは俺が少し負けていたが、ターンで差をつけて後半は何とか木場に追い付くことが出来た。

 

「ふぅ、引き分けか……。霧識くんも中々やるね」

 

「いや、木場はずっと泳いでいて疲れているだろ?それで引き分けなんだから、実質的には俺の負けみたいなもんだ」

 

前に水泳漫画にハマった時に色々と調べたからフォームは完璧だったはずだ。それで、この結果ということは単純に身体能力で負けているのだろう。まぁ、俺は気分転換ていどにしかトレーニングしてないから当たり前だが。

 

ヒュッ!ボンッ!

 

いきなり魔力のオーラが飛んできて俺の前の飛び込み台が消失した。

 

「は?」

 

さすがの俺も突然のことに、どうしたらいいか困る。後少し、ずれていたら俺に当たっていたんだが。

魔力のオーラが飛んできた方向を見てみるとリアス・グレモリーと姫島朱乃がイッセーを取り合っていた。

 

「……何だが大変そうだから僕は泳いでいるよ」

 

そう言うと木場はまた泳ぎ始めた。意外と木場もマイペースなんだな。いや、ただ逃げただけか。

 

その後も少し様子を見てみると、今度は魔力のぶつけ合いを始めた。しかもイッセーがいるのに気にせずに。こいつらには今度、常識を教えた方がいいな。

一応、望んでいた展開だし最初の予定通りにやるか。

 

「おい、イッセー!こっちだ!」

 

「分かった!」

 

俺はプールから上がるとイッセーを用具室の方に誘導する。そして用具室の中に入ったところで俺は自分を認識できなくする。

 

「あれ、霧識?どこに行ったんだ?」

 

「やぁ、イッセー。待っていたよ」

 

奥からゼノヴィアが姿を現した。俺の演出通りの展開だ。

 

「ゼノヴィアか。何でこんなところにいるんだ?……って、待っていた、ってどういう意味だ?」

 

「ところで外が騒ぎしいようだが、何かあったのか?」

 

「……ああ、ちょっとな……」

 

目をそらしながら言うイッセー。俺も詳しいことは知らないが、ちょっとではないと思う。

 

「そうか。じゃあ早速、子作りをしよう」

 

「は?」

 

いきなりのゼノヴィアの発言にフリーズするイッセー。イッセーと同じというのは屈辱的だが、俺も似たようなリアクションをしたな。

 

「というわけで脱いでもらおうか」

 

「ちょ、待て!いきなり、どうした!?」

 

イッセーを脱がせようとするゼノヴィア。今のイッセーは水着だから一枚脱がせたら終わりだな。

ちなみに俺はこの様子を撮影している。何かAV撮影をしている感じだ。まぁ、この映像の用途は色々とあるだろう。

 

「師匠に聞いた話と違うな。男は強引にされるのが好きだという話だったが?」

 

師匠というのはレイナーレのことだ。レイナーレに色々と性知識を教えてもらっているうちに、そう呼ぶようになったらしい。俺は相手にするのが面倒くなって朝風呂に入っていたので詳しいことは知らないが。

 

「確かに間違ってはないけど強引すぎる!説明をしろ!」

 

ゼノヴィアが俺の方を見てくる。ゼノヴィアだけには俺を認識できるようにしている。その理由は困った時にアドバイスが出来るし、ゼノヴィアは見られていた方が興奮するからだ。

俺は無視しろ、と合図する。

 

「じゃあ、行為が終わった後で説明しよう。早くしないと部長達に怪しまれるからな」

 

「そんなメチャクチャ!」

 

「静かにしろ。部長達にバレるだろ」

 

イッセーなら美少女に迫られたら迷いなく抱くと思ったんだが。意外とチキンだな。いや、考えたら当たり前か。チキンじゃなかったら、今頃リアス・グレモリーかアーシアで童貞を捨てているはずだ。

 

「分かった!これは霧識の仕業だな!どこにいるんだ!」

 

混乱していると思ったら意外と冷静だな。俺の犯行だと気付くとは。

 

「ゴチャゴチャ言ってないで、早く脱いで私と子作りしろ」

 

ガチャ。

 

そろそろイッセーが折れそうだと思ったところで扉が開いた。

 

「イッセー?これはどういうことかしら?」

 

そこにはリアス・グレモリーを始めとするオカルト研究部の女子メンバーがいた。多分、木場はまだ泳いでいるな。

 

「イッセー、子作りをしよう。見られながらというのも興奮するものだ」

 

空気を読まずに爆弾発言をするゼノヴィア。イッセーとゼノヴィアの子作りシーンよりも、こっちの方が面白そうだ。子作りのことは後で考えるか。




レイナーレをどうにか他のメンバーと絡ませられないか、と考えた結果がこれです。変態師弟の完成です。

では感想待ってます。

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