今日は旧校舎を全体的に大掃除する日らしく、イッセーの家で部活をすることになった。何故、イッセーの家かというとライザーとのレーティングゲーム以来、リアス・グレモリーがアーシアと同じくイッセーの家に居候することになったからだ。
まぁ、俺的にはサボって生徒会の方に行ってもよかったんだが何となく着いてきた。
ちなみに今はイッセーの母親が何故か持ってきたイッセーのアルバムを全員で見ている。
「……幼い頃のイッセー幼い頃のイッセー幼い頃のイッセー……」
「小さいイッセーさん、可愛いです……」
どうやらリアス・グレモリーとアーシアの精神状態はヤバいようだ。関わらない方がいいな。
「お、エロ本発見!机の二重底の下とは、これまた普通の場所に隠しているな」
俺はイッセーのアルバムなんかに興味はないので家捜しをしている。友達の部屋に来てエロ本を探すのは定番だし。にしても女と同棲していて、まだエロ本もってるのかよ。こんな本に載ってる女よりもリアス・グレモリーの方がいい体してるのに。
「おい、何勝手に見てんだよ!」
「勝手に、じゃなかったらいいんだな?お前のエロ本借りるぞ」
「そういう問題じゃねぇ!」
人前で堂々とエロ話をしたり覗きをしているような奴が何を今さら恥ずかしがってんだが。
「にしても、イッセー。分かりやすいくらい巨乳物ばかりだな」
「……巨乳」
イッセーのアルバムを見ていた小猫が巨乳という言葉に反応して怖い雰囲気を出している。そこまで気にしなくていいと俺は思うが。
「ところで霧識先輩。参考までに聞きますが先輩も胸が大きい方が好きですか?」
「ん?いや、俺は巨乳よりも美乳派だ。大きくて垂れてる胸なんか見てられない」
まぁ、最終的には可愛いければ他はどうでもいいが。
「何を言ってるんだ、霧識!女性のおっぱいは豊かさの象徴!大きい方が良いに決まっている!」
「どうせ私は豊かではないですよ」
キレた小猫がイッセーにプロレス技をかける。今のはどう考えてもイッセーが悪いな。
「イタタタタッ!」
痛そうだな。首がしまっているせいで顔が青くなってきている。俺には関係ないけど。
「ハハハ、楽しそうだね」
「コラ、イケメン!笑ってないで助けろ!」
ここで木場の雰囲気が険しい物に変わった。どうやら見ていたイッセーのアルバムの写真の中に気になる内容の物があったようだ。
「ねぇ、イッセーくん。この写真に見覚えはあるかい?」
木場の真剣な感じを受けて小猫がイッセーにかけていたプロレス技をとく。そしてイッセーが木場の言った写真を見た。
「う~ん、ガキの頃すぎて覚えてないな」
俺も後ろから覗き混む。そこには幼稚園ぐらいのイッセーと女の子、後そのお父さんらしき人物が写っていた。そしてお父さんは剣を持っている。
「て言うか、イリナとトウジさん?」
俺も昔のことだから、あまり覚えてないけど前にアルバムを整理していた時に見たから間違いない。イッセーと一緒に写っている人物は俺の知り合いだ。
「知り合いなのか?」
「俺の両親の知り合いだかで昔、世話になったことがある」
両親が俺をほったらかしにするから代わりに面倒を見てくれたんだよな。
そう言えばイリナが好きな男の子がいるとか言っていたような気がするが、もしかしてイッセーのことか?
「じゃあ、この剣に見覚えは?」
「勝手に触ろうとして怒られたことはあるけど、どんな剣かまでは知らない」
「こんなことがあるんだね。思いもかけない場所で見かけるなんて……」
木場は憎悪に満ちた良い目をしている。
「これは聖剣だよ」
聖剣?トウジさんは教会関係の人間なのか?と言うことは俺の両親もか?
ある日の放課後、俺は生徒会に来ていた。今度、球技大会があるから、それの手伝いだ。
ちなみにオカルト研究部のメンバーは球技大会のために野球の練習をしている。
「ところで霧識くんは球技大会の練習をしなくていいのですか?リアスは張り切っているようですが」
会長が作業をしながら質問してきた。
「いいんですよ。今日しているのは野球の練習。部活対抗戦の種目と違いますから」
まぁ、本当はここ毎日、放課後に練習している体育会系のノリが苦手なだけだ。俺は面白いことが好きではあるが、勝ちたいとか、頑張ることに意味があるとは思えないからな。
「分かっていると思いますが部活対抗戦の種目は当日発表。リアス達、オカルト研究部のメンバーにも教えないでくださいよ」
「そんなことしませんよ。ゲームは対等な条件でやる方が面白いですから」
まぁ、悪魔である時点で対等ではないが。俺は改造人間だけど。
「いや、七瀬が知っている時点で対等じゃないだろ」
匙がどうでもいいことをツッコんできた。
「だから何だ?俺の存在が不公平だから参加するな、とでも言いたいのか?」
俺はそれでも問題ない。俺はスポーツはするよりも見る方が好きだし。飽きたら適当な場所で寝てても良い。
「別にそこまで言ってないだろ。大体、それを言うなら俺達、生徒会メンバーだって球技大会に出れないだろうが」
「だったら何が言いたいんだ?俺のことが気に入らないから絡んでいるだけにしか見えないんだが」
実際、そうなんだろうが。
「ねぇ、元ちゃん。七瀬くんのことが気に入らないんだったら勝負したら?」
「勝負?何の勝負なんだ、花戒」
「そりゃあ、球技大会なんだからスポーツに決まっているでしょ?」
俺と匙でスポーツ対決か。あ、面白いこと思い付いた。
「いいな、それ。一対一で戦うならテニスだな」
「おい、何を勝手に決めてんだよ!」
「別にいいじゃねぇか。それとも勝つ自信がないのか?」
「うるせぇ!俺がお前なんかに負けるわけないだろ!」
物凄く単純だ。本当、イッセーに似てるよな。
「じゃあ、良いよな。ルールは負けた方が勝った方の言うことを聞くってことで」
「いや……おい、待て!そんなルールは聞いてないぞ!」
「そりゃ、今言ったからな」
正直、何も利益もないのに勝つのが分かった試合をするなんてつまらない。相手を一方的に苛めるのは俺の趣味じゃない。
「会長、神聖なる学舎で賭け事は駄目ですよね?」
「別にお金を賭けてなかったら良いんじゃないですか?私もリアスと負けた方が小西屋のトッピング全部つけたうどんを奢る約束をしていますから」
何とも庶民的な賭けだな。それぐらいなら普通に買えば良いと思うが。
「と言うわけで決定だな」
「……もしお前が勝ったら何を要求するつもりなんだ?」
それを先に考える時点で負けを認めているような物だな。まぁ、他にも勝負を挑まれたことはあるけど俺が全勝してるからしょうがないか。
「秘密だ。別にえげつない命令をするわけじゃないから安心しろ」
「七瀬先輩のえげつないがどのレベルなのか分かりませんけどね」
よく言われるが俺はえげつない人間なのだろうか?そんな自覚はないが。
「そんなこと言っていいのか、仁村。これはお前にも得のあることなんだが」
「どういう意味ですか?」
「あ、この書類。先生の確認がいるな。会長、ちょっと行ってきます」
「分かりました。行ってきてください」
会長の許可を得たので立ち上がって準備する。
「仁村と花戒もついてくれ」
そして三人で職員室に向かう。
「私達も着いていく必要があるの?」
「匙に聞かれたら困る話をするからだ」
さて、せっかくのイベントだ。盛り上げないとな。
「さっきの私に得があるという話と関係あるんですか?」
「俺が勝った場合、匙にする命令は俺が指示した人とデートすることだ」
「それって、どういう意味!?」
「もしかして、私が元士朗先輩のデートできるんですか!?」
二人が俺に凄い勢いで詰め寄ってきた。女子にとって恋というのはここまでパワーを出させる物なのか。
「一旦、落ち着け」
「分かりました。……で、どういう意味ですか?」
あまり落ち着いているようには見えないがいいか。
「二人のどっちかが匙とデートできるんだよ。まぁ、俺は別に二人一緒でも良いが、それが嫌な場合はどっちにするか話し合いでも勝負でもして二人で決めてくれ」
恋愛はスポーツと並んで青春の代名詞。その二つが同時に来れば盛り上がるだろ。
「ここは先輩の私に譲って」
「先輩かどうかは関係ありません」
これが原因で二人の仲が悪くなった場合のフォローの仕方も考えないとな。
このまま某テニス漫画みたいな展開にする場合どうしよう?主人公の技はすぐに決まったけど匙が思い付かない。ヴリトラはテニスに使えないし。
もしメッセージで何か意見がきたら参考にしようと思います。
では感想待ってます。