ハイスクールD×D 日常謳歌のファントム   作:二重世界

162 / 168
あけましておめでとうございます。
新年一発目の投稿です。
今年も執筆を頑張っていきます。


教会トリオからの相談2

「で、用って何だ?」

 

ゼノヴィアを落ち着かせた後、用事があって俺を訪ねてきていたというアーシアに質問する。

イッセーと付き合う前は色々と相談に乗っていたが、付き合ってからは初めてだ。

 

ちなみにゼノヴィアは現在、夜這いに失敗して全裸で落ち込んでいる。途中で唯一履いていたパンツまで抜き出したが、何とかギリギリのところで十八禁展開にならないで助かった。……いや、充分に十八禁だった気はするけど。

まぁ、最後まではしなかったから問題ないだろう。

ていうか、早く服を着ろ。女子としての恥じらいを持て。

 

ついでに言うとイリナも全裸だ。しかも未だにゼノヴィアを警戒するように見ながら俺に抱き付いてきている。

性欲を抑えるのが辛い。間違いなく二人っきりだったら子作り部屋に直行している。

イリナは何故かゼノヴィアに対抗して俺に誘惑を開始して服を脱ぎ出したのだ。おかげで我慢するのが難しかった。あのまま暴走していたらアーシアまで巻き込んで四人プレイになっていた可能性まである。

 

「……え~と、その……」

 

アーシアが恥ずかしそうに人差し指と人差し指を合わせながら上目遣いになる。

イッセーの彼女にしておくには勿体ないほど可愛い。

 

「ジー」

 

イリナがジト目で俺を見てくる。勘が鋭くなってきているな。

別にそんなつもりはないぞ。

俺が「心配するな」と言いながら頭を撫でると、イリナは安心したのか気持ち良さそうな表情になる。

イリナをなだめているうちに覚悟が出来たのかアーシアが口を開く。

 

「……ど、どうしたらおっぱいが大きくなるでしょうか?」

 

「はい?」

 

どう反応したらいいか分かずマヌケな声が出る。

アーシアには色々と性的なアドバイスもしてきたから抵抗がなくなってきているのは分かるが、普通そういうのを男に相談するか?

 

「最初、私が相談されたんだけどね。よく分からないからダーリンに相談に来たの」

 

と、イリナが頭を撫でられながら続ける。

うん、色々と間違っているな。そういうのは俺じゃなくて胸が大きな女性に聞け。

ツッコむだけで無駄だからツッコまないけど。

 

「そうだな。悪魔なら魔力である程度、体型を変えられると思うが。……でも、何で胸を大きくしたいんだ?」

 

「……やっぱりイッセーさんはリアス部長や朱乃さんみたいなおっぱいの大きな女性の方が好きなのかと思いまして……」

 

「確かにそうかもしれないが、今さら気にすることでもないだろ。実際に付き合えているんだから。それに前にも言ったと思うが好みのタイプと付き合う女性は別物だ」

 

ちなみに俺は好みのタイプと付き合っている。皆、物凄く可愛くて俺は幸せだ。

 

「でも……」

 

俺が言っても、アーシアは納得できないようだ。

今までも気にしてはいたが、ここまでじゃなかった。何かあったのか?

そう考えていると復活してまた何か企んでいる顔をしたゼノヴィアが目に入った。……こいつが原因か。

 

「もしかして昨日、アーシアとイッセーが夜の営みをヤっている時にゼノヴィアが乱入した件と関係あるのか?」

 

「……はい」

 

アーシアが頷く。やっぱりか。

ゼノヴィアを見るが理解できていないのかキョトンと首を傾げられる。……こいつのことだから子作りに夢中になっていて何も気付かなかったんだろうな。

 

「イッセーさんの彼女は私なのにゼノヴィアさんの胸ばかり見ていたような気がして……」

 

「安心しろ。イッセーはちゃんとアーシアの胸もガン見していたぞ」

 

悩んでいるアーシアにゼノヴィアが意味の分からないフォローをする。

ていうか、イッセーってHの時でも胸ばかり見ているのか?どんだけ好きなんだよ。

何か合体しなくても胸を揉んでいるだけで満足しそうだな。

 

「それにいつも途中でやめてしまいますし」

 

「途中で?」

 

「最近、私がもっとヤりたくてもイッセーさんがげっそりした顔で『今日はもう無理だ』って言ってやめることが多いんです。そのせいで中々満足できなくて。……やっぱり私が上手にヤれていないのが駄目なのでしょうか?」

 

「…………」

 

アーシアが悲しそうな表情で言うが、俺は何とも言えない気持ちになる。

それ、アーシアが激しいせいでイッセーが耐えられないだけだろ。最初から激しいとは聞いていたが、更に性欲が増してきているのか。恐ろしい話だ。

とはいえ、彼女を不満にさせていい理由にはならない。これはイッセーが全面的に悪いな。イッセーは自分の限界を越えてでもアーシアを満足させるべきだ。

 

「OK。後で性欲が増す薬をやる。グリゴリが開発した特別製だ。これでアーシアも満足できるだろう」

 

「……それって大丈夫なんですか?」

 

「強力過ぎて理性が飛ぶらしいが、それだけだ。他に副作用はない。……多分」

 

「多分なんですか!?」

 

珍しくアーシアが大声でツッコむ。

いや、大丈夫だと思うぞ。前に使った奴を見たことあるけど干からびて死にそうになっていた程度だ。イッセーもHで死ねるなら満足だろう。

俺は絶対に使わないけど。

 

「論点がずれているよ、ダーリン。アーシアさんが気にしているのは、どうやったらよりイッセーくんを気持ちよく出来るか、ってことだよ?」

 

イリナが注意するような口調で言ってくる。

それは分かっている。……でも、そこは問題じゃないんだ。イッセーを気持ちよくさせてもアーシアが満足することはない。

問題はイッセーの体力不足なのだから。

 

「そんなこと聞かれても分かるわけないだろ。イッセーの性癖なんて女性の大きな胸が好きだということぐらいしか知らないんだぞ」

 

「だったら私に良い案がある」

 

急にゼノヴィアがそんなことを言い出した。

良い顔してるな。絶対、録なことじゃない。特に俺にとって。

ここは無視だ、と言いたいところだがどうせ無駄だろう。……一応、聞くだけ聞くか。

 

「何だ?」

 

「霧識がアーシアとヤってみてどこが駄目かを教えればあげれば良いんだ」

 

「はぁー……」

 

もう溜め息しか出ない。

予想の斜め上の答えではあるが、それが予想通りな感じだ。一々、ツッコむのも面倒臭い。

 

「な、な、な、何言っているんですか!?私がイッセーさん以外の男性とそういうことをするだなんて、その……」

 

耳まで真っ赤にするアーシア。

男に夜の相談をするような奴が純情な反応をされても困るんだが。

 

「そんなの浮気じゃない!浮気は駄目よ!」

 

アーシアと同じように顔を真っ赤にしながらイリナが否定する。

本当はこんな言いたくないけど彼女がいる男に告白した女の台詞じゃないな。……まぁ、悪いのは俺なんだけど。

それに俺はその時、すでに三人の彼女がいたから色々と感覚が麻痺していたのかもしれない。

 

「何度も言うようだが今さら気にすることでもないだろ」

 

「仮にダーリンはよくてもアーシアさんは駄目でしょ!イッセーくんが悲しむわよ!」

 

あれ、何だろう?イッセーが悲しむって聞いた瞬間、アーシアを寝取るのも面白いかもって思ってしまった。

いや、しないけどな。アーシアの方から言ってこない限りは。

 

「別に浮気ではないぞ。霧識はよく授業をするだろ。これはその実技だ」

 

ゼノヴィア、しつこいな。流れに乗って参加する気なのだろう。

 

「それはさすがに無理があると思うけど……」

 

「何が無理だ!どこが駄目かを把握するのには実際にヤってみるのが一番手っ取り早い。それともイリナはアーシアが悩んだままで良いと言うのか?」

 

「……う~ん、ダーリンが他の女性を抱くのは嫌だけど、アーシアさんのためを考えると。……いや、やっぱり……」

 

「イリナはミカエル様のAだろ。天使には自分を犠牲にしてでも他者を助ける自己犠牲の精神が必要じゃないのか?それともイリナは自分が幸せだったらそれでいいのか?」

 

「そうよね……。アーシアさんのためだもん!」

 

何かゼノヴィアの言葉に納得したようなイリナ。

言いくるめられるなよ。

本当の意味の犠牲者はイッセーだぞ。うん、だったら問題ないな。

 

「でも、ダーリンが本気になったら困るから私も授業に参加させてもらうね」

 

イリナがギュッと抱き締める力を強めながら言う。

待て。何で俺が授業をする前提で話が進んでいるんだ?了承していないぞ。

 

「で、アーシアはどうするんだ?」

 

「……やっぱりイッセーさん以外とは、その……」

 

「アーシアが上手になればイッセーも喜ぶと思うぞ」

 

「そ、そうでしょうか……?」

 

……アーシアまでその気になりそうになっていないのか?

アーシアまで賛成してきたらさすがに断れ切れないんだが。

 

「ああ、当然だ。それにアーシアの欲求不満も霧識が解決してくれるはずだ」

 

ゼノヴィアがそう言うと、アーシアが本格的に悩み出す。

アーシアは純粋だから騙されているだけだ。冷静になって考えろ。

 

「おい、ゼノヴィア。俺とイッセーでは性癖が違うんだから教えてもイッセーが満足するとは限らないぞ」

 

「それでも技術が向上して困ることはないだろ。霧識は特別なことじゃなくて基本的なことを教えればいいんだ」

 

理屈は間違っていない。でもゼノヴィアの目的が間違っている。

……まぁ、アーシアのことを思っているのも本音だろうが。

 

「イッセーにバレたらややこしいことになるぞ」

 

「バレなければいいんだ。問題はバレなければ問題ではない。霧識はそういうのが得意だろ?」

 

確かにその考え方は正しい。俺もその考えでテロをやっているわけだし。実際、バレたことはない。

 

う~ん、どうしたものか?これ以上、何を言っても無駄な気がしてきた。

最後の希望を持ってアーシアの方を見ると考えがまとまったみたいだ。

 

「……イッセーさんには黙っていてくださいね?」

 

どうやらもう逃げられないようだ。

まぁ、アーシアもイリナも納得しているみたいだし少しぐらいならいいか。




アーシアとヤるかは最後まで迷った結果、ヤらないに決定したはずなのに気付いたら何故かヤっていました。自分でも不思議で仕方ないです。
ちなみにゼノヴィアとはそれなりのことはヤりましたが最後まではしていません。
そのうちこの話の続きも番外編で書こうと思います。

では感想待ってます。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。