それいけ?!キタカミさん!   作:ブドウ糖

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以外と早く書けたので投下します。



「キタカミさまが鎮守府に着任しました。これより艦隊の指揮をとります」
魚雷1本目「事実は小説より奇なりって言うけど、これはおかし過ぎるよねー」


「どこだよここー…」

 

 あぁ、どうしてこんな事になったのだろうか。ほんの10分前には神社で初詣のお参りをしていたというのに。突風に吹かれて階段から落ちて痛みで意識を失ったと思ったら、気付けばそこは見知らぬ砂浜。正面には何もない綺麗な海が広がり、背後には堤防、ちょっと離れた場所には朽ちたレンガの建物と、傾いて座礁した大きな船が見える。

 というか、自分の口から出た声が知っているものより数段高い。もしかしてと思い海を覗き込めば、透き通った海面で見え辛いが今の自分の顔が写っている。長い黒髪を後ろで三つ編みにし、前髪は眼の上で切り揃え、ヘアゴムでおさげをした女の子。そう、女の子、である。ちょっと奇抜なクリーム色と抹茶色の改造制服モドキを着て、ヘソ出しルックの。これってどう見ても…

 

「北上だよねー…」

 

 第二次世界大戦時に活躍した軍艦を擬人化させた、美少女ブラウザゲームを原作にした〈艦隊これくしょん〉シリーズに登場するキャラクター、〈北上〉。その彼女が今の自分。

 

「ほんと…どうしてこうなった……」

 

 いや、おそらくは階段から落ちた事が原因なのだろうが。夢かとも思ったが、耳に届く波の音、潮の香りや太陽の日差しがここは現実だと、夢ではないのだと伝えてくる。

 

「とりあえず、いろいろやってみるかー」

 

 うじうじしてても仕方ないし、と自分に言い聞かせて北上の装備を思い出してみる。今の格好から自分は〈北上改二〉なのだろう。が、身に付けてはいないし周りにもそれらしき物は見当たらない。

 

「どうすんだろ…念じればイイのかな?」

 

 でろー、でろー…と念じるもただ時間が過ぎるだけ。声に出してみてもただ虚しいだけ……。

 

「じゃあ…変身っ!!」 \シュバッ/

 

 シーン…変化無し、と。

 

「それなら…、マジーン・ゴーッ!!」\シュババッ/

 

 おおっと…冷たい風が…。

 まぁネタはこれくらいにして、キチンと装備の事を考える。

 艦隊これくしょん、略して艦これのキャラである艦娘の攻撃方法には諸説あり、基本は挿し絵でキャラが装備している、それぞれ元にした軍艦の艤装をデフォルメしたもので攻撃すると思われる。だが、これが二次創作になると軍艦を召喚して戦ったりするのだ。しかも体の装備自体も、脅威の科学力で創られた武器を普通の少女が装備して戦う場合と、軍艦の魂が具現化して少女の姿となって装備を出し入れしながら戦う場合がある。

 自分の場合は何も召喚出来ない事から後付けパターンだと思われるのだが…。

 

「出ないからって決め付けるのもねー。とりあえず保留でいっか」

 

 さて、他にする事……ねぇ?\チラッ/。

 

「さっきからずっと気になってたんだけど、あの建物と船は何なんだろうね?」

 

 人が住んでる感じはしないし、船は結構錆びてるし……。まぁとにかく―

 

「行ってみるかー」

 

 何かしらの情報が得られれば良いのだが……。

 

 

 

 

 

「これは…元鎮守府って事かな?」

 

 5分ほど歩いた先にあったボロボロの建物。主にレンガで造られている様だが、所々崩れている。折れた門の脇には板が立て掛けてあり、[長崎鎮守府・伊桜島支部]と書いてある。

 

「んー?史実でもゲームでもそんなのはなかったけどなー。これが現実との差異ってヤツなのかねー」

 

 佐世保にはあっても長崎にはなかったハズなのだが。まぁ、長崎にはあの戦艦[武蔵]を建造した事でも有名な大きな造船所があるし……。深海悽艦と戦うには重要な施設だろうから、鎮守府を建てたのだろう。人の気配は無いから大丈夫だろうけど……。

 

「中に入ってみますか…」

 

 人以外が出そうだけども……。




前回より長くはなったけど、出てくるキャラが一人なので盛り上がりに欠けますね…。
次からは、じわじわ増やす感じです。

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