転生生活で大事なこと…なんだそれは?   作:綺羅 夢居

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30話目 考察、今後。

 

 フェイトや和也達と別れてから数日、俺はどうして元の世界に帰ることができなかったのか、ずっと考えていた。

 

 まず一つ目として思いついたのが、場所の問題だ。俺が願ったのは時の庭園で、今いるこの地球とは別の次元世界に存在する。そこでジュエルシードを発動させてしまったことで、元の世界…その前にいた次元世界である、ここへと転移したという可能性だ。

 

 二つ目は俺の願いをジュエルシードが叶えるにはキャパシティが足りなかったという可能性だ。

 純粋に元の世界に帰るための能力がジュエルシードにはなかったという考察である。

 例えば海を渡るのに船を使う。宇宙に行くのにスペースシャトルを使う。次元世界を渡るのに次元航行船を使う。

 なら、リリカルなのはという世界から俺の元いた世界に帰るには?

 ジュエルシードはその手段足り得なかったと考えだ。

 

 三つ目は俺が元の世界に帰ることを実は望んでいなかったという可能性である。心の底ではこの世界に残りたいと思っていて、それをジュエルシードが叶えた場合だ。

 もう、一年もこの世界で暮らしている。そう考えるとこの可能性は捨て切れなかった。

 

 そして四つ目が俺はこの世界から出ることが出来ないという可能性だ。

 もともと、俺と和也はこの世界に送られてきた存在だ。つまり俺達を送った奴が俺達が元の世界へ帰ることを望まないので、この世界に縛り付けているという考え方である。

 

 大まかにこの四つの可能性を俺は思いついた。他にも幾つか可能性としては考えられたが、俺としてはこの四つが可能性として高いと考えた。

 俺の勝手な推測のため、どれが正しいかはわからない。どれも正しく思えてしまう。

 

 特に最悪なのは四つ目の場合だろう。俺は俺達をここに送った奴をどうにかしないと元の世界に帰ることが出来ないということになる。

 

 四つ目の場合、ソイツに振り回されることも考えなければいけない。ソイツは俺達の上にいるのだ。もしかしたらソイツの気分次第で殺される可能性もあれば、元の世界に帰れる可能性もある。しかし、あまり考えたくない可能性だ。

 

 これらの可能性を踏まえた上で俺は一旦、元の世界に帰ることを諦めるか否かの判断を保留することにした。というのもこの先に待つとある出来事が起こってから考えることにしたのだ。

 

 それは以前、和也と話したことであるが、GOD、つまりはゲーム内の出来事だ。

 リリカルなのはのゲーム二作目では未来からヴィヴィオとアインハルトが来る。もし、起こったらの話しではあるが、二人に接触して俺が未来でどうなっているのかを知りたいと思っている。

 もし二人が俺のことを知らなければ、俺は元の世界に帰っている可能性もあるということになり、知っていればまだ帰ることができていないということになる。

 それを知ってから判断しようと俺は考えた。

 

 最近は俺の生活も変わってきている。前は放課後、魔法の練習であったり、士郎さん達に剣を習ったりしていたが、最近では様々な分野の勉強が加わった。

 これは和也と色々話し合って考えさせられたからだ。

 和也はもしかしたら俺達が急に元の世界に帰ることになったり、ノーパソやデバイスなどが使えなくなる事態などを考えて、様々なことを勉強しているらしい。

 例えば技術関係、いきなり元の世界に帰ることになったとき、元の世界にこの世界の技術などを持ち帰るために勉強していると言っていた。

 他には魔法技術、デバイスが使えなくなったときのために、デバイスに頼らない魔法行使や一般のデバイスを使った訓練などをしているらしい。

 

 何故そこまでするのかと和也に聞いてみると、アイツはこう返してくれた。

 

『例えばさ、元の世界に帰ったとして、何も身につけずに戻ったら勿体なくないか? 

 俺は執務官をやって犯罪者とか捕まえたり、下に指示を出すこともある。その経験もいいけど、どうせなら形がわかる成果の方がわかりやすいし、他人にも喜ばれるだろ? それにもう一度、人生を過ごすんだ。できるだけ濃密な時間にしたい』

 

 この言葉に俺は感心し、和也を尊敬した。それと同時に憧れを抱いた。

 これからこの世界で過ごしていって、元の世界にいたときと同じように過ごしてしまっては意味がない。

 元の世界に戻ったとき、こういう技術を身につけたと胸を張って言えるぐらいがいいのだろう。

 現に和也はデバイスマイスターやシステム関連の資格を持っている。本人曰わく、あと最低でも機械技術やエネルギー技術関連は確実に身につけておきたいらしい。

 それに影響されて、俺も様々な分野の勉強をするようになった。忍から主に機械技術についてや、経営などマネジメントについてを学んでいる。これが意外と楽しく、和也から色々な資料やアドバイスを貰ったりしながら、様々な技能を身につけるために頑張っている。

 

 そんな俺が今、何をしているかというと……。

 

「拓斗くん、ホントにシテもいいの…?」

 

「いいよ、さくらのシタいようにして」

 

 俺は今、さくらと一緒にいた。俺はカートリッジを使って大人モードになり、ベッドに腰掛け、さくらを膝に乗せて、彼女の腰を抱く。さくらはさくらで俺の首に両手を回し、俺を見つめてくる。心なしかさくらの瞳が潤んでいるように見える。

 お互いの息づかいを感じられるほど、俺達の距離は近い。

 

「じゃあ、拓斗くん…」

 

 さくらが俺の耳元で囁く。その艶やかな声と彼女から漂う甘い香りに、頭がクラクラしてくる。

 

「ん、カプッ」

 

 さくらが耳を甘噛みしてくる。彼女の息やその行為がくすぐったいが、それを我慢して彼女のシタいようにさせる。

 だが、俺もただ黙っているわけではない。

 彼女の腰に回した左手を彼女のへそのあたりへと持っていき、彼女のお腹を服の上から撫でる。

 

「ひゃん」

 

 さくらは俺の行動に小さな悲鳴を上げるが抵抗しようとしない。

 寧ろ行為はエスカレートしていき、彼女は俺の首筋を舐めてきた。俺はそれに反応して声を上げてしまう。

 

「く、ぁ」

 

「ふふっ、気持ちいい?」

 

 さくらは俺の反応を見て楽しそうに笑う。その表情は妖艶で見た者全てを虜にしてしまいそうな、そんな魔性の微笑みだ。

 

「っ、早くシテくれ」

 

「だ〜め、まだ我慢して」

 

 さくらはそう言うと、俺の鎖骨に軽く口づけを交わし、舌で舐める。

 

「拓斗くんの味がする…」

 

 そう言うとさくらは鎖骨からもう一度首筋に戻り、今度は首筋を甘噛みしてきた。

 

「ぅ、ぁ」

 

 たまらず声を上げる。それに気を良くしたのかさくらは首筋に吸い付いてきた。

 

「ん、チュッ」

 

 首筋が吸われる感覚に俺の頭が真っ白になる。あまりに彼女の行為が気持ちよくて、ヤバい。

 

 そして彼女はゆっくりと…

 

 俺の首筋に歯を立てた。

 

 

 

 

 

 私は口の中に広がる甘美な味に一瞬で魅了される。

 

 ——美味しい、甘い

 

 まるで極上のワインを飲んでいるかのような風味にもっと欲しいと強く吸いつく。

 これほどの血液は今まで飲んだことがない。先輩から血を貰っていたときも、友達から少し血液を貰ったときでもだ。

 

 夢中で拓斗くんの首筋から流れる血液を舐める。これはヤバい。一度飲んでしまえば、他のものなんてしばらく目に入らないぐらいに美味しい。

 

 ——拓斗くんっ、拓斗くんっ

 

 心の中で何度も彼の名前を呼びながら、彼の血を吸う。

 彼の何かに耐えるような表情が嗜虐心を誘い、もっとイジメてみようと、彼の首筋を舐めたり、身体を彼に密着させる。

 

 彼の血をこれほどまでに美味しく感じるのは何故だろうか? 魔法使いだから? いや、違う。どうしようもないくらいに私が拓斗くんのことを好きだからだ。

 

 初めて会って、名前を呼んで貰ったときから、ホント自分でもわからないくらいに惹かれていた。子供の姿ということで色々思うところはあったけど、たまに会える日をいつも楽しみにしていた。いや、拓斗くんに会うために頑張って仕事を終わらせて、月村の家に来ていた。

 だから、忍から拓斗くんが元の世界に帰ろうとしていると聞いたときはショックを受け、失敗したと聞いたときは内心喜んだ。もちろん、その姿を拓斗くんに見せたりはしない。

 

 そして今日、私はそのジュエルシードの事件のことについて聞くために、ここに訪れた。できれば管理局がいるうちに来ておきたかったけど、それは仕方ない。私にとって重要なのは拓斗くんに会えること、それだけだ。

 

 今日、拓斗くんは魔法を使って元の姿に戻っていて、私はこれをチャンスだと思った。

 拓斗くんが元の世界よりもこの世界に魅力を感じてくれれば、元の世界に帰ることはない。

 そして、私は女で彼は男だ。一番簡単な手段、それは快楽で縛り付けることだ。

 私は初めてではあるが、昔に比べて成長したのでスタイルにはそこそこ自信がある。私は好きな人に抱いて貰い、拓斗くんは気持ちよくなれる。そして、責任を取って貰えば、拓斗くんは元の世界に帰ろうと思わない筈、一石三鳥の作戦だった。

 

 拓斗くんに身体を密着させながら、首筋に舌を這わせる。自覚できるくらいに自分が興奮しているのがわかる。拓斗くんの血液がまるで媚薬のように私を疼かせていく。

 

 ——シテ欲しい、もう耐えられない。

 

 私はそう思いながら拓斗くんの首筋にまた歯を立てる。

 

 

 

 

 

「っ!」

 

 歯を立てられた痛みに少し驚くがそれもすぐに別の感覚に支配される。それは快楽だ。

 

 首筋に感じるさくらの口内や時折首筋を舐める舌の感触がヤバいくらいに感じる。

 

「んっ、あ」

 

「ん、ん」

 

 さくらは俺の首筋から流れる血液を嚥下していく。俺もやられっぱなしは嫌なので、抵抗を試みた。

 

 さくらのお腹を撫でていた左手で彼女の服をたくしあげて、先ほどは服の上から撫でていたお腹を今度は直に撫でる。

 

「ん〜〜っ!!」

 

 さくらが声を上げるが、首筋から唇は離れない。

 今度は空いた右手で彼女のスカートを少し捲りながら太ももを撫でる。さくらはブラウスにスカート姿のため、端から見るとさぞかし扇情的に見えることだろう。

 

「ぁん」

 

 これにはさくらも驚いたのか少し喘いで、俺の首筋から唇を離す。

 

「ぁ……」

 

 太ももを撫でていた右手を止め、左手も離す。さくらは名残惜しげな表情を浮かべるが、直ぐに自分を支えるものがなくなったことに気づき、慌てて俺に抱きつく。

 

 ポフっという音とともに俺はベッドに倒れ込んだ。さくらは俺の首筋を一舐めすると、俺に馬乗りになり見つめてくる。

 

 俺はその体勢が嫌なのでさくらの首筋に両手を回すと彼女を抱きしめ一回転して、今度は俺が彼女の上に乗る。もう、我慢の限界だった。

 

「あっ……」

 

 俺は自分の唇をさくらの唇に重ねようとする。さくらも目を閉じて受け入れようとしてくれる。そんなときだった。

 

「なっ!!」

 

「えっ!?」

 

 俺の身体な縮み、子供サイズへと戻る。俺が声を上げたためかさくらも驚いて、閉じた目を開いた。

 

 ——クソッ、マジかよ

 

 せっかくこれからというときに魔法が解けてしまったことに悪態をつく。恐らくさくらが血を吸ったことでそっちに魔力が持っていかれ、効果時間が短くなってしまったのだろう。

 

 魔法が解け、子供の姿に戻ったことで今までの興奮が冷め、急速に萎えてくる。

 

「どうだった? ハジメテの体験は?」

 

「無茶苦茶気持ちよかったよ」

 

 さくらの質問にそう返す。今日はさくらが血を求めてきたのでちょっと飲ませるだけのつもりであった。月村邸で過ごしているが、俺は今まで忍やすずかに血を吸わせたことはなく、血液を渡したこともない。そのため、さくらがハジメテであった。

 

「ハァ、しかし残念だ」

 

「続きは今度だね」

 

 さくらも少し残念そうな表情を見せていた。

 

「悪いな、その気にさせたのに」

 

「ううん、ただ、次は覚悟しておいてね」

 

 さくらは俺の耳元でそう囁いた。その艶っぽい声に次の機会が楽しみになる。

 

「じゃあ、ありがとう。拓斗くんの血、本当に美味しかったよ。もうやみつきになるくらい」

 

 さくらはそう言って最後に俺の首筋を舐めると部屋から出ていく。

 さくらが出ていったのを確認して、俺はベッドに大の字になって寝転がる。

 

「マジ寸止めとか、ないわ〜」

 

 流石に子供の身体でする気はなかったので止めてしまったがその気であったためにかなり不満だったりする。

 

 ——つうか、アレはマジヤバいわ

 

 途中からどころか、さくらが膝の上に乗ってきた瞬間からその気になった。それ程までにさくらは魅力的だったが、まだ我慢できていた。血を吸われるまでは……。

 その前のさくらの責めのときもヤバかったが、血を吸われるために歯を立てられたとき、冗談抜きで抑えられなくなっていた。

 

「ふぅ〜。とりあえず何か食事でも貰おう」

 

 俺はさくらに吸われて失った血液を補充するために、台所へと歩いていった。

 

 

 

 

 

「んふふ〜」

 

「どうしたのよ、さくら? 機嫌が良いわね」

 

「ん〜ちょっとね」

 

「そのちょっとが気になるわよ」

 

 忍の質問にちょっとはぐらかすように答える。そんな私に忍はちょっと不満気な表情だ。

 

「実はね、拓斗くんに抱かれようと思ったんだけど」

 

「ちょ、ちょっと、待ちなさいさくらっ!」

 

 私の言葉に忍は戸惑った声をあげる。

 

「な〜に忍?」

 

「な〜に、じゃないわよ。さくら、なに考えてんの?」

 

「あっ、大人状態だから安心して」

 

「そう、それなら納得…ってするわけないでしょ!! どうしたらそんな発想が出てくるのよっ、というか実行したのっ?」

 

 忍はまくしたてるように声を張り上げながら、私に問い詰める。

 

「ほら、拓斗くんをこの世界に残らせるにはどうしたらいいかなって思って、やっぱり男なら快楽かなって」

 

「それで実行したのね?」

 

「ええ、最初は血が欲しいな〜って言って飲ませて貰ったんだけど、美味しかったな〜。でも、いざこれからっていうときに拓斗くんの魔法が解けちゃって、結局シテないのよ」

 

 本当に今日は残念だった。あと少しのところでお預けをくらってしまい、拓斗くんも不満そうだったが私はそれ以上に不満だった。

 

「それは、良かったわ」

 

「それでね、忍〜」

 

 私は両手を忍の腰に回して抱きしめ、身体を密着させる。

 

「な、なに?」

 

「中途半端に終わっちゃったせいで、疼いて仕方がないの」

 

 私はそう言って忍の手を取ると自分のスカートの中に潜り込ませ、ショーツに触れさせる。そこは先ほどの拓斗くんとの行為でずぶ濡れであった。

 

「一人でするのは寂しいから、忍も手伝って?」

 

「拓斗くんに頼めば良かったじゃない?」

 

 忍は呆れたような顔で私を見る。

 

「そんなことしたらはしたない女だと思われちゃうじゃない」

 

 私は忍にそう言うと彼女を連れて、彼女の部屋に入る。それ程ここにいられる時間もないため、手短に済ませなければならない。

 

「ちょ、さくら〜」

 

「大丈夫よ、忍。私もたっぷりシテあげるから」

 

 そうして私達は絡みあう。途中、ノエルが加わり、忍ととも私を激しく責めたててくれた。おかげでかなり気持ちよくなれたが、やはり少し不満は残る。次は絶対、拓斗くんにシテ貰おう。

 

 


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