ハイスクールD×D 日常謳歌のファントム   作:二重世界

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女体化2

アンが発射した光線を食らうと俺の体に異変が起きる。今までに感じたことのないような奇妙な感覚だ。

とりあえず小猫から手を離して距離を取った次の瞬間には体から奇妙な感覚は消えていた。……物凄く違和感はあるけど。

俺は自分の体を見る。手がいつもより細くて肌が綺麗だ。

そして胸部にそこそこ大きな膨らみがある。

とりあえず揉んでみる。非常に整った形をしており美乳と呼べるだろう。

最後に股に手を当ててみる。……男にとって大事なものがなくなっている。

どうやら本当に性転換してしまったみたいだ。

少し前にショタ化したばかりなのに、今度は女体化か。俺の人生、どうなっているんだ?

このままだと次に何が起きるか分からない。

 

「……予定と違う上に、何か綺麗すぎてイラッとしますね」

 

アンが俺を睨みながら不機嫌そうにしている。

お前のせいでこんなことになっているのに酷い言い草だな。

 

「イッ!」

 

急に胸部に痛みが感じたので見てみると小猫が親の仇でも見るような目で俺を胸を思いっきり掴んでいた。

小猫の怪力でやられると洒落にならないレベルで痛いんだが。

 

「……え~と、いきなり何を?」

 

「……いえ、何か先輩の胸部を見ていると妙にイラッとしまして」

 

そんなことでイラッとされても困るのだが。俺に責任はないぞ。悪いのは全部アンだ。

ていうか、俺の女の姿は人をイラッとさせるのか。だったら早く戻った方が良いな。

このままだと誰も得しない。

 

「アン、早く俺を男に戻してくれ」

 

「面白そうなんでもうちょっと様子を見てからでいいですか?」

 

「駄目だ」

 

否定したけど、アンに俺を元に戻すつもりはないようだ。

その証拠にデジカメで撮影の準備をしている。この野郎、俺の弱みを握って脅すつもりか。

こうなったら先に小猫を落ち着かせてから、アンのデジカメを破壊するしかない。

こんなところまでショタ化の時と一緒かよ。

 

「とりあえず落ち着け、小猫。俺の胸のサイズはレイヴェルよりも小さいぞ」

 

「それでも私よりは大きいです」

 

そりゃ、当たり前だろ。小猫よりも胸が小さい女性なんていないぞ。

そう考えた瞬間に小猫の胸を掴む力が強くなった。相変わらず勘の鋭い奴だな。

 

とりあえずいつも通りキスでもして大人しくさせるか?

――っ!?俺はとんでもないことに気付いてしまった!

今の俺の体は女、つまりこの状況で小猫に絡めば綺麗な女性(まだ自分の顔を見ていないけど俺のことだから綺麗だろう。それにさっきアンが綺麗だと言っていたし)と可愛い女の子の百合シーンになるじゃないか!

このシーンはアンが撮影しているから後で買収しよう。俺に対する嫌がらせが目的だったアザゼルと違って交渉の余地はあるはずだ。

俺は小猫を抱き締めるとそのまま激しくディープキスをした。

 

 

 

 

 

「女同士の絡みなんて全く興味ないですけど、それでも今のは非常に凄かったです!」

 

小猫を落ち着かせることに成功して休憩(小猫はすぐに落ち着いたのだが興奮してヤりすぎたせいで疲れた)しているとアンが感想を言ってきた。

アンでこの反応なら期待できるな。後で俺も見よう。

ちなみに現在、全員が全裸だ。途中、テンションが上がったのかアンまで服を脱いだ。絡みには参加してこなかったが。

……思ったよりも胸が大きいな。着痩せするタイプだったのか。

それにやっぱり綺麗な体をしている。そのうちヤってもいいかもな。

 

「……ところで小猫。そろそろ離れてもらっていいか?」

 

気持ち良さそうに俺の胸にうずくまっている小猫に言う。

後、胸を揉んでいる手付きがイヤらしいんだが。また変な気持ちになってくるからやめろ。

 

「いやです。最初はムカついていましたけど、先輩の胸だからかこうしてると落ち着きます」

 

そう言われると困るな。無理矢理、引き離すことが出来ない。

とりあえず俺は抱き締めながら優しく頭を撫でる。

何かこうしていると姉妹のふれあいみたいだな。もちろん全裸であることを除けば、だが。

 

「何か今、私の大事なアイデンティティーが奪われた気がしたにゃ!」

 

黒歌が叫びながら勢いよく扉を開けて部屋に入ってきた。

しまった!鍵をかけるのを忘れていた!

でも扉自体は閉まっていたし声は外に漏れてないはずだ。もし誰かに聞かれていたら泣くぞ。

 

「ん……、私の大事な妹に全裸でイヤらしいことをお前は誰にゃ!?」

 

今の状況を怪訝な表情で確認した後、困惑しながらもビシッと俺を指を指してきた。

どうやら俺だと気付いていないみたいだ。まぁ、性別が変わっているから気付くはずないか。

後、イヤらしいことをしているのは俺じゃなくて小猫だ。まぁ、最初にしたのは俺だけだ。

 

「……私が誰か?そんなのは決まっている。小猫の新しい姉よ!」

 

口調を変えて悪ノリする俺。

何となく言ってみたけど、この口調、気持ち悪いな。今後は絶対に言わないことにしよう。

俺が心にそう決めていると、小猫が不機嫌そうな表情で俺の頬を引っ張ってきた。

 

「イテテッ」

 

「……姉じゃなくて恋人です」

 

確かにそうだな。今のは俺が悪かった。

ただ今の小猫の声は小さくて聞こえなかったらしく黒歌が更に文句を言ってきた。

 

「お前みたいなどこの馬の骨とも分からない奴に小猫はやらないにゃ!小猫の姉は私一人にゃ!」

 

「だったらどっちが小猫に相応しいか勝負してみる?」

 

性格の悪そうな顔をして更に黒歌を煽る。

とりあえず口調は男でも女でも問題ないものにする。

小猫は黒歌に興味ないのか、また俺の胸にうずくまり出した。

 

「……勝負?何をするにゃ?」

 

「そんなものは決まっている。小猫をより満足させられた方が勝ち」

 

「分かったにゃ!」

 

そう言うと黒歌は着物を脱ぎ捨てて全裸になった。

俺は満足させられた方が勝ち、って言っただけなのに何で一瞬の迷いもなく脱ぐんだよ。

もっと他にも方法はあるだろ。

絶対、自分が小猫とエロいことをヤりたいだけだな。まぁ、俺的には歓迎するけど。

 

「……七瀬さん、この訳の分からないノリは何ですか?」

 

アンが面白くなさそうな表情で会話に割り込んできた。

俺の名前を呼ぶなよ。ネタバレにはまだ早い。

もうちょっと黒歌を弄って楽しみたかったのに。

 

「……七瀬?」

 

俺の名前を聞いた黒歌が不思議そうに首を傾げる。

どうやらまだ真実には気付いてないようだ。まぁ、性転換したなんて発想にすぐ辿り着く方がおかしいか。

 

「私の予定では女性を男性にして七瀬さんを中心としたホモ空間を作るつもりだったのにこの状況は何ですか!女性四人が全裸って真逆の百合空間じゃないですか!」

 

いや、そんなことで怒られても知らなねぇよ。

さっきまでお前も興奮してじゃねぇか。

大体、百合空間が嫌なら自分に性転換光線銃を当てて男になれ。

 

「……あ、分かったにゃ!」

 

やっと思考が今の状況に追い付いたのか黒歌が豊満な胸を揺らしながら手をポンッと叩いた。

 

「お前は霧識の従妹か何かにゃ」

 

どうやら黒歌はまだ思考が追い付いていなかったみたいだ。

いや、それが普通の反応なのか?

ていうか、俺に従妹がいるのか分からない。修学旅行が終わった後に花蓮にそこら辺のことを聞いてみたけど完璧には把握できていないらしい。

ただ物凄く複雑なのは確かだった。

後、俺の家系では近親相姦とか珍しくないようだ。どんな家系だ!

 

「違う。本人だ」

 

「……へ?」

 

俺の言葉を聞いた黒歌がマヌケな顔をしたので、アンに続きを説明するように目線で促す。

するとアンは性転換光線銃を取り出して黒歌に見せた。

 

「黒歌さん、これを使ったんです」

 

「それは何にゃ?ていうか、アン、来ていたのかにゃ」

 

お前、今までアンの存在に気付いてなかったのかよ。

さっきアンが俺の名前を呼んだ時に反応してたじゃねぇか。

 

「これは性転換光線銃と言って性別を変えることが出来る道具です。これを使って七瀬さんを女にしました」

 

「ほぉ、そんにゃものが……。グリゴリの発明品かにゃ?」

 

黒歌が新しいオモチャを見付けた子供みたいに目をキラキラさせる。

小猫と同じようなリアクションだが、その意味は違うだろう。

 

「そうです。これはグリゴリの発明品で私が盗みました」

 

「で、これが女になった霧識……。確かに言われてみれば面影があるにゃ」

 

アンの返事を聞くと黒歌は次に俺を舐め回すように見てきた。目付きがエロい。

 

「アン、それ、私に撃ってもらっていいかにゃ?」

 

「もちろんです!」

 

黒歌の提案にアンは嬉しそうにしながら乗って、光線銃を黒歌に向けるが俺は発射する前にロケットパンチで盗む。

女になっても改造人間としての機能は使えるみたいだ。

 

「ちょっと何するんですか!?」

 

「後でアンの望みを聞いてやるから少し待て」

 

ルフェイなら男になっても可愛いだろうから問題なく抱けるはずだ。

レイヴェルとイリナはイケメンになりそうだ。正直に言ってイケメンは微妙なんだが、そこは見てから考えよう。

 

「……いきなり乗り気みたいですが、どうしたんですか?」

 

アンが不審げな表情をして聞いてきた。

まぁ、ずっと断っていた俺が急に乗り気になれば疑うのは当たり前だな。

 

「男と女の体では感じ方が違って面白いので色々と試してみたい」

 

今まで触ったり聞いたりしたことはあるけど、実際に女の体になったことはないからな。

自分で経験して初めて分かることもある。

俺は百合が大好きだけど、まさか百合を体験することになるとは思わなかった。これはこれで興味深い。

 

「だったら黒歌さんを男にしてブッ込んでもらえばいいじゃないですか。やっぱり一番気持ち良いのは本番でしょう。私は経験がないので分かりませんけど」

 

「さすがにそれは男として大事なものをなくしそうだから断る。体は女になっても、心まで女になるつもりはない」

 

「だったら男に戻ってブッ込んでもらいますか?」

 

「それ、ただのお前の願望だろ……」

 

大体、仮にホモプレイをするとしても俺は攻め専門だ。

……女に攻められるのアリだけど。

 

「ところで黒歌。今からもう一戦ヤるつもりなんだけど参加するか?」

 

これ以上、アンの相手をするのは疲れるので無視して黒歌を誘う。

すると黒歌はすぐに「当然、参加するにゃ!」と言いながらハイテンションでベッドに飛び込んできた。

レズ版姉妹丼とか有り得ないほど興奮する。

そういや寝るのを忘れていたけど、まぁ、いいか。




そういえば短編に入ってから主人公が受け身の展開が続いているな、と思った瞬間に今回の展開を思い付きました。
まぁ、主人公が本格的に暴走するのはここからなんですが十八禁になるのでカットです。

次回は時間が飛んでクリスマス、原作18巻にあたる内容です。
八重垣の事件はなく平和に話は進みます。多分。

では感想待ってます。

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