俺、男の娘から脱却したいです。   作:yosshy3304

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再び三人称です。


共演、テイルレッドとテイルツイン!?前編

あの騒動から数日後。ちなみに三人の和解は至極あっさりとしたもので終わった。要はそういう考えもあると考える事で一応の納得を見せたのだ。

 

総二が新たに全属性力を犠牲にした全能力強化形態シャイニングチェインを発現させたことで、その補佐能力を持たせる為ギルディギアもまた改良を加えられた。

 

麗路の無限の男の娘属性をそれぞれ他の属性力に変化させ、分け与えるという能力が付加させられた。

 

この能力により、シャイニングチェインを使い、パワーダウンしたとしても、属性力の過多で能力を補う事が出来るようになったのである。

 

「明日からゴールデンウィークよね?何か予定ある?」

「明日からヒーローショーの巡業だね。」

「俺は麗路の手伝いだな。」

 

数日前に連休があり、二日だけとはいえ授業を終えて帰り道の会話。愛香から明日からの大型連休の予定を聞かれる二人だったが、すかさず予定がある麗路が答えた。

 

ついに五人揃って、ヘアードレッサー!!ファイブテイルと堂々と名乗れるようになり、それにも増して人気を博して来た為にヒーローショーの依頼が入ってくるようになった。

 

ファイブテイルに変身するとは言っても、顔が丸出しで、着ぐるみでは激しすぎる殺陣に着いて行けない。

 

全員が全員アクション女優を目指せるだけの動きを見せるファイブテイルを、動き辛く、視界の悪い着ぐるみでやると、見栄えしないのだ。

 

その為本人達に直接依頼が来てしまった。

 

依頼が来たからと言って、はいそうですかとは出来ない。撮影がまだ残っているし、何より主役五人が未成年。しかもその内三人は10歳にもなっていないとなると、確実に保護者となる者の同伴は必須であったのだ。

 

その辺りは、監督やスタッフが身内であり、未成年の三人にしても昔から知っている者達ばかりで、親達も安心して預けられる。

 

だからこそ、問題は学業に影響しない休みの日であり、撮影にも影響しない範囲と言う事で、大型連休の初日と二日目に、しかも近隣のデパートや遊園地で、人気を考慮してそれだけの人数を入れる事が出来る場所となったのだ。

 

だがスタッフの数が足りず、それこそエレメリアンやアルティロイドすら総動員しての大仕事となってしまった。

 

総二にも声が掛けられ、アルバイト扱いでの参加となったのだった。

 

「なら、私も見に行ってもいい?」

「うん、人手は多い方が良いしね。」

 

すかさず総二に恋心を抱いている愛香が確認を取り、それを知っている麗路に即答で許可を貰っていた。

 

「はいはーい、私も行きまーす。」

「…あんたはまたぞろ何を考えているのよ?」

「失敬な、愛香さん。もしエレメリアンが出たら如何するんですか?サポートする必要があるでしょう?」

「んで、本音は?」

「九歳児のコスプレ、そんな最高の場面を逃すのは…って誘導尋問?何時の間にそんな高等テクニックを「勝手に自爆しただけでしょうがぁっ!!」ギィヤァァァァァァ…!!」

 

そんな愛香を見てトゥアールも行くと手を上げる。そんなトゥアールを見て愛香が何かしでかすのではと考えるのは自然な事で、愛香の追及に本音をポロリとしてしまい、何時もの過激なじゃれ合いへとなってしまったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてヒーローショー当日。場所はとある流れる温水プールも完備されている遊園地。温水プールもあると言うが、今日は整備点検の為の休みであり、そのプールに足場を作り板を引いて、更にプールサイドで足を滑らせない様全体に滑り止めを引いて、広いヒーローショーを見学できる場所を作り上げてしまった。

 

今其処は人々で埋まり、熱狂の渦の中心であった。

 

「風に靡く二つ結い。ツインテールは最強の証!!テイルツイン!!」

「空に映るは一つ結い。ポニーテイルは至高の証!!テイルポニー!!」

「水に流れる自然髪。ストレートは常勝の証!!テイルストレート!!」

「地と対峙するは内巻髪。ショートは無敵の証!!テイルショート!!」

「重力に逆らう御団子髪。シニヨンは不敗の証!!テイルシニヨン!!」

 

テイルツインを中心に、左右にテイルポニーとテイルストレートが並び、更にその外側にテイルショートとテイルシニヨンが並び立つ。

 

其々が名乗りを上げ、ポーズを決める。子供たちからの応援の声が増し、後ろの方でも見えるカメラのレンズが増した。

 

『ヘアードレッサー!!ファイブテイル』

 

全員で掛け声を合わせ、直後爆発音の音が入った。

 

「来たかっ!!ヘアードレッサーっ!!」

「覚悟しろ、今日は二人だぞ。」

 

今日の怪人役は、何気に子供の人気を集めた二人。カタツムリの怪人スネイルギルディとミミズの怪人ワームギルディであり、特にワームギルディ事清水君はその外見とは裏腹にスカートを穿いている事から女子人気が高い。

 

決められたセリフと共に勇み良く突撃してくるが、文字通りに数の暴力で撃退され、舞台裏へと一端退避していく。

 

本当ならここで、ファイブテイルがあっけないみたいな事を言って、もしグルノイアが出たのなら私達を呼んでと会場にお願いし退場。

 

すかさず怪人達が戻ってきて、会場内の子供たちを適当に拉致。舞台に上げて進行と言う流れであったのだが、邪魔が入った。

 

「何だっ!!此処はっ!!プールでは無いではないかっ!!折角温水プールだと聞いて、季節外れのスク水少女を堪能出来ると踏んだのにっ!!」

 

そう声を荒げる大柄な虎の様な怪人。最初はそれもヒーローショーの一環だと思っていた人々でも、舞台を腹いせに力尽くで壊す場面を見せられれば、それがヒーローショー等と違うと判断されても仕方が無かった。

 

それがエレメリアンであり、無差別に人々を襲ってきた怪物だと知ればパニックを起こす。人の流れは無茶苦茶な図を描き、ぶつかりこけて怪我をする者も出て来る。

 

「大変っ!!」

「誘導するわよっ!!」

 

テイルツイン役朝霧 真奈美とテイルストレート役限無 紅音(げんな あかね)の声でエレメリアンに慣れている五人が飛び出した。スタッフも大わらわで飛び出し、避難誘導に尽力している。

 

「ええい、スク水少女が居ないのならば、貴様等の属性力を奪っていくまでよっ!!」

 

だがそんな様子が気に入らないライガーギルディが魔の手を伸ばす。

 

「「待てぇい!!」」

「来たかツインテイルズっ!!」

 

あわやというタイミングで裏で変身した総二と愛香の二人が間に合った。ちなみにエレメリアン達は非難が一段落するまでは外に出てこれない。もし間違って襲ってきた怪物だと判断されれば、更なるパニックを引き起こすかもしれないからだ。

 

「前へ、今は前へと進んでくださーいっ!!」

 

ツインテイルズという、このショーのモデルとなったヒーローの登場に、怪物が居るのも忘れて足を止めてしまう人々。

 

テイルツインの言葉に我に返り、再び進みだす。顔は惜しいと言った表情ではあるのだが、それでも命の方が大事なのは変わりないようだ。

 

「確かに貴様等のツインテールは見事よっ!!…だが貴様等ではこの俺に勝てんっ!!何故だか判るか?」

「知らないわよっ!!」

「はっはぁー、答えはスクール水着では無いからだっ!!未成熟な裸体を包むスクール水着。思春期の男の子の性の捌け口。ふわりと揺れるツインテールに恋した者共も居ようっ!!」

「だからどうしたのよっ!!そんな幻想、私達がぶっ壊してあげるわっ!!」

 

後ろではライガーギルディの何とも言えない問答に、テイルブルーが叫ぶように答えている。だがテイルブルーの回答が気に入らなかったのか、ライガーギルディが顔を顰めた。

 

「惜しい、実に惜しいぞテイルブルー!!」

「何が惜しいと言うのよ。」

「我はライガーギルディ。スクール水着を着た少女に恋する者よ!…そして貴様ほどスクール水着が似合う未発達な胸を持つ者も居ないだろうと言うに…」

 

今ブチっと言う音がテイルブルーから発せられた。胸の事を言われ切れたようである。隣でテイルレッドがしがみ付いて止めようとしているが、それを振りほどき、大ジャンプ。

 

ライガーギルディに蹴りを叩きこむべく飛び込んでいったのだった。




この話は此処で一端切ります。次はいつも通りに麗路視点に戻り、後篇を書きたいと思います。

後、この話が終わったら一応最初から決めていたヒロインを出す準備に入ろうかと。
ヒロインはドМ生徒会長ではありません。あの人?ですよ、あの人?です。

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